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竜血の山 (単行本)

感想・レビュー
118

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J D
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 岩井圭也さんにしては、イマイチだなー、人が死んでも都合よく流れるし、水飲みの一族の衰退が都合良すぎる。薫の存在は何?話自体も重みがないしと第8章を読むまでは思っていた。そこから一挙に回収されていく。さすがです。そこから一挙でした。面白すぎる。葉太郎、お前がいたんだな。良かった。というのが最終的な私の感想。岩井圭也恐るべし。
J D

続き、フレシラの磁力に引き寄せられたり、逃れられなくなった人々の物語。最高でした。

03/09 12:53
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まあるい読書家
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岩井さんて何人いるのか。作品の振り幅すごい
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灯火
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ネタバレ「この竜の血が湧く山で、生まれて死ぬ他に道はない」それは祝福か、呪いか。榊アシヤの遺骨が見つかったかもしれない。彼はある日忽然と姿を消したらしい。かつて、水銀を掘っていたという水銀の毒が効かないという〈水飲み〉の一族…。北東、辺気沼の山麓にあるという水銀の出る山。壮大スペクタクル物語。辰砂が竜血ということになるらしい。そして水銀に魅入られた那須野父子。 常に付き纏うのは差別と撒いた種だよ!ミナエはヤンデレ枠。 源一は最後、ようやく夢が叶ってよかったねえ。最高の弔いだよ、たぶんね
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ちゑ
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ネタバレたとえ水銀を飲んでも体には影響がないという。水銀中毒とは無縁の〈水飲み〉と言われた一族。その血を絶やさぬように北海道の水銀鉱山でひっそりと暮らしていた彼らが、戦争による水銀の大量需要に伴って採掘に沸く世情に巻き込まれていく。そして迎える終焉は───。主人公アシヤを筆頭に水飲みの存在はファンタジーなのに、どこを向いても現実問題でいっぱいだ。特異体質だけを糧にして流されるままに生きてきた男の脆さが浮き彫りになるにつれ、アシヤにかける言葉を失う。ひとつ聞く。この運命はつらすぎる。やり直すとしたらどこからだい?
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ろくいち
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岩井さん3作目。どの作品も雰囲気が違ってすごい。北海道に実在した水銀鉱山をモデルに、鉱山盛衰と、水銀が飲める「水飲み」一族のアシヤの人生が描かれる。とても重くて、くたびれるけど、水銀と山に取り憑かれた人達の人生から目が離せずほぼ一気読み。もちろん「水飲み」は実在しないけど、緻密に調べただろう鉱山の様子と重なってリアル感が増す。自然を壊し人間を蝕む鉱山の現実に驚くし、よく考えるとかなりのろくでなしのアシヤに共感できないのに、全てに理解できないと突き放せない存在感がある。プロローグとエピローグもさすが。満足。
ちゑ

ろくいちさん、ありがとうございました。とても面白かったです。子供の頃、割った水銀計からこぼれ出た綺麗な銀色の玉を思い返すと、源一の水銀愛もわかるような気がしました(^o^)

09/02 14:24
ろくいち

ちゑさん おもしろいですよね!良かったです。わたしも鉱山と水銀に源一と一緒に翻弄されました。

09/02 19:23
4件のコメントを全て見る
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いっちゃん
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北海道に実在するイトムカ鉱山の歴史にのせて、岩井さんが紡いだオリジナルな世界的にも珍しい水銀鉱山の物語。水銀と言えば、熊本の水俣病。雅子妃が陛下と結婚する際に、母方の祖母の実家がチッソ社長だったことが問題視されたとか。印象的だったセリフが「戦争がおこればな」。水銀の重要性が増すのは戦争がおこったとき。鉱山は堀尽くせばおしまい。坑夫は肺の病気や落盤事故で亡くなる。採掘産業とはなんと罪深く業の深い仕事なのかと気づかされました。
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鹿ノ子
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水銀というものについて、まるで知らなかった。水俣病の原因になったことと、昔の体温計の中でうごめいていたことぐらいしか知らない。もちろん、鉱山から採掘されるものだということも知らなかった。お恥ずかしい。水銀鉱山の栄枯盛衰を描いたこの作品は史実とファンタジーが相まって、胸に迫るものがあった。岩井圭也さんの作品はどれも面白い。
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mike
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ネタバレ同じ作家さんの作品をいくつか読むと話のタイプというか系統みたいなものが見えて来る。岩井さん4作目。なのにこの人の作品は予測不能。だから新鮮で面白い。この話はおそらく北海道のイトムカ鉱山がモデル。水銀鉱山の30年における栄枯盛衰。そこで生きる特異体質を持つ〈水飲み〉一族のアシヤという青年のドラマを絡めている。そこには命を削って水銀を掘る、当時の鉱夫の姿が見えて来る。軍需景気、不況、公害病。取り巻く状況の変化に伴い、国にいいように使い捨てにされた彼等の歴史。私には終始辛い読書となった。
CABIN

