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荒地の家族

感想・レビュー
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シロナガススイカ
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「この世にはまだ見ぬ、計り知れぬ災厄が順番を待っている不吉な予感があった。」/男は災厄の地を彷徨い続けた。/奇しくも本日、読了。震災から十年余りが過ぎ、一変した日常が日常になりつつある頃、日常に潜む痛みは依然として、あの日の痛みは消えず折り重なり、堆積する。その計り知れない重量に、死ぬまで耐えなければならないのだろうか。私は何も知らないと思った。天災に怯え、しかし実感は伴わず、大変だろうと同情し、自分が何をできる訳でもなく、ただ時は過ぎる。おそらく、今後も。いかん考え過ぎた。こういう題材は色々危ない。
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愛と勇気だけが友達です
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これくらいの明るさ(暗さ)とリズムのものが読みやすい気分でした。最後、あれ読み飛ばしたかな?と何回か戻りました。
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頻子
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ひたすらしんどいというか鬱屈していた 津波直接というよりも元からぶっ壊れつつある家族に津波って感じで…こう…
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しんやす
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震災後に生きる中年の植木職人の話。上手くいかない人生が誠実に丁寧に描かれて共感した。暗く重く地味な話だが、著者の郷土愛や祈りのような物も感じた。
0255文字
Masanori  Makino
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被災者の一人として、描写されている光景が目に浮かぶ。 震災によって文字通り人生さえも破壊された人々。 物理的な面でも、精神的な面でも。
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花束
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実際にこういう人が何人も居たんだと思う。作者は仙台出身だからこそ見聞きしたものを作品として残したかったんだろうなぁ。密猟とか自殺とか多かったと聞いた。震災は良いことない、起こらなけりゃいいのにね。
0255文字
まどまど
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震災後を生きる主人公の重くて暗い話。津波に関しての表現が少なかったものの主人公の孤独が強く感じられて切なくなった。10年以上経っているけど同じような心を持つ人がまだまだいるのかもしれないな…
0255文字
ちえ
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読んでいる間ずっと、灰色の海のうねりを感じているようだった。〈元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点なのか…〉帯の文章に心の奥が掻き乱される。日々の生活の中、ふとしたことで過去の出来事が湧き上がってくる。震災という圧倒的な喪失。一度ひっくり返された日常、時間が経ち風景は変わり…その中で生活していく人たち。主人公と子供の頃からの友達の痛み、呻き…。震災地の話だが大きな喪失の経験を持っ一人一人の痛みにも通じる物語とも思われる。本当に読めて良かった。文章がとても美しい。◆第168芥川賞受賞作◆
ベル@bell-zou

最後の方、よくわからない部分があったけど、この本は忘れられないなぁ。

01/26 11:36
ちえ

最後の髪が白くなって、のところだよねー。わからなかった。でも陰鬱な物語の中で最後、息子の笑い声が救いだなって思ったよ。端正な文章に、他の本も読んでみたいと思ったよ。

01/26 11:42
0255文字
ナオキッス
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東日本大震災を直接的に書き過ぎずに、震災を強烈に感じさせる本。更地になろうが家が建とうが、都度あの日に戻り戻りしながら、それでも命を全うする男たちをとおした無常感。止まったものと続いていくもののコントラスト。独特の表現、言い回しに引き込まれる。海が膨張する。。
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読書ノオト
