読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
49

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
黒澤
新着
火に関するホラー短編がメイン。それに加えて、インタビューや単行本未収録だった「有毒ガス」が収録されている。全体を通して、筆者の火に対する執着や尊敬の念が感じられる。類似した作品が多いように見えて細かなところで違いがあり、面白く読めた。特に好きだったのは、消防士とその娘の異能バトルもの「火のマグダ」、火を征服したかに見えた家族が火に魅入られていく「火事場」、幻想的な筆致で花火師の生涯を描く「花火師」の三作品。
0255文字
dubonnet
新着
昔ガソリンの匂いが好きという人がいた。引火し黒煙をあげ燃え滾るエネルギーを想像させるケミカルなそれを馨香と呼ぶべきか、これを読みながら鼻腔を擽る魅惑的な炎に魅せられ狂気に苛まれた人々を思った。火が精霊や物径となり罪なき健全たる人間達を恐怖に陥れる話が多い中「火事場」の土地の持つ因習と家族が惹かれる火そのものが持つ恍惚とした暖かな色、生活の為の元素が抗い難い蠱惑的な要素となりやがて自身を蝕んでゆくという点が面白いと思った。巻末には作家のインタビューが挿入されており彼の幻想文学をもっと読んでみたいと思った。
0255文字
氷見
新着
火は余りに日常的な魔魅である。夜は星に従って燃え盛り、昼は黒衣を纏って息をひそめる。炎上と鎮火の繰り返し。火の中ではすべてのものがその輪郭と形とを失い、それぞれの見分けがつかないように、魂と肉は散り散りに引き裂かれ相剋する。深紅の舌群に肉を舐められるのを愉しみ、肉に受ける灼熱の烙印を心ひそかに希う者。つつましい拝火の使途。恐怖とは隠された熱情の反作用。焦げ爛れた瓦礫の彼方にゆらゆらと遠ざかる魂は人に還らず救いのない闇に帰る。火の中で眼を開けているのは死ではなかったか。光彩の血液を滴らせ、火葬に付されている
0255文字
ふゆきち
新着
まず目を引くのは装丁。今まで手に取った中でもトップクラスの格好良さです。ぜひ実物を見ていただきたい。内容は火をテーマに沿えた短篇集。後半は小道具に比重を置きすぎた感じがしたため、前半、例えば『赤いマグダ』や『火事場』が好きでした。エッセイとインタビューも併設しています。結構攻撃的。
0255文字
fukafkacraft
新着
グラビンスキー三冊目。今回も謎の事象に取り憑かれた狂人たちが暴走する傑作短編集。火をモチーフとし、怪奇と幻想と狂気と耽美と頽廃のベールを纏いつつも、今回はエンタメ性が強いので解りやすい。精神疾患、性的倒錯といった100年前の時代性も感じるが、決して他の作家からは得られない知的な幻想性と奇妙で理不尽な怪異を読む恍惚感が中毒になる。もちろん四冊目の『不気味な物語』も併読中。第三者が感想を語ったり映画化してはいけない神聖さがある。
0255文字
いちろく
新着
紹介していただいた本。火にまつわる9篇の幻想譚。人の精神的な変化だけでなく、精霊という幻想的な要素も深く関わる話もあり、独特な世界観に繋がっている印象。訳者のおかげもあるのか作品自体は読みやすく、例えるなら20世紀前半を舞台にした海外版世にも奇妙な物語を読んでいる様な感覚があった。当時のポーランドの世相や流行等の背景に詳しければ、より楽しめたと思われる内容でもある点は、悔しい部分もある。読了後に表紙を見返すと感慨深くなるのも特徴の一つかと。
