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始まりの木

感想・レビュー
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ガミ
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東京の大学にて民俗学を研究する古屋神寺郎と彼の院生である藤崎千佳が各地をフィールドワークする中で、民俗学の本質を考えて行く物語です。癖ある人柄でも、探究心の強い古屋の言動を聞いていると、なぜか共感できる不思議さを楽しませてもらいました。そんな古屋にさらっと意見していく千佳も、会話のパンチが効いていてよかったです。印象に残ったのは、p149で古屋が語る批判でした。目的や課題が見えない単なる記録に対する意見は、研究する上での心構えが感じられました。
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チーコ
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この作者の本は初めて読んだ。題名やあらすじからでは、余り興味は引かなかったが、とりあえず読んでみた。軽い気持ちで読み始めたが、物語りに引き込まれ一気に読める内容であった。どこにでも、神、仏様が存在すると‥。民俗学が少し理解し、身近な物になったような気がする。
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けい
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偏屈な古屋先生と院生藤崎のリズミカルな掛け合いが良かった。「七色」に登場する少年やその両親の話が心に響いた。作者が伝えんとすることを、しっかりと受け止めるには、あと何周か読み返す必要がありそう。
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がーにゃ
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時間をかけてゆっくり読んだ。夏川さんの本は言葉が丁寧で美しく、まるで自分が本の中にいるかのように感じさせてくれる。見えるものしか見ようとしなくなりつつある現代において、様々な土地を訪れて自らの足で土地を踏みしめ、そこに根付く営みを掬い取ろうとする民俗学こそ必要とされるのかもしれない。大変興味深い作品。読めてよかった。
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ミー
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たしかに、いまの世の中便利さと豊かさを手に入れた反面、目に見えないことに対する敬いの気持ちが薄らいでる時代になっている気がする。 そんな気持ちを思い出させてくれる本だった。
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サ
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夏川草介さんの本は、読んでいて心が温かくなる。温かくなるだけじゃなく、襟を正すいい機会をもらえている。
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雪
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ずっと気になっていた一冊。個性的な登場人物達に民俗学という組み合わせ、夏川さんらしい一冊だった。 特に第五話の「灯火」は日本人として生きていくこと、日本人たらしめるものとはなんなのかを訴えてかけられた。 長いスパンで書かれたものなので、続きがこの先あるのかわからないけれど、千佳の研究テーマがどうなるのかぜひ続きを読んでみたい。
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りつか
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ネタバレ夏川さんなのに医療ものでない……? と思いながら読み進めて、時折病院が登場するのに(安心するような場面でもないのに)安心しながら読み終えた。民俗学は何をする学問なのか、何のために研究するのか、という問いかけが全体を貫いている。スーツケースの功罪についても考えさせられる。使うときは気をつけよう。「信州随筆」は知らなかったし、太宰の「晩年」は部分的にしか読んでないしなので、どちらも読んでみたい。あとやっぱりお遍路はいつか絶対。
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鉄之助
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太宰が通っていた喫茶店、嶽(だけ)温泉の”嶽きみ”(とうもろこし)…。地元民にとってうれしい設定、第1編から面白く、引き込まれた。偏屈な准教授と大学院生の師弟愛が魅力。民俗学とは、「就職の役には立たない。だが、人生の岐路に立ったとき、その判断の材料を提供してくれる学問だ」とは名言だ。日本人とは? その日本人が敬う”神”とは? いまこそ、考えるべきテーマ 満載だった。日本人の原風景を訪ねる旅をしながら、日本の美しい四季も追っている。夏川草介さん、お見事!
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Gajip
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作者が医師であるという事が頭から離れず読んでるうちは、専門外の事の詳しさに感嘆しながらの読書だった。 口の悪い古屋准教授と院生の千佳の軽快なやりとりや、フィールドワーク先での出来事にハマるうちにそんな事はどうでも良くなった。後半になるほど民俗学が意味するものの深さに惹き込まれる。 今年私が実際に目にしたお遍路さんの話の、同行二人は特に良かった。
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BamgB
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諸行無常、盛者必衰の理を顕す。日本の昔からの八百万の神の考えと民俗学を絡めて、現代の心の持ち様に問いかけている。島国である事で生まれた神仏崇拝。初日の出や富士山御来光もその類だ。自然もそれを大切に思う心も守っていきたい。文章も読みやすく勉強にもなった。
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nanaho
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サラサラ読める。 自然を畏怖し、ともにあった日本の人々。 そういう根本があったから、西洋のような救う神を持たずとも、文化を築いてこられた 肥大し混迷していく現代。これからは民俗学の出番。
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コリディ
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9点。医師が出てこない夏川さんも良いなあ。民俗学かぁ、大学時代もっといろんなこと学べばよかった。大学入学時のオリエンテーションで読むのを勧めるべき本です。嶽温泉、実相院、伊那谷の大柊にはいつか行ってみよう。続編は出ないのかなぁ。
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ようかん
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西洋の神様は信じることが第一だが、日本では感じるかどうかが大事なのだそうだ。岩や木、滝、夕日をみて感動したり拝んだり、日々の生活の中で、自然に培われてきた日本人の感性。それも今や感じる人が減り、データの分析ばかりが重要視されるようになりつつある現代、この先日本はどんな方向に向かっていくのか。 何か事件が起こるわけではなく、派手さはないけれど、心に染みる言葉、出会い、不思議な出来事。殺伐となりがちな日々を少し立ち止まらせてくれる一冊。
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たくみ
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ネタバレ本作を微妙に感じるのはこの准教授が同世代の男として極めて稚拙な人間に見えてくるからだと思う。今現在の自分の知を持って若者を貶すことなぞどんな馬鹿でも簡単にできる。偏屈、変人という言葉で甘やかすなと言いたい。実際に何もできないじゃんこの人。妻を救うこともできなかった、教授の様態も知らず教授と話すこともしなかった。むしろ教授が人格者で尊敬すべき人間にしか見えない。せめて決めつけず話せよ、ガキか。その為、本作の旅情小説的な魅力や民俗学の話などの美点が陰ってしまっていて惜しい。
たくみ

