形式:単行本
出版社:インターシフト (合同出版)
『脳は世界をどう見ているのか』(読み終えてない…)に近いようで近くない本…。
スマホのナビに頼りすぎは海馬を劣化させるそうだが、画面ばかり見てないで景色を見た方がいいに違いない。しかし子どもが道草もできない世の中というのも子どもからナビゲーション能力を発達させる機会を奪っているわけで、いろいろ悩ましい。
⇒迷うことが必要なんだ」という意見には深くうなづくが、GPSを使ってより高度に深くさまよい、新たな(個人的な)発見につながる経験も負けず劣らず沢山あるので。▼でも、北極圏の雪原におけるイヌイットの狩りの話やオーストラリアの砂漠の民、アボリジナルの口承伝達の話などと共に、脳神経学者らの長年の研究成果やたくさんのインタビューも踏まえて、作者が思索を深めていく姿は、文章を目で追いながら色々なことを考えさせられて非常に刺激になった。地図好きにはおススメしたい本です。
→隆弘さんが大変素晴らしい解説を書かれているので、最後にその一節を引かせていただくことにしたい。「そんな根源的な道を見つける力が、今日、GPSや移動・遊びの制限などによって失われようとしている。海馬は使わなければ、縮小していく。海馬の縮小は、PTSD、アルツハイマー病、統合失調症、鬱になるリスクを高める。・・・スマホでのGPSや写真撮影をしばらく止めて、場所そのものを身体で感じ、慈しみ、ときには迷いながら進む。そんな振る舞いが、あるいは人類の開かれた未来につながるのかもしれない。」(真柴隆弘)
この本、面白そうですね。GPSは私の必需品となっていますが、確かに失うものは多いのかも。ご紹介ありがとうございます。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます