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カースト アメリカに渦巻く不満の根源

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ひろを
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ネタバレ友人の妻が牛乳がいると言い、それをスーパーに買いに行かなければならないとなれば、友人は急いで家に戻ってジャケットを着てネクタイをする」とウィリアムズは言った。「それは自分が若い黒人男性であるために犯罪人だと思われる可能性を最小限にするための、かれなりのやり方だった。わたしたちはそんな状況で生活しているのであり、それはわたしたちの生活を損なっている」
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AKI
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「するべきこたをしているプログラムは目に見えない。そこにあることになんて気づかないだろう」 カースト主義は、自分自身の地位や有利な立場や特権を維持するために、または自分を他者よりも高い地位につけたり他者を低い地位にとどめておいたりするために、ヒエラルキーを現状のままにしておくことに役立つ。 「悪を前にして沈黙すること自体が悪である」 悪は一人の人ではなく、条件が整えば信じたくないほど多くの人の中で容易に活性化できる。 敵は、脅威は、一人の人間ではなくわたしたち、わたしたち皆であり、人類そのものに潜んでいる
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シンプルねこ(うみねこ)
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アメリカの人種差別がなくならない理由など、今まで分からなかった謎が解けたような気がした。差別の根が深くて読んでいてつらかったが、知らないことを知り、問題意識を持つことも大事だと思った。そのほか、インドやユダヤ人の差別にも言及されていた。
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tsuneki526
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以前読んだ社会学の本の一節「俺たちは黒人じゃない、ニグロなんだ」や、あるいは最盛期のタイガー・ウッズが社会的に成功している黒人グループに招かれて、「お前は白人じゃない、こっち側の人間だ」と言われたエピソード、それに映画「ノマドランド」にノマド生活をする有色人種が出てこない理由も結局のところそれはカーストのせいなのだとわかる。もともとアメリカは暴力と差別で成立した国である。どれだけ自由や平等をうたったところで底辺に流れるこの意識は強固であり、それがこの国を大混乱に陥れることになるのではと思っている。
tsuneki526

それは植民地支配と奴隷制という素地があったからこそ先進国となれた西側世界がパラダイムシフトにより没落しつつあることと無関係ではないのだろう。 ところで、支配カーストを「男性」、従属カーストを「女性」と読み替えると日本もまたカースト社会ではないのだろうか。

04/16 07:46
0255文字
にわ
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自由で寛容の国アメリカというイメージをつい持ちがちだが、人々の深層では遠い昔に形作られたカースト制度が働いている。今まで虐げられてきた人たちが当然の権利を取得し始めた一方、それを快く思わない人たちの逆襲が揺り返しとなり、社会の分断は広がっている。異国から見るとなぜ寛容になれないのかと思ってしまうが、日本という同質の人間が多く暮らす特異な国に住み、自分とは異なるものに耐性がないのはむしろ自分たちの方だと自戒した。
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Megumi
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本の内容ももちろん素晴らしいんだけど、翻訳がとても良くて、そのおかげで引き込まれるように読んだ。アメリカで勉強する前に読みたかった本。
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和泉花
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すごい本だった。
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bittersweet
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☆☆☆★★
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chiro
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「カースト」というとインド社会にある階層を思い浮かべるが著者はアメリカにある黒人を従属すべき階層として捉えている社会の在り方の中での位置付けが同じく「カースト」だと称している。ここに記されていることは100年前の話ではなく今も現前としてアメリカに存在していることに驚くと共にトランプが選ばれた背景としてのいわゆる南部の白人層の没落と大きな関連がある事を思うと2024年の大統領選挙の結果如何によってはcivil warが現実味を持っているという主張も宜なるかなと思える。
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ゆ
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すごい本だ。「カースト制度の標的になったこの何百万もの人が夢を実現することができていたら、あるいは生きることだけでもできていたら、ひとつの種としての人間は今どうなっているだろう? カースト制度から恩恵を受けているとされる人たちが、実はその人たちも閉じ込めている幻想から解放され、人間の分離ではなく、そのエネルギーを人類全体の問題の解決、癌の治療法や飢饉の撲滅、人類の存続に関わる気候変動の解決などに向けていたら、地球は今どうなっているだろう?(p426)」
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かしこ
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世界には大きなカーストが3つある。インドのバラモン教のカースト、ナチスドイツのユダヤ人を下とするカースト、アメリカの黒人を下とするカーストである。著者はアメリカの黒人女性。いやぁ、他の本で読んで知っているエピソードも多いけど、アメリカの黒人差別は考えられないほどに凄まじい。人間の残虐性は想像を超えている。白人の少女にクリスマスカードを送った黒人のクラスメイトの男の子をリンチで殺すとか。黒人の首を吊ったロープを土産として売るとか。いつも現実の方が想像より酷い。
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tenorsox
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米国に根強く残る人種差別を「形を変えたカースト制度」と位置づけ、そのメカニズム、変遷、他国との比較(本家であるインド、ナチス政策で米国を手本としたドイツ)について目新しそうな視点も多く取り入れて解説。「白人」という括りの特殊性とか、白人の最下層についての考察とか、「黒人が二人応募してきたら優秀でない方を採用し、社会的に成功するのを防ぐ」「公共の場所における差別禁止を受けて、プールを(黒人にも開放するのでなく)閉鎖する」といった細かな過去事例とか、人間の持つ残酷さを思い知らされ気分が重たくなるが超良書。
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riri4125
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なかなか斬新な切り口で興味深く読んだ。ニューヨークには30年ほど前に少し住んだことがあるが、その後トランプ政権の誕生による後遺症もあって、州によっては現代でもこのような現実があることがニュースやドキュメンタリーなどを見ても感じる。
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akon
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レイノー
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2022年(原著「CASTE;The Origins of our Discontents」2020年)刊行。著者はジャーナリスト(元NYタイムズ紙シカゴ支局長)。◇図。◆アメリカの人種差別状態とその歴史性をして、序列を含意する”カースト”とした点に著者のネーミングセンスの卓抜さ、ジャーナリスティックな巧みさを感じる(1940年代以降の先行研究に依拠したか?)。ただ、個別具体的な差別実例は兎も角(例えば、選挙の敵対候補者につき、黒人との握手の場面を撮影させ、これを公知させて落選させた悪辣な手法など)、
レイノー

