読書メーター KADOKAWA Group

「南京事件」を調査せよ (文春文庫 し 64-1)

感想・レビュー
123

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
kinkin
新着
本書にも書かれていたが、あったことを何故それほどまでに否定する人やメディアがいるのだろう、30万人もそんなにたくさんの人は虐殺されていない、事件そのものがなかった。そういう意見は一定数いるのだろう。当時兵隊として南京に行った人々の手帳や証言を調べるとあったことは確かだと思う。虐殺は虐殺であり、人数の問題でもなく、東京大空襲や原爆が虐殺は、間違いない。戦争というのは、それ自体が虐殺の塊だと思う。この事件のことを知っている人は加害者も被害者もそのことを思い出すのも辛い生涯だったと思った。調査報道、大切だ
0255文字
みなもと
新着
冒頭、虐殺資料館にある山積み死体の絵。「人柱は丈余になってはくずれ…」p.178…その意味が明らかになった時、戦慄を覚えた。正直、「南京事件」は中国が大袈裟に言っているんだと認識していた。が、本書の圧倒的な証拠群にはどうしようもない現実を突きつけられる。折しも安倍政権による集団安保の議論が活発になっていた時期で、言論統制とも言えるきな臭い情勢のさなか。一部の人には明らかに都合が悪いこの報道は、世に出るまでさぞ苦労したことだろう。一次資料を丹念に集め詳らかにする調査報道。その凄味を余すところなく伝えている。
みなもと

兵達が遺した資料からは、兵糧が欠乏する様子と、便衣兵への恐怖と憎しみが窺える。大量の中国人捕虜を前にして、それらがないまぜになった結果この事件に繋がったのか。歴史は繰り返すという。またもし同じ状況に陥ったら日本は(あるいは中国は)どうするのだろうか。最近も日本人学校の生徒が襲われたりして不穏な状況になっているし、台湾のこともあるし、不安でならない。

09/21 15:58
0255文字
buccoroli
新着
いまだになかったことにしたいエセ愛国者がいることに改めて怒りを覚えた。この著者の調査報道は信頼できるので、今回も丁寧に取材されていて、抑えたトーンながら当時何が起こったのか、知ることができた。
0255文字
ツーラン
新着
ネタバレ1937年12月16日あたりに何があったのか明らかにしていく本。当時の兵隊さんたちの日記などで明らかにしていく。福島の農民だった人が南京へ行って捕虜を殺していく様子が日記で描写されていきます。予想外に多い捕虜に苦慮する日本軍。別の人の日記での機関銃で捕虜を殺害して逃げまどって人柱になっていく描写とか辛いです。事件否定派は人数やら記述間違いやら一点を指摘してそこを突破してくる。など旅順虐殺については全く知らなかったので初めて知りました。後半は南京事件とはあまり関係感じになって退屈なところもありました。
0255文字
智哉
新着
一点突破のなんと視野の狭いこと。自衛発砲説もまったく説得力がない。凄惨な証拠写真や兵士の日記に目を背けているとしか思えない。南京虐殺の教育を受けた中国人と、爆買いに訪れる中国人が結び付かない。
0255文字
いのふみ
新着
南京事件を否定する人は、こういた本の微細な誤りを指摘し、「だからなかった」に飛躍し、「一点突破」しようとする。現地で「見なかった」、だから「なかった」とすり替える元兵士もいる。留学先の日本でさまざまな差別・偏見を経たあとに「『中国人だから○○』や『日本人だから○○』ではなく、『その人』個人として見なければならない」と言う、著者の中国での通訳兼コーディネーターの女性の発言に、逆に教えられる思いだった。
0255文字
ゆうじ
新着
文庫本P267「どれ程に長い時間が過ぎ去って、加害者側からはもはや消し去りたい歴史であっても、被害者たちは決して忘れることはない。戦争とは、つまりそういうことなのである。」→何故、故安倍晋三氏を含む歴史修正主義者が現時点でも大きな顔で跋扈しているのか。とてもとても大きな疑問です。
0255文字
nnpusnsn1945
新着
筆者は日テレの記者であり、調査報道で山田支隊の南京事件(幕府山において機関銃で捕虜を処した。)を描いている。輸送船、万年筆、元になった日記など・・・。裏取りはかなり徹底している。番組放送後は筆者の家族の歴史を辿った。祖父が日清・日露戦争に参戦。父親は鉄道連隊に入営し、シベリア抑留を経験した。つまり戦争による加害者の孫にして被害者の息子であることが発覚したのである。(なお、日清戦争時の旅順でも南京事件と類似した騒動が発生し、当時海外メディアでとりあげられた。)南京事件関係の初学者向けとしても読みやすい。
nnpusnsn1945

