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シルクロード世界史 (講談社選書メチエ 733)

感想・レビュー
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Go Extreme
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西洋中心主義: 古代文明の誤解ー西洋の歴史観はギリシャ・ローマを中心・他文明軽視 歴史教育の偏りー 日本の教育・古典古代が西洋の歴史の出発点 日本でも西洋の歴史観を基準・19世紀の西洋優勢の影響を受ける 歴史家: 権力者への奉仕ー権力を正当化する役割 民主主義ー権力の監視者であるべきだが実際には迎合する傾向 権力の本質: 暴力から生じ強者が弱者を支配する構造 現代の歴史学: 客観性の追求ー長期的な変化を具体的証拠と共に説明 叙述の多様性ー事実に基づくべき・民族主義や権力迎合を問題視
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イツシノコヲリ
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古ウイグル語の出土文書を専門とする著者であるが、結局シルクロードの交易とは何なのかという疑問に答えを示してくれる書籍である。シルクロードといってもキャラバンで大人数で移動していたんだなぁというイメージはなかった。マニ教とシルクロード・日本との関係も興味深い。
イツシノコヲリ

テスト前で時間がなかったので著者の歴史観が書かれている前半を飛ばした

01/28 00:57
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bapaksejahtera
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東洋史学者の著。但しシナ史を中心とする歴史学のこの伝統区分に、著者の説は馴染まない。中央ユーラシア史を重視する点で、本書も屡々引用する岡田英弘と同じ流れにある。前半その史観の概要が述べられ、2千年紀前半の古ウイグル語書簡分析や、マニ教の梗概、これ迄専らペルシャ人と誤解されてきた胡人はソグド人である等の記述が続く。エジプトやレバントの周辺文化であるに過ぎない希臘羅馬世界から蛮族視さえされた西欧が組み立てた今日の世界史観への批判や安定した交易網シルクロードや遊牧民族の「収奪」への誤解等、首肯できる内容が多い。
0255文字
みこ
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シルクロードを語るうえでその中心にいる遊牧民にかなりのページが割かれていたが、あまり詳しくなかったので大変勉強になった。たしかに、高原地帯において食物が十分取れない中、草原を様々な資源に変えてくれるのは家畜であり、その家畜を十分量確保するには一定以上の土地が必要で、その管理のために機動性の高い騎馬が常態化する、というのは高原地帯で生きるということを考えるとある意味必然的であるといえるのかもしるない。
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dahatake
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東は中国、西はペルシャやローマあたりを人やモノなどよ流通網としての中央アジアが繋ぎ発展を促したという視点での話し。新たな観点なので興味深く読んだ。 ただし。 学会に所属している人によくある他者批判を一般の人向けの書籍でするのは本当にやめて欲しい。正当性を主張するのは構わないが、こちらは他の方の説を知らないし。一般向けに配慮したと言っても、嫌な気持ちはなくならない。
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shimashimaon
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古代日本史を読んでいるとどうしても唐に興味を持ち、さらにその皇帝の出自が北方騎馬民族であることやソグド人なる集団が大きな役割を担ったことを知ってもっと勉強したくなる。そのような経緯で本書を手に取りました。シルクロードは宗教伝播と奢侈品貿易のネットワーク。鳩摩羅什や敦煌遺跡で知られるように仏教が盛んだったが、古代ウイグルがマニ教を信仰するソグド人を取り込んだことの影響が大きい。マニ教は仏陀やイエスを預言者とした世界宗教で、アウグスティヌスも青年時代にはその信者だった。マニ教資料の一部は日本にも伝わっている。
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T.J.
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前近代の中央ユーラシア世界におけるシルクロードの役割を、従来の諸説を踏襲、刷新するなかで説く。世界史をどのように考えるべきかについて数々の重要な提言を含む。氏が強調する騎馬遊牧民やソグド人、ウイグル人、マニ教といったテーマが最新の研究成果を踏まえつつ叙述される。こうした壮大な世界図をどのように各国史を反映させていけるかも続く研究者の役目ではないか。
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Tani
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中央アジアを中心とした歴史書に触れるのは初めてである。シルクロードには関心があった。著者は8つに時代区分し、騎馬遊牧民集団の登場と中央ユーラシア型国家優勢時代が詳述している。中央ユーラシアの広大な草原地帯が人間の居住空間となったのは、野生の馬を家畜化し、馬を自由に乗りこなす技術を習得し、少人数で多数の家畜を管理できるようになったから、というのは良くわかる。人口増加は戦争をもたらし、国家が生まれた。網の目のようにシルクロードができ、絹織物や高級毛織物、金銀の器などの交易が盛んになった。宗教も伝播していった。
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しんさん
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騎馬遊牧民が動かした世界史。匈奴、突厥、ソグド、ウイグル。前から読みたかったやつ。良本! マニ教のイエス像がモンゴル時代の日本に伝来していて、それが21世紀に発見される奇跡。
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●●
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ネタバレ無茶苦茶超面白い!もっと詳しく知りたい。シルクロード、北伝仏教、ウイグル・ネットワーク。
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[A lie]
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★★★★☆
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お抹茶
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ネタバレシルクロードは,近代以前においてユーラシアの東西南北を結んだ高級商品流通網で,交通の要地で都市が発生し,交易と文化交流の舞台になった。10世紀前後はユーラシア世界史の一大転換期で,北方の遊牧民勢力が中核となり,騎馬集団による軍事力とシルクロードによる経済力を背景に,南方の大人口の農耕民・都市民を安定的に支配する複合的国家となった。遼,西夏,甘州ウイグル,西ウイグル,カラハン朝など。日本にマニ教絵画や,仏陀とイエスを取り込んだマニ教におけるイエス像もあるのは,シルクロードが宗教の道でもあったことを示す。
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六点
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さて、前半では中央アジアに栄えた、ソグド人がシルクロード交易で果たした歴史や役割について幅広く取り上げている。書中で馬の臀部に騎乗していたというのに驚いた。ハミと鐙が中央アジアでの発明である事は常識であるが、それ以前は臀部に騎乗って、どうやって乗っていたのか、ぬこ田、めっちゃ気になります!終章では、宗教としては滅びきり、遺物も少ないマニ教の、しかも、世界観を描いた絵画が、奈良の大和文華館から発見されたという事実は、「あそこなら不思議じゃない」と言う気になる。あと、藤田美術館も。関西の私立美術館恐るべし。
るい

