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感想・レビュー
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寄り道
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40年ほど前に執筆された小説。それぞれの短編に登場する6人の女性たちは置かれている環境が違っているけれど、男女を取り巻く日常の出来事によって、自らの主体に目覚めて行く。誰からも定義されない自分、誰かのためだけに生きるのではない自分、精神的に誰かに依存しない自分。小さな気づきによって個としての我をしっかり持とうとする気持ちが芽生えていく。女性たちの心の奥底にわだかまっていたオリのような気持ちは40年ほど経った現代社会の中で払拭されたと言えるだろうか。
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加瀬しもん
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アトウッドの書く女性は読んでいて居心地が良い、魔性の女でも聖母でもなければ闘士でもないから。ままならん人生を自分なりに生きて、苛立ちや苦しさを飲み込んだり、吐き出しだり。女性がきちんと人間している。それはともかく収録された五つの短編のなかでは「罪食い人」が気に入った。物語の根底に「私」が抱える怒りと悲哀が流れ続けていることや、ジョーゼフの人生の糞っぷりを肯定して取り組むしかないという考えかたが好き。ジョーゼフの罪は星型のクッキーになって「私」の夢の中で輝くところなんて、何だか泣ける!
0255文字
N
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じんわりと来る、エキセントリックな人々の話。いや。この世に『エキセントリックでない人間』などいるのだろうか?皆、自分以外の人間をエキセントリックと感じるのかもしれない。女性が描く女性って、難しい。過度なシンパシーも鬱陶しいが、シニカルなのもきつい。アトウッドはパーソナルスペースが広めの感じ。その分、つかみどころのない、鰻のような話が多いかも。
0255文字
Joe
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「子どもたちにとっては、シルクハットからウサギが飛び出てくることくらい、なんの不思議でもないのだ。」 「体の細い娘は単位面積あたりの神経端末の数がより多い。そのことはもうとうに分かっていてよいはずだった。」
0255文字
Shinya Fukuda
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最初のルゥルゥはルゥルゥと彼女の紐のような男達の話。ぶさ猫は離婚間近の夫婦の話。前半は夫、後半は妻に話者が替る。妻が夫の可愛がっているぶさ猫を袋に入れてゴミ箱に捨てる。タイトルになっている青ひげの卵は一見何の不自由もない夫婦の話。青ひげの卵は妻が小説の書き方講座を受講しに行った時宿題に出された小説のタイトルからきている。これは終盤に登場する。卵の中身が何なのか示唆に富む。罪食い人は夢と現実の境がわからなくなる。緋色のトキは展開から読むしかない。ボートの穴を尻で塞ぐ話。サンライズは個性的な芸術家の女性の話。
0255文字
コキア
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女性の扱われ方について敏感な著者のこの短編集は 敢えて、ありきたりとも取れそうな普通そうな日常が淡々と語られる。 けれどその中にも「女性の役割」を考えさせられて 逆に深く重い
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短編集なので、視点人物も一編ごとに変わるのだが、それぞれの生活の中で生まれる些細な欲望や悪意、愛情などの感情をここまでアイロニカルに描けるんだ…という驚きと不気味さが自分の中に残って不思議な読後感だった。表題の「青ひげの卵」と「罪食い人」が好きでした。
0255文字
K T
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アトウッドは全部読みたい。 でも短編より長編の方が好きです
0255文字
ゲットアップウィズイット
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人間心理への切り込み方、流石としか言いようが無い。特に好きなのは『ぶさ猫』、男性主人公の作品は初めて読んだけど描写がかなり見事。そして他の作品にも言えるけどアトウッドのユーモアのセンスは良い。純文学的な凄みもあるけど地に足のついた可笑しさも心得ていると思う(あまりに重いテーマの作品だと目立たないけど...)。それでいてこの静かさというか乾いた感覚は日常から違う世界に簡単に誘ってくれる。読もう読もうと思って手をつけてなかった他の作品も読むぞ。
0255文字
ルトピエ
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ディストピア小説のイメージが強すぎて敬遠していた作家だが、短編集ということで読んでみた。ここに登場する女性たちは、何かしら「女」としてのレッテルを張られ、「女」としての役割を求められながらも、「本当の自分」を捜しているように見える。アトウッドはフェミニスト作家とも称されるが、ここに描かれているのは、もっと普遍的なテーマのように思う。青ひげの卵から孵るのは何なのか、もしかしたら死ぬまで分からないかもしれないが、今日もまた太陽が昇るのを眺めて、我々は生き続けていくのかもしれない。
0255文字
榊原 香織
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初期短編6つ カナダの作家 ネコ好きぽい
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緑虫
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★★★★
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ぼっせぃー