歩兵第65連隊は福島県の郷土連隊だが、私も母方が福島県にルーツがあるので思い入れがある。同連隊は私も一号作戦の論文に取り上げたが、陸軍の中堅参謀にして作戦立案者の服部卓四郎大佐が連隊長として赴任している。本書に南京事件関係の本が引用された藤原彰先生も別部隊で作戦に参加したが、『餓死した英霊たち』にも65連隊は登場している。

08/17 14:00
nnpusnsn1945

たしか『鉄路の果てに』が筆者の戦争関係本らしい。樺太ではないがシベリア抑留関係らしい。訂正します。

08/17 14:09
5件のコメントを全て見る
0255文字
ちくわん
新着
ネタバレ2017年12月に文庫化。2015年10月4日に放送されたNNNドキュメント「南京事件 兵士たちの遺言」の取材を通して。ホームページは、いつの間にか差し替えできるので、この点は注意が必要。PDFとかの問題ではなく。日本、朝鮮半島、中国は近い、としみじみ感じる。
0255文字
inu
新着
現地に足を運び、当時の日記を読み裏付けを取り、当事者の話を聞き、その日その場で何があったのか再構成していく。調査報道とはなんぞやということを見せてくれる、ジャーナリストらしい南京事件の探究。
0255文字
hiraliam
新着
南京大虐殺があったか以上のものを問いかけるとおもう。生き方とか。 そして今の政府が使う言葉が、戦時中と同じようなもので、その意図が透けてくるね、
0255文字
うさぎや
新着
清水氏の調査報道、まさか戦時中にまで及ぶとは……と驚きつつ。都合の悪いことはなかったことにしたい、そういった人間はどこにでもいるのだということがこれでもかというくらい伝わってくる。
0255文字
ノllロ
新着
「調査報道」の手法で事実に迫るプロセスがスリリング。様々な事件に触れ、「人命軽視の近代史」「戦争被害の近代史」として読める。日清戦争時に「旅順虐殺」があったと「される」(1894・明治27)。日中戦争時に「通州事件」「南京事件」(1937・昭和12)。「重慶爆撃」(1938〜)。太平洋戦争時の「ビハール号事件」「対馬丸事件」(1944・昭和19)。末期の「特攻作戦」。「ソ連対日参戦」と「シベリア抑留」。ベトナム戦争時の「ソンミ村事件」(1968)等。加害者側は口をつぐみ、被害者側は慰霊碑・資料館をつくる。
0255文字
yatta_i
新着
一次資料から丹念に調べて裏付けをとり記事にするというジャーナリストとして当たり前のことがいかに大事であるかとよく分かる本書 南京事件に関しては必ず賛否が分かれるので内容に関して言及はしないが、「なし」ではなく(程度は分からないが)「あった」とする方が妥当だと思う
0255文字
こっぺぱん
新着
総括せず反省せず記録を改変していく日本のスタイルは、今も脈々と継承されている。虚しい。「違いなど、何もないのだ」←この認識は色々なことを解決する術になるよな。
0255文字
のき
新着
南京事件の事実確認を行っていて公平な読み物と感じました。
0255文字
sal
新着
清水潔氏の作品は「桶川ストーカー殺人」「北関東連続幼女殺人事件」に次いで3作品目である。前2作があったから、本作も読もうと決めたのだ。南京事件については、肯定派、否定派が入り乱れる中、私自身の結論は本作の所感に委ねようと事前に思っていたぐらい、彼のジャーナリストとしての姿勢とその表現を信じている。駆逐艦から銃殺を見た海軍兵士への質問「南京事件はなかったと言う人がいますが?」に対する彼の返答が、否定派の存在理由だと痛感する。南京事件について語る場はあまり無いと思うが、無知なまま生きないでよかったと思う。
0255文字
sg
新着
夏にはなんとなく戦争の本を読もうと思う2。南京事件は冬だけど。/ 最新の本なら新しく発見された資料(あれば)や議論の現状なんかが網羅されてるかと思ったんだけど全然違った。ドキュメンタリー番組制作のドキュメント(私情もあるよ)という感じ。 まあなんていうか。全員がそうではないにしても、この話題のプロパガンダ臭にこそ警戒しているのであって、その中で現政権を絡めてイデオロギー色を必要以上に鮮明に出していく意図はよくわからない。 まあ。
sg

