形式:雑誌
出版社:早川書房
天沢時生「ショッピング・エクスプロージョン」野放図に拡大し、地上を埋めるドン・キホーテの海の奥へと向かう男たちの活躍を描くサイバーパンク。コテコテのサイバーパンクぶりと舞台に激安の殿堂ドン・キホーテを選ぶチープなセンスがいい感じで混ざっていて、忍殺みたいなノリで楽しめる。尺の関係で冒険パートが短いのが勿体無い。それでも長めだけど、もうちょっと長くてもよかった。柴田勝家「絶滅の作法」現代日本人文化を再現した宇宙人たちの交流を描くユーモアSF。とにかく内容としては軽いが、爽やかで良い。
村山早紀「さやかに星はきらめき」は新連載。オールドSFといった感じの内容を、優しい筆致でまとめている。読んでいて、書きぶりの柔らかさが心地よく、今後も楽しく読めそう。
柴田勝家「絶滅の作法」:うーん。 特集評論やエッセイは微妙ものが多かった。「往復書簡」がコミュニケーション成り立っていなくて笑ってしまったくらい。それにしても酷いのは李琴峰で、純文学界隈に対する個人的な怨嗟と愚痴を延々と続け、最後に雑に「多様」がどうので特集に合わせたような顔してる。SFの一文字も出てこない。ポリコレ派のアジビラ。本当にそういうところだぞと思う。 村山早紀「さやかに星はきらめき」:新連載。あまり趣味ではない雰囲気。神林長平「戦略的な休日」:四部が完結したのならそろそろ雪風の続きも読もうか。
SFコンテスト受賞の二作の冒頭先行掲載は、どうせ単行本ですぐ読むので読んでいない。楽しみ。なんか次回はBL×SF特集らしい。百合SF周りの炎上回避のために立ち上がった企画みたいなもんだと思うけれど、正直もう疲れたよ。BL興味ない以上にかなり苦手なのでどうしたもんかね。ホープパンクがどうのというのもね。世界はどんどん〈生府〉に近づいているのではないかと思う。
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