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「ぶさ猫」「青ひげの卵」「緋色のトキ」「罪食い人」「サンライズ」。自分としては怠惰というわけでもないのに積み重なっていく雑事、心の淀みを映しているかのような生活の澱の描写がうますぎるし、そこを読ませる。澱はゆっくりと沈んで重なりやがて破滅となる。遠くにあったはずの、まだまだこないであろうと思っていたゆるやかなそれが、実はすぐ背中に迫っていることを暴くような短篇が揃っている。書き出し辺りでは露骨なフラグが立っているにも関わらず破滅をとんでもないドタバタで(何故か)遠ざけられた「緋色のトキ」が愛らしくて好き。
0255文字
いっこ
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アトウッドは、『侍女の物語』『誓願』とディストピア小説しか読んでいなかったが、外目には平穏な生活を送る女性たちの精神世界に引きずり込まれてしまう。「サンライズ」のイヴォンヌの好みがなぜテーブルクロスのかかっているレストランなのか、読み進むうちに心の内はこんな風にも描けるのかとはっとした。
0255文字
natsumi
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favorite:「ルゥルゥ、もしくは〈言語〉の家庭生活」「青ひげの卵」「罪食い人」 相手の賢さを恐れたり、間にあるものは空っぽかもしれないもしくは見たくない深淵があるのかもしれないという不安を秘めた関係性を、ありのままに見つめている短篇集。第三者からしたらぐだぐだな状況や自己欺瞞の描き方がうますぎてびっくりする。「罪食い人」は同業の人物が登場する系の小説の中でも思いがけず美しくて心がざわついた。アトウッドありがとう。
natsumi

ゴーン・ガールを思い出す雰囲気なんだけど、深い部分に共感がある皮肉に満ちているところとか、実際フィンチャー映画と相性良いのでは……

02/16 21:55
0255文字
musis
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とても好き。淡々と、でも鬱屈していて、少し不気味で。日常ってこんな感じかな…と思わせてくれる。
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金箔の紅茶
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青ひげの卵、罪食い人がよかった。
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駒子
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イケメンで高収入の夫を何もわからない天然扱いし、赤子のように愛する妻。でも実は……?「青ひげの卵」、ベッカの最後の台詞が悲しい「ぶさ猫」が印象に残った。どの短編の主人公も幸せにはなれないけれど、人生においてハッピーエンドなんてありえるんだろうか?と改めて考えてしまう。この短編集に登場する女性たちはハッピーエンドの後の現実を書かれているように思われた。
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おりこ
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ぶさ猫も結局のところ女性で締めるので、女性が主人公の六編。何のことはなく、何のことはある日常の隅っこが書かれていて、彼女たちの毎日がこれからもずっと続いていくことを本を閉じている間も感じ取れる。そこが少しぞっとする。青ひげの卵、そういえば子供の頃に読んだ記憶がある。卵に着いてしまった血の色が鮮やかで、得体の知れないものを読んでしまったような気がしたな。
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tanikenn
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年またぎ読了 昨年は読書量激減💦 今年も目とのご相談ですが、いい本をいっぱい読みたい 本が溢れる世の中 厳選 の一言 アトウッドさんの短編 よかった が、今年はもっと嘘のように心温まる作品に出会いたい 年頭勝手な所感💦
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tsu55
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マーガレットアトウッドの短編6作。傍目にはこれ以上の幸せはないように映る夫婦の足元に静かに漂う不穏な空気を描いた表題作の「青ひげの卵」。 気鬱な夫のために休暇を取って出かけた旅行での、ちょっとした危機を淡々と、そしてちょっぴりユーモラスに描いた「緋色のトキ」。この2作が好きです。
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御庭番
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駅の本屋さんでたまたま見つけたアトウッドの短編集の文庫。 人物描写とか、ほんといちいち好き(褒めている) アトウッドは別にフェミニストを公言してるわけじゃないんだと思うけど、この短編も女性の視点で、景色を切り取ってるのでまたまた、いちいち、、好き! お尻で穴を埋めたり、猫にとあることをしたり。
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kashiha
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初読。作者の「侍女の物語」に衝撃を受けたことを思い出して手に取った。以前翻訳された短編集を改変して再版。6編収録。どの短編も一人称で書かれ、主人公たちの日常が綴られているが、なんとなく不穏な感じ。ひとつのきっかけで、今のあたりまえが全く違う何かになるような予感が漂っていてスリリング。生きてるとどうしようもないことってあるよね、と思っていたのに、作者の短編を読んでいると、いきなり天邪鬼になりたい気持ちも芽生えてくる不思議な読後感です。ナイスガールじゃなくていいじゃん、好きに生きようよーとさっぱりして読了。
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青ひげの卵 (ちくま文庫 あ-65-1)評価90感想・レビュー23