直近に「インパール」を読んでいた関連として、自軍の兵士の兵站をすら軽視した軍上層部が敵軍の多数の捕虜の食糧までを考慮していたわけがないし、そこに困ればやってしまっただろうなあという想像は難くない。 そのインパール作戦でさえ戦後は正当化する擁護論があったというから、同じような人たちがこちらは否定したがるのだろうなと思うとストンと腑に落ちた。 すべてはつながっているのだろう。

08/12 09:37
0255文字
James Hayashi
新着
当時の兵士の日記が一次資料に当たるかどうか知らないが、それを集められた小野氏を訪れ南京事件があったのかを追及取材。 原因としては余りの捕虜の多さに食糧や水の補給に苦慮した為。死体は長江に流された。また敗戦により証拠文書は処分されているなど辻褄は合う。さらに数少ない戦闘詳報に“刺殺セシムルコトトセリ”との記述も残っている。数には言及できていないが、虐殺と呼ぶにふさわしい行為は有ったのであろう。日本でこの調査を基にした番組が放映されたことに多少驚く。またこの番組は数々の賞を受賞した。
0255文字
usanosuke
新着
本書は、戦後70周年記念として制作されたドキュメンタリー番組の調査内容をベースにまとめたものであり、「桶川ストーカー殺人事件」で警察より先に容疑者に辿り着くなど、事件調査で数々の功績を残した清水氏が、自身ならではの手法で南京事件に挑んだ一冊だ。南京事件は虐殺の規模に関する論争や存在自体を否定する論者も多く、正直なところ真実がよく見えない。清水氏は、「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」という一冊の本に調査の目を向ける。戦後70年を経て当時の関係者のほとんどが世を去っているなか、筆頭編者である(続く)⇒
usanosuke

小野賢二氏の協力を仰ぎ、日記に記された1937年12月16日、17日の揚子江岸で起きた捕虜虐殺の全容を掘り起こす。裏付け調査は、日記を記した本人の確認作業はもちろんのこと、日記に記された船の出入港記録、現地での場所の特定、さらには日記に使用された筆記用具などにも及ぶ。こうした清水氏の調査結果も否定論者は一蹴するのであろうが、事実を明白にし、被害者であれ加害者であれ、それを真摯に受け止めることができなければ、戦争はいつまでたっても繰り返されることになるだろう。

07/25 11:18
0255文字
sab
新着
「南京事件」や「従軍慰安婦問題」は政治的にセンシティブ過ぎて左右の主張が食い違い、真実が見えにくいと感じていて、実際のところどうなのかをどうしても知りたかった。清水さんはジャーナリストとして破格の人。ジャーナリズムとしては一次資料を最大のリソースとして捉え、その裏付けを持って「最も真実に近い」とすべきなので、この本の内容をそのまま信じるのは、清水さんの真実に対する姿勢からすると間違った態度かもしれない。だが読んで良かったし、これからさらに調べていく上で基準になる一冊となったことは間違いない。
0255文字
shin
新着
された嫌な事はいつまでも覚えている。 全ての人に許して貰う事は出来ない。 せめて日本人として行った事は知る必要があると思った。
ゆいまある

素晴らしいレビューです!