これは事実であり、理解もできる。また、それがオバマ大統領就任の反動というのも、そういう面があるのは否定しない。ただ、オバマ政権の誕生とそれが8年続いたことの意義ももう少し評価しても良いのではという気がする。そして、本書では触れられていないが、トランプ再選阻止の意義も忘れてはならないはずだ。◆備忘録。①あのカースト。これは人種・血統を意味する「カスト」(ルネサンス期のポルトガル語)に由来する。②ナイジェリア出身の劇作家の言。「アフリカには黒人はいないんです。」「アフリカ人は黒人ではありません」。

03/13 20:45
レイノー

「アフリカ人はイボ人、ヨルバ人、エウァ人、アカン人、ンデベレ人です。大地にいる人間で…、それがアフリカ人の自分についての見方で…、…あり方です」。ああ仰るとおりです。

03/13 20:46
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カオリ
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なかなかに刺激的で、まだまだ私は世界のことを何も知らないと痛感。ナチスドイツも模倣するのに躊躇したアメリカのカースト。
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yes5&3
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ナチスは米国の黒人をユダヤ人に当てはめたという話(そしてナチスよりひどいという評価)、インドで米国黒人をカーストに位置付けられた話、著者自身の空港で麻薬取締局につけられる話、ファーストクラスでの差別的な扱いの話、最下位になりたくない事例の数々、オバマからトランプが指示される仕組み、ここまで読まないとエピローグの著者の提言が伝わらないという人類の根源的な問題が読者(自分自身もそう)に突き付けられる
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こたろう
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現代の米国にも存在する差別は、カーストと同じぐらいの意味であるという主張から、カーストの歴史と黒人女性である著者が経験した差別の話が、本当に事実かと疑うぐらい悲惨な内容として書かれている。 日本人でも米国に一度でも訪れたことがあれば、程度は違えど必ず経験しているであろう差別。欧米諸国へ行く機会がある人には、是非とも読むことを勧めたい内容だった。 一部の白人家庭には今も残り続ける差別意識は、かなり根深いと思った。 けど、日本の皇族もカーストみたいなもんでは?とも思った。
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takao
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ふむ
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Neishan
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読んでいるだけで辛い部分も多々あれど、読んで本当に良かった。大体おかしいと思っていた。警察官が丸腰の若者や少年などを射殺する国。年に3桁くらいの数で、尋常ではない。それが未だに続いている状態の根源は何か、ということをおもい知らされる。「科学的」な概念として、支配する側が持ち出す論理(人種)が、実は空虚なものであるということ。なのに、あまりに多くの不公平と虐殺、搾取がまかり通る社会、それがアメリカなのだと。単にインドの「カースト」をアメリカに当てはめただけの本ではありません。力作であり、名著です。
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スイ
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「人種という社会構成に基づいてばかにし、痛めつけ、決めてかかり、劣っていると見なしたり固定観念を持って見たりする行為や制度は、レイシズムと考えることができる。ある人を制限し、引き留め、規定された序列に入れておこうとする、その人が属しているとされる区分に基づいて高く評価したり貶したりしようとする行為や構造は、カースト主義と見なすことができる。」 インド、ナチスドイツ、そしてアメリカはカースト主義の国であるとして、アフリカ系アメリカ人の歴史と現状を丹念に述べている。 具体的なエピソードも多く、どれも読むのが
Masa