私も、シルクロードの漫画を読んだばかりです。まじめに勉強したら面白いでしょうね。

12/11 18:18
六点

真面目に勉強したいですね。支那の西側は好きです。

12/11 22:02
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びっぐすとん
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図書館本。『銃・病原菌・鉄』『サピエンス全史』『世界史(マクニール)』など人気の高い世界史の本はどうしても軸足を西洋に置いたもので、中央アジアは西欧からみても中国から見ても蛮族扱いなことが多い。シルクロードの仲介者であるソグト人を中心にした世界史は今までとは違った視点で興味深いが、専門的な部分はやや難しかった。馬に車を牽かせることより人間が騎乗する方が高度な技術だと知りビックリ。かつて草原で東西の架け橋として重要な位置を占めていたウイグル人(正確にはソグド人だけど)の現在置かれている立場には複雑な思い。
びっぐすとん

グローバルな今こそ世界史は相互理解のために必要だと思うんだけどな。とはいえそれがある国や地域視点のものとなるとまた軋轢を生むし。神様目線で書かれた世界史が必要かな。神様ですらバイアス(信徒と異教徒)が掛かるか。

09/25 10:05
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かんがく
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中央アジアは辺境でなく複数の農耕文明圏の中心であるという視点から、前近代のユーラシア世界史を捉える。かなりスケールの大きな内容で、歴史学や世界史叙述についての言及も多く、複数の文明圏の関係をもとに世界史の展開を捉えることができた。後半については著者の専門であるマニ教とウイグルについての話になり、やや狭くて深い内容になってしまった。
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ヨシツネ
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キャラバンの話が面白い
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かろりめいと
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前半は著者の考える「歴史とは何か」「世界史とは何か」「世界史の時代区分」。後半は著者の専門のソグド人、ウイグル人、マニ教について。昔よく読んだ横山光輝の歴史マンガ『三国志』では有名武将は騎馬で戦う。『史記』では戦車(馬に連結した二輪or四輪のもの)。馬を使った戦争のやり方は戦車から騎馬になったってのはなるほどでした。後半のマニ教絵画が世界で初めて日本で発見されたっていうのは驚き。シルクロード行ってみたいですねぇ。喜多郎の曲が鳴りっぱなし(笑)。とても面白かった。
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へくとぱすかる
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なかなか骨太な本で、じっくり読もうとしたら、意外に日数がかかってしまった。世界史がヨーロッパ中心になりがちなので、ユーラシア大陸全体を視野に収めるために、シルクロードに注目した歴史を構築。ソグドやマニ教の役割が非常に大きいことが納得できる。マニ教研究の最新情報もあり、日本で発見された絵画にはやはり驚き。こうした研究で古ウイグル語が直接読めることは、確かにすごい推進力。日本にそういう研究者が約10人いて、世界に100人程度おられることも学問の深さだと思う。文明を底から見直せる目からウロコの読書経験だった。
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kana0202
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最初のほうで、自分の歴史知識欲は満たされた。かなり高度な内容が続いたので、飛ばし読みしていたが、最後の方で、マニ教の仏画がシルクロードを通って日本に来ていたというのはおもしろかった。専門書って感じ。
