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世界はありのままに見ることができない ―なぜ進化は私たちを真実から遠ざけたのか―

感想・レビュー
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Starr Stream
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 我々が見えている世界は、脳が人類の生存に最適化するために適応戦略をとったものだ、という斬新な論を、論理ベースで立証していく。哲学に近い内容だが、実験ベースで語られるため、言葉あそびに長々付き合わされる事がなくてそういう点では読みやすい。確かに、正常化バイアスなど、論理的な正しさ≒生存にかならずしも繋がらない反応をしていることを再確認した。が、訳の日本語が下手すぎるだめ非常に苦心しながら読んだ。
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たかひろ
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つまらなかった。苦痛この上なく飛ばし読みで読了。進化心理学とかいう与太話を学問として扱うのをやめてほしい。クオリアも科学で扱える概念ではない。「我々の知覚は完璧ではなく、どこかに実在する『物自体』の存在を認識することはできない」というカントの頃からまったく進歩していない。哲学書として読むにはいいだろうが、これは科学ではない。
0255文字
コバ
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適応は真実に勝る…FBT定理 知覚にかかるエネルギーを節約するために、錯覚などが生じる。 感覚がインターフェースの背後に実在を隠す。 意識は物質から生じるのではなく、物質や時空の方が知覚インターフェースとして意識から生じる。
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かるてぶらんしぇ
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低学年の発達障害テストとして知られる「サリーとアン課題」はまさにインターフェース理論。知覚の外に事物は存在せず、各意識の間にはインターフェースがある。ソシオパスや色盲の人にはそうでない人の近くとは理解を共有できない間仕切りがある。汎心論との差別化は知覚は心ではないこと。テクノロジーによって共有可能なフェイクが実在であり、モノはそれ自体ではない。
0255文字
エジー@中小企業診断士
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ネタバレ 「意識」と「実在」についての本。著者が提案している理論(仮説)は「コンシャスリアリズム(意識的実在主義)」である。意識のハードプロブレムに対して物理主義の意識の理論構築は「失敗」であるとし、ジュリオ・トノーニの統合情報理論も否定。時空は「意識的主体」の“インターフェース”であり時空内の物体はPCのデスクトップにある“アイコン”である。進化ゲーム理論的なFBT定理によれば知覚系は実在の真の構造を知覚するように進化したのではない。適応度を検知し行動するために進化した。知覚のインターフェース理論(ITP)。
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Shori
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直感を崩す理論のため、咀嚼に時間がかかる。「適応は真実に勝る」FBT定理、各知覚系はユーザーインターフェースであるITP理論から、時空=デスクトップ、物体=アイコンという解釈が成り立つ。最終的に、意識は物質から生じるのではなく、物質や時空のほうが、知覚インターフェースとして意識が生じるのかもしれない=コンシャスリアリズム(意識的実在主義)⇔物理主義。なお汎心論ではない
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in medio tutissimus ibis.
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進化は我々を真実から遠ざける。淘汰圧はそうした贅沢品よりももっと粗悪だが重要なシグナルを発見する者のみを生かすため、生存者の意識は自身にとって重要なアイコンーー色、形、時空で埋め尽くされたインターフェースと化している。実体なるものは実在するのだろうが、観測がかくも私的な行為であることを考えると、その実態を知性が見出すことは非常に困難である。むしろ、意識の主体こそを実体として世界を記述する事こそ科学的にはベターなのではないかと著者は提案する。科学というには哲学的過ぎて、グレッグ・イーガンと見分けがつかない。
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亀山正喜
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興味深いが、僕には難解。しかし、仏教の唯識的な話に通じるなと感じた。1人1宇宙。再読したい。
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しみそー
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ネタバレ進化生物学からの《実在》をめぐる根源的論考、着弾!! ダーウィニズムはホンマヤバいということがよくわかりました。万能酸怖い。■「適応は真実にまさる」(FBT定理)と「知覚のインターフェイス理論」(IBT)の二本立てで、「時空間の中に物体が存在する」という素朴な捉え方を完膚なきまでに破壊し尽くす。最後には、新時代の汎心論を提示して幕を閉じる。■FBT定理は人間の抽象的思考には安易に適応できないとし、そこに関しては従来の考え方を保持する。正直ここだけは、ちょっと日和ったなって思った。■しかし圧倒的に面白い……
しみそー

読む前は、「あーはいはい、進化心理学とか使って、人間はバイアスたっぷりだ、だからこそそのバイアスの特性を知ってよりよく生きようとか言うんだろ」と失礼なことを思っていたけど、読み終わってその圧倒的な射程距離に頭がクラクラした。想像以上に哲学的な部分が多くて難しかったけど、ぐっと耐えて読んだ価値はあった。