0255文字
huchang
新着
カバーをかけて通勤で読んでいたので、読み終わってから外すと改めて装丁が素晴らしいことに気づく。火と様々な欲動というか欲望というかが結びついた短編が多く、とても読みやすい。エッセイとインタビューを読むと、同時代の作家にとっても厳しい。大丈夫かなぁと思うくらい。人となりを知ることができ、確かにその時代に生きていた人なのだなぁと身近に感じることができた。特にこの人の創作の方法というのは、興味深かった。
0255文字
askmt
新着
自らの妄想的世界に有無を言わせず引き摺り込むエネルギーというか熱量の膨大さを感じるな。それだけでも買いである。
0255文字
TSUBASA
新着
本能的に人の情熱を沸き立たせ、時として狂気へと誘う火。そんな火をテーマにしたポーランドの恐怖小説作家による9つの幻想怪奇短編集。火というモチーフが気持ちを盛り立てるためか非常に面白かった。特によかったのは家を建てれば必ず火事になる土地に家を建て、厳重に火の気を除くも次第に火への恐れを失くした家族が悲劇を招く『火事場』、火事場でしか欲情できなくなった化学者の結婚の結末『炎の結婚式』。どうも作者がだいぶ偏屈なようで、自評としては本作はイマイチなようなので、別作品も手に取ってみたい。
0255文字
氷沼
新着
「火」をテーマにした短編集、以前読んだ『動きの悪魔』に続く二冊目。 ファンタジー性の薄い怪奇小説。硬質な文体がそう思わせるのかもしれない...。エッセイを含めとても楽しめた一冊となった。
0255文字
法水
新着
ポーランドのポーなどとも呼ばれるステファン・グラビンスキさんが1922年に発表した短篇集『火の書』のうち8篇と単行本未収録の「有毒ガス」、更にエッセイ2篇とインタビュー3つを収録。タイトル通り、各短篇は火をテーマにしており、モンスター小説風あり、ファンタジーあり、オカルトあり。中では炎を見たときだけ性欲を覚える男が主人公の「炎の結婚式」がよかったな。
0255文字
blue_blue
新着
この凝ったカッチョイイ表紙にはちゃんと理由があったのか!と、読み終えた人だけがニマニマしましょう。オリジナルよりもこちらの装幀が断然素敵。全篇火をテーマにした一人アンソロジーみたいな作品集。火の抱く圧倒的な力を前にしたときの、半ば恍惚めいた畏怖の念や、まばゆい閃光の陰の深い闇とか、自分はそこまで火に魅入られているわけじゃないものの、なんとなく思い当たる部分もあったり。火って意思があるかのような予想外の動きをするから、そこに超自然的なものを空目してしまうというのは昔からあるんだろうな。
0255文字
まどの一哉
新着
エンターテイメント的なわかりやすさもありながら、作者は神秘的なものを信じているので、そこは本気度というものが窺える。そのせいか幻想文学としての味わいがあってここちがよい。やはり作者が安全圏にいて単に趣味的に書いているのでは迫真性が足りず、こちらも付き合おうという気にはならないものだ。 その点が実はこの短編種は微妙なところもあって、作者の内奥からやむなく出てきたというよりはやや作為が感じられるものもある。これは巻末のインタビューやエッセイでも触れられている天下のポーと比べてのことだが…。
まどの一哉

