形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:筑摩書房
★WW2戦後、経済成長+福祉政策がともに実現し、分厚い中間層がいた時代には、リベラル・デモクラシーがうまく機能したが、中間層が没落した現在、リベラルとデモクラシーの結合がほどけてしまった。①一方に、非民主的なリベラル。つまり欧米に見られる(れた)、エリートによるリベラル支配。これは、伝統的な価値観を持つ没落中間層にとっては「非民主的」なリベラル支配と映る。②もう一方に、民主的な非リベラル。そこにポピュリズムが入り込む。
★重要なことは、①「相互的寛容」(政治家みなが意見の不一致をすすんで認める)、②「組織的な自制心」(持っている権限でも、根源的な理念に照らして濫用しない;勝手に非常事態宣言を連発して国境壁を建てたりしない)を持つことである。日本では、②の事例として、内閣法制局長官に安倍派の外務省出身者を起用したり、最高裁判事に弁護士会推薦以外の人物を起用したり、検事総長が安倍派になるよう異例の定年延長をしたりしている。こうした先例ができてしまうと、将来ポピュリズム政権が誕生すると、悪用されかねない。
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★WW2戦後、経済成長+福祉政策がともに実現し、分厚い中間層がいた時代には、リベラル・デモクラシーがうまく機能したが、中間層が没落した現在、リベラルとデモクラシーの結合がほどけてしまった。①一方に、非民主的なリベラル。つまり欧米に見られる(れた)、エリートによるリベラル支配。これは、伝統的な価値観を持つ没落中間層にとっては「非民主的」なリベラル支配と映る。②もう一方に、民主的な非リベラル。そこにポピュリズムが入り込む。
★重要なことは、①「相互的寛容」(政治家みなが意見の不一致をすすんで認める)、②「組織的な自制心」(持っている権限でも、根源的な理念に照らして濫用しない;勝手に非常事態宣言を連発して国境壁を建てたりしない)を持つことである。日本では、②の事例として、内閣法制局長官に安倍派の外務省出身者を起用したり、最高裁判事に弁護士会推薦以外の人物を起用したり、検事総長が安倍派になるよう異例の定年延長をしたりしている。こうした先例ができてしまうと、将来ポピュリズム政権が誕生すると、悪用されかねない。