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日本移民日記

感想・レビュー
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彼の言葉は日本人にとって何なのだろうか。確かに「普通の日本人」として生きてきた人々にとって彼は馬に纏わりつく虻のように聞こえるかも。言説自体はそんな気もするが、しかしそれでも正しさや事実に胡座を掻くことはせず、それでも日本での人生にyesと言おうとしているところに自分自身は救われた。目の前にある「なんか引っ掛かる」という違和感にきちんと向き合うこと。これが必要であり、さもなければそういった感性すら失われてしまいかねず、知らず知らずのうちに差別に加担してしまうかもしれないということを常に思って生きていきたい
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こてつ
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日本に住む日本人に読んで欲しい。耳が痛いし、思い込みとかじゃなくって?と、思いたいところだが、日本に住む韓国人の率直な思いと、それでも好きな日本も描かれている。 そんな文に悲しくもあり、嬉しくもある。 それと、兵庫県知事選挙でも言えた事だが、ネットの怖さ、思い込みの怖さも書かれている。盲信と否定される事により、より強く客観性を欠いていく話しも、共感と気づきがあった。 自分につきつけられた言葉に嫌になるけど、共感もする、良書だと思う。
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Yumi
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この人のことはまったく知らず、なんとなく手に取った。重くて痛い内容。「結局日本は変わらない」と絶望しながらも、日本に住み続け、歌い続ける。どう受け取るかは人によって違うだろうけれど、もっと多くの日本人に読んでほしいと思った。
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hirokoshi
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自覚していなかった偏見をまざまざと思い知らされる。だからこそ最後の「私の愛の住所は」が沁みる。
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omi
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タイトルと表紙に惹かれて。ラップのところは正直あまり入ってこなかったが、1章と2章、最終章と付録は刺さった。
0255文字
Lily
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その人が〇〇人というカテゴリーに入った瞬間、個人が持つ複雑さや背景にあるものを無意識的に見ようとしなくなるという現象は、自分も経験したことがあるから反省。 言葉にはうまくできないけど、「普通」に多少なりとも囚われている自分はまだまだ未熟なんだなと感じた
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モリータ
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◆2021年11月岩波書店刊。初出は岩波書店のWEBマガジン「たねをまく」上の同名の連載記事(2020/11~2021/9)+『図書』収録の「僕らの孤独の住所は日本」◆著者Moment Joon(本名キム・ボジュン)は1991年生、2010年に阪大文学研究科に留学、音楽学を専攻しつつラッパーとして活動。1stアルバム『Passport & Garcon』(2021)の評価は高い。その収録曲「TENO HIRA with Japan」には金時鐘の「夢みたいなこと」の朗読が挿入されている(本書7節で記述)。
モリータ

…なる光景、想像できますか。女性が日本のヒップホップのトップになること(Awichさん頑張れ)、想像できますか? 今まで日本のヒップホップが作ってきたスター像に合致せず、本当に自分が誰なのかを隠さないまま、Zeebraみたいな一に立てる人が生まれる環境が、日本のヒップホップにはあるのか、聞いてるんです。「実はこんなケースもある」とか、「異質」なアーティストで成功する人も、もちろんいます。しかし、そういう人々が日本のヒップホップの「ど真ん中」に立つ姿を、見たことがありますか? 「はい、あんたらはちょっと(続

05/07 12:37
モリータ

…変わってるから」と、隅っこに片づけていませんか?」(37-38頁)◆この部分では「周りの目線を怖がらずに自分を誇れる文化」「「変わったもの」扱いされて隅っこに片づけられずに、誰もが真ん中で堂々と歌ってその一部のなれる文化」(39頁)としての「ヒップホップ」ではなく、いわゆる「日本語ラップ」の世界に対しての絶望感を綴っている。◆当初、2節の「日本語上手ですね」を、まさしく「日本語上手ですね問題」の教材として使えないかと手に取った(そしてその可能性は十分ある)が、なかなか工夫が必要で一度パス。

05/07 12:37
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きみどり
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ちょっと読んでは棚に戻しを繰り返していた2年ものの積読本。なぜか今回は読み出したら止まらず数時間で読了した。読書とは他者の人生を追体験できること、なんて呑気に考えてた自分を殴りたい。うまい感想がでてこないけど、ずっと手元に置いて読み返したい本が一つ増えた。
きみどり

著者が自身の兵役経験を基にした『三代』という自伝的小説も、探して読んでみた(こちらはネット上で公開されていた)。韓国の兵役問題といえば、BTSのおかげで日本でも報道されることが増えたし、韓国映画でもドラマでも、この話は必ず出てくる。けれどこんな生々しく苦しい物語は、触れたことがなかったかも。朝鮮戦争の末期、北から命からがら逃げてきた祖父、祖父の出自を背負って必死に生き抜いた(=勝ち抜いた)父、祖父と父の過去の呪縛から逃れて日本にたどり着いた息子。三代の物語。

