形式:単行本(ソフトカバー)
出版社:青土社
ウェアラブルなデバイスが一般に普及すれば、まさしく集合知と一体化することができるのだろうし、地球の裏側で起こっている出来事をリアルタイムで翻訳、コピーアンドペーストしてその関連資料すらも一瞬でかき集めることが可能となる、「自炊」や「3Dプリンター」すらも今や自明のものとなっていくなか、本書は「紙からデータへ」の利便性とデメリットを論ずるだけでは決してない。「本」という形式を保つことで差別化されていた「知=他者」というものの周縁が溶け、「私」⇔「どこかの誰か」との関係性を限りなく曖昧なものにしていく、という
か無くしてさえいくのだ、他にも、今後書籍の流通はどうあるべきか(グーグルのライブラリ・プロジェクトなんかがまさにそう)や、「メロスの夕陽」論や、平野啓一郎の苦心惨憺、活版印刷のような初期文字メディアから今日へ至るまで、どのような変遷があり、そしてそれをくみ取ることで我々の今後の身の振り方も考えさせられる、、、
「めくらない世代」がやってくる。もはや、紙の書籍が失われた20年後は、過剰な妄想の産物ではない。気鋭の文芸批評家・前田塁が、大変革期における文学の可能性を問う、必読の書。 著者紹介 文芸誌初の全国版フリーペーパーなど、次々と型破りな発想を繰り出し、早稲田大学・日本大学ほかで教鞭を、またTBS系「王様のブランチ」でコメンテーターを務める市川真人の批評ユニット。前田塁名義での本書以外の主な仕事に、批評集「小説の設計図」など。
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