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なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史 (PHP新書)

感想・レビュー
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謙信公
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日本人の思考法や行動原理は明らかに中国とは異なった独自のもの。如何に形作られてきたのか。対中関係から日本思想史を論じる。飛鳥時代に国防上の危機から中国の律令制を導入するも儒教を拒否、「脱中華」の動きを始めたが、仏教勢力を警戒した徳川家康が朱子学を採用。国学の台頭によって否定されるも、明治政府は中央集権体制維持のための国民道徳とした。昭和初期には日本版「中華秩序」とも言うべき全体主義国家、大東亜共栄圏に邁進し、敗戦、被占領という破滅的結果を招く。現在感じる「脱中華」に逆行する動きは日本を破滅へと向けるのか?
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まーくん
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大化の改新における対中国関係、寺院/仏教と神社/神道の関係、信長〜家康の仏教/キリスト教との関係、江戸時代の寺請制度/仏教、武家の朱子学と民衆の国学との関係、そして維新から教育勅語での揺り戻し、更には「草木国土悉皆成仏」や「もののあわれを知る」と言った日本の原点思想と国を守るための手段として宗教/思想との関係等今まで知らなかった視座で興味深く読むことができ、現在の中国や韓国/北朝鮮の基本行動の原点も知ることができた。著者が歪められた述べている明治から大戦、そして戦後を深耕した次作?に期待したい。
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inaryoXD11
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日本が中国の支配下に入らなかったのはなぜか…という内容よりも、日本の思想史を詳しく述べた本。 中国に対抗するための仏教導入、仏教の日本化、儒教の復活、国学による中華思想からの脱却、という流れだが、国としての中国からの脱却はこの本の前半で終わっている。ただ思想史としてもエキサイティングに読めました。明治以降の脱中華に逆行を問題提起としていますが、もう中華を意識していないだけではないかと。
0255文字
葡萄
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日本の姿を「中華」を題材に分かり易く説明しているが、概略の域を出ていないような気がする。 ただこの本を読んだ人は、今まで意識していない視点で物事を見るようになると思う。 漢字を使うと中華的、カタカナを使うと西洋的な考え方になってしまいがちになっている自分に気づかされる。
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Junko Yamamoto
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日本の思想史が中国との関係からまとめられている。
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いぬたち
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ネタバレ端的にまとめると飛鳥時代という古代より中華文明に取り込まれないよう日本人はどのような思想を歩んできたかを紹介する一冊と言えばいいかな?遣隋使の頃は当時の世界宗教である仏教を用いて冊封体制に取り込まれず一つの国であると主張出来たがその後仏教の興隆衰退があり江戸期には儒教ならびにその変種である朱子学が幕府に厚遇されたが朱子学が否定されさらに国学によって儒教も否定されて脱中華されたぞー!っとなったら明治政府によって儒教朱子学共に復活したのはなんでやね〜ん!?でこの本は終了する。著者の更なる考察を期待致します。
0255文字
ゆきこ
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「脱中華」に主眼を置いた日本思想史。古代から順を追って丁寧に論じられているため、明治期までの流れがとてもわかりやすかったです。終章とあとがきで少し触れられている明治から昭和への流れがとてもおもしろかったので、ぜひ続編を書いてもらいたいです。
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yraurb
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副題通り、日本の思想史。日本人なら聖徳太子や最澄、空海といった、誰もが社会、あるいは歴史で暗記させられたw有名人たちが一体何をしたのか、その結果どのように日本独特の世界観が出来上がっていったのかを解説している。中国の華夷秩序に対抗するためにより広大な世界観を持つ仏教を意識的に取り入れた、といったダイナミックな話がとても面白い。過去の偉人たちの先見の明に感謝すると共に、こういうことを全然知らずにただ暗記したままに放っておいた自分を恥じたくなる。
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赤猫
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これも図書館で借りた本です。 中国周辺にありながら、中華思想に染まらないで済んだのはなぜ?との切り口で書かれています。 大きくは儒教的な考えが広まらず、仏教(小乗)の普及が進んだこと、政府の考え方が天皇中心でありながら、土地は個人の所有が認められていることなどが書かれています。 一方外部からの脅威にされされたり(大和朝廷、対隋政策)、外に向かっている(太平洋戦争前)ようなときは中華といいますか、中央に集中的に権力を集中させるような感じになっているとのこと。たしかにそうとも言えるかもしれませんねぇ。
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ほけっち@マルポテ
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「中華」思想、中国こそ世界の中心であり、周辺国はそれに追随しなければならない・・そう考える根強い姿は、今日の中国まで、王朝や時代が変ろうと続いている。その根底に、儒学があり、それを推し進める制度としての科挙。 日本の特徴は、思想や制度を、日本に合った形に変えて、取り入れること。仏教を中心とした日本が、時代を経て民衆のものになり、権力者と対峙すると、新たな形で権力者自身の神格化や、別の思想(儒学、朱子学)を持ち出している。山鹿素行の、日本こそ「中華」など、思想の優位性を説いた学者も見逃せない。
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乱読家 護る会支持!