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藤原博文
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大きな視点で世界史を把握することができた。
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サアベドラ
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著者は『シルクロードと唐帝国』を書いた中央アジア史家。前半は著者が構想する遊牧民に重点を置いたユーラシア前近代史の概論、後半は著者の専門であるソグド・ウイグルの各論。2020年刊。遊牧国家の特質、テュルクのコーカソイド化やソグド人におけるマニ教と仏教など興味深い記述も多いが、反欧米史観の傾向が強く、自分や同僚の研究を称揚する一方で意見を異にする欧米の研究者を名指しで批判するなど、アクがかなり強いので好みが分かれると思う。
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アヤリョウ
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ソグド語→ウイグル語→モンゴル語、蕃漢対照東洋地図、日本で発見!?アルダハング、ときめく話題ばかりです。
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Sumiyuki
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うむ。絹馬貿易。マニ教。ソグド人。@シルクロードとは「近代以前においてユーラシアの東西南北を結んだ高級商品流通のネットワークであり文化交流の舞台」である。@平和時の交易では、奢侈品・手工業品・農産品が対象となるが、戦争による略奪では家畜と人間が主たる対象であった。(略)遊牧民が家畜を農耕地帯から略奪するのは、自然災害や疫病や他の遊牧集団との戦闘などで失った家畜を補充したり、人口増加による家畜不足を解消したりするなど、遊牧経済における再生産活動の恒常化のためである。
Sumiyuki

@ウイグル人も漢語を訓読し、表音文字であるウイグル文字列の中に漢字をはめ込んで「訓読」したことである。@和歌には奈良に係る枕詞として「青丹よし」があるように、かつて奈良や難波に飛鳥寺や法隆寺や四天王寺など最初期の仏教寺院が建った時には、屋根瓦は濃い青色、柱は朱色、格子窓は鮮やかな青緑色の建物であり、仏像も身体は金色、頭髪は群青色、唇は真っ赤という調子で、お寺の内も外もケバケバしたものであって、今の日本人の美意識とはかけはなれていた。

12/03 21:57
0255文字
Sosseki
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世界史の中での中央アジアの重要度や支配の強さを説いている。馬や騎馬民族の特性、ウイグル・ソグド、マニ教の重要性など、年表や地図をもっとたくさん、カラーで入れて欲しかった。細かすぎて分からない部分もあったが、良い本だった。
0255文字
不純文學交遊録
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歴史を学ぶ意義を訴える序章が熱い!遊牧国家の先進性を明らかにし、西洋中心史観からの脱却を迫る。馬車よりも、人が馬に乗る方が新しく高度な技術であるとの指摘は目から鱗。胡とはソグド、マニ教の広範な影響力など、読者の歴史観をアップデートしてくれる。シルクロードを行き交う手紙の定型句「遠くの土地から近い心で」は、ネット社会の現代にも通ずる。シルクロード史から世界史の刷新を謳う本書だが、さすがにアメリカ先住民文明までは筆が及ばなかったか。歴史に善か悪かの道徳的判断は不可との主張は、正論ながら危険も孕む。
不純文學交遊録

余計な心配かもしれないが、歴史に善か悪かの道徳的判断は不可となれば、奴隷制度は?原爆投下は?ホロコーストは?当然ながら旧日本軍は無罪だよね?という主張に容易に転用可能だと思う。

