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古代国家はいつ成立したか (岩波新書)

感想・レビュー
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熊野晶
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地元関西の古墳の話がたくさん出てくるので興味深い。特に第6章はまたあとでじっくり再読したい。 雄略天皇と継体天皇の家系が異なるという話は以前別の著者の本でも見かけたことがあり、おおやはり……と思いました。
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坂津
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8年ぶりに再読。当時より古墳時代の知識を身につけた状態で読んだため、本書の全体の流れや、筆者の主張の根拠となる古墳や遺跡の情報がすんなりと頭に入ってきた。三世紀以降、東北地方南部から九州にかけての日本列島が前方後円墳体制に組み込まれていったことを一つの画期と見なし、そこに初期国家や民族形成の萌芽を見ることには概ね異論は無く、考古学と文献史学の接続も意義があるものの、「国家」の成立段階に関する議論自体が、条件・定義の設定次第でどの時代でも成立しうると解釈可能であるため、余り実りのある議論とは思えなかった。
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Nobfunky
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新書とは言え、著者の研究が凝縮されていて読み応えはあったものの難解でした。邪馬台国は畿内地方にあったのかな。初期国家という概念は本書で初めて知りました。猛烈な雄略天皇(ヤマトタケル)から揺り戻しを経て律令国家が成立するまで、なかなかスリリングです。 それにつけても、日本国は万世一系の尊い国とか宣っている人たちは、本書を読んで(138頁など)もっと謙虚になった方が良い。
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[A lie]
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★★★★★ 国家成立をめぐる「七五三論争」を探究の素材として使いたいが,どのような問いに落とし込めば良いか,なかなか悩ましい……。
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fseigojp
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関裕二さんの話は、あながちトンデモ系でもなかったことが、この本でわかった 神武東征だけは謎だけど
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田中秀哉
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わかりやすい本です。
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讃壽鐵朗
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考古学と文献学は結びつくか
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Naohiro Mukaihira
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ネタバレ発掘考古学と文献学の融合。研究者の主張をなぜそう推論するのかを丁寧に説明しているので、なるほど、とストレスなく読み進めることができた。著者の説だと、古代においては結構頻繁に権力の中心地域が移動している。それを古墳の形状・大きさ、地域圏の象徴:銅鐸・銅矛、鉄器製作の材料:鉄てい。地道な研究に拍手。ただ、宗教(古墳崇拝→仏教)、言語のソフトウェアについてはエビデンスに欠けると感じた。これはもう仕方のないこと。物証がないのだから。
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(k・o・n)b
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最近高校日本史から日本史を勉強し直し始めたのだが、日本は西洋史や中国史と比べて文字史料の無い時代が長かったことに驚いた。本書は、文字史料の乏しい古墳時代初期に、クラッセンらが提唱する首長制社会の次の段階=「初期国家」が成立していたことを、考古学の視点から説明する。前方後方墳の広がりから中央集権制の萌芽を読み取り、倉庫の跡を租税の存在の根拠として挙げ、古墳の場所・類型の変動から全国的な政変を推測する様は推理小説のようで、純粋に読んでいてスリリングで、面白かった。まさに「実証の上に立つ推理の学」なのだなあ。
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かんがく
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「国家の成立」をテーマに弥生時代から律令国家の成立までを叙述。文献史料の少ない時代を、豊富な考古学的事実から解明していく様はとても面白い。古墳の形式や立地から権力の構造と推移を明らかにするパートが中心になっている。著者と考古学との関わりを扱ったあとがきも興味深かった。
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アンゴ
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★★★★☆国は信用ならないと言う母親に連れられ、大阪大空襲の中逃げ惑う原体験を持つ筆者が、皇国史観を黙認した反省のない考古学会に、戦中、積極的に皇国史観を推進した研究者がそのままの姿勢で復帰する学会に苦悩。良き恩師達との出会いに導かれ研究を続けた日本という「国家」の成立について、今まで研究してきた事を啓蒙書として残したいと、退官してから考古学視点からまとめた著述。 中学高校時代の日本史教師がどのような認識で授業したかで、未だに多くの日本人の古代国家と皇統の整理はあいまいなままではないかと気づく。
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新父帰る
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考古学的見地からのアプローチ。古墳の発掘成果から古代国家の成立過程を紐解いていく。因って全編に亘って古墳の形式、分布と規模の調査にページが割かれている。文章は読みやすく平易に書かれているが、著者の古代国家への想いはひしひしと感じる。著者は古墳時代の初めを初期古代国家の成立と解釈、律令国家を成熟国家と位置付ける。エンゲルスの『家族・私有財産・国家の起源』を出発点として、氏族社会から国家への発展過程の間に古墳時代の初期国家を差し込むことによって古代国家の成立を立証していく。日本は幸いなことに遺跡が豊富だ。
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Hiroshi
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日本の古代史学会では710年の平城遷都をもって国家成立とする見解が支配的だ。国家は突然発生するものではなく、長い時間をかけて政治的、経済的、文化的組織をその地に相応しい形に成長させて出現するものだ。成熟した国家には達していないが、未成熟な、身分制、官僚制、徴税制、軍制をもつ社会がある。それを国家成立の前段階にあるので初期国家と呼ぶ。日本の場合初期国家は古墳時代にあると主張する著者の本。◆縄文時代は戦争がなかったと言われる。弥生時代になると前期から戦争があった。石鏃の大型化で人の殺傷を目的としていると判る。
Hiroshi