それとも耽美性の度合いによるのかもしれない。たとえば聖なるものの顕現をテーマとしたエリアーデの迫真性と比べると、大衆的に仕上がっている感じだ。比べてばかりでなんですけど…。

11/05 12:41
0255文字
gibbelin
新着
面白かった!「火の書」だけあって、主人公が消防士の話が二つある。
0255文字
toridori
新着
呪われたような装丁に惹かれて、手に取った1冊。一度は図書館で借りたものの、欲しくてたまらなくて、けっきょく買った1冊。ポーランドのエドガー・アラン・ポー、あるいはポーランドのラヴクラフトと呼ばれている作家。怪奇幻想作品集、と帯に書いてありますが、血も凍る恐怖、というよりも、どこか懐かしい、あたたかみのある恐怖です。(長文レビュー https://shimirubon.jp/reviews/1690613
toridori

「赤いマグダ」は、ジプシーだった亡き妻の忘形見の娘マグダが、不思議な現象を起こすお話。消防士長が火事と戦うお話でありながら、科学が幻想と戦うような趣もあります。「火事場」は、そこに家を建てると、必ず火事になる、という迷信と戦う男のお話。「花火師」は、名人級の技術を持った花火師が、恋をし、失恋し、結婚し、死別し、その人生を賭けたような、不思議な花火を発明し、打ち上げるお話。

08/29 02:54
0255文字
nightowl
新着
「狂気の巡礼」より得体の知れなさは薄め。分かり易いプロットでも読ませる底力がある。特に、曰くつきの場所に家を建て結果怪異に遭う「火事場」はホラー定番の展開過ぎて妙に笑える。マープル出演版ドラマ「終りなき夜に生れつく」が上記部分だけ似ている序盤からミステリへ展開していく様を比べると面白い。また、火テーマということで「赤いマグダ」「四大精霊の復讐」は消防士が主人公だけれど、何か恨みでもあるのかちょっと可哀想。著者インタビューは如何にも偏屈な幻想ホラー作家でイメージ通り。
0255文字
warimachi
新着
本人も「これまでに私が出した短篇集のうち最新の『火の書』は、芸術的観点から見て最も貧弱で、よくできたとは言えない」(p.251「告白」より)と述べているが、他2冊と比較して圧倒的に読みやすく楽しみやすい。が、物足りない。またインタビューで自分の作品で最も円熟した作品は何かと問われると、真っ先に『狂気の巡礼』収録の「チェラヴァの問題」と「領域」と答えているが、これは読んだこちらとしても全くの同感であった。
warimachi

そういえばラヴクラフトも自身が気に入っていたという作品が特に面白いのだった、「異次元の色彩」「エーリッヒ・ツァンの音楽」……

05/02 14:28
0255文字
たろさ
新着
ネタバレ[図書館本]名前と地名に少しばかり苦労したものの、火にまつわる幻想譚を堪能。エッセイは『動きの悪魔』『狂気の巡礼』の後に読んだ方がわかりやすかったと思うが最後のインタビューとともになかなか興味深かった。百年ほど前に書かれたとは思えないほど読みやすく、「赤いマグダ」の炎を美しく表現した訳者さんに感謝したい。Twitter装填賞1位の表紙は「煉獄の魂の博物館」の展示物のイメージだろうか。
たろさ

ネタバレしてないのにネタバレ付いてる。

04/17 01:01
0255文字
Ra
新着
ネタバレ火にまつわる短編集。炎に魅せられ狂ってゆく登場人物達。火を崇拝し、狂気な最後を遂げる精神病院。火事の中でしか女性を愛せない美しき好青年。序盤は入り込めなかったが、徐々に異常な世界にどっぷりはまっていく。
0255文字
mejiro
新着
「白いメガネザル」「四大精霊の復讐」「火事場」「ゲブルたち」が特におもしろかった。テーマがユニーク。火の恐ろしさと魔力が伝わってくる幻想小説。昔話のような趣きがある。エッセイとインタビューも興味深かった。装丁が凝ってて、とても素敵。
0255文字
naka ☆ naka
新着
怖いの怖くないのって、表紙絵が一番怖い。文章は怖くないのだ。オカルトと呼ぶほど呪われてない。幻想と言うほど奇想天外ではない。全編に渡る主モチーフの火はあるが、それを鋭く描写した冒険記でもない。じゃあなんなんだ、と言われたら、とある古い村の、それは古い教会で、語り継がれる口伝だろうか。例えば、その村には嫁入りすると必ずその家が火事になり主ばかり焼死する「呪われた女」と、その悪魔払いをした「司祭」がいたのだ。「精霊」も「白い猿」も潜んでいたのだ。作家は不思議なホラーに演出したのだ。飲み過ぎの妄想かもしれない。
naka ☆ naka