04/06 19:27
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ひるお
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韓国出身の移民ラッパーMOMENT JOONによるエッセイ集。日本における人種差別や偏見、ヒップホップにおけるNワードの位相といった(彼曰く)「シリアス」なテーマが並ぶが、その「シリアス」さそのものを見つめ吟味するような視点もある。ヒップホップにおける差別用語の使用について論じた修士論文の内容を、特に興味深く読んだ。表現と差別、転覆とバックラッシュ。分野は違うけれど、似通ったものを見つめてきた者として、表現とは強力で強烈で、そして危うくもあるものだと改めて思った。しかしだからこそ表現は革命になりうるのだ。
ひるお

楽曲内で差別用語が使われる場合、それが「作品の一部」として認識されてしまったり、「新しいスティグマ」を生み出す可能性がある、という指摘。現代のヒップホップにおける、Nワードの対象範囲の曖昧さ(:85-88)。

02/07 21:04
ひるお

「あなたが「何となくわかっている」と思っているものを「それって実はこうなんですよ」とさらに明快に答えるのは、政治家、またはプロパガンダの仕事です。あなたが「何となくわかっている」ものは、実はあなたが想像するよりもっと複雑で敏感です、と理解させるのが芸術家の仕事です。」(:129)

02/07 21:04
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Jessica
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私にとって新しいものは得られなかった本作でした。 「日本語上手ですね」や、国別ステレオタイプは確かに同じ国に長くいたら耳につくようになるかと思いますが、正直他の諸外国での移住した際も残念ながら同じようなことを言われます。 フランス語然り、もう何十年も話している英語も「お上手ですね、どこで習ったんですか」と各言語を母語として使用される方に言われるので、少なからず日本だけじゃないけど…と思わざるを得ない点が多く感じました。
Jessica

日記タイプのエッセイや作品を綴る際にどこに落としどころを持っていくか(どういうオチをつけるのか)は結構難しい命題かと思いますが、そういう意味では本作は特に面白くないなと感じてしまいます。

12/13 09:28
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Carol
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日本は(日本語教師が言っちゃいけないかもしれないけれど)外国語が母語の人や、外国にルーツのある日本語話者にとって心穏やかに生活できる場ではないだろうと思う。ウチとソトの感覚がものすごく強く、その線引きはあらゆる理由によってなされるからだ。だから、著者はどうして「これからの未来を考えた時に『日本でしか生きていけないし日本で生きていきたい』という結論にたどり着いた」んだろうと思った。それこそが日本を誰にとっても住みやすい場所にする大きなヒントになるんじゃないか、そんなことを思いながら読み終えました。
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あかは
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ネタバレ色々と考えさせられた。中盤は特に。ヒップホップの歴史、在日の歴史を知らないと本当のところは理解できないと思うし、理解できたなんてとても言えない。在日の世界にも色々あるんだな。とても、真面目な方なのだと思う。「日本語上手ですね」とか◯◯人はこうでしょ?とか決めつけるのよくない。知らない間に差別になってる。どこの人でもいい、その人自身を見て接するようにしたい。だって日本人だから◯◯なんでしょ?っていわれたら嫌じゃないですか。環境問題の事は切なくなった。P166でやりきれなくなりました。
あかは

ヒップホップのラッパーということで著者の曲を聞いてみたけど、私は好きだなと思った。

08/11 18:32
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tsubasa
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おもしろく読んだ。とても読みやすい。気づかない(と思っている)ことがたくさん。歌も聴きたい。
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てぬぐひ
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岩波「たねをまく」の連載で気になってたので読んだ。自分の孤独に精一杯で他人の孤独まで構っていられない。複雑で敏感なこの世界を単純化して分かった気になりがちな自分には必要な本。 “あなたが「何となく分かっている」ものは実はあなたが想像するよりもっと複雑で敏感です、と理解させるのが芸術家の仕事です”この言葉に本の内容と著者の仕事が端的に表れている。 ヒップホップにおける差別用語の意味の取戻しについての論考が興味深い。日本のヒップホップの事例は物言うのを冷笑する日本の雰囲気に関連するのかな。
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ささらもさら
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子供の頃、外国に住んでいたことがある。だからか知らないけど、この本はすごく刺さりました。
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おかしないえ
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自分の立場を、移民と定義づけしたところが面白い。ディアスポラの視点とは異なる点を意識されたのか。ラップを切り口に、社会構造に潜む歪みについて分析する切先は鋭い。
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三億横領しても会いに行く
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マツコ会議で松永さんが「MCバトルでミソジニーって炎上しててそれ見て日本のヒップホップはここ止まりだなと思った」と号泣してるのをみてドン引きした。それ言うたやつは知らんが少なくともお前は日本で生きる日本人男性でそれはアメリカだと白人男性じゃん。白人男性がラップで差別的な意味で黒人罵ったら、それを許容しろと白人男性が言ってたら、ヤバない?と思ったんだけど、ラップ詳しくないしずっとモヤモヤしてたんですよね。大韓民国生まれのラッパーということで、おれがみたかったのはこういう話かも!と思って手に取りました。
三億横領しても会いに行く

