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思い出すこと (新潮クレスト・ブックス)

感想・レビュー
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キムチ
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苦手な詩集。ラヒリが紡ぐ言葉の世界って‥どんなの?と。「発見された手稿」という切り口。出版された詩集の表紙に記された名前から、ネリーナと呼ばれ。この作品は、ネリーナの叙事詩のみならず、筆者の日常、旅の情景、家族の事どもが綴られている。なかなか入り込めなかったが、時間が空くと読むといった形で馴染んでいくと意外と楽しい。憧れのまま、凍結した伊への旅、妄想が道連れとなり、史的香りに燻された空気が漂う。してみるとネリーナはラヒリ?自伝的要素が見えなくもないという読後感。ダンテ、ペトラルカ・・何れ、齧ってみたいけど
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Salsaru
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私はラヒリの文学作品が好きだ。ただ、やはり英語による作品とイタリア語になってからの作品では深さが異なる。また、本作は詩が大半を占め、歴史や社会的な背景や原文の韻やリズムも訳書では味わい尽くせないもどかしさがある。作者はやりたいことをやってほしい。ファンとしては英文著書もまた読みたいな。
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横溝ルパン
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イタリア語で執筆するようになってからのジュンパ・ラヒリさんの作品には違和感があったけれど、この本を読んでそれが決定的になった感じでした。 著者と研究者、詩人が混然となった構成は面白いけれど、残念ながらそれは自分が求めるものではありませんでした。詳細に付けられた注釈も、文法の教科書を読んでいるようで退屈。 「低地」までのラヒリさんの作品は好きでしたが、イタリア語で執筆されるようになってからは、お気に入りの作家がいなくなってしまった寂しさを感じます。
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こに
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詩は苦手なので楽しめなくて残念…
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amanojaku
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詩集というより、随想と呼びたい。巻末の注も作品の一部なのでペ-ジを行きつ戻りつ読み進めるのだけれど、私はイタリア語の単語にも文法にも通じていないので四苦八苦。過去に読んだ経験のない、不可思議な印象を与えてくれる作品。
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ori
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詩の部分は日常彼女の思いや気づきを断片的に短い言葉で書き連ねたものという感じで、日常風景のディテールを慈しんでいたり、子供や遠く離れた親への、時にイラつきながらも大事に思う気持ち、何でもない状況下で理由もなく軽く差別されること、アイデンティティの揺らぎなどが描かれていてそこはとても好き。とはいえ、全体的にラヒリがイタリア語に夢中でイタリア語を使い書きながら遊びたいという思いの方が強く、それができることで満足してるのでは?と思ってしまったり。イタリア語を理解しない読者はやや置いてけぼりになる部分がある。
ori

こんにちは。作風が変わるのは仕方ないのですが、イタリア語になってからは敢えて小説らしい小説を書いてないような気がしてしまいます。それまでの作品が良すぎるのでどうしても期待してしまいますよね…