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サイン本見つけて衝動買い。耐えられずこの時間までかけて即日読了。災禍を生きる男、夫、父の物語。マチスモ的描写を自省的に描き、男像を逆説的に溶解する。不器用さを性差に回収させない筆者の意地と、主人公のコンサバティヴな内面が、危機の中で溶け合う。悲劇/喜劇とは分類され得ない、ナラティヴなレイヤーで物語は進む。周縁に映る友の像が断続的になっていく辺りからの展開が、なんとも言い難い。こびりつくような災禍の描写を通して、「わたしの」東日本大震災を思い起こし涙した。多様でも画一でもない、個人史的真実を感じさせる物語。
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Ta Mu
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震災で全てを失い以後ずっと時が止まったような感覚で日々を過ごしていかなければならない主人公と同じような状態の被災者は多いのかもしれない。主人公も直接的な描写はないものの、何かのきっかけで全てが崩れ落ちてしまいそうな危うさを感じた。そして、その危うさの中で自分を見失ってしまったのが明夫なのかもしれない。全体的に暗く救いトーンで、どこに出口があるのかわからないような状況なのだが、その中でも息子が元気に日々を過ごし、成長している姿が希望にも思えた。
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kibita
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震災後の、被災地で生きる人々。この物語を色で言えば「灰色」。しかし、植木屋を営む主人公の、労働する身体の動きが「生」を浮き彫りにし、そこにはふと光がよぎる。読了後、仏教のキサーゴータミーの話を思い出した。世界は変転し、喪失はそこここにあり無常だ。
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Todd Todori
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重いね。それでも人は生きて次の世代が継いで行く。震災はあまりに大きなモノを人間に残した。
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田中峰和
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震災がもたらしたのは圧倒的多数の死だった。その死を逃れた人々にもいずれ訪れる死。この作品には、日常の中に訪れる普通の死が描かれる。祐治は大学に進学しないが、幼馴染みの明夫の大学サークルに顔を出す。そこで気に入った晴海と交際するが、彼女に片思いの明夫はストーカーのように二人につきまとう。晴海は明夫と結婚するが、啓太を出産後病死。せっかく震災を免れてもやってくる突然の死。失意のなか、知加子と再婚するが、死産。知加子からは離婚をつき取れられる。関係修復したかにみえた明夫まで病死してしまう。明るさの無い話だった。
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みねね
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初めて亘理という土地を知った。グーグルマップで調べてみた。そういえば、東北をこうして自分から見にいくのは初めてだった。海沿いに埋め尽くすように存在する慰霊碑。浜辺の飲食店。海水浴場の7ヶ月前のレビュー。当事者でも勉強家でもない僕に、何か言葉を発する資格はない。/人の生活は簡単には変わらないから、簡単には好転しないから、だから笑って、汗を流して、飯を食うしかないんだよな。
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latte
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読みたかった本で、ボストン公共図書館で偶然見つけたので読んだ。3.11後、被災地で生きる主人公の話。読んで本当に良かった。1ページが濃密で重くのしかかってくる。150ページの本をここまで時間をかけて読んだのは久しぶり。今年読んだ本の中で一番おすすめしたい。
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junjun
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もの哀しい。あれだけ大きな災厄は何年も 何年も 人を蝕む。家族というタイトルに少しの希望。
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昔々…が好き
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震災で喪失した人や物や街…あれから10年以上がたっても、元通りには絶対ならない。また新しい災害が起き、被災者が生まれる。新しい生活を始めても、うまく行かなかい…自分のせいだけではないけど、そうだったのかもしれない。自問自答しながらも、仕事をこなして、生きていくしかない。家族とうまくやれなくても、生きていくしかない。そうしていれば、たまにはちょっとしたいいこともあるかもしれないのかな~?