12/18 19:25
しみそー

訂正、IBT→ITPです。

12/18 20:00
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TM
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我々が観測している世界について,それが世界のリアルな状態を観測しているわけではなく,実際の世界は我々が観測しているようなものではない,ということを科学的に論じた本。科学的論拠から,哲学の世界を覗いていくような内容で,著者の見解そのものに感服するとまではいかないが,非常に興味深い指摘を行っていることは間違いないと思う。
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jackbdc
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面白そうだが難解。ヒトが見ている世界はデスクトップ上のアイコンのようなもので実態ではない。実態把握の負荷を軽減するために、このように進化したという主張。序盤は脳神経科学から認知科学・哲学と思考実験が広がって、頭が苦しくなっていく。中盤からの量子力学の登場でピークを迎える。私は辛くなって読み飛ばしてしまった。しっかりと着いていくには一定程度の知力と意欲のスタミナが必要。個人的には量子力学のコペンハーゲン解釈や多世界観がどうしても苦手。この辺りが受け容れられるようになれば最後まで完読できるようになるかも。
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Musigny
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久しぶりに読んでいてワクワクした本でした。読んだ後で少し世界が違って見える最高の読書体験が味わえました。しかし難しかった。量子力学とか入ってくるんだ〜って感じでしたが、量子力学の理解がちょっとだけ深まった気がしました。デスクトップなどの例えが秀逸でわかりやすかったです。
0255文字
ばにき
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「私たちが見ていないときにそれは存在するのか」という実在論から始まり、自然選択によって進化した適応的な知覚は事物そのものではなくインターフェースであるという主張。話の内容自体は、知覚とベイズ推定やアフォーダンスの文脈で語られていたものに近くて納得感あり。哲学や物理学、進化論の話を全て理解したわけではないが、学問間のつながりから命題の奥深さを体感できた。
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氷月
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著者は「人類は実在をあるがままに見るべく進化した」という考えを進化ゲーム理論のFitness-Beats-Truthの定理に基づいて否定し、私たちが知覚しているのは例えて言えばデスクトップアイコンのようなものであるという知覚のインターフェース理論を提示する。知覚は真実ではなく適応度を知らせてくれる。私たちが見ている月は認識器官が構築したものであるから、見られていないとき、「月」は存在しない。著者はさらに意識的主体のネットワークが実在であるという「コンシャスリアリズム」という存在論を提起している。
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まいこ
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ネタバレ読む前とは世界が違って見える本だった。著者は時空も観察される前からの実在ではないという。距離は例えば、食べ物を獲得するのにかかるコストをそれとして知覚していて、コストのかからない食べ物を近く感じる。時空がデスクトップなら物体はそれを扱って繁殖するためのアイコンのようなもので、進化の過程で獲得してきた。平面に凹凸を見たり、実在しない補助線を見る錯視の例がわかりやすかった。「見ていない時には凹か凸か、どちらがあるのか?」はナンセンスだ。感覚デスクトップは種固有だけど、個体の体験でカスタマイズされてくのかな?
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なななん
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刺激的でした!! 知覚とは、自然選択によって生き残るための適応度を報告することにある、と著者。それは、物体からの情報を知覚することのみならず、物体それ自体もフィクションであると。ここまでなら他でも聞いたことはありましたが、さらに、空間と時間さえもフィクションだと主張します。その根拠として、FBT定理やITP理論、量子論やホログラフィック原理で裏付けをしています。最大の問題は、著者の主張がどこまで正しいのか判断できない自分にありました。あらら…
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KJ
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タイトルからして絶対おもしろいだろうなぁと思っていたけど、その想像を超える面白さだった。非常に興味深い議論であり、個人的な認識に近いところもあって、難解な議論ではあったけど比較的ストンと腑に落ちたかな。ただ、この人が提唱しているコンシャスリアリズムの考え方についてはとりあえずは保留。単純に人間の知覚がありのままを見るように進化しておらず、インターフェースに過ぎないという話で終わらず、実在論・本質論に昇華させていく感じは読んでいて楽しい。この手の本はもうちょっと読んでいきたいところだね。
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izw
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人間は、見えた通りに認識しているわけではない。情報を落とし、見るべきものを選択して、都合よく認識している。そのプロセスは進化の過程で洗練されてきた。これは「FBT(適応は真実に勝る)定理」によって説明される。認識している世界と外界は一致していないので、客観物が存在するかという哲学問題にもなるし、時空が存在するかや、量子論での観測問題ともなる。筆者が「ITP(知覚のインターフェース理論)」と「コンシャスリアリズム(意識的実存主義)」を提唱して説明しようとしている第10章は興味深い。
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ABAKAHEMP
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本ってほんと面白い。昨日は400ページ弱の半沢直樹で夢中にさせられ、今日は同じ分量で、自分の親指をハンマーで打ち据えられた程の衝撃を受けている。本文中にも出てくるが、マトリックスのモーフィアスが、最後のチャンスでこれを飲むと後戻りできないぞと渡される錠剤のように、物体、空間、時間、世界そのものの見方が変わる。まず、視覚が能動的で建設的なプロセスだという前提から始まる。目それ自体がリンゴや滝を見ているわけではない。目のなかの1億3千万個の光受容体には、みずみずしいリンゴも、荘厳な滝も存在していない。
ABAKAHEMP