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「なぜ日本は、中国文明の圧倒的な影響力に呪縛されなかったのか」「なぜ日本文明は、独自の文明たりえたのか」を考察した本。 中華思想とは、「政治権力を正当化する」思想で、その核は「天命思想」と「易姓革命」「徳治主義という欺瞞」。 天照大神の血筋を引く神聖性を持ち、権威はあるが権力を持たない天皇の存在自体が中華思想とは相容れぬ。 空海、最澄の無差別平等の成仏観。そして、維新後に中華化していった日本。大東亜秩序は、中華秩序の日本版という考え方は、、、なるほどなぁ、、、。 親日中国人からみた日本、面白い
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zero
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MrSeiuchi
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ネタバレ日本の思想史を脱中華思想の歩みと捉えるのは画期的かも。特に仏教の段で日本化の完成とともに宗教の体をなさなくなる辺りは面白い。文章は読みやすく、論旨も明快。一読の価値アリです。
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conan
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★★★★☆
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niisun
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ちょうど飛鳥時代の古事記誕生秘話をテーマにした小説を読んだばかりだったので、大陸に現れた脅威“唐王朝”に対するための天智、天武の中央集権化や、聖徳太子の仏教奨励の話はとても良く理解できました。また、日本的仏教の形成過程も良く耳にする話ですが、簡潔で分かり易くまとまっていました。一方で江戸期の朱子学から国学への流れは不勉強だったため、とても勉強になりました。“道徳”の教科化が話題になっていて、扱われる“道徳”の怪しさも指摘されていますが、その違和感の源、あるいは“道徳”の正体が、少し、垣間見えた気がします。
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ムカルナス
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日本は歴史上、国防の危機には中国流の強力な中央集権体制で切り抜けようとしてきた。最初は白村江の戦い後に中国王朝を模倣して強力な中央集権国家を作ったこと。二回目は黒船来航以降、敗戦まで天皇中心の神道の中央集権国家かつ思想は忠孝を骨格とする儒教的イデオロギーとしたこと。そして敗戦により神道も儒教も否定され日本は精神的支柱をなくしたままである。本書は古代から日本が仏教、儒教等の外来思想を受け入れつつ日本化させ江戸時代に国学を誕生させるまでの思想史だが今一度日本の精神は何かを考えるのに良いガイドになると思う。
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nabe
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ネタバレタイトルに惹かれて手にとったが、サブタイトル通りの内容であり、疑問は近・現代についてはまだ疑問のままとしてやや消化不良の感じ。現代マスコミなどが自国を(夷狄として)蔑む発言にも、儒教思想が深いところまで浸透しているような思いは著者に同感である。
0255文字
残心
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日本思想史について元中国人の石平氏に教えてもらうのは恥ではあるが、元中国人だから分かることもあるでしょう。少し単純すぎるようなところもあるが、明快に整理されていると思います。 「政の要は軍事なり」(天武天皇) 「脱中華」のため飛鳥時代に、儒教ではなく仏教を受け入れた。江戸時代に儒教に傾いたが、仁斎と徂徠が朱子学を徹底的に否定し、「漢意」が宣長によって思想史的に葬り去られた。 明治になって、儒教の思想と朱子学の価値観=「漢意」そのものともいえる「教育勅語」が、よりによって天皇から示されてしまい・・次作に続く
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yomihajime
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石平さんの本。若手評論家から揶揄には意に介さず読了。このテーマはキリスト教が戦国時代と明期以降なぜ日本に広まらなかったのかとの問題意識と相補もしくは表裏の関係があると。神道の上に重ねられた仏教が容易に儒教を受け付けなかった(儒学は幕府の治政ツールとして利用された)。60年代~70年代に儒教が広まらなかった理由に日本人の「自然観」があるとの文化人類学的考察があったと記憶する。神道と自然観、導かれるのは多神教と国作りの物語性。逆になぜ仏教が聖徳太子以降国家治政に入込めたかを考えたい。鎮護国家はなぜ生まれた?
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も~さん
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石平さんってこんな本を書くんだというのが印象でした。中国に飲み込まれないために、中国の儒教ではなく、インドの仏教を取り入れ、それ故に中華思想から逃れられ、聖徳太子の「日のいづる国の天子から日の沈む国の天子へ」という表現が出たのだと納得し、また、仏教の怖さを知っていた家康だから儒教を登用したということがわかり、納得しました。
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579_UHJMqshYx2
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石平氏、大変に勉強してられるのだなあ、というのが第一印象。日本の仏教思想については少し甘いかな。ただ、タイトルで示されたテーマを判りやすく書いているので、初心者でも取っかかりやすいだろう。最後に投げかけられた疑問には自分にも唸るものが有り、考えさせられるが、氏の今の答えを読んでみたいのも確か。続巻を期待したい。
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isao_key
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タイトルに惹かれて購入したが、内容は飛鳥時代から始まる日本思想史。なので、タイトルの問いには正確には答えていない。ただ石平さんならではの日本史、日本思想史の考えが出ていて面白かった。日本仏教が思想としての厚みと創造力を亡くした端緒は、平安時代から進んだ仏教の大衆化と簡素化によるもの。一般大衆を救済するために極限まで簡素化され念仏や題目を唱えるさえすれば極楽往生できるのであれば思想はもはや必要なくなる。素行は「日本が中華だから日本が素晴らしい」といい、宣長は「日本は中華でないからこそ素晴らしい」という。
isao_key