いいこといっぱい書いてるのよ。しかもそれを現役医師が書いているという驚き。そして引用文献の数。本当に准主人公の人間性さえもう少しまともならばもっと続きが読みたくなる作品になったと思う。

09/13 11:50
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ヨシダ
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読んでよかったと思う 読む手が止まらない、とかそう言ったものではなくて人生で一度は読んでおくべき本,というのがしっくりくる 何度も何度も読み返して、自分の心に少しずつ刻んでいくのが正解だろうなあ、 確かに,道を進むなら王道というのは間違いないかもしれない 民俗学者と普段の人生では関わりすらないような職業でも結局は回り回って自分の何かになっているんだろう あらすじは有名学者の偏屈先生と日本各地を回って民俗学を勉強していく、的な この本の描写に出てきた素晴らしい秋の景色、ぜひ一度自分の目で見てみたいものだ
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Nobu A
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夏川草介著書9冊目。専門分野以外も丹念に研究して上梓する姿勢に感銘。相変わらずの美しい筆致。風光明媚な情景と情緒纏綿な心情を巧みに綴り、登場人物への感情移入だけでなく、舞台への感情移動も可能にしてくれる。今回の主題は民俗学の始祖、柳田國男。高名な名前は何度も耳にしたが、本書を通してどんな人物だったか学んだ。今時いない古谷神寺郎准教授と大学院生、藤崎千佳の絶妙なやり取りと隠れた名所や菓子紹介が物語を引き立てる。文章を通して浮かび上がる人情や矜恃が心に染みる。一点だけ。最終章を書き下ろしたなら全文推敲してよ。
Nobu A

