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マーティン・ルーサー・キング――非暴力の闘士 (岩波新書)

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ネムル
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「キングが経済正義と貧困という実質的平等の領域に踏み込んだとき、非暴力の「柔術的メカニズム」は機能を停止した。連邦政府に圧力をかけるべきメディアは無関心になり、北部白人世論は保守化した。いや、むしろ多くの北部白人は既得権を守るため南部の「白人の巻き返し」に同調し、「黒人はこれ以上何を望むのか」という反動的な世論圧力を連邦政府にかけたのである。その結果、六六年夏までに、連邦議会において二つの公民権法案が廃案となる」、公民権運動よりも、その後の貧困問題やベトナム戦争に対するコミットをこそ、著者は強く語ろう(→
ネムル

としている。そして、リベラルな白人にめんどくさいキングの面は捨象され、「公民権運動」の闘士として賞揚することで、黒人差別の根に目を背け、安心できる歴史が作られてきたとのこと。それがどこまで妥当かは知らないが、たしかに公民権以外のキングは知らなかったので、すごく勉強になった。

03/12 16:10
0255文字
さゆ
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非暴力闘争をする人たちに共通することのひとつに、相手の良心への訴えがある。相手が1人ではその考えを変えることができなくても、集団であれば誰かしらは理解を示してくれるだろうという戦略に思える。そこで、メディアを使い幅広く宣伝し、少しずつイデオロギーを変革していこうというわけだ。それは、絶えず相手を信じ、自己犠牲を罪と捉えず使命とするほどの心がなければできないことである。
しゅがぁ

はじめまして。不躾ながら、榎本空『それで君の声はどこにあるんだ?』を静かにお勧めします。現代におけるキングの意義(その消極的、副作用的な面まで含め)を、著者の実感込みで理解できる良作だと思います。

