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妖櫻忌 (角川文庫)

感想・レビュー
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ぎじはしこ
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ある女流作家の死後、作家についての手記を任された人物によって作家の真実の姿が見えてくるという展開は、過去作の「第4の神話」と似ているが、こちらはホラー作品。 この世の人ではないはずの作家・大原鳳月が、作中の端々で匂い立つほどなまめかしい存在感を漂わせており、彼女の書く流麗な文章さながらの蠱惑的な魅力に引きずり込まれるような妖艶さと怖ろしさを感じた。 若くドライな男性編集者の堀口は独断と偏見が過ぎるが、そういう人物ゆえの疑念が起点となるのは納得できる。 読者の性別によって感想が変わる作品かもしれない。
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NBかえる同盟
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ネタバレ再読。名手・篠田節子なので、裏表紙に「ホラー小説」とあるからそのつもりで読むが、本当にオカルト・超自然なのか、それとも…というギリギリのあたりを巧みに描いている。
NBかえる同盟

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07/13 20:15
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さっち
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この作家さんが書くホラーは初めて。怖かった。
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パルフェ
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再読。恋をするたびに心のどこかに綻びが生じ、僅かな風のそよぎにさえ鋭敏に反応するのが若い頃からの常だった。女を終えたような年頃になってもそんな危うさが相変わらず、情緒の表面をぼんやりと膜のように包み、心を揺らぎ立たせる。そしてそのこと自体に戸惑い恥ず自分もある。男への愛執の思いこそ、自分が恋と信じているものだったかもしれない。
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火星人碧
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ネタバレ人気作家・大原鳳月が若手の演出家とともに自宅の茶室で焼死するところから物語は始まる。その鳳月の下で秘書や資料収集などを12年も務めた若桑律子は、鳳月は死んではいないと言う。肉体は灰と化しても魂は、精神は生きている、そういうことはあると思う。鳳月は死してなお律子を支配する。実態を持たない故に律子のなかに入り込む。そのために自ら命を落としたのかとさえ思われる。律子の書いた文章のなかに鳳月の文章が入ってくる。律子へ疑惑を抱き続ける編集者・堀口が少しずつ真相へと近づく。ひとりの女の執念を軸に書かれた幻想小説。
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Take@磨穿鉄靴
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今月入って篠田節子氏は3冊目。他の2作に比べるとハマらなかったかな。ホラーではなくサスペンス仕立てなら印象全然違ってくるんだろうけどそうなると違う話になっちゃうからね。とにかく魅力ある登場人物が居なくて入り込めなかった。編集担当が20代の若手ではなくそれなりのベテランに対応させればもう少し違った反応、ストーリーになったのではないか。最初から最後まで置いてきぼりなまま終わってしまった。★★☆☆☆
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パルフェ
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大原鳳月…古典文学の大家。鳳月の作品を読んでみたい、なんて思わせられる。その流麗な文章は鳳月自身を表している。ひたひたと満ちていく潤い。いつのまにか絡め取られているような妖艶さ。ふくよかさ柔しかさ、そして官能。そんな人がいるなら会ってみたい。それを表現出来る女優さんでもいい。そんな、摩訶不思議、妖しい魅力を持つ鳳月に憧れてしまう。
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 りゅりゅ
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文体と題材がこの上なくマッチしていた。ねっとり、ねっとり。
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nyangle
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物語をつくることに対してすさまじい執念を持つ女性作家の話。死してなお物語るという、怪談じみたお話。そんなん怖いわ、とか思うものの、もひとつピンとこない感じで。。。そんな本筋よりも、女性の精神(あるいは魂?)が複雑で深遠なのに対して男性のそれがあまりにも単純で浅薄なことに、むしろ感銘を受けた。まあそうでしょうねぇと思いつつ、そのことにはあまり触れないでください、とお願いしたい気持ち。しかしそんな願いをあっさり却下する篠田さんの態度には、毎回、すがすがしい気分にさせられます。
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akemitsu
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火事で亡くなった女流小説家と、彼女の秘書として長年尽くしてきた女性の緊迫感ある関係性を軸に進むホラー物語。担当編集者の男性がどうにも飲み込みが悪く、大物作家と無名執筆者との態度の違いも露骨でイライラするけど、そういう人じゃないとホラーの狂言回しとしては適当ではないのかも。文章は疾走感があって一気に読めるけど、篠田節子さんとしてはこじんまりした感じはした。でも好きなので面白く読めた
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noémi
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篠田さんの怖さというのは、一見心霊体験をしたように見えてその実、裏で細かな事件が起こっていた、っていうのがウリだと思っていたけど、これはまるっきりオカルトじゃないですかぁ。死んだ作家のオバハン、マジ気持ち悪い。本当にホラーにするなら、もうちょっとインパクトがほしい。
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マリリン
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篠田作品、初めて手にした。芸術の世界では非現実的な現象との境界にこのような事実もあるのではと思いつつ読み終えたが、展開や脳裏に浮かぶ情景は緩やかに淀むことなく進んでいった。ホラー小説と書いてあったが、森山東作品を思い出した。三島由紀夫のような純文学の要素もあるのではと感じた。
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エドワード
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女流作家・大原鳳月が若手演出家と焼死した。編集者の堀口は、鳳月の秘書の若桑律子に、鳳月の数奇な生涯を書くように勧める。ところが律子の文章は鳳月のものにそっくりだった。鳳月と律子の関係は?カラクリがあるはず、と合理的に考えようとする堀口の周りで次々と起きる怪奇現象。律子に何が起きているのか?「私の人格は、私の人生は私のもの…二度と渡さない。」二人の女の愛と怨念がぶつかりあう様がすさまじい。<書く>という行為にかける執念の物語。律子の修辞たっぷりな文章が結構面白い。小池真理子さんが解説というのもピッタリだ。
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ヴェネツィア
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この小説の着想の元になったのは、まず篇中にも何度か登場するモーツアルトの遺作となった「レクイエム」である。すなわち、全曲の半ばで息を引き取ったモーツアルトの後を受けて、凡庸な(?)弟子のジェスマイヤーが後半を師匠ばりに完成させたこと。ただし、ここでは触れられていないが、「レクイエム」には、もう一つのエピソードがある。それは、この曲を注文にやってきたのが黒装束の男で、モーツァルトは死神からの依頼かと思ったこと。もう一つの典拠は謡曲「砧」だろう。プロットは全く違うのだが、ここには「後妻(うわなり)打ち」と⇒
エドワード