仁藤仁の人物説明が繰り返しあるのだけ鼻に付く。

09/05 17:42
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orchid bright
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ツールは民俗学ですが、生きることの本質、大局観をもって過ごすことで見える、人生の景色の価値を理解させてくれる一冊です。
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ozma
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古屋が妻によって、民俗学の自分の研究者としての目指す道を理解した、「始まりの木」が印象深かった。何とも言えない切なさが残る「七色」も、個人的には好きな話。日本人として日々の暮らしの、ささやかな出来事の中に神の存在を感じられる心情は、滅びる事なく、受け継がれてほしい。 未来に少しでも、良いものを受け継いてほしい。葛藤する登場人物に、僅かだけど希望も感じた。
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ミーママ
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図書館の本📕 民俗学について初めて触れたような気がする。 とても良かった! 素直に慈しむ心が持てればと思った。2024-71
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となりのトウシロウ
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医者である夏川草介の民俗学のお話。主人公は東々大学准教授・古屋神寺郎と教え子の院生・藤崎千佳。「藤崎、旅の準備をしたまえ」の言葉で始まる昔ながらの日本の原風景が残る場所へのフィールドワーク。足が悪く杖を突く古屋とその毒舌に耐え、鞄持ちとして付き従う千佳。古来日本人は山、木、岩、海などに神を感じ崇拝してきた。「現代は、自然に対する謙虚さが失われ、金銭的な豊かさと引き換えに、精神はかつてないほど貧しくなっている。」目に見えるものや結果だけが真実ではない。神や仏を感じる感性は無くしてはならない。
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みち
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民俗学の話とはどんなものだろうと思い手に取ったが、とても良かった。どのお話も、少し不思議だけど、自然や神様やその土地の歴史を感じる。宮本常一の「忘れられた日本人」を少し思い出した。
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にゃるねんnnn
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友達が民俗学を勉強したかったが将来性がないから断念した、と言っていたことを思い出した。私が内容をきちんと理解できたかはわからないけど、かつての日本人の与えられた万物を受け入れ、感謝する心豊かな精神は未来にも残ってほしいと改めて思う。
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ラビッツ
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この本で、初めて『民俗学』に触れた。もっと早く知りたかったと後悔するほど惹き付けられた。目に見えることも見えないことも、実際にその場に赴き感じることが大切なんだと、古屋先生や千佳のフィールドワークで教えられた。もっと二人の旅を読みたい。
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ミィ
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感じること… 民俗学に興味でたな
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xx1
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面白かった!という感想ではなく読んで良かった!という感想です。民俗学。。。自然。。。人の心。。。なんとなく、ほんわかとした感覚で読み終えました。 作者である夏川さんも色んな本を読んでいるんですね。 ^_^
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ホンダ
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民俗学の話。この歳になってとてもしっくり馴染んで心地いい考え。今なら爆睡したり、サボったりする事なく先生の話を聞きたい。神様の考えも欧米となるほどーそんなふうに違うのねと今更ながらに。日本の神様の考えがあっての日本人の暮らしがある。そういうの大事に心に留めて暮らしていこう
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まさみ
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自然を慈しむ気持ちこれからも大切にしていきたい。巨木や巨岩に対して祈りを捧げたくなるのは日本人特有のものなのだろうか。
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みの
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ネタバレ住職の「滅びるね」。その言葉が重い。木を切って、心を削って行ってその結果が今。読んでいて背筋が伸びた。 民俗学の教授と院生の2人が全国を巡る短編集。
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ysk
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民俗学という分野を初めて知る機会にもなった。 自然や土地から神や仏を感じることは今の時代忘れがちであるがとても大事な感性だと学んだ一冊。目に見えるものが全てではない。見えないものこそ大事にする価値があるのかもしれない。
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うたこ
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ネタバレ偏屈な古屋神寺郎 准教授と、院生 藤崎千佳が全国を旅する。①寄り道(弘前) 准教授の奥さん(皆瀬裕子さん)の実家へ寄り道。 ②七色(岩倉) 松葉杖の青年の、鞍馬までの電車旅に同行するが…? ③始まりの木(信州) 言語学の永倉教授に頼まれ、准教授は信濃大学で特別授業する。 ④同行二人(高知) 千佳は朗々とした読経の声に惹かれ山道へ入り僧と会釈し合い、大動脈解離を起こしている男性を見つける。 ⑤灯火(東京) 准教授がお世話になっている住職が胃癌…2日間のみの一時退院で、3人は樹齢600年の枝垂桜を見るが…?
うたこ

p205「神様がいるって感じることは、世の中には目に見えないものもあると感じることと同じです…もし、目に映ることだけが全てだと考えるようになれば、世界はとてもシンプルで即物的です。そういう世界だと、自分より力の弱い者を倒すことは、倫理に反するどころか、とても理にかなった生き方になるかもしれません。つまり勝てばいいんですから」千佳も格好良い!