01/15 04:47
さゆ

こちらこそはじめまして!感想読んでいただきありがとうございます。その本は全く知らなかったので、是非読んでみようと思います。とてもいい情報ありがとうございます✨

01/15 16:32
0255文字
すばる
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高校の英語の授業で「I have a dream」の演説を聞いた。その時の力強い声を今でも覚えている。公民権運動の指導者というイメージしかなかった。何ならあの演説の直後に暗殺されたと誤解していたくらいだ。でも、そうではなかった。人種を超えて貧困と戦っていた晩年や非暴力を貫いた生き方を知り、キング牧師の認識が大きく変わった。
0255文字
fujimi243
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子どものころにキング牧師の話は読んでいたが、これほどまでに戦術的に非暴力を行なっていたことは知らなかった。「私には夢がある」演説の後の活動のことも。公的記憶からはその活動のことが抜け落ちがち。彼の生涯を記憶しておくことは、アメリカという国を良くすることに繋がると思う。人種差別も貧困もなくなってほしい。
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沖縄電鉄社長
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生まれてから凶弾に倒れるまで、徹頭徹尾キング牧師の思想・行動はキリストの教えに貫かれていた。本書刊行後の「BLM」を見るにつけ、キング牧師の目指した先は、イスラエルの民が到達した40年どころか、「ヨベルの年」、50年を過ぎても未だ見えていない。
0255文字
小國晴郎
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人々を非暴力による社会変革へと導いたキング牧師。武器を取らずに戦い抜いた、その苛烈な生涯が描かれる本書。一番の読みどころは、非暴力というある意味「柔術的メカニズム」を持った高度な革命戦略だと思う。敵の複雑な利益構造を持った権力基盤、自分たちに向けられる容赦のない暴力、メディアや世論などをうまく活用して、敵の集合体が自ら崩壊するように仕向ける戦略といえる。全体を通して「誰が」ではなく「何が」キングを殺したのか?という問いをもって読むと、当時の米国が抱える問題が構造的に理解でき、学びが多いと思う。
0255文字
ラグエル
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キング、ケネディ、マルコムってこの時代、どういう時代なんだか。
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かずー
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①I have a dream.で、有名な公民権活動家キング。実は、この1963年の演説以降は、次第に貧困問題の解決を目指した運動に軸足を移していったという。黒人のみならず、白人貧困層をも念頭に置き、アメリカ資本主義の弊害で生み出された貧困問題の解決に向け、苦悩しながらも邁進していったという。②1968年4月4日、メンフィスにて波乱に満ちた生涯を閉じる…恥ずかしながら、最近まで、メンフィス=茂野吾郎の青春の地という認識しかなかった💦
0255文字
叛逆のくりぃむ
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 政治運動家としての戦術や思想がよく分かる本だった。
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うえ
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「キングが経済正義と貧困という実質的平等の領域に踏み込んだとき、非暴力の「柔術的メカニズム」は機能を停止した。連邦政府に圧力をかけるべきメディアは無関心になり、北部白人世論は保守化した。いや、むしろ多くの北部白人は既得権を守るため南部の「白人の巻き返し」に同調し、「黒人はこれ以上何を望むのか」という反動的な世論圧力を連邦政府にかけたのである。その結果、66年夏までに、連邦議会において二つの公民権法案が廃案となる…公民権関連の暴力を連邦上の犯罪として処罰する法案であり……住宅差別を禁じる公正住宅法案である」
0255文字
しおり
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私は公的記録としてのキングしか知らなかったと痛感した。キングが何をしたかだけではなく、その思想、それに至った社会状況をはじめとした理由まで網羅していた。当時差別がどれほど公的に守られていたかが分かった。非暴力の具体的な方法と事例が示されていた。団体を組織して、資金を集め、演説で鼓舞し、支持者を統制する。本当に多忙だ。「すごい」なんて言葉で片づけてはいけないと思った。挫折もあったしノーベル平和賞を受賞してからも闘いは続いた。その根底にはキリスト教的価値観があったけど彼は聖人ではなく、正義を望む人間だった。
0255文字
SFTT
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恥ずかしながら「I Have a Dream」演説もよく知らないで積読を手に取ったのだが、彼のその人生や行動、考え方に引き込まれ、一気に読み終えてしまった。非暴力は無抵抗ではなく戦いのための戦術であり、そして戦略をもって運動を組織したこと。また「三つ組の悪」として人種的不正義、貧困、戦争を克服することが、キングの真に目指したものであったことなど、本書からのメッセージは非常に分かりやすく、結果的にはキングについて読んだ最初の一冊として最適であったと思う。
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conegi
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「私には夢がある」演説が有名だという程度の知識しかないままに読んだ。思っていた以上にパワー溢れた人生、この情熱は凄まじい。ただ、知識不足で細かい流れがあまり頭に入らなかった。最初に子供向けの伝記を読んでみたほうが良かったのかも。
conegi

これをきっかけに「私には夢がある」演説の動画を見てみたが、本当に素晴らしいスピーチで、当時その場にいた人たちは溢れる感情が抑えられなかったのではないだろうか。それでもなくならない差別は本当に根強いもの。差別主義者は運動を分断させる手段を多くとっていたのが印象的だった。人々の分断が悪い意味で有効的なのは今も変わらないのかも。

04/18 20:57
0255文字
岩月クロ
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夢がある、という有名な演説から、その後の前進や明るい未来を夢想したが、その実、なんとも苦悩が多い人生だったのだろう。彼の年齢と自分の年齢を比べて、この歳にこの重圧を…?と感嘆してしまった。とても真似はできないし、したいかと問われたら難しい。非暴力を貫いて貧困に立ち向かうのは、(おそらく)正しい道でありながらも、一代でどうにかできるようなものではなかったような気もする。黒人問題は根深いのだと感じた。(黄色人種への差別もやはり、あるんだろうけれども…)
0255文字
takao
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ふむ
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Tani
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1929年1月15日ジョージア州に生まれた。15歳でモアハウスカレッジに入学。牧師となる。1955年ローザ・パークスの逮捕を受けて、バスボイコット運動が始まる。382日間の長い闘いであったが、完全勝利を勝ち取った。その間、脅迫電話や自宅のポーチ付近爆破があったが、ラスティンと出会い、ガンディーの非暴力の力に感動した。彼は人種差別や貧困、ベトナム戦争反対を人々に語った。1963年のワシントン行進での「私には夢がある」という演説は有名だ。1968年暗殺された。非暴力の平和運動の闘士だった。素晴らしい人だった。
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イズル
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以前に「ローザ・パークス」の本を図書館で借りて読んで、キング牧師の本も読みたいなと思い買って寝かせていた本を読む。キング牧師の国民祝日がアメリカにはあることを初めて知った。そしてアメリカには公的記憶として国民全体で共有するキング牧師の記憶があるが、「政治性の強い部分」は共有されていないとのことである。キング牧師はノーベル平和賞受賞し、「私には夢がある」演説の後、すぐ暗殺されたかのようなイメージを私も持っていたが、キング牧師の晩年は今もある課題『「仕事と年間所得保証」による貧困根絶』を目指し運動を続けていた
イズル