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yoko
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2回目の読書となりますがやはり津波による体験が大きくその後の生き方や考えや精神に大きく影響し辛いことだとしみじみ感じます。人生の重さが伝わる文章でした
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Take@磨穿鉄靴
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佐藤氏は初。喪失の話。圧倒的な喪失。家族というより主人公裕治の孤独にフォーカスされた内容。震災からいろんなものを喪失していく中で未来に対して種を蒔くような事もなく世界がどんどん狭くなっていくような閉塞感を味わう。諸行無常とはいえこれだけ奪われると希望の芽が育たない。ラスト、息子の笑いが希望として示されたけど裕治そのものの直接的な幸せはありそうもなく終始空気が重かった。★★★☆☆
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chuji
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久喜市立中央図書館の本。2023年1月初版。初出「新潮」2022年12月号。第168回芥川賞受賞作。先日読んだ「常盤団地の魔人」が面白かったので読みました。最近の芥川賞はトンガッタものばかりで、敬遠しているので、読み逃していました。最終158頁はある意味どんでん返しでしたが、母親の「早く飯食え」の一文で救われた。今後もフォローする作家さんです。
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AKAWAKA
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ネタバレ受け止めきれないものをどう乗り越えるのか。『生きている間の辛苦は本人と共有できる』『死だけは、側にいる人間が引き受け、近いほど強烈に感じる。』 何度も繰り返し同じことを考えたり感じたりすることで 、何とか受け止めたり流したりして、次に向かう話なのかな。 共有はできるものであるけど、そもそも双方がしたいと思うか、また、その方法が難しくてできないことがある。そういう間柄もある。 あっけらかんと変わらずにいられる関係て、ありがたいのかも。 繰り返し出てくる中で、少しずつ話が見えてくる。 情景描写が美しい。
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Mariko
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ううううーーーんんーーー。ひたすら暗い。淡々と暗く、深々と暗い。文字に書かれて表現されたこと以上でも以下でもない、ある意味、過ぎることも及ばないこともない真っ平らな地平。それが狙いだとすれば異才。
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よよよ
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東日本大震災後の生活が淡々と静かな筆致で綴られていくので、失ったものの重さ辛さを余計に感じる。どれだけ土をかぶせても埋まらない、底が見えず地獄まで続いている穴、という表現が辛すぎる。でも、苦しさは、絶対に「報い」ではない! ラストの突然に白髪は、「孤島の鬼」的な? ショックが押し寄せて来たってこと?? 「早く飯食え」にちょっと救われた気もするけど。
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manospun
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苦しい小説でしたが、最後はほわっと救われた気がしました。 北島敬三の写真集と一緒にもう一度読んでみようと思います。
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こじこじ
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ネタバレパワハラと震災と配偶者の死と再婚と流産と離婚と子育てと幼なじみの変化と犯罪と自殺とがどんより曇り空のもとたんたんと描かれる系小説。出来事の詳細があとで説明されるリズムに慣れるまであれ?どっか読み飛ばしたっけってなってちょっと戸惑う。
0255文字
FISHING SENDAI
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ネタバレ40代の主人公祐治。現在は造園業を一人でやっている 母と息子と3人で暮らしている。 震災後の心労で弱っていた妻はインフルエンザで亡くなり、その後百貨店で働く女性と再婚したものの、妊娠中の流産後、お互いにそれを乗り越えられず突然家を出ていった。 明夫という幼い頃からの友人は震災で妻と子供を失い、現在はガンに侵されている。なにやら怪しげな密漁をしているみたいだ。 最後は彼ともう一人の役場で働く友人にさくらんぼなどの豪華な果物を届けた後、自宅で自死した。重い物語
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せーこ
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無慈悲な天災はひっきりなしに起きて、ようやく立ち上がろうとした人達をさらに絶望に追い込んで、しかし自然は大きすぎてどうすれば良いのかも分からない。 突然の人の死や大切なものを失った出来事は、たぶん一生消えず、そしてその苦しみはその人にしか分からない。これから自分もその側に立つかもしれない。南海トラフ、経験のないような大雨、台風、洪水。まだ向き合う覚悟はできていない。私にとっては抉られる本だったが、同じ思いを経験した人は、この救いのなさで救われるのかもしれないと思った。
0255文字
さむをか