05/21 12:43
0255文字
りゅうた
新着
この本では「1937年12月16日」という具体的な日付に絞り、その日に何が起きたかを日記や写真、証言などを基に突き止めていく。上司が言う通り報道したり、権威ある人の発表や言葉を垂れ流したりする方が記者やディレクターにとって楽な道だ。ただ、それでは“無思考”に殺戮を行う兵士と同じ道を辿りかねない。苦しくても“考えを止めてはいけない”のだ。とことんまで考え抜く“調査報道”は、悲惨な結果を生み出しかねない“無思考”を止める可能性がある。南京事件だけでなく、報道のあり方にも興味があればぜひ読んでもらいたい一冊だ。
0255文字
ちょこちん
新着
★★★☆☆ 「利害」のために「真実」を曲げる。
0255文字
nagoyan
新着
ネタバレ優。圧倒的な迫力。本書をNNNドキュメンタリー番組「南京事件 兵士たちの遺言」を書籍化したものではないという。その取材過程を明らかにしつつ、事件の存在が明らかであるにもかかわらず、なぜ繰り返し否定論が生じるのかを問う。三四半世紀前、日本軍の占領下にあった南京(当時中国の首都)と、現代、「安保」法制が進められる東京をいきつもどりつしながら、著者は、ついには、加害と被害の交錯する日本の近代の姿を身近に感じることになる。恰も良質なミステリーを読むような興奮と、恐るべき現実の前に名状しがたい感情に囚われた。
nagoyan