そのことは私も忘れずにいたいと思う。またキング牧師は初めから「非暴力の人」ではなかったというのもちょっとびっくりであったし、非暴力を実践していく上において知識だけでなく、ロールプレイなども必要というのも驚きだった。最後に本書は読書案内、キング牧師年表もあり、これから深く学びたい、知りたい欲求にも答えてくれる。

07/02 01:49
イズル

付記:映画「デトロイト」(2018年、日本公開)を見ているので、本書を読んでいて「デトロイト」のラストで流れる「Grow」の歌を思い出した。 https://youtu.be/_aSqBAD_62g

07/02 01:58
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比丘尼坂
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キング牧師についての入門書。中立的に書かれているのではないだろうか。 黒人差別だけでなく、アメリカ社会が仕事や経済的な背景もあり、また、他人種、性、など、複雑になってきている。
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kzm
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ものすごくエネルギーがある人だ。彼の活動により大きく状況は変わったのだろう。しかし現在でも差別はあり、その根強さにため息が出る。
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ロビン
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黒人差別との非暴力による闘争で知られるキング牧師の評伝。非暴力闘争の戦術的な側面を詳細に紹介し、キングの葛藤や苦悩も丁寧に描いている。また晩年、差別だけではなく貧困の根絶とベトナム戦争批判にも国家を敵に回して命がけで取り組んだ(FBIにマークされていた)ことに注意を喚起する内容だ。黒人差別は神の摂理とする教会までも存在した中でキングは生涯被差別者、被抑圧者、貧者の友であろうとし、自身の収入は活動資金に充て蓄財さえしなかった無私のリーダーであり、真のキリスト者であった。他者に尽くし抜いた彼に最敬礼したい。
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テツ
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あまりにも有名な演説(の一部)はみんな知っているけれど彼の戦いの全てを知る人は少ない。様々な部分でキングよりもマルコムXの方が好きなのだけれど同じように自由を求めた自分なりの戦いの果てに暗殺されながらも全く違う過程を歩んでいるなと思います。公民権運動だけではない。ベトナム戦争への反対や貧困層への救済などキングは幅広い視点で活動を重ねていた。理解されないことが増え周りは仲間ばかりではなくなる。それでも「ただの黒人」である彼はキング牧師としての在り方を貫いた。人間の極地に辿り着きつつある人生だった気がする。
0255文字
おっきぃ
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キング牧師といえば「I have a dream」の演説を英語の教科書で読んだぐらいで今回初めてその生涯を知ることになった。非暴力がたんに暴力を振るわないことではなく、暴力との対比をメディアに見せつけて指示を得る戦術であることや、黒人差別だけに止まらず、貧困や戦争とも戦った人であることなど。そんな偉大な人を一発の銃弾で失ってしまうアメリカという社会について。
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氷菓子
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キング牧師といえば、バス乗車ボイコットと「私には夢がある」の演説のイメージだけど、ここまで黒人が一致団結して非暴力運動を行なった事だけでキング牧師について語るのを終えてはならない。その後行なった、貧困層を産み出す格差是正の運動や、ベトナム戦争反対の意思表示などは世論の支持を得られなかったり、黒人の間でも意見が分かれて孤独な戦いとなっても一貫して非暴力の信念を貫いた事も語られるべきである。現在のアメリカの政治に影響を及ぼす部分を避けて語り継がれているという事実に、既得権益を持つ人々の汚さを垣間見た。
0255文字
Tatsuya Michibata
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読み応えがありました。巻末の「読書案内」が豊富で、映画も紹介されておりかなり参考になります。マルコムXへの見方もちょっと変わりました。今度は、マルコムXの本をよもうかな。余談ですが、イチロー・カワチ先生の社会疫学講義で、いわゆるゲットーが人為的に作られたと言うことを習いましたが、まさにそのことが書かれておりました。
0255文字
SK
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153*非暴力。ワシントン行進でのスピーチは、読んでいても感動する。ベトナム戦争に反対し、叩かれる。FBIによる弱体化工作。晩年のキングは、貧困との闘いに取り組んでいた。知らなかった。「公民権運動のキング」というイメージに、騙されてはいけないですな。
0255文字
ぞるば
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ものすごい闘ってたんだなぁ…。成功も失敗もあったんですね。ものすごい偉人、ぐらいのイメージしかなかったけど、普通の人だったんだなと思いました。だからすごいわけですけど。
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霧坂
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ネタバレ結局のところ、実質的平等を拒む白人からも人種主義的活動に邁進する黒人からもキングの思想を本質的に理解する者はほとんど現れなかったことを考えると彼の精神的孤独にひどく同情する。我々も実際に血が流れていた当時の状況に組み込まれていては、冷静な判断が不可能なのかもしれない。だが、今ならば俯瞰的にキングの思想を分析し、理解できる。本書が示す通りアメリカは人種問題の本質的解決に対する吟味が何ら為されないまま今を迎えてしまった。キングの闘いから時が過ぎたからこそ、キングへの「理解」が問題解決の糸口を見つける鍵となる。
0255文字
chippy 2
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キング牧師が暗殺されて50年ということで読んでみた。キング牧師については良い面だけではない話も聞くので、若干読むのに気持ちに抵抗があったが、キング牧師がキング牧師として完成していく過程が読みとれて、興味深かった。黒人を人としてみていなかった話の中で、自分が知らなかったがたくさんあって、自分の認識の足りなさに気づいた。読んでよかった。
0255文字
ことうみ
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「われわれ黒人はもう待てないのだ」。2018年の今でも根強い人種差別。理不尽なリンチ、脅迫、放火、暴力。ただ黒人であるというだけで受ける凄まじい差別。その暴力に非暴力で立ち向かった英雄。自身も心身ともに傷付き、苦しみながらも黒人が「普通に」生きれる社会を目指して。漸く読めた…もはや何ヶ月か越し。何度も投獄されたり、命の危険や困難に晒されながら、こんなにも精力的に活動できるのか。その激務は何度も記述してあった。有名な演説はさらっと書かれ、あまり語られることの無い根深い差別の実態やキングの苦悩が書かれてる。
ことうみ