《inspiration創作話》それは奇妙な生き物だった。始めは、ひ弱な青白いチビに見える。それから神経質に震える、赤い瞳の少年になる。おびえたように痙攣と、しゃっくりを続ける病人に。ガミガミ雷を落とす、うすら禿の親父に。ヒステリーでキンキン声を荒げる、ヒステリー母さんになる。まばたきする。風が吹く。火の海になる。炎の龍がやって来る。炎の津波に飲み込まれる。ライターの手から力が抜ける。ほどなく記憶は煙になるだろう。

03/21 18:43
0255文字
圓子
新着
特徴的で目をひき、しかしこれはいったい?な装丁には意味があった。この手の仕掛けは大好きだ。いいぞ、もっとやれ!2018年の私には、とてもクラシカルで正統派の幻想・ホラー小説集にみえる。それを裏打しているのは、キリスト教信仰かなと感じる。ポーランド旅行で感じた「生きた信仰」を思い出す。あと、すごく面白いと思ったのは、この手の作品モチーフによく出てくる精神や心理の取扱いかた。どうも、フロイトとかあのあたりの影響が大きいように感じた。時代的にも地域的にもこの読みはハズレていないんじゃないかなあ。
圓子

文学と生活はつながっているなあ。後半に収録されたエッセイとインタビューも興味深い。作家の手の内を読むのはぜいたくなことだ。書く人(書ける人)はやっぱりすごく能動的に本を読むのだな。

03/17 10:28
圓子

また別件:翻訳者について。20年ほど前の『ライロニア物語』では助手っぽい位置にいたひとは、ポーランドものになくてはならない人になったのかな。勝手に(しかもほぼ思い込みで)胸が熱い。

03/17 10:29
0255文字
クプクプ
新着
火がテーマの短編集。「白いメガネザル」と「四大精霊の復讐」が面白かったです。自然がテーマの幻想的な恐怖小説。私はヨーロッパへ行ったことがありませんが、想像力だけで十分、楽しめました。芝田文乃(あやの)さんの翻訳も見事で意外に読みやすかったです。自然界の規則性をフィクションで描くのがうまいという点で、日本人で近い作家は川上弘美さんや北杜夫だと思いました。
0255文字
charuko
新着
初グラビンスキ。火をモチーフとし、火に魅入られたひと、火と闘うひと、火を扱うひとなどが体験する不思議な冒険譚を描いた短編集。幻想的でありながらビジュアル的な要素が強いエンタメでもあり、読みやすい。人間が良くも悪くも魅入られる火の魔力そのものが主人公のよう。その神秘的な美しさや残酷さは、人間や世界の写し鏡でもあるのか。
0255文字
em
新着
火に憑かれ、狂ってゆく人たち。19世紀末生まれということで、世紀末好きにはたまらないキーワードやイメージが溢れかえる短篇集。火に格別怪しいものを感じたことがなくとも、こう立て続けに見せられると、感覚がぐらぐらと揺らいでくる。気づけば猛然と読みふけっている。そしてこのあと意図せず開いた澁澤のエッセイ、冒頭がサラマンドラでした。紋章学におけるサラマンドラの火は、人間の情熱、情欲の炎を意味する。錬金術において火は、四大元素の循環を促し、運命の輪をまわす根本作用である、とのこと。本書の後に知ると、さらに意味深。
toridori

おお、意味深〜〜!

01/21 16:54
em

ですよね!次の本…と開いたらいきなり出てきて、私も憑かれたかと思いました。 「十四、十五世紀の建築には、中世美術の末期をはっきり特徴づける火のシンボルがきわめて多く、この時代の様式にゴシック・フランヴォワイヤン (火焔)という名をあたえているほどだ」という引用もありました。再生や循環をうながすシンボルが、中世美術の「末期」に使われた、というのも興味を惹かれました。