私も今、岩井さんの本を読んでいます。この本は水銀汚染を取り上げているんですね。水銀と言えば熊本県の水俣病を思い出しますが、水銀問題は全国であったんですね。

07/12 05:52
mike

阿賀野川での水銀中毒も当時の公害病として問題になりましたね。多分他にも報道されてない被害者も多かったんじゃないかと思います。子供の頃、体温計を割ってしまった時に「近づくな!触るな!」と言われていたので、よく分からないけど物凄く怖い物なんだろうと認識してました。

07/12 06:16
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yonemy
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鉱山開発・資源発掘の栄枯盛衰物語。掘り終わってしまえばトンネルや穴だらけの土地になってしまう。佐渡沖のメタンハイドレートなど海底資源は、生態系への影響も計り知れず、また然り。掘削により、その住民の住処までも奪うことになってしまうことも残酷だ。環境を維持することは土地への愛なのだろう。主人公には土地への愛ではなく執着しか感じられなかった。いろんな意味で悲しいお話でした。
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minami
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ネタバレ今年は辰年という事で、何気なく読んでみようと思ったら、どっしりした長編で全く気楽には向き合えない物語だった。昭和13年、北海道東部の山奥、自然水銀の湧く鉱山が見つかる。その地に長らく住み着いている一族の青年、アシヤの波乱万丈な物語。戦前戦中に混乱しながら戦争特需に沸き、その後の衰退、水銀による中毒そして公害問題と一度も気持ちは落ち着かずに最後のページまでなだれ込む。水銀をすする描写に固唾を飲む。そして頭の中は鉱山の赤い色と鈍色でいっぱいだった。水銀に魅了され狂わされた人たちの人生が哀しく圧倒される読後感。
mirai.R 

