形式:文庫
出版社:光文社
形式:Kindle版
出版社:グーテンベルク21
もちろん日本の翻訳界隈も蚊帳の外ではない。読みやすさを重視した暗黙の「改行ルール」に加え、売るため・ファン獲得のための「大胆な改変」も今に始まったことではない。ごくまれにこれまでの丘沢訳を「決定版としてすでに確立されている池内紀訳への意趣返し」と揶揄する声があるが、「うん、それ以外の何があるんだよ?」という話だ。「小心なものだから、HBの鉛筆でコツコツ書かれた文章を絵に見立て10Bの鉛筆で大胆にドローイングするような芸当は私にはできない」(訳者あとがき)
という言辞を「単なる謙遜」と取れる人には「い、善い人なんですね!」としか言えない、のが個人的な道理である。とはいえ当たり前にケンカなどしたくはなく「『謎が謎を呼ぶ感覚』の心地よさ」は私だって大好物。「『ミステリアスで』『ファンサの旺盛な』カフカ功労者である池内訳」に慣れ親しんできた人のほうが多いはずなので、「どっちもいいよね!」とぐだり気味にここで結ぼう。
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