モーツァルトのレクイエムの構造と二重写しになっているところが篠田節子さんらしくて上手いなあ、と感じましたね。

02/07 13:29
ヴェネツィア

エドワードさん、音楽に造詣の深い篠田節子さんならではの構想ですね。

02/07 14:00
3件のコメントを全て見る
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のぼる
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ネタバレ読友さんのレビューで何度か目にして気になっていた篠田さん初読み。 女性が主人公のドラマが多いというイメージを持っていたが、裏表紙に「ホラー小説、解説•小池真理子」とあり、迷うことなくこの作品をチョイス。女流作家の死後、編集者から頭脳明晰だが文芸作品を書くのは無理と評価されていた秘書が原稿を持ち込んで来る。暫くはミステリー的な流れが続くが、徐々にホラー色が強くなり背筋が寒くなる。「恐怖!」と言うほどでは無いが、終盤は結構ドキドキ。好みでした。こんな作品を書く作家さんだったんだ。他の作品も読みたい。
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Ayah Book
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好きな作家さん。篠田節子さんにしては小粒な内容ですが、著名な女流作家とその女性の弟子の、(男は添え物的な)愛憎渦巻く関係は中々良い。主人公の男性の性格が悪くてイライラするが、この方の書く主人公ってこういう感じが多かったような気もする。
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陽
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大原鳳月、若桑律子の容姿がリアルに想像できるような内容だ。 この著者の作品は物語の世界に引きずり込まれる魅力がある。 すごく面白い内容でもないんだけど、女性の描写がうまいよな。 こういう幽霊なら大歓迎なんて思えてしまう。 俺は作詞、作曲するけど、ときに自分の意思では到底、作り出せないような作品が出来上がるときがある。 神が自分の体を使って作りだしたのではないか?と思うような作品が生まれるんだ。 そんなことと、この小説はリンクするよな。
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komaneko
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書評的には、難しい作者の作品。好きか嫌いか?な、感じでしか言えない。 ジブンは、好き。 篠田節ホラー、でも「神鳥」ラインでいうと、「以下」でして、律子さんが主人公ならまた違っていたかも。 だが、はいずる様なうすら寒さは、篠田ホラーの真骨頂。 その辺りがフォーカスされていなかったのが残念です。。。
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ひなあやまま
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著名な女流作家の死後、その秘書が本を書こうとするんだけど、だんだん死んだ作家の文体になっていく。憑依してまで、書き続けようとする執念は、女であり続けたかった執念?・・・う~ん・・・・わかるような、わからないような・・・・ 確かに「書く」って作業は、全てを削りながら、それでいて自分に必要な何かを取り込んでいくような感じってのはわかるような気がする。
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碧道aomichi
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再読、らしい......内容、ほぼ記憶に皆無。しかし、驚いたのは所々㌻の端に折れ目があったり(私の癖、気になる文章表現や引っ掛かりのある言葉がある時に)昔の私のメモ書きの痕跡があったりで。確かに読んでいたんだな、と。ラスト、物足りない終焉でした。
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sayoko
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女性ふたりの凄絶な情念に、主人公の男性が霞みますw
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花宴(紅葉賀)
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壮絶な業と思念だ。死しても秘書である律子を支配し「女としての華」を吸い取る女流作家大原鳳月。設定は違えど、六条御息所と似ているような気がする。ジワジワと静かに忍び寄るような恐怖。
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葵
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女性の妄想・執念が怖いホラー小説です。 律子の後ろに見え隠れする鳳月の影、そのねっとりと絡みつきまとわりつくような女の執念の凄まじさおぞましさにはゾッとさせられます。が、中盤、律子を調査しているあたりまではミステリ風で緊張感もあるのですが、その後息切れして、とくにコレといった盛り上がりもないまま。 著者の他の作品と比べると、いまひとつ物足りなく感じました。
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Richard Thornburg
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感想:★★★  ホラーというよりは怪談と呼びたくなるようなうすら怖い話でしたが、アイデアとしてはありがちな感じでしょうか。  間接的にしか掴めず、はっきりと実像を結ばない大原鳳月の存在が不気味でした。  音楽好きな私としてはモーツァルトのレクイエムと対比させているのは面白いと思いました。  実際、鳳月が見え隠れしている場面でキリエなんか聴いたら震え上がるでしょう。 ちなみにレクイエムを聴くならジュスマイヤー版よりはモーンダー版のほうが統一感があって『らしい』です。
