形式:新書
出版社:講談社
形式:Kindle版
とはいえ、こちらの著者は歴史は専門ではないそうで、そのせいか所々に入るツッコミがなんとも面白く、(「あくまで建前だが」とか「何か一言説明しておけ」とか。古代碑文にそんなこといっても…)楽しく読めた。
時々挿入される著者による「つっこみ」というか「つぶやき」がなかなか味があって面白かった。
ゾロアスター教の話もでてきて、ちょっと前に読んだ本も参考にしているのかな?お、引用があるぞ。と、思ったら、作者同じだった(笑 そいうえば、やたらと、人物や世相へのツッコミが多いのは同じだ。いや、以前より、ずっと多くなっている1ページ2回はツッコミがある。ちょっとうざい(笑 あと、ホスローⅠ世、Ⅱ世の時代は面白く流れのはずなのだけれど、作者の筆致はそれをうまく伝え切れていないと思う。たしかに、短いページの制約はあるかもしれない。でも、市定先生なら、短いページでもワクワクさせてくれたのだろうにと思ってしまう。
一方でこちらの感想や他の専門感想でも触れられている色々問題点のある部分は素人にはあまり影響が無さそうで、特に人名の読みとかになると「もうどっちでもいい」と言うのが正直な感想となる。そりゃ正確に越したことは無い。その点は本当にそうだと思う。今回始めて知ったのはペルシャ帝国を通してパルティア系貴族がずっと力を持っていたらしいと言う事。そうなのか、パルティア、一瞬登場して消えた訳じゃなかったんだ。
それにしても文体に癖がある。「一天万乗の現人神として金甌無欠揺るぎなきエーラーン帝国」って、あなたどこの愛国行進曲ですか。
⇔「右手でコンスタンティノープルを狙い、左手でエジプトを抑えようと目論んだのである。いまだ嘗て、ビザンティン帝国を地上から抹殺しようと考えたサーサーン朝皇帝はいなかったが、彼は本気でそれを企図した」「無謀とも思える総力戦を展開したエーラーン帝国軍だったが、ホスロー二世は存外な調整能力を発揮し、三方面軍は各戦域で連戦連勝を重ねた。…」 【其々の末路】興味深いその後の去就ですが ★元々がアーリア人でさえないメソポタミアの民たちは、いち早くアラブ部族の庇護民となって、イスラーム教に改宗した。⇒
⇔★サーサーン朝の政治的基盤をなしていた大貴族の対応は、⑴イスラーム教徒支配に順応していったパターン⑵徹底抗戦して滅んでいったパターン⑶唐王朝に亡命していったパターン。 【周辺民族や消滅した国家、国家的宗教のマズダー教とゾロアスター教との関係?「神々の末裔」現人神の皇帝観念が消失して新たな帝国イデオロギーの創出へ等、初読者には疑問を残すジャンルでした。】この先のイスラームとは?
人名がさっぱり覚えられないのは諦めました。日本で言う佐藤とか伊藤みたいなもんなのでしょうが…
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