10/26 15:33
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ジュンジュン
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本書を読み通すのは、シルクロードを行くキャラバンのように長く険しい道のりだった。中央ユーラシア地域を四大文明地帯の辺境としてではなく、それらを繋ぐ動脈として積極的に役割を評価しようとする。その趣旨には大いに共感できるが、自分の専門分野(ソグド人、ウイグル人)に特化した叙述はどうだろう?「概説書は先行研究を紹介しながら執筆されるもの。私は他人のふんどしで相撲を取ることを潔しとしない」(あとがきより)。そのフィロソフィーは立派だが、”世界史”を冠した書籍には仇となったか?
0255文字
Satsuki
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馬の家畜化とそれと結びつくトルコ系騎馬遊牧民の大移動、遊牧国家の「略奪」の相対化(正当化?)、イスラム化する前のソグドとウイグル、日本との関わりなど。日本仏教とウイグル仏教の漢文仏典受容の共通性は面白い。また、マニ教への高評価や、日本でいう「胡」はペルシアではなくソグド、といった点が著者のこだわりの模様。ただ、特に学術論文を基にした第4章以降は各論過ぎて、自分に予備知識がないのが原因とは言え頭に入りにくい。また著者は既に大家なので、自分はこう思う/こうした、という記述が目立つのも、一般書としては気になる。
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Go Extreme
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紙・火薬・羅針盤・印刷術:中国起源 出来事・出来事の記述 文字を最初に必要:支配者 必要がなければ歴史は書かれず 勝てば官軍・負ければ賊軍 西欧:ローマ人から野蛮人されたゲルマン人 ギリシア・ローマ文明:エジプト・メソポタミアの文明の延長 人を動かす原動力:恐怖と欲望 権力を支える宗教 理科系的歴史学・文化系的歴史学・歴史小説 歴史を学ぶ意義:自己認識と権力批判 農業革命→4大文明→鉄器革命→騎馬遊牧民集団の登場→中央ユーラシア型国家優勢時代→火薬革命と海路によるグローバル化→産業革命と鉄道・蒸気船登場
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あずさ
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ネタバレ『興亡の世界史 シルクロードと唐帝国』にてソグド人の交易について解説された森安先生が、広く中央アジア圏の騎馬遊牧民の歴史を、マニ教と日本との関わりまでまとめておられます。第三章までは馬の家畜化、騎乗、馬具と馬車の発明に関わる騎馬遊牧民の起源について。スキタイの東方起源や匈奴、フン族の移動など。第四章からは著者ご専門のソグド人交易、ウイグル交易網、マニ教の日本への伝搬などです。林先生の『スキタイと匈奴、遊牧の文明』『ユーラシアの大草原を掘る』や、杉山先生の『モンゴル帝国と大元ウルス』、三崎先生の→
あずさ

『五胡十六国』、青木先生の『ペルシア帝国』『マニ教』『ゾロアスター教』などの内容もふまえておられるので、知識の整理に役立ちました。巻末の参考文献も充実しています。

09/30 13:21
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ikeikeikea
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後半の方が面白いので、4章から先に読むのがいいかもしれない。「シルクロード世界史」というタイトルながら、日本史に関わる部分が大変興味深いので「シルクロード日本史」も出してもらいたい。胡人=ペルシャ人だと思っていたが、実際はソグト人だったとは驚き。マニ教絵画が日本に伝来しているとは知っていたが、まさか現在では9点も確認されているとは!新鮮な驚きに満ちた1冊。
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MUNEKAZ
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著者の前の一般書『シルクロードと唐帝国』はアクの強い一冊だったが、本書はそれに比べるとマイルドな感じ。西洋中心史観、中国中心史観からの脱却を訴えつつも、平易な言葉で歴史を学ぶ意義や捉え方を説く序章から1章にかけては大学の教養課程の趣き。面白いのはシルクロードを通した宗教の伝播を扱っているところで、現在ではイスラム教の印象の強いウイグルが、ソグド人の影響からマニ教へ、そしてさらに仏教へという変遷を遂げていたのは意外。またマニ教の宗教画が日本にも伝わり、近年になって発見されているというのにも驚かされた。
0255文字
(ま)
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中央ユーラシアシルクロードネットワークの前近代世界システム論 胡 = ソグド
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さとうしん
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著者の専門であるソグド、ウイグルを中心としつつも、扱う時間幅を紀元前まで広げ、かつ日本との繋がりにも言及する。個人的には、本編のシルクロード矮小化に対する反論や唐代の「胡」はソグドを指すという議論のほか、序章での歴史学の三分類、理科系的歴史学・文科系的歴史学・歴史小説という区分の提示や、第一章で近年の批判的論調を踏まえつつも「四大文明」概念を再評価し、これをもって「西洋中心史観」に対抗しようという発想を面白く読んだ。
さとうしん

序章から第三章までの構成は、大学での講義や概説書というのを意識したものになっているなという印象。

09/15 17:16
0255文字
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