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人類の午後 (堀田季何第四詩歌集)

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ネギっ子gen
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【リアリティとは、「ナチは私たち自身のやうに人閒である」といふことだ(ハンナ・アーレント)】多言語多形式で創作する著者の、日本語で作った352句を収録した第4詩歌集。正字・正仮名遣ひ使用。斯様な仮名遣ひに丸谷才一氏を想ふ。再讀しやうかな……。枝折「晝想夜夢」に、宇多喜代子、 高野ムツオ、 恩田侑布子。<句集全體は、古の時より永久に變はらぬ人閒の樣々な性及び現代を生きる人閒の懊惱と安全保障といふ不易流行が軸になつてゐる。一介の人閒として、人閒及び人類の實を追󠄁ひ求め、描くことへのおろかな執念である>と。⇒
ネギっ子gen

【撃たれ吊るされ剥かれ剖(ひら)かれ兎われ】<戰爭と戰爭の閒の朧かな>。<塀一面彈痕血痕灼けてをり>。<ミサイル來る夕燒けなれば美しき>。<息白く國籍を訊く手には銃>。<ぐちよぐちよにふつとぶからだこぞことし>。<自爆せし直前仔貓撫でてゐし>。<雪いづれ水に還らむわが骨も>。<息白く唄ふガス室までの距離>。<向日葵や人撃つときは後ろから>。<ヒロシマナガサキフクシマヱスゴロク>。<噴水や生前生後死前死後>。以上、本書より好きな句を引用した。一部の漢字、本來ならば正字にすべきだが出來ずに無念の新字。嗚呼……

02/03 15:03
0255文字
かふ
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「水晶の夜映寫機は砕けたか」映寫機という言葉が映し出すナチスの記憶・それは過去のものなのだろうか?「地下通路くぐりふたたび霧の中」ふたたびというのはフランクル『夜と霧』の世界がやってきたということだ。その地下通路は開かれたための通路ではなく、絶滅収容所に通じている道なのである。各テーマ詠の最初に付けられたエピグラフ(警句)と連動する俳句。海外の俳句はエピグラフと同一視されたところから始まったのだ。それは俳句が有季定型である前に詩であるということ。『星貌』と合わせて読むと新興俳句への弾圧は過去の姿ではない。
0255文字
榊原 香織
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”テロリストFがさいごに喰った柿” 戦争主題の俳句が多い。 スタイリッシュな句集。フランス語題ついてるし。
0255文字
桜井夕也
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水晶の夜映寫機は碎けたか/戰爭と戰爭の閒の朧かな/チアノーゼ色のペディキュア川床涼
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桃カステラ
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芸術選奨新人賞。 漢字が難しい。/焦げ目よきポテトチップス大晦日(p.139)
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際皮
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堀田季何による、第三句集、第四詩歌集。 <戰爭と戰爭の閒の朧かな> 平和は次の戦争の準備期間であるという言葉もある。「朧」が、儚くも恐ろしく感じられる。 <霧のなか霧にならねば息できず> 「夜と霧」を踏まえた句。「息できず」という下五の、肉迫した感覚。
0255文字
あや
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「人類の午後」とはどのようなものなのか考えを進めながら読みました。社会問題や歴史も静かに扱いながら17文字とはこんなに自由と叡智を込められる詩形なのかと静かに驚嘆する。あとがきもとても素敵です。
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