09/04 20:10
ヘジン

そう、期待しすぎもよくないですが、期待してしまいますよね。長く待たされると、さらに期待マシマシです。

09/04 22:14
4件のコメントを全て見る
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takao
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ふむ
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オムロン
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ネタバレ〈イタリア語に浸かる生活のことをこう書いている。「毎日私は籠をもって森へ行く。木の上、茂みの中、地面(実際は道路の上、会話の最中、読書中)など、周りの至る所で言葉が見つかる。それをできるだけ沢山拾い集める。だがそれでも足りない。私の食欲は飽きることを知らない」「なんだかよくわからないもの、絶対に役に立たない無数の名詞と副詞も集める」「それでも、単語を手帖に寄せ集めるだけでは十分とはいえないし、満足もできない。私はそれを使いたい。単語とつながりを持ちたい。単語が私の一部になってほしいと思う。」〉
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ぱせり
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詩は、状況や人の姿を影絵のように漠然と伝える。束の間の情景を切り取った、少しぼんやりした写真のよう。隅から隅まで見えすぎない感じ、ぼやけた部分が画面から外へすうっと引いていく感じがよいのだと思う。最後に、彼女は外にでていく。外気。寒さが気持ちよいこと。
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ハナハナ
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ラヒリのイタリア語で書かれた三作目は小説でもなく、エッセイでもなく、詩集だった。と言ってもそこには読み手を惑わす仕掛けや遊び心もあって、新作への探究心の深さを感じる。ラヒリ、詩の作者「ネリーナ」マッジョ博士と一人三役を演じる設定はペソアを思い起こさせる。詩で紡がれるラヒリの心に刻まれた記憶の断片は失った物、何気ない日常、家族や両親と過ごした日々、思い出の場所…。真摯にイタリア語と向き合う彼女が拾い集めた言葉の結晶は見事に詩と言う形に到達したと思う。次なる作品にも期待したい。
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Viola
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途中から詩人はラヒリの創造だと知る。この人物は言葉に挟まれ、異国に挟まれてそのアイデンティティに悩んでいるようだ。ラヒリには、イタリア語の呪縛を抜け出して、もとのスタンスで創作して欲しいと願う。彼女の著書はどれも読み終えたくないほど惹かれていたが、イタリア移住以後の作品は私の読みたいものではない。
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ぽてち
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ラヒリさんがローマの家で見つけた“ネリーナのノート”には、たくさんの詩が書かれていた。イタリアの詩を研究しているヴェルネ・マッジョに依頼し、整理・解説してもらい出版したのが本書──という設定である。うーん、詩かあ……と思いながらページを開いた。案の定、さっぱり意味がわからない。そのうえ、やたらと注釈が振られていて、その都度巻末まで進んで参照しなければいけない。だが、そのほとんどが翻訳された場合には無意味となるイタリア語の単語や文法の誤りの解説で……。途方に暮れながら読了した。
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ゴルディロックス
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ネタバレ20〜21世紀に生きたローマの女性作家の詩のノートをたまたま見つけたラヒリ。私もいつかどこかで、埋もれた芸術家達の作品を見つけたりするのかも知れない。もしかしたら、私の日記や手紙、絵等が遠い未来で誰かに見つけてもらえるかもしれない。ちゃんと「詩」を本で読んだのは初めてかもしれない。名前が世に残らなくても世界中には沢山の才能溢れる芸術家達がいて、もしかしたら隣人やすれ違う人もその1人かもしれない。そんな想像がふくらんだ。
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治野
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難しいと感じた。これは都度都度読み直したい本だ。
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ましろ
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言語と日常の揺らぎを漂うように読みながら、創作と自伝の狭間の魅力に掴まっていた。家具付きアパートの机の中で見つかった草稿から読み取れる女性の姿は、著者自身とも重なるように感じられ、これまでの作品の背景を知る読者にはもちろんのこと、幾層にも読み所を見つける仕掛けを思わせた。語義はインスピレーションのもととなる選ばれた言葉であり、連なる文字の並びを見るだけで思わず前のめりになってしまう。嗚呼こんなところにも思考の痕跡があった。言葉が生きる証があった。それをたどることもまた、生にふれるひとつの日常だと巡らせた。
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tom
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ラヒリはとても好きな作家。新作が出たので、図書館に注文する。けっこう待って、ようやく届く。本を開いて驚く。ラヒリは詩人に転向したのか(笑)。しばらく読み進めて、奇妙な感覚。これは「詩」なのか、詩というよりは「断片」というものじゃないか。ちいさなエピソードが並べられていて、これはこれで良いのだけど、なにやら分からぬまま読了。後書きを読んで驚く。著者も新人も注釈者はもラヒリの一人三役・・。登場人物も・・・。見事に騙されながら読んだ本。普通の小説を書いてくれないかと思ったのでした。
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あきこ
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ネリーナの詩、ということで始まった本書だが、途中から作者ラヒリ本人の言葉としか思えなくなってそのまま読む。言語の問題か、私の読解力の無さなのか、詩には惹き込まれるが深く理解することができなかった。ただ心や感情の細かな動きが行間に現れてきて、どうにも惹きつけられた。もう少し深く読み込めればと思うと、残念だ。
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yoshiko
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ラヒリの意欲作実験作。詩を読むことは不慣れなのと、注釈と本文の往復がかったるいので、どうもワタシ向きの本では無かった。なんかラヒリの描くお父さんって日本の昭和のお父さんみたいだな、って読むたびに思う。世代的にもそうか。
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fujimi243
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52、113、196ページの詩が良かった。
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きゅー
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架空の女性になぞらえたラヒリの人生の振り返り。国から国へと移り住み、使う言葉を変えることの軽やかさ。そうは言いつつも言葉にされるのはいつか失った様々な物のこと。物こそは、そこで生きていたことの堅固な象徴。故にそれが失われることを嘆くのはたんなる感傷ではない。物こそが私たちを過去とつなぎとめている。
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マデリン
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ラヒリはどこへ向かっているのだろうか…。
マデリン