みなみちゃん、共読おつ(^^)/最初、何読んでるのかw戸惑った😅水銀飲める体質ってありえんよね。 なんとも凄まじい作品だったね。

02/06 16:45
minami

みらいちゃん、共読おつ(^^)/私も読み出して戸惑ったよ~😅水銀飲めるってほんとにびっくり!!ずっしり重いお話だったね😵

02/06 18:38
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洋梨いちご
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有機水銀と聞けば、水俣病と思い出すので、こんなに無防備に水銀が採掘されていた時代があったというのは驚き。現実には「水飲み」のような特殊体質の人はいなかっただろうから、どれだけの人が犠牲になったのだろう。
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し~ちゃん
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面白いかどうかと言われると評価が難しい。戦前戦後の水銀ってこんな風に発掘されていたんだという歴史を知る。炭鉱の衰退のほうがイメージが強かったが、興業開発って資源に限りがあるから難しいと再認識。 水飲みと言われる水銀に影響されない体質を持つ一族という設定がストーリーの柱としてブレなく存在し続けたのはよかった。
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ランボ
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戦前から水俣病まで、実在した水銀鉱山の栄衰に水銀を飲める一族のフィクションを絡めて。毒だと分かっていても水銀の不思議な輝きに魅せられる気持ちも分からないではない。山とともに生きたアシヤの生き様に血が湧いた。
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なっち
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長らく積読していましたが、やっと読めました!知識のない私は水銀というと昔の体温計しか思いつかないのだけど、体温計が割れてコロンと丸くなった水銀を見たときの不思議な気持ちと水銀は怖いからと親に刷り込まれていたことが何度も頭をよぎりました。アシヤの人生はフレシラという山とともに…
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やぶやぶ
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★3 設定とかすごくいいのですが、ちょっと解せないな、ってとこが。
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はるのびん
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誰にも共感出来ないな〜魅力的な人物皆無だな〜こんな本やったんか〜なんて半分惰性で読んでたら……。ある事柄が判明してからは惹き込まれましたな😊ラストは水銀のように妖しげで美しかったです!
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ゆうや
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読み応えありました。水飲み一族の話は、かなり前に読んだ中上健次を思い起こさせました。☆4
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kujimami
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水銀を飲める一族というのは勿論創作だが、水銀鉱山の盛衰はほぼ史実に従っているものと思う。各章冒頭に引用されている新聞記事は本物であり、それらに沿って記される物語はとても生々しい。今の若い人たちは知らないだろうが、体温計を割ってしまい、粒状に飛び散るキラキラした水銀は本当に綺麗だった。水銀と生きるしか術を知らないアシヤ、水銀に魅入られてしまった源一、鉱山独特の荒々しさと束の間の祭のような隆盛。一遍の映画のような重厚な作品だった。アシヤは救われたのか、幸せを実感できたのか。エピローグとプロローグも良い。
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たけひろ
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☆☆☆.5
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asnyaaaaa
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あの時、出会わなければこの山はどんな未来だったのだろうかと考えずにはいられない。終わりに向かっていく不安感が読むのを止められなかった。 アシヤは最後幸せだったのだろうか。
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わんつーろっく
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ネタバレ水銀を飲んでも死なない<水飲み>と呼ばれた一族のフィクションだが、多数の参考資料に裏付けられた水銀鉱山の歴史を知る。昭和13年道東で発見された正体不明の石が鉱山技師の調査により新鉱脈の開発が始まり、そこに長く住んでいた一族の運命が、時代の流れに翻弄されていく。冒頭に挿入される新聞記事は実物からの引用であり、その背景に描かれる大河ドラマのような一族の盛衰。水銀は美しいものだと求め続け、安全な使い途を研究する輩は雪に埋もれ、竜血の山に愛された鉱夫もまた冷たい海上に揺蕩う。岩井さんの書き下ろしに感嘆
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MF
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水銀に魅せられ又は囚われた人々。滅びに向かって生きていく様が悲しく切ない。
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そうたそ
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★★★★☆ 最近のマイブーム、岩井さんの作品。これで三作読んだが、どれも全く趣向の異なる作品。しかも出来もまた素晴らしい。引き出しの多さと、その才能に感服するばかり。本書で描かれるのは、昭和初期に発見された北海道東部の自然水銀が湧く鉱山。水銀と共に生きる一族の青年アシヤをメインに、戦争からやがては水俣病に始まる公害問題を絡めて描かれる。多くの参考文献からも伺える誠実に史実を描いたストーリーながら、そこに巧みにフィクションが絡められ、素晴らしいエンターテインメントに仕上がっている。
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みかん
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史実を元にしたフィクションであり、ファンタジーでもある物語。参考資料の多さに圧倒される。岩井さんは毎回違うテーマでの作品で、尚且つクオリティーが高い。でも私的にはデビュー作を超える作品はまだないかな…(「完全なる…」は既読ですが「生者の…」がまだ積読)
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ひねもすのたり
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著者初読み。本作は北海道に実在したイトムカ鉱山を舞台にしたフィクションです。昭和13年に発見された水銀鉱床。そこで働くヤマの男たちが時代の波に翻弄されていく姿を描きます。骨太な炭鉱モノを堪能することが出来る作品ですが、それ以上に水銀という鉱物のもつ妖しさを表現するさまに著者の並々ならぬ力量を感じました。水銀の毒に耐性がある主人公の家系というのはファンタジー設定ですが、これってもしかしたら・・と読者を思い込ませるあたりの巧さ。そしてエピローグから再びプロローグに繋げてくる手法は秀逸のひとことに尽きます。★5
ひねもすのたり