期待以上で、ヒップホップの中のNワードの使われ方の研究をわかりやすく説明してくれていてすごく良かった。本当に誠実でいい文章だった。

04/20 18:57
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ぺんぐぃん
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大阪大学に留学して、在日10年以上経っても「日本語上手ですね」と言われる違和感、いつまでも外国人である事、一体自分は何者なのか?差別の事、ヒップホップの中のNワード.等ともすれば思考停止してしまいそうなテーマも含まれて、新鮮な眼差しを感じた。
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ミッキー
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被差別について改めて考えるきっかけになりました。社会を新しく作り変えるのは難しいだろうけど自分の姿勢はなんとか出来そうです。参考になります。
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しゅん
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モーメントの音楽には前から惹かれていたし、切実さのようなものも感じていた。具体的な彼の立ち位置は知らなかった。気候変動の問題について、あらゆる立場を描いたうえで絶望に終わりまで留まるスタンスはなかなか書けないんじゃないかと思った。誰もが過ぎ去るポイントで留まる。あらゆる不正確なラベリングを断ち切るために「移民」という言葉で自らを定義するモーメント。「移った」からゆえに、「留まる」力を蓄える。その力が「重さ」になってしまうことに悩みながら。金髪にしたことへの懊悩が綴られる短い章が、なんだか好きだった。
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コトラー
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繊細だ。若さゆえなのか、ラッパーの感性なのか。外国人だからとは思いたくない。○○人ではなく個人として。全ての人と知り合うことはできないけど、本との出会いも大切に、誠実な文章を読んで考える。そこから始まる関係はあたたかいものになるといい。
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kuukazoo
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著者は韓国出身、19歳で日本に留学、現在は日本語で歌うラッパーとして日本で活動する。日本在住外国人あるあるエッセイにしてはしんどいと思ってしまうのは彼が自分の居場所を切実に日本に求めているからなのか。初めて読んだ時は正直うんざりしたが読み返してもし彼と同じマイノリティな立場だったらと思うと理解できることもあり、せめてそういう人達の良き隣人でありたいと思った。あえて母国語ではない言語で思いを伝える困難を、日本語で事足りる恩恵が当たり前な自分は忘れがちなので、せめて英語くらいはできるようになりたい。
kuukazoo

hip-hopにおける差別語の使用をテーマに修士論文を書いた話は興味深かった。マジョリティであるゆえの無自覚というのはなかなか意識しづらいことだなあと思った。

03/09 01:26
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Boo
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書評にほだされて読みましたけど、超過敏体質なのか自意識超過剰なのか、インテリすぎるのか、被害者意識に凝り固まっているのか、延々と続く怨嗟な記述、人種的劣等感強すぎは理解不能でメンドクサイ。残念。
0255文字
めい
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読んでいるなかで自分の無知や至らなさが否応なしに迫ってくるので苦しいんだけど、そんなわたしのことも「あなた」として見てくれて「愛しています」と語りかけてもらえたことに思わず泣いてしまった。読めてよかったです
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Yonowaaru
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日本で生きる 「外人ラッパー」MOMENT JOONによるエッセー。D2021のオンラインイベントではじめて彼のラップを聞いて、なんとなく耳に残った「Apocalypse」と「TENOHIRA」。ここでは日本での生活、伝えたいけど伝わらない在日や環境機器まで、色々な問題をまじめに取り上げてもらえない。彼の孤独を理解っできるとは言えないが、同じ日本え孤独を抱えて生きる人として彼が愛を訴える理由はなんとなく分かる気がする。
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ゆづたろう
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momentは自身を称賛する業界の先輩の発言でも、納得いかなければ忖度せずに刃を向ける。本人のキャリアに得は無く労力も必要なのに逐一対応していくその姿勢はあまりにも誠実で、面倒臭いと同時にチャーミング。その姿勢はこの著作からも滲み出ていて、無意識の裡にある差別感情や帰属意識に斬り込みながら自身にも常に疑いの眼差しを持って文章が進んでいく。こちらも読みながら自分自身の裡にある感情と向かい合うことを常に迫られるが、楽曲同様ユーモアも織り込んであるのでスッと読み進められる。とはいえ音楽活動も継続して欲しいな。
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スイ
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この先、何度も思い返すだろうと思う。 せめて私自身にそうあって欲しい。 どの章も、心を削るようにして書かれている。 その切実な言葉に、せめて向き合おうとする私であって欲しい。 そうありたい、と言うとそれは自分の意志の話だけど、無意識のところからそういう私でありたいのだ(ここは意志)。 人をこんな苦しめ方をしているのがこの社会なんだ…。
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K
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あなたが「何となく分かっている」と思っているものを「それって実はこうなんです」と明快に答えるのは、政治家またはプロパガンダの仕事です。あなたが「何となく分かっている」ものは、実はあなたが想像するよりもっと複雑で敏感です、と理解させるのが芸術家の仕事です(129p) 『Passport & Garcon』からのファンだけど、これ読んでさらに大ファンになった。「Welcome to Bad End」から始まる第二章があるんだろ?世の中には使命を背負った芸術家ってのがいて、MOMENTはそういう人だろ?
K

三浦瑠麗の最初の著作を出してしまった岩波書店の黒歴史を『日本移民日記』で上書きするモーメントはマジDOPE

12/15 21:23
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