印象に残ったフレーズ:今まで重ねてきた年を祝う(p47)その無作法さは侮辱と同じ、人を傷つける(p59)クリュタイムネストラのように四つん這いになって(p126)ユダヤの花嫁になった気分で/抱かれて下に降りた(p173)物憂げに肘をつき/体を傾けて休む/バッカスような(p197)

02/19 16:09
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kyokow
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異国で暮らす、親のことも子のことも心配な不安な日常
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なつ
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誰にも共感を求めない言葉を発することは、自分を見失わないためにも必要かもしれません。日本語でも詩を紡ぐのが困難なのに、外国語で書けとなったら気が狂いそう(笑)感情や肌触りや空気感を言葉で包み込み、触れるとまた広がっていく。言葉で時空を閉じ込めるのってセンスがいるなぁ。ジュンパ・ラヒリの挑戦は止まらない
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朔ママ
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⭐️⭐️⭐️⭐️
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au
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思い出すことってつまり失くしてしまったものってことだね…。内容とは全く別に、遠い昔に人にあげたもののことを唐突に思い出して愕然とした。15年以上一度も思い出さなかったのに
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nk
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ローマの家の机の中から見つけたラヒリに似た境遇の女性の詩作『ネリーナのノート』、そして知り合いのマッジョ博士なる編纂者の注釈を振られた、ラヒリによる一人三役のイタリア語で書かれた意欲作。読みこなすのには、ちょっと敷居が高いなと思うくらい高尚というか芸術性が高い。技術的に言葉遊びや文化間ギャップも多彩な表情を見せているように感じ取られた。ごく僅かなウィットしか理解出来なかったがチャーミング。そんな格式の高い面持ちをしている反面、素の言葉たちはしなやかで素直な感性を持っているので明晰でない私にも心地よい。
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つちのこ
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詩人としても非凡な才能を魅せた作品。『ネリーナ』のノートに書かれた詩の草稿は勘ぐることもなくラヒリ自身の創作であるが、イタリア語で綴られるローマでの暮らしを描く詩は自伝的要素に溢れており、著者の人となりが垣間見えた。散文、韻文、叙情、リズム感を意識したものなど表現方法も一定ではなく、様々なスタイルへのチャレンジと詩作へのこだわりが見てとれる。「ざっと目を通す」という短い詩には「一ページも飛ばさず読むべき 六百ページ以上もある長たらしくて恐ろしく散漫な小説で発見した言葉」(P89)とあり、ユーモアを感じた。
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檸檬の木
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ラヒリがローマに引っ越し、住み始めた家具付きアパートで見つけた詩を書き綴った「ネリーナのノート」。ラヒリによく似た架空の女性の日常を綴った物語が散文詩という形をとり、この小説の中に作中作品の様な形になって構成されていた。ラヒリが親しいマッシュ博士が詩を整理してタイトルを与えた。博士も架空の人物であり、ラヒリは一人三役を演じていた。エッセイ集と短編集の刊行が予定されているとの事。今からとても楽しみです。⭐︎3・5
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るな@ぼちぼち復活
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作家としての序文、著者のアパートで発見された「ネリーナのノート」に書かれていた詩、それを編纂したマッジョ博士の評論と注釈という三つで構成された文学作品。ジュンパ・ラヒリがイタリア語で書いた一作目がエッセイ、二作目が小説、三作目である本作は、分類としては詩集に近いのだろうか。自伝的要素が多く含まれているという詩の数々を理解できたとは言い難いが、著者の言う「言語的な新たな変化と新たな認識」を多少なりとも感じることはできた。次作は小説をぜひ。
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ねむ
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古い机の引きだしから見つかったノートに書かれていた詩という体で架空の編者によって編まれたラヒリの自伝的詩集。イタリア語の様々な単語の語義についての章などは、なんとなく綴り字と詩文を眺めてイタリア語を知らない私でも頷けたりもしましたが、やはり翻訳された詩となると単に意味のつながりだけを追うことになりがちで、原文の持つ響きや美しさはこぼれ落ちてしまっているのかなあ・・・。ただ、こども時代の記憶って確かに脈絡のない細切れのシーンの羅列として記憶されていて、それを表現するなら詩が一番だろうなとも思う。
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Sats
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非常に特異な詩集、というか作品というか。架空の設定で描かれた、発見され編纂された詩集。この構造だからこそ表現できる。何度も読み、都度発見を試みたい。