55年のバスボイコット運動に始まる、めまぐるしい闘い。それも、普通に接して欲しい、仕事と年間所得保障、選挙権などという当たり前のことばかり。途中、ベトナム戦争が始まるなど幾多の障害に阻まれながらも決して諦めなかった。いくら殴られても殴り返しはしなかった。人種差別と貧困と戦争という三つ組の悪について訴え続けてた。

11/05 16:55
0255文字
cape
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あまりにも有名な「私には夢がある」。その夢は、今実現したと捉えられがちかもしれない。しかし、真実は違う。政治的意図をもって無害化されたキング牧師の非暴力の戦いの後に、今も残る格差と人種差別。キングの短い生涯の戦いを、巷間に記憶された偶像との乖離を指摘しながら簡単に振り返る本書が訴えるメッセージは、簡単ではない。私たちには夢があるのだろうか。
0255文字
樋口佳之
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キングの指導した非暴力直接行動は、対決的状況を生み出して事態を動かす、極めて戦闘的な行動である。/新たな知見のいくつかを取り入れている。「三つ組みの悪」に対するキングの認識はすでに大学院時代にできあがっていたこと、晩年のキングにむしろ焦点を当てる必要があること、公民権運動における非暴力を自衛との関係で捉え直すこと、公民権運動とブラック・パワー運動の連続性に着目すること、両者の運動を冷戦構造に位置づけて理解すること
0255文字
もなど
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キングの評伝は多いですが、一人の人間としての苦悩や、指導した非暴力運動がいかに「運動」として組織されていたかを描いている点が新しいように思います。そして、彼が晩年に追求した「三つ組みの悪」の根絶が全く行われないまま、その側面をすっぱり切り落として、キングの誕生日がアメリカ合衆国の祝日になっているという指摘は実に苦い真実です。
0255文字
kiyochi
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非暴力は大衆が参加でき、目的と手段をめぐる道徳的葛藤はより少ない。 KKKの典型的なやり方は気につるして殺すものだった。 ボイコット、座り込み、ストライキ、行進など、組織化された敵を休ませない大衆行動に対し、敵は対処法を知らない。 五回の逮捕、二回の自宅爆破、脅迫電話に偽証罪が加わり、キングの四か月の苦悩は、コレッタがこんなにマーティンが落ち込んだのは見たことがない、というほど深かった。
kiyochi

