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新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる (ブルーバックス 2056)

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普段使っている単位の裏には過去の科学の歴史が詰まっている。特に、時代時代の科学の最先端が単位の基礎を支えている。
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2018年発行、単位の歴史と量子力学を活かした新しい「単位の定義」のお話。ググったら著者の勤め先のレポートが出てきたので紹介 「 https://unit.aist.go.jp/nmij/public/report/si-brochure/pdf/2_SI_%E3%82%AD%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0.pdf 」 プランク定数について高校生レベルの教科書ではあまり解説されていなかったので、量子力学に関する単位話がある第六章からとても楽しかった。
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質量の単位と重力を加味した重さの単位であるキログラム重は別物という話とかも序盤のほうに出てきていて、正直内容もかなり難しめだったけれど、少しずつ物理の概念の話を読むことが苦痛ではなくなってきている気がする。力学とか熱力学の話は正直かなり難しいと感じているのでひたすら根気強く読むことで対処してしまいたい。単位定義が概念上の量に近いものになることで単位としての精度が上がるということはすごいメリットだけれども、人間の文明や科学力自体がロールバックするような事態が起きるとも限らない令和の世では

01/06 14:21
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キログラム原器のような不安定な(いうほど不安定ではない)ものを克服したことの素晴らしさと、確実に進化する技術をただ手放しに賞賛できないとも思う。科学が進めば単位は変わるというのが本書のキャッチフレーズなんだけれど、技術と理論の集大成ともいえるキッブル・バランスのような象徴がいつまでも平和に大事にされてほしい。自分でもなんの感想文なのかわからない。触れたいことはほかの人が書いてくれているのでこれでいいや。あけましておめでとうございます。

01/06 14:25
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カフェラテレックス
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キログラムの基準が、他に比較することのできないキログラム原器という一つの物体から、変わることのない物理量などを用いた方法に変わった。長さ、質量、時間、など基本単位とはどういうものなのか、どうやって決めるか、などがよくわかる。もう使われなくなって久しいメートル原器は、そこにある目盛線の間隔が1mの定義だったのだが、目盛線自体にも幅があり、より精密な1mを定義できなくなり、光の速度に置き換わった。科学の進歩がより精度の高い単位を必要とし、また科学の進歩がより精度の高い単位を定義できるようになった。
カフェラテレックス

シリコン単結晶の世界トップクラスの真球は、レンズ研磨の原理で作ったそうだが、それでも完全な真球じゃなくて、原子1個の大きさの凸凹がわかるぐらいの精度で計測されている。まてよ?シリコンって数種類のアイソトープがあるよな?って思ったら、ウラン濃縮の技術を使って同位体分離でSi[28]を濃縮したシリコンを使っていた。使える技術は使い切ったという感じ。

09/30 00:11
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まーくん
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国際単位系の基本となる単位は長さ、質量、時間、電流、熱力学温度、物質量(モル)、光度の7つ 。長さは白金イリジウム合金でメートル原器が作られたが、種々問題や限界があり、現在は光の速さをクリプトン86の波長に基づいたメートルで測定し、光速を秒速2億9979万2458mと決定。以後はこの光速を基準に1mを定義。しかし「質量」は、「長さ」のように基礎物理定数で定義することが出来ず、依然、白金イリジウム合金の国際キログラム原器が質量標準となっていた。が、基礎物理定数を基準として定義できる技術条件が整ってきた。⇒
まーくん

⇒原理としては有名なアインシュタインの質量・エネルギー等価原理E=mc↑2と量子論の基となったプランクの「電磁波エネルギーは最小エネルギーの整数倍、最小値はプランク定数h×電磁波周波数f」でE=hf。両式からm=hf/c↑2。プランク定数と光速(及び周波数)で質量を示せるというマジックのような…。プランク定数を正確に求めると質量が求まるというわけらしい。現実にはプランク定数を原器と比較し正確に測定、逆にプランク定数から1キログラムに相当する質量を作り出すという両方の技術が必要で、それが可能になったという。

04/23 19:35
おにぎり

難しくて解りません すごい(⁠๑⁠•⁠﹏⁠•⁠)