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ネタバレ震災後の宮城県で造園業を営む坂井のうまくいかない毎日。■震災をテーマにしたようでテーマにしていない小説だと感じた。そもそも坂井も明夫も震災云々と関係なく人生がうまくいっていなかった。震災とは関係なく、うまくいかなくてもくじけない坂井が書きたかったのだと考えた。■乾いた文体・タイトルと物語がマッチしていた。この前読んだ「夜行」といいやはり文体とタイトルは物語の受け取り方に影響を及ぼすように思う。仙台に住み、亘理を訪れたときの風景を思い浮かべながら読み進めた。あの荒涼とした感じがよく書けているように思う。
0255文字
REIKO
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物語は淡々と進むも、内容はかなりの重量級。生かされた命、生きること止めた人、生きたかった人、生きるを選んだ人、生きられなかった命・・。好きでもなければ興味もない仕事に就き、生活のために働く主人公の中年男性。妻に先立たれ、再婚相手とも上手く行かず、思春期とも反抗期ともどっちともつかない息子。高齢の母。一切を飲み込みんだ震災。脅威の海でも、事ある度に訪れては思い耽る。灰色がかった毎日、前に進めずもがき続け苦しむ。いつか・そのうち、生かされた命にありがたく思う日が来てほしい。。。
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都忘れ
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大きな災厄の後の深い喪失感、虚無感が全編を覆い、なんともやりきれない思いがしばらく残る。道路が出来、橋が出来、建物が建っても元の暮らしは戻らない。災厄で様々なものを失った主人公が幾度も海を眺める心情の描写が心に迫ってきた。
0255文字
はせがわ
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なんとも感想の抱きにくい本だ。物語に出てくるような、たとえば妻であったり、子であったり、まちであったり、そういった大きなものを一つも失ったことがないので、積み重なる喪失についていき共鳴することが難しかった。無常の本。
0255文字
カベミミ
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ネタバレ東日本大震災を経験して。妻を病気で亡くし、再婚相手も流産とか色々あって出ていって会ってくれない。幼なじみ?とにかく喪失喪失喪失の物語。
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やなせトモロヲ
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★★★★☆ 震災の虚無から逃れられない日々がなんとも重い。読むのが辛い読書だった。
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朗読者
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震災・津波から10年経った。再婚した妻に逃げられた。たった一人雇った従業員もやる気なし。息子ともうまくいかない。心も不安定。亡霊や幻覚も見る。それでも、生きるために仕事はやっていかないといけない。という感じなんだけど、ちょっと物語に入り込めない。被災者・当事者でないから共感できないのか。読解力が足りないからなのか。ただ、芥川賞作品を読めないのはいつものことなんだな。自分の感性のなさが残念。
0255文字
Ko
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あらゆる要因で、なかなか読みづらい本で、読むのに凄く時間がかかった。その要因たちの中でも、「分からなさ」が大きかった。分かったつもりにはなれない。向き合おうとすればするほど、時間がかかった。
0255文字
かな
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東日本大地震から10年後の亘理を描く。ずっと重苦しい雰囲気なのは、作者が生まれ育った仙台で実際に経験されたことが含まれているからか。造園業を営むシンパパとその同級生とのやりとり。悪いことがあっても、自分のせいだとか当然の報いだとか責めないで欲しい。
0255文字
J D
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 亘理町、鳥の海、荒浜、阿武隈川河口。仙台に3年住んでいた私には何れも馴染み深い土地、場所。それだけに、描かれる情景は手に取るように分かる。震災については、繰り返し語られるが、そこはヨウイに触れてはならないような気持ちにさせられた。側溝にタイヤが嵌まった時に助けてくれた男は、幽霊なんではなかったかとか考えてしまう。もうあれから13年経っているけど、爪痕は沢山残っている。洪水と海の膨張がどうしても重なってしまう。私には重い読書だった。
0255文字
ダックスキー
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全体的に灰色ががった作品だと感じた。人の心につけられた大きい傷は何年経とうとも完全に塞がることはなくて、それを抱えて苦しみながら生きていく事が現実なんだろうな。最後の息子の笑い声に救われた。
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くみん
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ネタバレ現役書店員が芥川賞受賞で大いに湧いのはもう1年以上前、やっと読む。「防潮堤は恐怖の具現そのもの…海からやってくるものの強大さをいわば常時示すように海と陸をどこまでも断絶して走っていた…」大切なものが失われた、人も物も心も、行き場のない苦しみにもがくも更なる不幸が追い討ちをかける、言葉足らずなだけに余計に。救いようのないようにみえるけれど気遣ってくれる仲間はいて残された家族もいる。悲しみ苦しみは癒えることはないかもしれないけれどラストの息子の笑い声がなんだか救い、人は一瞬にして白髪になるってホントらしい。
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