①弥生早期(前1000~)稲作が伝わった。②弥生前期(前800~)山や川などの地理的条件で区切られた小地域内で、水や土地の分配を巡る争いがあった。③中期(前400~)小さなクニを築く過程の争い、そしてそのクニを更に大きなブロック(北九州・瀬戸内・出雲・畿内・東海・関東)に統合する動乱があった。④後期(前50~)魏志倭人伝にいう倭国乱、西日本全体を巻き込んだブロックの動乱があり、卑弥呼を共立して収めた。⑤終末期(180~)は卑弥呼を継いだ壹与の時代であり、狗奴国を巻き込んで東日本にまで波及した動乱があった。

01/28 18:44
Hiroshi

1世紀はツクシ政権が後漢の庇護のもと鉄を支配していたが、2世紀末の後漢弱体化によりヤマト政権が鉄供給ルートを掌握した。纒向遺跡が邪馬台国であり、箸墓古墳が卑弥呼の墓だ。東北北部以南から九州において前方後円墳が増築される。古墳時代だ。各首長の連携による中央政権、初期国家が成立した。中央政権は地方の首長に支えられていた。中央政権は中央集権化を常に狙っていた。一方政権交代もあった。⑥5世紀後半に雄略大王の官僚制・軍制の強化がなされ、⑦継体大王のときその反動がおきた。両王に血縁はない。そして⑧律令国家へ繋がった。

01/28 18:45
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はちめ
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テーマにそった内容が概ね縄文末期位から時系列に整理してある。自説を展開しつつ、他の学説の紹介もしてあり、客観的な記述となっている。著者の考えは律令国家成立以前にプレ国家成立時代があったと言うもので、その時期の社会の構造を考古学的見地から検証するというもので、極めて説得力がある。邪馬台国の場所に関する意見には同意できないが、読みごたえのある一冊です。☆☆☆☆★
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ろば
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11年初版、弥生時代から律令国家成立にいたる考古学で特に古墳時代の倭国の実態を究明する。弥生開始は紀元前1000年と理解、邪馬台国は大和説を支持、纏向遺跡をその候補地とする。また古墳時代の始まりを3世紀とし、それをもって初期国家成立の時期とした。岩波新書には珍しくですます調だが、それは著者がくも膜下出血という大病を体験したから?著者の専門書は大部で難解だが、それに比べるとエッセンスが書かれていているせいか直接主張が伝わる。それが好評で版を重ねる理由になっているのだろう。論理的な文章、公平な引用も印象的。
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Ami
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今まで沢山古代日本の本を読んできたけれどそれらが見事にまとめてある本でした。素晴らしく分かり易い一冊。
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月をみるもの
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"世界は今、一昔前には考えもしなかった絆でむすびついてい ます。考えもしなかった大きな変化が私たち自身に起きています。国家の垣根が限りなく低くなった時、国家は他のものに変わりますが、それは理論上のことではなく現実の世界ですでに垣間みえています。国家の誕生に立ち会った人たちの驚きに思いを馳せながら、国家の行く末を共に考えてゆきたいです"
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belier
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古代国家の誕生を考古学者が遺跡を通して推測する。著者は初期国家の成立を3世紀の古墳時代と考える。卑弥呼の時代だ。神話や史書からは見えてこない部分が多数。だから考古学者の出番だ。自分は考古学になじみが薄いため読むのはちょっと苦労した。考古学とは理系と文系の中間にあるのだろうか。考古学、歴史学、分子人類学などいろんな学問を総合した日本の初期国家誕生論が出てくればいいのにと思う。
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isfahan
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「前方後円墳体制」について提唱者自らが分かりやすく話した本。考古学から見た古代日本の姿というものも本当に興味深い。
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キアヌ安倍
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村々のリーダーからどのようにして、国家と呼べるものがいつ出来あがったのか?面白いですね。
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虹色
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古代国家の成立を考古学の立場で書かれてある。クラッセンが、提唱する「初期国家」という考えから、日本においては、7、8世紀の「律令制国家」以前の古墳時代が、古代国家に当たると説かれています。考古学というと、自分の知識の無さからか、敷居の高いイメージがあるが、この本はとても読み易かったです。
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jhok
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弥生社会の「倭国の乱」から卑弥呼の時代、そして前方後円墳の時代とその終焉、藤原京まで。/90年代に初期国家論を提唱した古墳時代研究のキーパーソンによる啓蒙書。時代観がはっきり統一されているし、表現もわかりやすいので、かなり良いと思う。ただ偏りを避けて、議論のある部分は様々な説を併記するので、そのために少々煩雑なところはある。/なお、六章はまるごと国家論に割かれている。/「あとがきに代えて」は簡単な自伝。戦争体験と小林行雄・クラッセン・黒田俊雄。
jhok