04/23 22:09
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regacian
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2018年のkg等の定義改定を軸にSI単位系の変遷を追った本。物理的な内容には深入りしないのでお話的に読める。科学界全体の問題として様々な国が協調して問題に取り組んできたのが印象的だった。定義由来の不確かさが科学の足枷になるのは望ましくなく、実際に1990年に電気機器の性能への影響からジョセフソン定数などを不確かさ0で定めていたのには驚いた。また、ほぼ単一同位体からなる精巧なシリコン球を作ってアボガドロ定数を測定するということが技術的に可能であり、それが質量定義改定に寄与してたのも初耳で面白かった。
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あるにこ
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図書館。普段気にせず、使用している重さ等について各国と協力して定義を定める。その定義は最新の測定器を使って決められる。10万年持つとされたキログラム原器だったが、100年で質量が変化。不純物の付着などが原因らしい。そんなこともあり、原器ではなく、基礎物理定数による定義が2019年改定となった。重さだけでなくその他長さ、時間等も記載があり、個人的には楽しく読めた本。
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bapaksejahtera
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2018年の国際度量衡総会第26回総会で7つの基礎物理定数のうちkg、アンペアA、ケルビンK、モルの4つの定義が根本的に改定され、国際キログラム原器は廃止と決定。国際単位系に大きな変更がなされた。本書はこれを機に、計量単位体系について一般への周知を図らんとして計量研究機関の所長が著した物。冒頭単位の起源からメートル法や計量標準器の歴史を述べた後、量子物理学の進展に計測技術の急速な発展が追いついた、単位を巡る新たな状況を説明する。中々難解。新たな定義の改善余地等、斯分野の残された課題も明らかにする良著である
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samurai
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レポートに役立った
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かつ
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単位の定義の話を解りやすく説明している名著
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樋口佳之
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ネタバレ量子論的世界観を持つに至った私たちにとって、単位の定義を変えるのは当然/一方で、基礎物理定数による定義は一般市民が理解するには困難なものとなりつつあります(それが計量の信頼性や公平性をより向上させるためのものであるにしても)。/計量制度の近代史は…「すべての人々」のための歩みであったことを考えると皮肉な流れ/「1キログラムは波長633ナノメートルの光子の約3×10の35剰個分のエネルギーと等価な質量」/うー。たしかに本から離れた途端何がなにやら状態だな
樋口佳之

むしろ量子論的世界観に沿って、かつ一般市民が理解できうる形での単位の刷新が必要になっているのでは。

08/10 15:17
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まえぞう
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再読しました。単位の理論的な定義は、普遍性を求めるがゆえに、科学的な知見が増すにしたがい人間の感覚から離れていく。一方で、その定義にしたがって如何に実際に測るかも新たな技術と根気が必要となる。単位に取り組む科学者の苦労がよくわかるお話しでした。
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数学者
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物質定数に依存しているキログラムの定義。それが基礎物理定数で定義されることとなって、その詳細を知りたいと思い読んでみた。プランク定数のくだりは事前に知っていたが、まさかアボガドロ定数が新しい定義に大きく関与しているとは思わなかった。また、プランク定数の決定までに大きな苦労があったことが分かった。著者がこの定義変更に未来への希望を示していて、国家間で協力する価値が絶対あったと僕も思った。
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テイネハイランド
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図書館本。(1)長さ、(2)質量、(3)時間、(4)電流、(5)熱力学温度、(6)物質量、(7)光度といった基本単位の測り方の歴史について解説した本です。科学技術が進むにつれて、単位の定義がより精密に変わっていくのが、読んでいて地味ながら感動的でした。本書の主な話題は、2019/5/20に変更された重量の定義についてですが、紙数が足りないせいか、説明がわかりにくい箇所があります。それでもアボガドロ定数を精密に測定することが重量の新定義に関わり、その求め方について説明した第9章は読み応えがありました。
テイネハイランド

アボガドロ定数→プランク定数→重量という関係があり、アボガドロ定数を正確に測定するための国家プロジェクトが発足。(1)核燃料を作るための遠心分離機を用いてシリコン28を濃縮(ロシア)(2)結晶化(ドイツ)(3)格子定数の測定(イタリア)(4)球研磨・再研磨(5)国際kg原器と比較しての質量測定(相対測定)(6)体積、表面測定(日本、ドイツ)→アボガドロ定数測定 というプロセスです。

10/08 23:51
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takucyan1103
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私は国際度量衡委員会という国際組織の委員をしています。
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こーた
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かつては王の腕が、長さの単位だった時代がある。単位は権力者と結びついて、また地域や物によって大いにばらつきがあった。転機はフランス革命。より平等な単位を。政治の市民革命は、単位の革命でもあったわけだ。距離と重さを精密に測り、定義を正確に現示した原器が生まれた。でも、まだ十分ではない。どんなに厳重に保管しても、原器には誤差が生じ、失われる恐れはつねにつきまとう。より普遍的で、未来永劫に亘って狂わない基準を。辿りついたのは物理定数。何桁もさきまで精密に測って、定数を決定する。それが新たな単位の定義となる。⇒
こーた