04/22 17:42
うたこ

医学生 来栖鳴海の発言がいちいち生々しいのには笑った。p248「じゃ、内科学全書から外科の解剖学まで、全部暗記してみる?夢の中にまでウイルスとか寄生虫の名前が出てくるようになるわよ」p281「さぼってないわよ。今週から実習先が精神科だから、結構自由時間が多いの。夕方のカンファに間に合えばいいから」ただ、医学部キャンパスが隔離されてないのと、浪人のときに医学部志望と文学志望が仲良くなれたのは、珍しい気がする。

04/22 17:46
7件のコメントを全て見る
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マツ
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民俗学ってよくわからなかったけどこの本を読んで少しだけ知ることができた。大木や大きな石、岩、山にいくと何かを感じる。神を感じる、ということなのか。大切なことが書かれていた。時々読みたい。
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優希
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民俗学がテーマ。特別なことは起きませんが、静かに時が流れていく感覚が好きでした。日本人と自然。それは人々のルーツなのかもしれません。風景や光景が目の前に広がっているような感覚を味わいました。
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雛
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民俗学を専攻してる学生と、怪我を負い不自由になった脚でフィールドワークへ学生を伴い出掛ける偏屈で口が悪いが、優秀な民俗学者と日本中を練り歩く。足を怪我した経緯…手術を拒否する理由は少しばかり切ない。毒舌や皮肉をもろともせずポンポンと返事を返す所などは読んでて爽快。 紅葉の風景や、森の雰囲気、樹齢600年以上と言われてる枝垂れ桜…穏やか・雄大さを本文から感じる。煩雑な日々に埋もれそうだけど、インスピレーションや感性を大切にしたいと思う。
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イー
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作者の訴えたいことには深く共感するが、登場人物たちがあまりにもステレオタイプ過ぎて、やや興ざめだった。カント倫理学が専門の秋元康隆氏の巻末の解説によって、カントの思想の極々一部であろうけれど、知ることができたのは、思いがけない幸運であった。また、共感を覚えて満足していたところに鋭い指摘をされ、それはこれからの自分の課題となるだろうと思った。
0255文字
さくらもち
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「目に見えること、理屈の通ることだけが真実ではない。」すべてを科学や理屈で説明しようとすると、きっと本当に見たいものが見えなくなってしまう。説明しないほうが良いものもたくさんあるのだろうなと思った。
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快傑ソロ
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ネタバレ日本人は、古代から、山や大木や石に神を感じてきたが、それが急速に失われているというのは、深く共感した。日本の神は、信じるものではなく、感じるもの。山に登れば、山頂には祠が祀られ、無事の登山を感謝して、手を合わせずはいられない。山頂から、銅鏡のような日の出を拝めば、手を合わせたくなるし、海に沈むきれいな夕陽を見れば、今日一日を感謝する。平然と桜の大木を切るような社会は亡びるね。という老住職。同感だ。これを書いたのが、神様のカルテやレッドゾーンなどを書いた多忙な現役の医師であることに、驚嘆する。
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むっち
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ネタバレタイトル「始まりの木」が何を意味するのか。日本人として大事なことを様々な形で教えてくれる。解説も濃い。
0255文字
さよ
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簡単に言えば、大学のゼミの先生と、旅をして話をする、という物語。学者は、わき道でなく、近道でなく、王道を行け、という言葉がかっこよかった。実際に現地に足を運んでこそわかるものがある。
0255文字
ひな
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ネタバレ今作は医療ものではなく、民俗学をテーマに風変わりな古屋助教と彼のぞんざいな振舞いにもめげずについていく院生の千佳の物語。何か特別大きな事件が起きるわけではないけれど、全編通して落ち着いた雰囲気が漂っているのが良い。太古の昔から日本人は自然を敬い過ごしてきた。古屋助教の語りを読むにつれ、これまで西洋の宗教の信念を何回聞いてもどうもピンとこなかったのだけど、その理由がわかったような気がした。ラストの話が一番好きでした。
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