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唾がたまる (キム・エランの本 2)

感想・レビュー
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びわ
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短編集。ちょっと悲しい気持ちになるお話が多かったかな。そんな中でも「包丁の跡」のりんごを食べるシーンが良かった。しんどい中でも、明日につなげて頑張れそうに思えて。「フライデータレコーダ」は他とだいぶ毛色が違ってちょっと驚いたけど、私は好きだった。
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endlessdiscover
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安定のキム・エランと友だちは言ったが、確かにハズレの少ない読みやすい作品集だった。クリスマス前にクリスマス特選だけ読んでそれ以外は後からゆっくり。最後のフライデータレコーダだけが異色だけど、現代の韓国を切り出した佳品ばかりだった。
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二人娘の父
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久しぶりに読む韓国小説として選んだのはキム・エラン。自伝的要素が強いとの解説どおり、父や母の記憶、姉との思い出。つらく切なくもどこか可笑しいエピソードなど、どっぷりと浸りながら読了。韓国小説は短編が好き。キレもよく通勤電車での読書としての親和性がとても良い。新宿から自宅最寄りの駅まででだいたい1話分。私は作品ごとの余韻も楽しみたいので、1話読んだら少し休憩で他の本を読む。そしてまた小説の世界へ。そんな読み方がとても心地よい。ハン・ガンさんを通じてメジャーな存在になりつつある韓国小説の素晴らしさを堪能した。
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ori
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田舎でカルククス屋を営み自分を育ててくれた母への愛と感謝。お店の雰囲気や料理の匂いが漂ってきそうで愛に溢れてる。韓国の都会で普通に生きていくことさえなかなかに困難な社会の構造など、キム・エランの自伝的要素を交えて描かれてて面白かった。生活が苦しい場面は読んでてもちろんきついし、日本以上に厳しく割り切れない競争社会に、スタート地点につくまでにすでに勝負ついてたりするじゃん…どうすればいいの?って思ったりしてしまうけれど。 キム・エラン、そろそろ長編が読みたいけど出ないのかな?
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Mark.jr
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訳者によると本書の翻訳によって、著者の作品は全部日本語の単行本で読めるそうです。めでたい。基本どれもハズレはないですが。エグい受験競争を中心とした本書も例にもれず、著者の短編集は韓国社会のどん詰まり感がくっきりと描かれており、正直かなり暗いトーンです。なので、入門編としては、どちらかと言えば明るめの長編「どきどき僕の人生」が適しているのかも。
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繭
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寂しい気持ちは 永遠に回り続ける壊れた宇宙船の破片。小説の言葉はたまに残酷。研ぎ澄まされたナイフが、人として生きるための〈原罪〉を心の内側から抉るから。
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nightowl
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貧しさと就職難による人生のほろ苦さ。妙なルームメイトの半生と疲れているのについ勝負事では燃えてしまう悲しい塾講師の体育祭について「唾がたまる」駄目男の兄、彼氏と宿泊可能なホテルを探す妹をカットバックで描く「クリスマス特選」。姉妹の微妙に気まずいやり取りと妹の挫折理由「祈り」。つましく暮らす小市民たちの姿が時折オフビートな熱狂混じりに綴られる。上記三作はその辺りのバランスが特に好み。祖父孫もののある物体で孤独を紛らせようとする子供「フライデータレコーダ」がかなり浮いている。
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ふろしき🍐
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キム・エランの短編集、韓国では2007年に刊行されたもの。全体にあまりぴんとこなかったが、「包丁の跡」はよかった。 『外は夏』がかなり好きだったので、最近の作品のほうが好みということかもしれない。
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星落秋風五丈原
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「包丁の跡」著者の両親がカルククス屋をやっていたというから、まさにザ・自伝。カルククス屋をやっていたといっても、実際に切り盛りしていたのは、しっかり者のオンマ(お母さん)で、父親は母親からもらった結婚指輪を飲み代のかたに取られてしまったり、女つくったり、ザ・ダメ男。第三者から見れば「面白いおじさん」なんだろうが、家族として一生背負うとなると大変だ。本編はそんな父より、頑張りぬいた母にスポットを当てる。
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しい☆
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短編が8つ。はじめて読む作家さん。とても良かった。わたしが今まで出会ったことの無い比喩や表現が出てきて秀逸。パラサイトやマイディアミスタ-を見ていたおかげで住宅事情(とても大事)にもついていけた気がする。子午線を通過する時 と 四角い場所 が好き。 皮を剥かれている青リンゴの表紙も素敵。 場所に記憶が残る感覚を久しぶりに思い出した。窓から通学路を眺めると今でもランドセル背負った子が帰ってくる気がするし、あの道を通るとずいぶん前に亡くなったおじいちゃんがまだ散歩してる気がする。そういう場所が私にも沢山ある。
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フランソワーズ
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『包丁の跡』が珠玉。冒頭の一節でやられてしまいます。
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石
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大げさなエピソードなど無くても、確かな技量があれば優れた小説を書けるのだという見本のような小説 さりげない台詞や比喩表現が心に残る 特に「四角い場所」がいい 224ページのとある一言が、先輩に憧れる少女の儚い気持ちを見事に表現している
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唾がたまる (キム・エランの本 2)評価77感想・レビュー12