訂正「四半世紀」⇒「三四半世紀」

03/21 08:33
0255文字
あずき
新着
一つ一つ丁寧な取材。「一点突破主義」で虐殺の全てを否定するのがいかに愚かなことかわかる。「丈余の人柱」の作られ方があまりに衝撃的。「知ろうとしないことはやはり罪なのだ(p.294)」
0255文字
たぬきごんべい
新着
あの清水さんが取材した南京事件のルポ。 丹念な取材を行って一次資料に拘りどのような真実だったのかをあぶり出してる。 極右のように「南京大虐殺は無かった」とも、 中国政府のように「南京大虐殺で30万人殺された」とも書いてない。 淡々と現場にいた人の生の声を大切にしてる。 取材レポとして読物として面白いが、筆者の個人的背景や現代の安倍政権への批判は必要ない。 2年ほど前に93歳の老人の方と話した時「中国で上官の命令で何人も刺し殺した」と言っていたのを 思い出した。もっと詳しく聞いてみればよかった。 ★4
0255文字
かじ
新着
著者は残された記録を、残された経緯を追うことで信憑性を確たるものにしなければ、世に出すことはない。報道記事などにある「○○によると」の「○○」を裏づけるための調査こそが、世に事実を伝えるための肝になるのだ。真実は人によって変わるものかもしれないが、事実は一つ。それは許すとか許されるといった人間同士の意思とは全く別のものだ。ただ、その意思の根底には事実がなければならないはずだ。「知ろうとしないことはやはり罪なのだ」という著者の言葉は、可能な限りの深層まで踏み込んだ当人の言葉だからこそ、説得力があると思う。
0255文字
読特
新着
1937年12月当時の中華民国首都にて何が起きたのか。 兵士たちの日記、証言、スケッチ、中国側の証言、そして裏取り。 事件記者の調査報道という手法で事実を浮き彫りにする。 南京事件は否定できない。 ただ、その事実を示そうとする試みに意図せず誤りが入ることはある。 そこにつけ込みすべてを嘘としてしまう人たち。 本書内ではそれを「一点突破型」と言う。 本書はNNNドキュメントの取材記録でもあり、放送後の評価は高い。 それでも一点突破で否定しようとした産経新聞。 ただ、その一点すらない。
0255文字
ゆいまある
新着
「殺人犯はそこにいる」の清水さん。今年で南京大虐殺が起きてから82年目の冬が来た。暴走した日本軍はゲリラ兵の可能性もあるとし、膨大な数の民間人を虐殺。更に与える食料がないと言い多数の捕虜も虐殺。その事実を残された日本兵の日記から紐解き、中国で裏付け取材している。加害者である日本軍が食料が尽き、略奪しながら進んでいく様に胸が塞ぐ。他国の虐殺事例も挙げており、悪いのは民族ではない、馬鹿はどこにでもいると思わせられる。政治家暴走の引き金は報道規制だが、今の日本にどれ位言論の自由はあるのだろうと改めて考えた。
0255文字
野上の健
新着
やはりこの人は別格「知ろうとしないことも罪」
0255文字
ヤマトGTサムライ
新着
ネタバレ午后一時我ガ段列ヨリ二十名ハ残兵掃湯ノ目的ニテ馬風山方面ニ向フ、二三日前捕慮セシ支那兵 ノ一部五千名ヲ揚子江ノ沿岸ニ連レ出シ機関銃ヲ以テ射殺ス、其ノ后銃剣ニテ思フ存分ニ突刺 ス、自分モ此ノ時バガリト憎キ支那兵ヲ三十人モ突刺シタ事デアロウ。  山となって居ル死人ノ 上をアガツテ突刺ス気持ハ鬼ヲモヒゝガン勇気ガ出テ力一ぱいニ突刺シタリ、ウーンくトウメク 支那兵ノ声、年寄モ居レバ子供モ居ル、一人残ラズ殺ス、刀ヲ借リテ首ヲモ切ツテ見タ、コンナ 事ハ今マデ中ニナイ珍ラシイ出来事デアツタ
0255文字
gonta19
新着
2017/12/27 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。 2019/10/2〜10/5 丁寧な取材で定評のある清水氏が南京事件に挑んだ作品。難しい問題ではあるが、関係者の証言を掘り起こして真相らしきものに迫っていく迫真のルポ。 何を持って”大“虐殺とするか、が結局のところの問題か。一般人を殺害したのは間違いないんだろうし、それについては反省と謝罪が間違いなく必要だろうが、清水氏の取材でも結局のところ人数については触れられていない。
zero1

こんにちは。「全く無かった」というのは本書に書かれているようにあり得ません。「人数については触れられていない」とのことですが、「5000人を機関銃で射殺」など一次資料で出てます。問題は日本側が「折り合い」ではなく認めることでしょう。

10/05 16:42
gonta19

zero1さん、コメントありがとうございます。私の書き方が悪かったですね。5000人とか、他の数字も上がっていますが、いわゆる30万人、とか、本当にどれだけの方が亡くなったか、という意味です。言葉が足らずすみませんでした

10/05 19:01
3件のコメントを全て見る
0255文字
すしな
新着
129-19.朝鮮戦争でもコソボ紛争でもイラク戦争でもいわゆる虐殺といわれる事件が発生しているのですが、なぜ南京がこれほど注目されるのかが気になって手に取りました。イーストウッドの映画のアメリカンスナイパー的に言うと、そのスナイパーは160人殺しました。軍全体では数万人殺したでしょう。戦争はひどいです。的な感じで、以前読んだ清水さんの調査のような鋭さがあまりなかったような気がします。なぜそういう状況になったのか?とか、今後こういう状況にならないようにするにはどうするべきか?とういところもあればなと。
0255文字
ミエル
新着
政府公式見解として「南京事件」はなかったとされているが、掘り起こせば事実は出てくる。(体験者個人の日記を抹消しない国で良かった)南京事件は「あった」「なかった」ではなく、実は議論の根底にあるのは国の利害、そもそも虐殺などあり得なかったのであれば、当事者たちは「知らない」と答えるはず。この著者らしい取材から導き出された納得の結論には信頼がおける。「あった」「なかった」の結論から言えば、「あった」が史実。それを隠蔽しようとしている国の事情もサラッと書かれておりヒステリックではない視点が良かった。さすが清水氏。
ミエル