⇒厳重に密閉された金庫のような部屋で、神体のごとく鎮座していた原器から単位を解き放って、いまやわたしたちは世界中、いや全宇宙どこへいってもかわらない、永遠不変の新しい単位を手に入れることができた。技術が進めば単位がかわる。単位を学べば科学がわかる。新しい1キログラムには、科学技術の最先端がつまっている。

06/21 06:26
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zero
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_rhodium_
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7つの基本単位について歴史を追うため、少し変遷が追いにくいが仕方ないかな(逆に単位ごとに切ったらその繋がりが見えなくなるし)。単位が変わるのは測定する技術が進歩した証だが、誰でもわかりやすいようにと決められたものが手に取れなくなってしまう矛盾というところが面白かったです
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もり
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今月20日に新しい単位系が施行されるということで、読ませていただきました。「科学が進めば単位が変わる」科学の進歩に伴い技術が進歩する。その繰り返しで人類は暮らしを豊かにしてきました。私たちの周りに溢れる単位はそれに付随し、定義され更新されてきました。本書は質量のみならず、他の6つの基本単位の定義に関して背景とともに説明されています。量子力学や相対論に疎い読者にも容易に理解できる内容となっているため、科学に興味がある方、特に計測に従事している方たちに是非お勧めしたいです。
0255文字
kamata.t2006
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再読
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kamata.t2006
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すでに読んだ事を忘れて再読してしまった。それでも、新鮮な感じで読んだのは、物忘れのせいか?
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まじぇすた
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単位の定義や歴史的や経緯について説明がとても分かりやすく読み物として面白かった。著者のメトロロジストの矜持を感じた。個人的には電流の単位の定義における「量子標準」化への経緯が面白くかつ勉強になった。アボガドロ定数とプランク定数の関係式をすっかり忘れていたので勉強し直さねば(微細構造定数とリュードベリ定数)。
まじぇすた

pp.18-19より;単位を共有しようとしたときには、その社会で受け入れられる決まり事とする必要があります。この決まり事を、単位の「定義 (definition)」と呼びます。そしてその定義を実際の形(モノ)にすることを「現示 (realization)」と言い、形作られた器物を「原器 (prototype)」と呼びます。

04/29 17:43
まじぇすた

p.152より;ジョセフソン効果も量子ホール効果も、長さや力とは直接関係なく、量子力学の下で現れた電気的な現象です。定義に従って現示されたものではないので、どんなに正確に「再現」できても、それは定義の現示とは言えない、つまり国際単位系における電気量の標準とは言いがたいのです。(中略)ここは思案のしどころです。定義に忠実に従って6桁の不確かしさに甘んじるか、国際単位系の整合性を犠牲にしても9桁の再現性を優先するか。