『文身』予約しちまいましたぜ

04/23 11:25
あっきょ

『文身』おそらくですが、ひねさん好みだと思います✨

04/23 20:51
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0255文字
鈴子
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水飲みに生まれ、フレシラの水銀鉱山で生きるアシヤの物語。大河のようなスケールを感じた。水銀に魅せられた那須野源一もツンデレぽくていい。ふたりの関係が良かった。ラストのふたりがあっけなくもせつない。若い時の無鉄砲さと女たらし、環境に流されるアシヤは、そんなにスゴい人間という訳でもない。危うさと頼りなさ、水飲みのサガに身を捧げた男の話。鉱山や炭鉱の盛衰、明るい将来は待っていないであろう空気が終始読者を不安から離さない。
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fkmk0523
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水銀に翻弄された人々の祈りにも似た純粋な思いと人間の生々しい欲望が描かれた壮大な物語。 岩井圭也さんの読み度に違う作風に、驚き共にその実力の高さに感動… 決していい人とは言えない登場人物が多く、傷つけ合う姿は哀しくもありますが、読了後は何とも言えない不思議な余韻が溢れてきました。 岩井圭也さん推しが加速しました😊
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GOTI
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☆☆☆水銀鉱山の栄枯盛衰とそこに住んでいた特殊な耐性を持つ一族、群がる鉱山技師や鉱夫たちの三十年。昭和13年、鉱山技師の那須野寿一は北海道北見市の山奥で、巨大な水銀鉱床とフレシラ(アイヌ語で赤い岩)と呼ばれる集落を発見する。その集落に住む人々には水銀に耐性を持ち汞毒症(水銀中毒)にならないどころか「竜の血」と呼び飲むことさえあった。そして彼らは鉱夫となる。フリシラは世界でも有数の水銀鉱山として栄える。太平洋戦争、朝鮮戦争特需、水俣病の公害問題等々に翻弄された人々の数奇で壮絶な昭和史を描く。
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Katsu.T
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★★★★☆
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ミネ吉
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ネタバレ素晴らしい小説でした。昭和初期から40年代くらいまでの北海道・道東の水銀鉱山を舞台に、戦争による活況から、需要減による衰退、水俣病の発生、そして閉山まで、鉱山に住む人々の視点で描かれます。主人公のアシヤは、古くから鉱山に住む「水飲み」一族で、水銀の毒が効かない特殊体質を持っているという設定。崩壊に向かって緊迫間あふれる場面が続き、陰惨と言えなくもない展開ながらも、抒情性や美しさを感じてしまうのは、この1点だけファンタジーを入れているからでしょうか。小説を読む喜びを、存分に味わいました。
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cebola6
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特殊ではあれど、ある男の人生が描かれています。不景気から抜け出せなく、地方で働いてるワタシには「水飲み」への勝手な憧れが捲るページのように重なっていきました。ワタシ自身歳を重ねて再読時には違う印象を受けるのだと思います。
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pagrus55
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★★★
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スリカータ
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非常に面白かった!岩井圭也さんの作品を立て続けに読んでいるが、作品毎にテーマや作風がガラリと変わるのが驚きである。この作品は近現代史でもありファンタジーでもある。どこか既読感があると思えたのは、千早茜さんの「しろがねの葉」や篠田節子さんの「失われた岬」を想わせるからだろう。子供の頃、体温計を落として割ってしまい、ポロポロと床を転がる水銀の玉を不思議そうに見ていたら、母から「毒だ」と言われたことを思い出した。確かに水銀は人を惹きつける独特の美があると思う。
スリカータ

冒頭の骨の正体で、読み手の心を掴んでしまう。アシヤと源一が水銀を介してひとつに融合されたのかと思うと感慨深い。

12/22 07:27
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ゆみねこ
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昭和13年、北海道東部の山奥で自然水銀の湧く鉱山が発見された。水銀に耐性のある「水飲み」と呼ばれ代々この地で生きてきた一族のアシヤと、鉱業所所長の息子那須野源一の戦中から戦後の30年を描いた壮大な物語。水銀に愛されたアシヤと水銀に魅せられた源一。戦争・差別・殺人や失踪、そして公害問題。中々読みごたえのある1冊。
0255文字
おくちゃん🎎柳緑花紅
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史実を元にしたフィクション。圧倒されて読了。昭和13年北海道東部の山奥で自然水銀の湧く巨大鉱山が発見される。ここに長く住んでいた一族は水銀に耐性がある。辰砂(竜血)を見つけた調査隊、戦で需要が高まり耐性を持つ集落の人々は鉱夫として働き生き方を変えられた。主人公はこの集落のアシヤ、調査隊隊長の息子源一。水銀に、この山に愛された?アシヤと水銀の美しさを一途に愛した源一。戦、平和、輸入自由化、水俣病等の公害問題。時代に国に経済に翻弄されながら生きた彼らと共に30年の時を過す。参考資料の多さに作者の真摯さを見た
桃の節句🍑