この本は以前から気になっていたので、今度買おうと思います。ナチスの人種政策についてはこの本が詳しいです。オススメです……って、スイさんもいいねしてますね。https://bookmeter.com/reviews/97413606

12/21 22:43
スイ

>Masaさん ぜひ!Masaさんのご意見、伺いたいです。そしてご紹介ありがとうございます!私は既に知っていたはずなんですね…お恥ずかしい…。読みます。

12/22 06:08
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KJ
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カーストと言えばインドだが、アメリカに根強くあるのがカーストの歴史。もちろん、ドイツナチスの思想も同じ。初の黒人出身オバマ大統領誕生で「Hope」されたが、根底は変わらない。日本でもヒエラルキーは存在する。
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Shintaro
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ネタバレウィルカーソン初読み。著者は米国の奴隷制をカーストと喝破する。そして米国とナチスのニュルンベルク体制、本家インドのカースト制と比較考察する。そう、ナチス高官は米国の人種法と雑婚防止法を研究し、それを余すところなく取り入れ、ニュルンベルク法を完成させた。そして言わしめた。米国はやりすぎだと。米国は世界最先端のアパルトヘイト国家だった。リンカーンの奴隷廃止宣言。マルチン・ルーサー・キングの公民権運動。そしてBLM。法律は経済的格差や無意識の差別に形を変え黒人を抑圧する。人間は本能的にマウントを取りたいらしい。
Shintaro

尺と訳の硬さに難航。ほぼほぼ学術書だし訳者は文学的素養がないときている。コンテンツはいいのにね。

12/09 04:48
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かっぱ
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「ユダヤ人差別を合法化するために、法整備を進めようとするナチスドイツが参考にしたのがアメリカで、調査したナチスが、余りのひどさに、いくら何でもこれは…、とドン引きした。」 この本に書かれているのは、そういう話だったりする。 人種差別というのが、実はカースト制度であって、というのがこの本のキモなのだけど、インドとの対比、ヨーロッパとの対比のなかで、アメリカがいかに異常な体制だったが説明される。後半、トランプ旋風に感して、アレはカースト制度を崩される事に対する反発だという分析は考えてみる価値があるかも。
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桐島陽依
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いやあ、えっぐ。それに尽きる。とにかくアメリカのカースト優位である白人(特に男性)がいかに、黒人たちを苛み蹂躙してきたかをぎっっっしり書いてある。っていうかどの時代も警察機能してないよね?黒人が被害者ならOKみたいな感覚がヤバすぎてついていけなかった。正直差別する側の方が、頭がおかしい。そしてとにかく根深い。インドのカーストにも触れられていたが、そっちも深刻。もちろんドイツのホロコーストにも言及されていた。しかし、どこでも差別は起こる。ちょっとしたきっかけだけだ。そして長年の妙な絵ハガキの謎も解けた…。
HMax

ブラジル対セルビア戦の後、セルビアを調べていたら、黒人リンチの写真に行きつきました。国際連盟で日本が提案した人種差別撤廃案に米国大統領ウィルソンが議長裁定により法案を成立させず、アメリカ各地で暴動が勃発。残虐注意:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E7%A8%AE%E7%9A%84%E5%B7%AE%E5%88%A5%E6%92%A4%E5%BB%83%E6%8F%90%E6%A1%88

11/26 09:50
桐島陽依

絵ハガキ、ここに載っている写真に似てます。たぶんこういう事例がいくつもあったんだと思います。笑顔が禍々しく見える…。

11/26 11:44
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きょうたん
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英語で読んだ
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天城
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「訳者あとがき」にもあるように、本書は①「米国におけるアフリカ系アメリカ人を社会の最下層にとどめておこうとする力」を、‪②「インドでダリッドが受ける扱い」や、③「ナチスドイツによるユダヤ人迫害の仕組み」と比較し、そこで使われる根拠た手段などの共通点を「カーストの柱」として整理すると同時にこれら三つのカースト制度の関連も説明される。著者自身もアフリカ系アメリカ人であり、自身に対して日常的に起こるレイシズムに苛立ちや焦燥感も包み隠さず述べている。
0255文字
Akiro OUED
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将来、マイノリティーに転落する白人バラモンの恐怖心が、トランプを大統領に押し上げた原動力だったと分析する。人種カースト社会のアメリカで、黒人大統領の登場が白人バラモンの寿命を縮めた遠因だったとは悲劇だね。残酷な描写が多いので、気分の落ち込んでいるときには読まないほうがよい。
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