01/21 17:15
0255文字
スターライト
新着
9つの短篇とエッセイ、インタビューを収録。短篇はタイトル通り「火」をめぐる作品が続き、わりとエンタメ色が濃くユーモラスでさえある。消防士の娘が火事の原因なんて泥棒の息子を持った警官のようなもの。まあ娘のマグダも気の毒なのだが。後半はエロスとオカルトの雰囲気がただよい、自分的にはこちらのほうが好み。作者の評価は低いようだが、心霊現象を検証する学者の物語「煉獄の魂の博物館」は、かなり好き。吹雪で道に迷った農家での出来事「有毒ガス」は、エログロが強烈だが忘れがたい。ぜひ第4弾も出してほしい。
0255文字
qoop
新着
前半はB級ホラー風、後半はオカルティックな幻想小説と趣は異なるが、どれも火にまつわる怪事を扱った短編集に、短編一本とエッセイ二本、インタビュー三本をまとめた本書。個人的な白眉は〈ゲブルたち〉。超越的な世界を描出しつついい意味での土臭さを感じさせる作風を、最も強く味わった。同様に原書に足された短編〈有毒ガス〉も、古い民話のエッセンスをリフレッシュさせたようで鮮烈。自身を自国における非ロマン主義的幻想小説のパイオニアだとしているが(p245)、魅力的な土臭さはむしろロマン主義的だよな…と思ってしまう。
0255文字
wassermusik
新着
火の凄まじいエネルギーと凶暴さを語る者は、火の眩い生命の輝きと魅惑を語る。火を扱う職業、火を押さえ込もうとして火に魅せられる者、宗教的な熱情に燃え立たせられる者、火が性欲の誘因となり恋人に引火してしまう悲劇、毒のせいか本来の願望が導いたのか、死へ誘う欲望の激しさが引き起こす物語が残した鎮火後のおぞましさは奥底に眠っていた暗闇を露わにする。巻末エッセイで、辛い人生の神秘と恐怖に魅せられ驚嘆と不安がモチーフだと述べる。作品執筆の過程も語り興味深い。1922年刊の8作+1作+エッセイ2作+インタビュー3作。
wassermusik

面白かった作品:『四大精霊の復讐』最後の不気味さ。『火事場』ミイラ取りがミイラに。度し難い情熱はとことんまで行く。『花火師』不滅を求めるとこうなるのか、美しいイメージ。『煉獄の博物館』焦げ跡が残す不気味な一致。『有毒ガス』東欧的奇怪な幻想が熱く重苦しい悪夢を引き出し、秘められたおぞましくも美しい自分の性癖を教えてくれて、一番好きだった。こんな趣味が自分にもあると思えば怖いな。外面的には普通の人でも夜は激しく燃え盛るのかもしれない。

12/10 18:44
0255文字
winder
新着
初めて読んだステファン・グラビンスキ。ポーは読んだことないしラブクラフトも短篇集一冊くらいしか読んでないので、ポーランドの・・・と言われてもピンとこないけど、巻末のエッセイ、インタヴューを読むと、さもありなん。という気にさせられる。この本より前に刊行された「動きの悪魔」「狂気の巡礼」も、いつか読みたい。
0255文字
mosatiger
新着
火と狂気の物語9篇+エッセイ他。大火事でも火傷ひとつ負わず“耐火人”と呼ばれる消防本部長と、火の中に潜む邪悪な生き物との知略を尽くした戦い(「四大精霊の復讐」)/建てる家がことごとく焼け落ちるといういわくつきの土地にあえて別荘を建てた男。迷信を笑い一家は<火災荘>へ越してくるが、徹底して火を排除する極端な暮らしが真逆へ変化するのにさほど時間はかからず…(「火事場」)など。登場人物たちの行き過ぎな感じに所々笑ってしまう。他の方も書いている通り素晴らしい装丁。手に取るだけでワクワクする(『火の書』1922)
0255文字
toridori
新着
書店で装丁に惚れて手に取るも、お高くてとりあえず図書館本。9つの短編とエッセイとインタビュー。火に関する短編ばかりを集めている。最初の「赤いマグダ」からこの作家さん好きだー!!状態に突入し、最後の「有毒ガス」もエロティックで印象的なんだけど、個人的には「火事場」の躁的狂気が楽しすぎた!「花火師」は、情念が昇華されまくるラストシーンを、短歌か俳句みたいに派手だと思った。カバーデザインも呪われた感じでとても良い。買いたいな。手元に欲しい。お金貯めよう…。(後日購入しました♡)
toridori