コメントありがとうございます。石平さんは、素行は日本の優位性を確立するのに「中華」にしがみついているが、宣長は「中華」は単なる無用な長物、むしろ有害な「汚染源」だといって切り捨てている、と書いています、

03/04 18:28
壱萬参仟縁

解説ありがとうございます。そうするとどちらかが間違えの可能性がありますね。勉強させていただきます。

03/04 18:49
3件のコメントを全て見る
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真之介
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石平さんの本は何冊か読んだできたが、初めてと言える衝撃の結末。 本書の刊行後、石平さんはツイッター名を一部アレンジしてまで本書をアピールしてきたが、なるほどと納得した。 読む人に注意しておきたいが、【あとがき】を最初に読んではいけない。 近年になって戦前の保守思想が見直されつつあるが、一石を投じるだろう。
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左近衛府
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教科書レベルのざっくりとした整理ではあるが、その切り口とまとめは斬新。そういう意味で加藤教授の『漢文の素養』と対をなす書。 聖徳太子と仏教が儒教と中華思想を相対化、記紀が天命思想を駆逐して、脱中華に成功。中世ですっかり大衆化・世俗化した仏教に代わるものとして徳川家康が朱子学を導入したが、逆にこれが本居宣長のからごころ否定と幕末の尊皇攘夷思想を準備。結局明治維新の彼たちが日本を儒教化したんですわな…という感じ。
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Fe
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儒教の良い部分だけを取り入れた先人に感謝。
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Ryoichi Ito
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飛鳥時代には中国に対抗するために儒教を拒否した日本だが,徳川幕府は朱子学を御用学問として採用した。朱子学は伊藤仁斎や本居宣長らによってそのインチキ性を暴露されたが,明治政府はこれを國の基本倫理とし,教育勅語として国民に押し付けた。その結果ミニ「中華」を目指した日本は壊滅する。現在,中華人民共和国はまさに「中華」たらんとしている。日本は中国の呪縛を逃れることができるだろうか。 著者は日本に帰化した中国知識人。儒教と日本人の関係を簡潔な文章で明らかにしている。
ワニ🐊

今、「孫子」の翻訳ビジネス本を読んでいますが、日常のどこかで耳にしたような言葉ばかりです。思想のかなり深いところまで食い込んできていると思います。

01/23 15:42
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佐々木満城
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読み応えのある本でした
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なぜ日本だけが中国の呪縛から逃れられたのか 「脱中華」の日本思想史 (PHP新書)評価70感想・レビュー27