「ゲイツ&オバマ夫妻推薦」と帯にあるものの,前半の強制労働・暴力・虐待の記述があまりに凄惨で,苦しい読書であった。盆休みというのに,膨大な量の仕事(締め切りが8/16とか8/20とか,盆休みに在宅強制労働の感)があり,なかなか読めず,延長した返却締め切り(4週間)が迫る中,もう速読(めくるだけ)して返そうかと思ったが,半分を超えたあたりからは一気読みでした。モルモン教とは書いたが,父の上に教祖や指導者がいたわけではなく,いわゆる「宗教二世」とはやや異なる(モルモン教が問題なわけでなく,この両親が問題)。→
こんな親とは,とっとと縁切ったらええやん!と単純に思ってしまうが,物心つく前から「外」の世界をほとんど知らずに育った著者にしてみれば,とても難しいことだったようだ(『マトリックス』のように現世は全て「虚構」で実際の世界はこっちみたいな感じか?)。貧乏で奨学金なしには大学進学も無理だったのに,著者の進学後,無謀な労働環境での爆発事故で重傷を負って死にかけた父が,母の処方するハーブと軟膏で命を取り留めた(正直,死んでしまえばいいのにと思った)ことによって,ハーブビジネスが大成功するのは,何とも皮肉である。
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ホロコーストという言葉がわからなくて、授業で「これはどういう意味ですか?」と聞いてしまい、周りから最悪のシチュエーションで悪ふざけする人間と思われたり、そもそもテストで聞かれそうなこと、というのがわからないので、授業の中間テストでほぼ0点をとったり。日本人的感覚からすると一夫多妻制を神が許すというモルモン教の教えの時点でヤバいのだが、それを上回る環境で育てられていたので、当初はモルモン教系の大学の生徒のことすら異教徒とみなして距離を置いていた話など、想像を絶するエピソードが次から次へと出てくる。