この本のちょうど一年前に同じ岩波新書で出ている広瀬和雄さんの『前方後円墳の世界』とは扱っている対象が近いのに、随分描かれ方が違うので併読すると面白い。(年齢も5歳違いと近い)/海外の文化人類学の成果を取り入れて初期国家を論じたのが、都出さんの重要な功績なのだろうと思うが、1978のクラッセン以降の海外文献について言及がないのは少し気になるところ。海外でもそれ以上の議論の深化がないのだろうか?

06/05 20:53
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みやったー
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ここ数年古墳散策が趣味で、その背景知識を得るために読む。著者は、かの有名な前方後円墳体制論を提唱したその人。古墳を知ることは国家の起こりを知ることに通ずるということがよくわかる名著。分量も手軽で、優しい語り口が嬉しい。
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おさむ
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第1回古代歴史文化賞。710年の平城京が律令制国家の始まりだが、その前段階である「初期国家」が、古墳時代にあったと説く都出(つで)氏の論考。邪馬台国の場所論争や三角縁獣神鏡の製作地論争など、世間を賑わせる話題について丁寧に学説を紹介。国家の始まりを巡る「753論争」は知りませんでしたが(笑)。最新の考古学の知識を得るための入門書としてはいいかもしれません。
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陽香
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20110819
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yamahiko
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国家の成立を実証的に解き明かした良書だと感じました。論の進め方に無理がなくとても分かりやすかったです。
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Junko Yamamoto
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非常に分かりやすい! 過去読んだ本でもっともきっちり大和朝廷の誕生の流れが把握できた。実証のある考古学に記紀を重ねる方法が合理的。これが記紀からだと訳がわからなくなる。時間と空間がよく整理できた。
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こぽぞう☆
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考古学者の書いた初期国家論。弥生時代から解きほぐしていくが、結論は、初期国家は3世紀を画期とするとのこと。つまりは古墳時代が始まり、卑弥呼が現れ、大和政権の萌芽が見られた頃。都市の出現はそれより遅れ、飛鳥時代。推測ばかりが入り乱れる文献史学からちょっと離れてみるのもいいかも。
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坂津
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表題の通り、国家としての「日本」はいつの時代に成立したのか述べた本。筆者は「初期国家」と「成熟国家」という概念を援用し、日本における初期国家は三世紀に始まったとする説を取っている。表題の答えとしては以上の記述に尽きるのだが、答えを出す前に国家の形成過程が詳しく記述されているので筆者の主張を理解しやすくなっている。前方後円墳の形成過程や、古代中国と朝鮮における日本の位置関係の認識(九州が北、東北が南)など、色々と興味深い事例があった。纒向遺跡の発見や三角縁神獣鏡の孔の形の話は大学の講義で扱われていた。
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gissy
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古墳の発達の様子の解釈の仕方などのふれたことのない情報や古墳時代の理解において実証的な考古学的視点が興味深い一冊でした。
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目黒乱
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古代国家がいつ成立したかとは、つまり日本で国家というものがいつ成立したかということです。それを古墳の分布や形態などから判断。スリリングでした。
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レイノー
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2011年刊。著者は大阪大学名誉教授。◆本書は、弥生後期を日本の初期国家形成の端緒とし、その実態を主に考古学的知見から解読。国家や都市の定義は多様で、定義次第の感は残るが、当時の勢力関係の解析は納得しやすい。自説に影響を齎した他者の見解も名前明記で言及する点は好印象。◆ところで「疑わしきことは自国に有利に」「ほんとにやった悪いことはなおさら自国に有利に」と、歴史研究者を名乗る人物が表紙に臆面もなく書き散らした書を見るにつけ、本書あとがきの「考古学は実証の上に立つ」との言が実に清々しく見える。
レイノー