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アリーマ
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雰囲気は良いのだが、詩、特に翻訳詩が全く苦手なので楽しめず。原文がイタリア語だとしたら、どっちみち分からないのだが。ラヒリにはまた小説を書いてほしいなあ。★★★
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snow's library
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ネリーナという女性が残した詩、という設定の詩集。日常を綴った日記のような詩。様々な町、異国での日々。子どもたちの声や外をふく風、それぞれの家や土地の匂い。わたしには少し難解だったけど、異国の匂いや町の空気、そこで暮らす人たちの温度が感じられるようでした。
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akio
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待望の新作。作家であり、読者である主人公?と、詩篇の作者である女性、それを専門家として分析する研究者。三者の目線を持ちながら、すべてラヒリ自身であるという、なんとも意欲的な作品。ラヒリの作品を読むたび、翻訳であることを強く意識するのですが、本書は特に距離として感じました。私はラヒリの意図に近づけたのだろうか?歯がゆい思いです。
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ハルト
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読了:◎ 作家、詩人、研究者という著者の内面を表した三つの顔を持つ詩集。自伝的要素も多分に含まれており、どこからが創作で、どこまでが現実かを考えさせられる。澄んだ空気のような詩が、いたずらに吹き抜ける風のように思考をさらっていく。英語、イタリア語、ベンガル語と、三つの言語を使い分ける著者にとって、母語ではないイタリア語で綴られた詩は、自身を客観視できるツールなのかもしれない。詩は、どこか透明な悲しさを通低して感じさせられた。
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いっこ
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ネリーナ、監修者マッジョ、ラヒリの織り成す詩集である。巧みな仕掛けに、そそられる。この詩集を読むために、「註」は読み飛ばしてはならない。ネリーナのそしてラヒリの、人生の、くらしのひとこま、ひとこまをそっと覗き見る。「語義」の章はイタリア語に精通していない私には、ハードルが高かったが、「註」の助けを借りて、ラヒリのイタリア語愛を感じることはできた。もう一度『別の言葉で』を読んでみよう。
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GO-FEET
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《『思い出すこと』はただの詩集ではなく、ラヒリ自身の序文、「ネリーナ」の詩、マッジョ博士の評論と注釈の三つで構成された文学作品なのである。もちろんマッジョ博士も「ネリーナ」と同じくラヒリが創りだした人物で、この作品で彼女は一人三役を演じている。》(訳者あとがき)という複雑な構造を持った、しかもイタリア語で書かれたラヒリ初の詩集!
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鯖
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「ローマの家の机の引き出しに見つけた見知らぬ女性の詩を発表する」という設定でラヒリが記した詩集。旅先で聞いたイタリア語が好きすぎて、どっぷり浸かるためにイタリアに移住したってすごいなあ。「わたしの世話をするだけで、ほかのことはせず、面倒をぜんぶ片づけてくれるわたしだけの妖精がいるなら、必要なときに限って逃げてしまう ベッドわきのペンに気を配ってほしい」
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black_black
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ネタバレ構成がとても面白かった。前書きに少しだけ登場する著者ラヒリ「本人」と、彼女が転居先で見つけたノートに詩を書き連ねていた「ネリーナ」、その詩を分析・整理し巻末に脚注を記したラヒリの友人「マッジョ」という登場人物がすべてラヒリが創り出した人物というのが面白い。「ネリーナ」の詩も生活感を感じさせるものから、抽象的なものまで幅広く、外国人であるネリーナがイタリア語の語感や成り立ちに興味を寄せていることを脚注から垣間見ることが出来る。読者を近付けたり煙に巻いたりする感じもあり、著者の遊び心も感じられる一冊だった。
black_black

ラヒリは今作が初読み。内容はほとんど詩作ではあるものの、自伝のようでもエッセイのようでもあり、一種謎解きのような趣きもある。イタリア語が分かる人にはより楽しい読み物だろうと思う。

09/29 09:43
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urigaya
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このところ、自分の生活で精一杯で、なかなか読書に時間を費やすことのできない日々。が、この一冊が、まさにオアシスとなって、いま、どんどん潤いを増してきたように感じる。そうそう、この感覚。思い出した。自分の過去と、そして見知らぬ土地がリンクするとき。思いもよらないことではあるが、驚愕する。この偶然って?もしや必然?とにもかくにも、この世は不思議な縁でつながっている。それはひとのつながりだけに非ず。
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