04/29 17:43
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Hirotsugu  Fujii
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2019年5月20日を前に、知っておくべき事柄として慌てて読んでみた。現場の感じが伝わってきて、興味深く読むことができた。(「深入りしないが」というところがいくつかあって、そういうところは、大体、わかった気がしない。) 読んでよかった。
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地雷原
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重さとは相対的なものであり、これが1kgだと定められた金属塊が1kgの定義であった、というのが面白い。どれだけ精度の高い測定でも、人類が技術の粋を集めて鋳造した1kgの金属塊の自然変化を超えられず新定義にはなり得なかった、実にロマンである。しかしそのロマンも破れる日が来た……。あらゆる単位は、普遍性のある再定義に当たってフランス革命時に作られた単位に限りなく近似させねばならないため、半端な数字を用いざるを得ないというのもなんとも面白い。科学は普遍だが、単位は人間のものなのだ。
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tarokuni
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ちょうど国際度量衡総会での新定義採択も決定されたところ、日本の第一人者による単位の歴史も含めた解説本。あまり個別の物理に深入りはしていないが、改定の意図も含め、何が起ころうとしているのかわかりやすく書かれている。 ただ、数式を使っている箇所については不正確さが目につく(いくらブルーバックスとはいえ)。特に巻末付録、マイケルソンモーレイの実験から直ちに時間の伸び縮みを結論するのは無理だし、クーロンの法則と電流間の力は(少なくとも直接には)関係しないでしょうに。あとは「光の質量」を持ち出したり…
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garyou
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「ほんとうに大切なことは目に見えないんだよ」ってこういうことだったのか。
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とりぞう
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「時間の単位である秒は、初め地球の自転による定義が用いられましたが、地球の自転には季節変動や経度変動などがあるので、1956年には地球の公転に基づく定義に変更されました。その後、さらに高い精度を出せる原子周波数標準の研究が進み、1967年にはセシウム原子の固有の周期に基づく秒の定義に変わっています」なんて話など。ちなみにぼくは、宇宙の運行より正確な時計ってのは、間違っているんじゃないかと思う立場(笑)。
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Mits
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要は、プランク定数を「これ」と完全に決めてしまったから、それでキログラムが決まったってことだ。乱暴っちゃ乱暴な話だけど、既に秒の定義でもメートルの定義でもこれに近い手を使ってたんだな。知らんかったぜ…
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kamata.t2006
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キログラム原器が、2019年に改定されることが決まっています。キログラム限らず、時間、長さなどのSI単位についてどのように精確に決めるかが問題です。誰でも、いつでも精確に測れないと行けないわけで、その中で時間が原子時計の発明で格段に向上した中でキログラムだけは、キログラム原器と呼ばれる物を基準にしていたため精度が悪かった。そこに、原子の量を図ることにより精確なキログラム原器(シリコン製)が登場する事により今までより格段に向上した精度の測定ができるようになった。それで、我々の生活が変化するわけでない。
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西澤 隆
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定義の「なんたら定数が~」を見たときはちんぷんかんぷんだったけど確かにE=mc²なのだから重量はエネルギーと光の速度から導出できる。理論と現実のキログラム原器をきっちりあわせるための地道な仕事と精度がどれくらいかをきちんと特定するための計測と開発。ブツがなくなっても、ちがう条件でも、どの国や団体でも(確かな技術があれば)導出でき以前より精度が高くなり、さらに誤差も把握できる単位決定法の開発。日本が関わっているというのはこういう基礎研究にちゃんと人と金をかけているということでもあり、そこも少し安心しました。
西澤 隆

ごくごく間接的ながら、シリコンインゴットにもかかわる仕事をさせてもらっているだけに、終盤、日本が担当して成功したアボガドロ定数の高精度測定で正確なシリコン球の話しが出てきたときは「!」しました。

09/25 10:22
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cdmabook
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2019年5月20日、奇遇にも新年号に変わる月に、ひそかに質量の定義がかわることはあまり知らされていません。厳重に管理されたキログラム原器に基づく脆く危うい定義が不変の物理量から再定義される人間の英知に感銘。それにしても、『キログラムはプランク定数の値を正確に 6.62607015×10-34 ジュール・秒と定めることによって設定される』は馴染めませんw 現在、キログラム原器のご本尊は毎年「Still there 確かにあるね!」と目視で確認作業する逸話がウケました。
cdmabook

著者の臼田さん、サラメシに登場!

09/11 20:38
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夕力
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原器の老朽により新しい素材を使用するため定義が変わる。世の中が混乱しないための智慧が素晴らしい。
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環
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日常で単位を当たり前のように使っているけれど、それはフランス革命以来、世界中のメトロジスト達が「すべての時代のすべての人々のため」に、知の力を注いできた結果。国の利害関係を超えた、計量の世界の深さは興味深かった。 数億分の1という気が遠くなるようなスケールで、世界中のメトロジスト達のたゆまぬ挑戦の日々があったからこそ、公正な取引が行える今の社会があるわけで。 1889年以来、世界の重さの基準であった国際キログラム原器がその役目を終えるって、知ってました?
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Kentaro
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ダイジェスト版からの要約 1889年、キログラムの定義は「キログラムは国際キログラム原器の質量」とされた。当初10万年持つと目された国際キログラム原器でしたが、その後100年以上を経るにつれて、どうやら表面に不純物が吸着するなどの影響により、ごくわずかだが質量が変わっていることがわかってきた。キログラムの新定義はプランク定数の値を正確に6.62607015×(10のマイナス34乗)ジュール・秒と定めることによって設定される。それでは定義改定の瞬間、何が変わるでしょうか。「何も変わりません」。
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qbc
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インポート
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takao
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物理法則から (参考文献)
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ひろ
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まえぞう
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単位の話しは自分の一生のテーマです。ながらく使ってきたキログラム原器による1kgの定義が今年から来年にかけて変更になることを踏まえて、単位の考え方を素人にもわかりやすく、丁寧に説明してくれています。
0255文字
cocolate
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シリコン球が欲しい。X線干渉法の詳細がよくわからないまま残ってしまった。波長の精密差に依存しないで格子定数を決定できるかあ。白色干渉みたいなものか?? 映画「1001 grams」の予告編は面白そうだったが。
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新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる (ブルーバックス 2056)評価80感想・レビュー41