そうそう、さすがデュークさん。ポーランドのポー(分かりにくいですね笑 エドガーアラン・ポー)とも呼ばれているらしいです。新刊から読めたので、古い本に遡っていきたいです。

11/22 22:34
toridori

図書館本だからカバーがなかったのかと思った、もともとないんだ⁉︎…文句ではありませんシンプル装丁もステキ♡

11/26 02:40
4件のコメントを全て見る
0255文字
rinakko
新着
こちらも頗るよかった。堪能したわ。うおん。人が火に狂う。火の神秘に傾倒していくその感覚、魅入られた人たちのその姿は凄く異様なはずなのに、捕り込まれ読み進むうち、なるほど火とはそういうものかもしれない…と得心してしまいそうになる己の足元の覚束なさよ。とりわけ好きだったのは「火事場」や「花火師」、「ゲブルたち」「炎の結婚式」「有毒ガス」。エッセイを読めたのも嬉しい。
0255文字
kino
新着
ポーランドの幻想作家、グラビンスキの邦訳三冊目。この作家は出版社(国書刊行会)に愛されていて、毎回装丁がめちゃくちゃ格好いいのですが、今回も例に漏れず。ぜひ本屋さんで手にとっていただきたい。質感が最高です。 内容は変わらずのホラーテイストですが、個人的には前作『狂気の巡礼』の方が完成度が高いような。短編集ですが、「火事場」が一番好みです。 特筆すべきは、巻末にグラビンスキのエッセイとインタビューが収録されていることで、『動きの悪魔』の中の某短編が書かれた経緯が珍しくて面白かった。 しかし美しい装丁。
0255文字
あーしぇ
新着
読了。四大精霊の一つ「火」をテーマにした怪奇幻想小説九篇にエッセイとインタビュウを収録。火に魅せられ、火に魅入られた人びとの狂いゆく姿を堪能。「炎の結婚式」「有毒ガス」「煉獄の魂の博物館」が好み(趣味がばれる)。エッセイ「私の仕事場から」もグラビンスキの創作の筋道、頭の中が見えて面白い。訳者あとがきにあるように漫画やアニメにしたら映える作品も多そうだが、インタビュウから判断すると、グラビンスキが生きていたらきっと色々文句言いそうだな(笑)。装幀もカッコいい(カバーがないので倉庫での改装は大変かもしらん)。
0255文字
春の夕
新着
読了
0255文字
ちり
新着
以前の本よりエンタメ度が高くて、これはこれで楽しい。タイトルと装丁がかっこいいのも◎(電車のなかで読んでいると周りの人に怖がられそう)。
0255文字
かわうそ
新着
火をテーマにして一人でアンソロジーを編んでみたような短編集。エンタテイメント性の高い作品が多く、火がある種の性質を備えたモンスターのように描かれているところが面白かった。お気に入りは「赤いマグダ」「火事場」「有毒ガス」あたり。
0255文字
白米
新着
火にまつわる短編集。どれも狂気に満ち満ちていて◎「花火師」の幻想的な感じが好き。何より、装丁が素晴らしい。この手形はヘレンのものか。
0255文字
HANA
新着
「火」をテーマにした恐怖小説集。火は現実でも精神の中でもこの世ならぬ場所でも燃え盛っている。冒頭のファム・ファタル「赤いマグダ」で直接的な描写が多いのかと思ったが、意外と狂気に関する作品が多いのも特徴。特に「火事場」とか、因縁ある場所に引っ越してきた家族という内容から、そういう方向に行くのか。と楽しく読めました。あと著者自身による作品の完成までを追ったエッセイとか、次作の評価。インタビューとこちらも内容が豊か。後、ある作品を読み終えて、初めて表紙に込められた意味に気付きました。なんというセンスのある表紙。
0255文字
全49件中 1-40 件を表示
火の書評価100感想・レビュー49