戦争について語られるのは、いつも被害者側である日本の様相ばかり。実は太平洋戦争の前段階までは、加害者の立場でもあった事も心に刻む必要がある。本作を読み返すまで、思いもしなかった都合の悪い「加害者」側の歴史も知らなければならない事実だと痛感。それにしてもキツいね。

09/18 08:36
ミエル

戦争が諸悪の根源であり、主導者以外は翻弄され人生や命を犠牲にされる。加害者も被害者もどちらにもメリットはない。「二度と戦争をしてはいけない」悲惨な体験を日記に残された陸軍兵の言葉を忘れてはいけない。

09/18 11:53
3件のコメントを全て見る
0255文字
ひで
新着
僕らは何を知っているのだろう。何を語れば良いのだろうか?そんな事をよく考えています。戦争について、僕らの田舎は飛行場があり、爆撃も受けた為、戦争について考えさせられました。だから小学校時代の6年間毎年作文を書きました。しかし、この本をの内容は僕らが教えられた被害者からの意識を変えてくれました。敗戦国だけれど、僕らは侵略していた国だった事を認識すべきですね。
0255文字
boasorte136
新着
南京虐殺はあった。数は不明だが相当数。 著者清水潔氏の出した答えである。 この結論を出すのに、著者は一次資料を丹念に潰し、裏取りをしていく。 政治的立場によって見解が分かれる南京虐殺論は清水氏にとっては不毛でしかなく、「本当のところはどうなのか?」という記者の本分に忠実に動き事実のみを求めていく。 だからこそ読者に納得感のある答えを提示出来るのだと思う。 調査報道とはどういうものかを具体的方法として見せてくれるが、何より調査報道はどうあるべきかを強く教えてくれる。
0255文字
takeapple
新着
南京事件については、この清水氏の本で決まりだろう。これを読んでも否定しようとする人は、論理的思考ができない人ということだと思う。事件の細部、何人殺されたとかいうことは、歴史研究者の本によるとしても、元々中立だった事件記者が、調査報道の手法で迫っていく展開には引き込まれて、一気に読めてしまう。最後にご自分のルーツに触れながら昨今の危険な情勢にも目配りしているところはさすがという他はない。とにかく戦争はダメだ、しかし権力者は憎悪を煽り邦人保護、平和のためにと偽り戦争を始めたがる。今まさにそうだ気をつけよう。
0255文字
Miyako Hongo
新着
調査報道の雄、清水潔の本。とにかく面倒くさい人間が湧きがちなこのテーマに、気の遠くなるような地取りで迫る手法はこの人ならでは。□南京事件の当事者である旧日本軍の兵士の日記とインタビュー記録、日本と中国の目撃者の話、それぞれの話の裏取りと舞台となった土地の地取り。そうやって証拠を固めて作った番組に、イチャモンを付けてくる新聞社のこと。□筆者の祖父が日露戦争に従軍していたこと、筆者の父がシベリア抑留されていたこと。自分と地続きの真実に嘘を混ぜられたくない気持ちが見えて、心情的な説得力を感じた。
0255文字
koba
新着
ドキュメンタリー報道の制作過程が興味深い。一次資料の記述内容、当事者の証言、現地確認を徹底し、相互間で矛盾がないか裏付けを取る。事件捜査のイロハを見るよう。ひたすらファクトを追う。伝聞証拠を排除し、直接証拠だけで何が起こっていたのか確認する作業。しかし、証言内容も時間とともに当事者の記憶が変質する。その裏付けに膨大な時間がかかる。先入観を排除し事実だけを追い求める姿勢が重要である。その意味で、残された戦闘詳報は貴重な資料であり、その裏付けとなる日本軍兵士たちの陣中日記も今となっては貴重な戦争遺産と言える。
0255文字
全123件中 1-40 件を表示
「南京事件」を調査せよ (文春文庫 し 64-1)評価95感想・レビュー123