形式:ペーパーバック
出版社:グラウンドワークス:
形式:Kindle版
出版社:グラウンドワークス
庵野秀明はまだまだ作品を作り続けてくれると思うが、いつか宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」のように自分が描きたいままの作品を制作してもらいたいと思う。(「シン・エヴァ」は自分のやりたいことよりスタッフ、観客をより意識して作った作品らしい)
・「作品至上主義」。作品が良くなるなら自分のやりたいことは残らなくてもいいとまで考えているのはすごい。でも「やりたい」がなければ、そもそも作品は動き出さない。あくまでも起点は自分のクリエイティビティにありながら、作品の質が上がる(そして観てもらえる)なら、他者のクリエイティビティに委ねてもいい。強烈なこだわりを持ちながら、客観的でいられる庵野監督の凄みを感じた。
⇨上記2つについては、庵野監督が元々自主制作出身であったことが影響している。 なんでもやらなければいけない、お客さんに観て面白がってもらわないと意味がない、 この感覚は大阪という「ウケてなんぼ」の世界で、制作からプロデュースまでやる 自主制作の世界にいたからこそ身についたのだろう。 なにかを作る、あるいは作りたい人間は、読むと発見があると思う。
スタッフ自身に面白いものを考えさせることで不確実性が生まれる、という流れ。庵野曰く「面白いものというのは、自分の外側にこそ多くある」のだ。その庵野の意図を、カラーのスタッフ達は重々に承知している。前田真宏の言う「太らせてから削ぐ」という贅沢な制作手順だ。それができたのも、『シン・エヴァ』がカラー単独資本による制作だったからだ(本書がカラーにより発行されていることも重要)。が、何より、庵野の意図を正確に理解し、庵野の方向性を支持し、庵野が満足するものを作ろうとするスタッフの存在が一番大きいのかもしれない。
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