おはようございます。読了お疲れさまです😊 岩井さん、続々と新刊が出てますね♡

11/11 08:24
おくちゃん🎎柳緑花紅

追いかけるのも楽しみだよね💓おはようございます✨

11/11 08:26
0255文字
藤枝梅安
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ネタバレ北海道・旧留辺蘂町のイトムカ鉱山を基にしたフィクション。戦前から戦後、水銀が辿った歴史と、水銀耐性のある榊家と薊家の人々が辿った繁栄と没落の歴史が語られる。自然水銀で満たされた「湖」は人を寄せ付けず、二つの家系の末裔たちは、殺人を犯し、死体を湖のほとりに埋める。水銀耐性を持って生まれなかった男児は、親と共に熊本に移住、そこで医学生となった青年はかつての故郷の水銀問題を調査する。経済発展の陰で酷使され虐げられた鉱夫達の、鬱屈した精神は、「水銀」という毒物以上の毒性を持つ「経済」という魔物に翻弄されていく。
藤枝梅安

「誰も、家畜には差別心を抱かない。純粋な目で利用価値を考える。」(p.267) 「僕は鉱山に呪われている。実の父親は生まれついての水銀鉱夫で、この山から離れることができない。次の父親はまじめな炭鉱夫だったけど、自己で体を駄目にした。」(p.337) 「開発が始まってから三十年で、この山は役目を終えた。軍需景気、戦後の不況、朝鮮特需、輸入自由化と公害病。・・・国という存在の前では、一つの水銀鉱山などちっぽけなものだった。」(p.389)

11/05 05:53
0255文字
A S
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北海道の水銀鉱山の隆盛から衰退まで。水銀を飲んでも害がない水飲みと呼ばれる一族の1人アシヤが主人公だが、この主人公が「水飲み」という特殊で閉鎖的な一族だということを差し引いても、なんでそういう事しちゃうかなぁとあまり魅力的に感じられなかった。わざとそう書いているんだと思うけれど。感情移入できる登場人物もいない中、ストーリー自体は実際の出来事を絡めてあり、スケールも大きく面白い。著者の作品を他に2作読んだけれど、どれもテーマが違うのに詳細に調べてあり、短いスパンでこれだけ色んな分野の小説が書けるのは凄い。
0255文字
飴
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北海道の水銀鉱山の話。イトムカ鉱山が本著作の資料文献にあがっていました。壮大なストーリーでした!水銀を体内に入れても中毒や水俣病にならない特異体質の人たちが〝水飲み〟と蔑まれ差別を受けながら生きていく話でした。場の空気感が伝わってくる陰鬱な鉱山住宅、採掘様子などよく描かれていました。産業としての水銀が下火になって退廃していくどうなっちゃうんだろう?とページを繰る手が止まらなかったです。フィクションとはいえ調べて描いている手堅さが、作品によ~くでていて読み応えがあり、秋の読書にぴったりでした。
0255文字
東谷くまみ
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ネタバレ陰鬱で閉塞感漂う物語。昭和13年北海道東部で巨大な水銀鉱床が見つかった。そこには水銀を飲むことができるという一族がいたーそれは山からの祝福なのか呪いなのか。戦争という大きな時代に翻弄され、山に生きたある男の物語…でもなーこの男が好きになれない😂嫉妬に狂う美苗は気持ち悪いし息子藤吾はあんた…信じられん😅物語に感情移入はできなかったけどノンフィクションかと思うようなリアリティと彼を待ち受ける運命が気になって一気読み。彼の最期には一つの文化が消滅していく様を見ているようでなんとも言えない哀しみを感じた。
トモ

くまみんには珍しいジャンルの本な気がするけど……🙄なんか凄そうな内容だね😅

10/23 21:45
東谷くまみ

トモさんおはよー!でしょー?というのも、水銀が飲めるって設定だったから私ファンタジーかと思って借りたのよ〜😂そしたら全然違かった…😂前々から気になる作家さんで初めて読んだけど、読みやすかったから違うの読んでみようと思う😆❣️

10/24 10:21
0255文字
てと
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ネタバレ途中まではわりと淡々と鉱山の町に生きる人が描かれているが、どうにも重苦しいなと思いながら読み続ける。水銀鉱山で生きることしか考えなかった人達。水銀が使われなくなり、鉱山の生産も細っていく様子はかつては日本中にたくさんの鉱山があったんだということを思い出させる。私にとっては水銀は体温計が浮かぶけれども、それもなくなりましたね。ただ、どうして踏みとどまれなかったのかのいう思いが消えない。それをしてしまうとどんな人も肯定できなくなってしまうから。
0255文字
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竜血の山 (単行本)評価100感想・レビュー118