バニラの味は、食べ物の選択を導くアイコンであって、どんな分子構造をしているかを問うことは無益だ。バニラの化学式から、特有の味覚経験を正確に記述できるだろうか? 特定の分子が真に特定の味がすると証明するための科学的証拠はないのだ。「物体は、私たちの感覚に自らを押し付けてくる既存の実体ではなく、利用可能な多数の利得から、競争相手より多くのポイントを稼がなければならないという課題に対する解決手段なのである」

03/21 21:07
ABAKAHEMP

著者はドーキンスを信奉し、すべてを勝者遺伝子や生き残って子供を残すための生存戦略に還元して、例えば、自己犠牲や利他的な行動もこの文脈から解釈するため、ちょっと賛同しにくい点もあるのだが、著者自身がこの研究成果を広告の分野で生かしているように、応用範囲は広い理論だと感じた。読んでて、ある種の心理療法やセラピーに応用できそうな気がしたが、ただ直感にあまりにも反した考えなので、地球平面説や地動説と同じようなパラダイムシフトが必要そうだ。

03/21 21:14
8件のコメントを全て見る
0255文字
まるちょ
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今私の目の前にあるリンゴは、目を閉じた後もそこに存在している?
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アキ
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人間の視覚は物質を光と色に変換して脳で再構築している。進化心理学によると、知覚とは生きるか死ぬかの問題を解決するために自然選択によって進化したもので、決して正確性を確保するために進化したのではない。適応は真実に勝る理論によると「空間、時間、形、色調、彩度、明るさ、肌理、味、音、匂い、運動などの知覚の語彙は実在をありのままに記述することができない」のである。進化は、デスクトップのアイコンのように知覚のインターフェースになるよう感覚を形作ってきた。6章から量子力学が展開し、時空は存在しないって??再読を要す。
アキ

最終章まで読み進めると、著者の主張するこの世界の一元論を「意識的実存主義・コンシャスリアリズム」と呼び、提唱している。汎神論ではなく、科学にふさわしい物質主義でもない。今まで脳が意識の魔術を繰り出していたと誤って誘導されていたのだと。量子重力理論など新たな領域に適合するということだが、やはり理解ができたとは言い難い。しかし興味深い。

12/11 22:28
0255文字
はぶちえ
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タイトルで言い切っているようでいて、それを徹底的に論じ掘り下げている本。 全体的に(とくに後半)は難しく、かつ物理学から哲学まで多様な知識が必要とされるが、最後に著者が提案する「コンシャスリアリズム」は意外にシンプルだと感じた。 全体的に、自分の直感に反する理論や考え方が続くので、かなり噛みごたえがある。
0255文字
mim42
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哲学、生物学、人工知能、物理学に及ぶ問題。我々が見聞きしているものは何か?とても面白く読んだ。動物の認識の進化は、「実在」を忠実に把握する精度を高めてきたわけではなく環境に依存する適応度利得を高める方向だった。ということが進化ゲーム理論を用いて説明される。思弁的存在論や新しい存在論の議論とも同じ地平に立つことができるし、激しく対立する事も予想される。結論として導かれる「コンシャスリアリズム」は限られた紙面のせいか説明不足感がありうまく理解できていない。引用された論文を読めば良いのかもしれない
0255文字
Gokkey
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描かれている世界観は完全に映画マトリックスそのものだ。われわれが常日頃「見ている」ものとは、生存に必要な情報のみを抽出圧縮したものに過ぎない。つまりプラトンの洞窟の比喩のごとく、見ていると思っているものは何らかの写像であり、この洞窟の中にいる限り決してそれには気づかない。モーフィアスが差し出した赤と青のカプセルの赤を選択すると何が見えるのだろうか?そしてその世界はどのように記述されるのか?哲学×科学(脳科学、量子的実在論、進化生物学)+SFのスパイスで最後まで面白く読ませる。おススメ。
Gokkey

プラトンの喩えでも明らかであるが、この問題意識は古代ギリシアの哲学者から引き継ぐもの。[主語 is 述語=実体 is 属性]という形で目の前のものを切り取る(属性を付与する)ことによって物体の存在を認識し、その物体を還元的理解に落とし込む科学的手法は主観性に強く依存する。科学の発展が今再びパルメニデスから連綿と続く意識と存在の問題を掘り起こしてしまった。赤いカプセルを飲んでしまった今、最もシンプルな問いは「客観的な世界とは何か?」(本書p273 )なのだ。

10/20 16:33
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Shuji Nakauchi
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ある甲虫は雌の外皮の色艶を重視するあまり、捨てられたビール瓶に死ぬまで交尾を試み絶滅の危機にあるという。人は虹彩や生理周期や栄養状態などが好む異性の性質の傾向に関連するという。その他諸々のデータによる裏付けから人が目で見えて認識した事はありのままの実体とは異なるという。 というか甲虫の例を出すまでも無く、人の雄も二次元の絵や写真をパートナーとみなし単単独で生殖行為を試みたり、コンピューターの中のプログラムされた人格と疑似恋愛したりしてる。AIが人を滅ぼすときはこの辺の認知のバグを利用されるんだろうなぁ
0255文字
Kenta
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世界はデスクトップで人や物はアイコン、開いて見るまでわからない。
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