形式:文庫
出版社:河出書房新社
形式:単行本
形式:Kindle版
「結ばれぬ悲劇といえど読みおればとにかく終わる、小説なれば」「むらさきに濃いむらさきの血脈を清らに這わせ桔梗はひらく」「意志を持つ小さき虫のように飛ぶ粉雪ばかり津軽海峡」「背景に月光ありて君という器を通り過ぎし幾人」など暗唱して口ずさみたくなる歌の数々。/「十六でもう人生を投げているとにかくそんな目をして見せる」「よく笑う女生徒なりしが吾に見えぬ何を抱えて退学の朝」「可能性という語の嘘を知っている十七歳の面倒くささ」「古文漢文の解答欄の余白には尾崎豊の詞を書いてくる」等、→
教師を辞めた後では二度と歌えない言葉。青春との別れを慈しむセンチメンタルな思い。私は『サラダ記念日』よりも本歌集のほうが好きかもしれない。/橋本治をチクリと刺す「少女らに追いつくころはもう古い『桃尻語訳枕草子』」には、歌人は数多くいれども俵万智にしか歌えないよね、これはキツいよね…とちょっと苦笑した。
歌集のタイトルは「四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら」から。これも爽やかな抒情を喚起する、清々しい歌。ただ、彼女が国語教師として勤めていた橋本高校の歌は、トータルには心に訴えるものがあるが、単独では歌の世界を支えきれないものも散見される。
いつも素敵な歌を詠むSageさん、読みたい本に登録しました。
おくちゃん♡さん、ありがとうございます。『サラダ記念日』や『チョコレート革命』よりも『かぜのてのひら』の素直な風景描写が好きです。
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