連邦政府は、公教育の法的人種分離を違憲とした連邦最高裁判決を南部に遵守させる義務がある。 富裕層は政治に影響力を行使し、国家による格差是正の試みを自由権の侵害として弱めようとする。

08/20 07:16
0255文字
だ~しな
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この本の良い点は、キング牧師の生涯と思想だけでなく、如何に彼は戦略的かつ組織的に非暴力運動を構築していったか、を詳細に描いている点である。非暴力の戦略的メリット、黒人差別を生み出す組織的構造などキングの思想的背景、行動理由が生々しく理解できる。 彼と仲間の力を持ってしても、彼の望む貧困と差別の追放への改革はまだまだで、現状を考えるとむしろ後退している状況は米社会の構造を改革の困難さを実感する。 キングがシンボル化される動きを考えると、英雄化される人の実在した主張や思想に耳をかたむけないとと思う歴史好きの常
0255文字
beirain
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数ヶ月前、キング牧師の孫が演説してるのを見て興味を持ち手に取った本。 キング牧師がガンジーにあれだけ感化されてたのは初めて知った。 それにしても昭和40年代、東京オリンピック前後にあれだけ激しい人種差別がアメリカにあったとは・・・。 歴史的に見ればついこないだだよね。
0255文字
ソニックゆうすけ
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バスボイコット、シットイン運動、ワシントン大行進、「私には夢がある」、ノーベル平和賞。偉大なるキング牧師の壮絶な人生を、アメリカ人種差別の負の歴史と共に。ガンジーから学んだ非暴力、中産階級という出自も手伝って素晴らしい指導者になっていく。伝記としても勉強になる1冊。
0255文字
四無
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2018年刊。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの評伝。非暴力は綺麗な理念だけでなく戦術上の意味があること。ノーベル平和賞後の貧困根絶や反戦を訴え、苦戦していた時期の活動は「公的な記憶」からは抜け落ちているとのこと。ケネディとジョンソン両大統領の姿勢の移り変わりが興味深かった。読書案内の項で挙げているインターネット上の記事や動画はどこそこでこれこれで検索すれば~というだけでなくURLを記載すべきだと思うが。
0255文字
まーくん
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暗殺から50年。非暴力で人種差別に立ち向かったキング牧師の苦闘を辿る。公民権運動など、報道でおぼろげながら記憶にあるが、当時の南部社会を覆っていた凄まじい暴力に改めて戦慄する。60年代のアメリカにおいて、黒人の選挙権も識字テストなどの姑息な手段で制限されていたとは・・。公民権活動家としてだけではなく、後半生(といっても僅か39年の生涯)の貧困根絶への闘いをもっと評価するべきと著者は述べる。80年代、一人旅したアトランタ、まだまだ差別の空気が色濃く残っていた。"I Have a Dream."未だ成らず。
0255文字
miaou_u
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生涯、徹底して非暴力による公民権運動を貫いたキングの背景は、ブラック・パワーを席巻したマルコムXとは正反対の生い立ち、愛し愛された家庭環境があってこその愛という武器に繋がるのだろう。キングの妻が身重の体でありながらリンチを受けたなど、衝撃的すぎて言葉も出ない。KKKや何処にでも出てくるFBI長官フーバーの小賢しい執拗な調査など、読みながら何度も悔しい気持ちになり、拳を握った。スタバ等の差別問題のみならず晩年のキングの取り組んだ貧困問題も何も解決してはいない。だからこそ、今なおキングの夢は続いているのだ。
0255文字
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