形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:ミシマ社
「正しいかわからなくても、自己本位に行動を起こし、試行錯誤して探求し続ける」という自己の身体感覚に根ざした理解を阻んできたことを著者は指摘します。
同調圧力でできた枠組みからそれて、自分なりの探求をしたい人におすすめしたい一冊。しかし、著者が考えるように、「感覚や身体のなかで起こることをじっくり味わい、それらを行動する起点にする」のもなかなか難しそうです。日本人の大多数が、身体を抑圧するような教育や経験を経てきているので。
「逸脱は反社会ではなく、非社会的行為なのだと視点をずらしてみます。現状の社会への反対ではなく、単に現状の社会の中には見当たらないという意味になります。ないから作る。そこに自己本位でしかありえない道がきっと見えてくるでしょう。」
社会人から子供や老人や外国人は排除される。迷惑な存在は日本の笑いになるのだという。なんだろうね。子供や老人や外国人は迷惑な存在にならないように教育される。生きづらい社会だ。
誰かを非難したり迷惑に思ったとき、「自分のときはしたくても出来なかったのに」という気持ちがあることに気づいたことがあり、とても共感できた。深い考察だけれど、自分ひとりの考え方が変わっても社会は変わらないだろう。でも知っておくことで、冷静に顧みることができるんじゃないかなとも、思った。
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