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tama
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図書館本 まあ、面白かったです。若干、とっ散らかった感もあり。
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Tonex
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本編はハードカバーで読んだので、小池真理子の解説だけ読んだ。「書く」という行為に潜む魔物について。書きたいという欲望の恐ろしさ。
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モルク
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大原鳳月の実像が今一つわからない。話としては、おもしろいと思うけどなにか不完全燃焼。
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シーラ
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結局鳳月がみえない怖さ、かな。女性同士、師弟、一緒にものを創る関係。ただでさえ怖いか。
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すすぎ
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亡くなった大原の伝記を書くブレーン役の女性。ところが伝記はだんだん大原の空気をまとい出す。ブレーン役の女性の言動もおかしくなり…シンプルなストーリーですが、そのぶん、サイコな怖さが迫ってきます。女同士の怖さ、それによってつぶれちゃう怖さ。誰かが正気を失う過程。映画にしたら映えそうですね。篠田節子のホラーは甘く見ちゃいけませんね。何作か続けて読んだら、夜トイレに行けなくなりましたよ。
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Jimmy
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篠田作品としては割と薄い本でしたが、なかなかの密度の濃さで、読後感はそれなりに満腹です。逆にこの手のテーマ・世界はこのぐらいのコンパクトさで逃げ切った方が、変な喩えですが連城さんの「牡牛の柔らかな肉」の様な長さと違って辟易してしまわずに良いかと。篠田ワールド好きには手軽にその世界を楽しめる作品かと。
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キムチ
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篠田さんものとしては今一。底が浅い感じ。小池さんモノと香りが似てる。 ホラーといえばホラーだけど、「死してなお残り、生き霊となって愛執を揺らめかすというのはよくあるネタ。六条の御息所っちゅーか・・ 取りつくのも行き遅れの秘書。う~ん、いまいちだね、描き方も。彼女に共感もあはれもないのが辛いとこ。律子が探っていくところに盛り上がりがあるかと思いきや・・何か、宙ぶらりんで。不消化で終わっちゃって・・
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ヘビメタじじい
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やっぱ年だな…読み始めて、お話の世界に入るのにちょっと時間がかかった。大原鳳月の実像が描かれてないので、肉体の奪い合いに気づくのが遅れて…。実像を描かないのは意図したのだろうし、そのアイデアはとても良く、不気味さをより浮き出す効果もあるが…私のような鈍い読者には逆効果でもあったかな。物を書くことを一生懸命やった経験のある私には、文体とか呼吸とか…そういう点は面白く興味深かった。既成の書体をデザインしたタイトルの文字はすごく良い。カバーデザインの方に座布団一枚!いや二枚! あ、小池真理子の解説は非常に良かっ
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キムチ
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もやもやとした朦朧体の感じ。印象が薄かった。結末が特に「なに、これって。。」で残念。
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鮎川まどか@AnxAn
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「聖域」や「贋作師」ににたテイストを持つ、氏お得意のホラー作品。大原鳳月って実際はどんな人だったのだろう…。語られる事のみによって存在する不気味さが恐ろしい。
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ゆき
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クラッシックの話も少しあり、サスペンスかと思ったらオカルトだったのでそれがちょっと・・・。
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かおり
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著者の同テイストの作品『聖域』『カノン』の方が面白かったなぁ。
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