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城 (光文社古典新訳文庫 K-Aカ 1-4)

感想・レビュー
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Vincent
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雪で閉ざされた城下町にやってきた主人公Kは本来の仕事を少しも果たせないまま住民たちに翻弄されていきます。書名の『城』とは国家そのものを指していてその国家の権力の濫用者に対する批判が軽やかにユーモラスにシュールに描かれています。これだけの傑作、未完となったのはつくづく残念。【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊】
0255文字
お気楽さかい
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★★★★★ 何度か読んだのは角川文庫版(原田義人訳)で、それとは冒頭が全然違う。これは衝撃だった。ラストも違う。訳文中では〈イケメン〉〈耳タコ〉〈ダメ出し〉〈上から目線〉〈リスペクト〉といったあたりはそぐわない気もした。
0255文字
Ochiai Kenji
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巻末の注記、「本書には(略)特定の職業にかんして差別的な表現がありますが(略)差別の助長を意図するものではない」をたまたま読んでしまい、なんだかカフカ的で笑えた。「本書ではKやその周囲が大変な思いをしますが、そうした気苦労の助長を意図するものではない」と、まず書いてやらねば浮かばれない!
0255文字
中玉ケビン砂糖
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ネタバレ#読了 コツコツようやく。とりあえず参りました(褒めてます。だいぶコンディションに左右されるけど)。これこそ未訳・既訳の逸品をいきなり文庫でドカンと出せる、古典新訳文庫的破格さの真骨頂と言うべきだろう(でしょ?)。 分厚さにたじろぎつつ捲るなりギョッとしたが、リズムに乗る感覚で追っていくうちにしばらくすれば慣れてくる(個人差はあります)。カフカの長編作品はいずれも未完で終着点が謎、しかもさんざん語りつくされているので内容に関してとやかくは言わない
中玉ケビン砂糖

もちろん日本の翻訳界隈も蚊帳の外ではない。読みやすさを重視した暗黙の「改行ルール」に加え、売るため・ファン獲得のための「大胆な改変」も今に始まったことではない。ごくまれにこれまでの丘沢訳を「決定版としてすでに確立されている池内紀訳への意趣返し」と揶揄する声があるが、「うん、それ以外の何があるんだよ?」という話だ。「小心なものだから、HBの鉛筆でコツコツ書かれた文章を絵に見立て10Bの鉛筆で大胆にドローイングするような芸当は私にはできない」(訳者あとがき)

01/03 18:25
中玉ケビン砂糖

という言辞を「単なる謙遜」と取れる人には「い、善い人なんですね!」としか言えない、のが個人的な道理である。とはいえ当たり前にケンカなどしたくはなく「『謎が謎を呼ぶ感覚』の心地よさ」は私だって大好物。「『ミステリアスで』『ファンサの旺盛な』カフカ功労者である池内訳」に慣れ親しんできた人のほうが多いはずなので、「どっちもいいよね!」とぐだり気味にここで結ぼう。

01/03 18:25
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0255文字
おにく
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光文社版は、カフカが原稿ノートの文章の区切りを章として分けた“史的批判版”を底本にしていて、これにより各エピソードがより印象に残り、住人それぞれの腹に抱えているものが浮き彫りになって見えました。改めて読んでみると、誰より風変わりなのは、村の住人よりむしろK自身で、測量士という自身の役割を認めさせるため、彼は色んな人と衝突し、頑なにこの村に留まろうとする。そんな姿は、彼の過去を何となく想像させられます。人の価値は、役職や肩書で決まるものでなく、人柄の大事さを気づかせてくれました。
0255文字
おだまん
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いま楽しめる不条理小説の礎といってもいいのではないかしら。わけわからないけどそれを楽しむ耐性ができたから読めたのかも。未完は惜しいけれどかえって結末がないほうが救いがあるかもしれない。後書きよいです。
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