邪馬台国論を含め、それほど新奇な見解は開陳されていないが、若手の研究者の成果(例えば三角縁神獣鏡の製作地につき、西晋説の復権もあるという)も指摘している。雄略朝期の全国規模の墓制・墓地選定で首長系譜の変動が生じている点、継体朝も首長系譜の変動(ただし、雄略朝前の主張の復権らしき事態も想定可能)の点も同様か。

05/25 00:34
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space shatoru
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前方後円墳体制という体系的な研究から初期国家がいつから存在するのかが検討。私も古墳時代を体系的にもっと勉強しなければ…と反省しながら勉強中です。
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まさる
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まさる,nisiの別アカウントに感想があります、よろしければ一読ください(アカウント削除の為のログインできず放置・・・) http://book.akahoshitakuya.com/u/440597
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まさる
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nisiのアカウントと同一人物です。こちらがメインです。感想はそちらにあります 以前のアカウントでの感想(ログインできず放置・・・) http://book.akahoshitakuya.com/u/440597
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キウ
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考古学からのアプローチにより、古代国家形成期を検証する。文献史学で語られる邪馬台国・卑弥呼、倭の五王、磐井の乱などをどう基礎づけるか。著者は古墳時代の始まり、3世紀に古代国家成立を見る。邪馬台国の時代。巨大古墳造営から賦役を課すべき人民層があり階層社会が発生している。租税を蓄える大きな倉庫の存在から恒常的余剰が生じており、それを徴収する強制力を持った中央政府が存在する。国家としての結束を示す共同イデオロギーとして前方後円墳祭式が認められる。地域権力とゆるく連合しながら日本的な古代国家を見ることができる。
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nisi
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本書は古代国家の成立にまつわる7世紀、5世紀、3世紀、の「七五三」論争において、3世紀成立の立場から古代国家について発掘、当事の文献資料を用いて解説しようと試みている良書である。 豊富な史料と先行研究を交えつつ、わかりやすい文体で説得力のある論説を展開しており非常に面白い 最期に、筆者は本文中やあとがきに戦中、戦後の古代史の変遷について触れ、「歴史を社会の全体性で捉えるといった社会史の問題提起」の必要性に言及している。 視野を広く持ち資料を精査研究する姿勢の重要性を強く訴える書物でもあることに注目したい
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koji
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第1回古代歴史文化賞(2013年)大賞受賞作。日本において、国家はいつ生まれたか。著者は、古代律令制国家の前に、初期国家が古墳時代の初め(3世紀)に成立したと結論づけます。その理由は、租税を蓄える巨大な倉庫、階層社会、中央政府の存在にあり、その共同イデオロギーは前方後円墳祭式にあるそうです。唯成立時期には諸説あり七五三論争というそうです。私が大いに共感したのは、研究の背後に①著者の原体験があること、②病気を克服した成果であること、そして③日本人論、国家の未来に繋がる大いなる企てをもっていることです。
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讃壽鐵朗
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古代史は、やはり考古学よりも文献史学の方が素人には面白いと再認識。
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花時計
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古代日本の地域的勢力が連合から国家的統一に進んでゆく過程を、考古学的知見から解説。考古学の素人にもよくわかる。 ただ、記紀の記述と考古学を重ねると何が言えるのか、という視点の説明が欲しい。
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