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殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫 M あ 6-1)

感想・レビュー
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ネタバレ「図像学とミステリの邂逅」なのである。図像学って全然知らなかったけど、その絵画を描いた人は無意識だったかもしれない意味と主題を探っていくとは、知識だけじゃなく想像力が必要そうでなんとも難しそうな学問です。飛鳥部さん自身が作成した絵画が載っているのは、その才能がなんだか怖い…笑。自殺した画家が残した絵画の謎と、雪の降る屋敷での二重同時密室殺人。デビュー作だけあってミステリとしての仕掛けが凝っていて楽しく、ちょっとだけそれはあり?と思ってしまう真相に唖然とした後のエピローグの物悲しさまで堪能いたしました。
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okapon
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図像解釈学を本格ミステリに絡めるという斬新さとトリックの上手さ両方を備えた傑作。序盤で過去を探る捜査小説かと思わせておきながら、章が変わると完全に本格ミステリの書き方に変わり、身構えながら読んだ。メイントリックは、巧妙に隠されながらも伏線が周到に張られていたため非常に感嘆した。空間+時間の二重不可能状況は、可能性が絞られすぎて読者が真相に勘づきやすいように思われたが、この真相は完全に盲点だった。イコノロジーが全てを語るわけではないが、事件の真相がそこに暗示させられていたのが見事だった。⭐︎4.0
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yosa
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ネタバレなんて特別なミステリだ。文章だけでなく冒頭の作中画だけで読者を物語の結末まで引っ張っていく力があります。イコノロジーだかイコノグラフィーだか聞き慣れない言葉でしたがこれぞ小説のキモ。この作中画にはどんな意味があるのか、どんな秘密が隠されているのかを知りたく知りたくてついつい読み進めてしまう。事件そのものは、まあ。しかし絵を理解してから思い返せば悲劇がより深みを増して腑に落ちて、犯人と同調してしまうような錯覚はこの作品特有のものじゃないでしょうか。欲を言えば作中画の全てに事件と絡んだ意味合いが欲しかった。
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耶千
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ネタバレ面白かった。とある絵画を図像学的視点から読み解いていくと事件に遭遇し、最後には1人の画家の悲哀に帰着する。話の主軸が流れるように変わっていく構成が面白い。この作品はミステリ小説ではあるけど、それは「殉教カテリナ車輪」を構成する一要素に過ぎず、どちらかというと東条寺桂という画家の誕生から破滅までを描いたことこそが主軸だったのかなと。だから最後は桂の台詞で締め括られる。桂の遺した絵画と手記の奥にある感情の立体感は、ミステリではなかなか見られないレベルの奥行きを孕んでいたと思う。面白い小説だった。
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ψ根無し草
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「黒と愛」や「堕天使拷問刑」のような半ば特殊設定かなと思ったら直球の王道本格ミステリ。絵画から推測するのは仕掛けではなくそっちだったのねと言うところまで見事。
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かさと
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ネタバレ帯裏面の「手に取った瞬間からあなたは騙されている」最後まで読んで、なるほどねと思った。 図像学を若干かじったことがあり、興味を持って読み進めた。絵画の中に作者の告白を封じ込め、絵の中に多くのヒント・答えがある。判じ絵のようだ。 トリックが偶然性に頼ったものであったせいか、事件が発生後の警察や容疑者?たちの、推理パートは、若干、冗長に感じられ、退屈だった。 人物描写が薄っぺらいとの感想を散見するが、情報が少ない分、東条寺桂と佐野美香、豪佐世子との関係性などに、想像を載せることができ、たのしめた。
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内田
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限定復刊本。昭和のムード漂う作品。 読み難くかった。暗い感じ。たぶん 趣味が合うかも。作者と。
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めだかくん
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いやはや、貴重なミステリーを復刊本としてだしてもらい嬉しい!こんな素晴らしいミステリーがあったなんて!なんともいえない哀しく切ないミステリーを手にして読めた事が幸せ!多くのミステリーファンに読んでもらいたい必読書としてオススメしたい傑作!もうなにもかもが飛鳥部ワールド!クセのあるミステリーですがそのクセにハマること間違いない面白さでした。
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しずかな午後
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飛鳥部勝則のデビュー作、本当に良かった。やはり飛鳥部勝則は面白い。巻頭に4枚の自作の油絵を掲載し、図像学と本格ミステリーを融合させたことで知られる本作。謎めいた女性たち、スリリングな会話劇、大げさな不可能犯罪、エピローグの切なさ…、その後の飛鳥部作品にも見られる魅力が端正に描かれており、とても楽しめた。とくにエピローグの美しさは泣きそうになるほど、最高
しずかな午後

プロローグで、登場人物がカイヨワ『幻想のさなかに』のある挿絵を見て「謎が、解けた」というシーンがあるのだが、自分も図書館で『幻想のさなかに』を借りてきていったいどの挿絵の話をしているのかを探した。

07/23 15:10
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風鈴
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芸術と推理小説の融合が楽しく読めました。そういえば、学生時代は、絵画の本も良く見ていましたね。キリコとかオディロン・ルドンとか気になったのは懐かしい。芸術に身を捧げる切なさは、連城さんの能師の妻や、戻り川心中を思い出しました。
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ベルディ
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図像学×本格推理という新機軸を打ち出したという点だけで既に賞賛されるべきです。芸術に疎いので、矢部の図像学的考察と蘊蓄は新鮮で純粋に楽しめます。絵画『殉教』と『車輪』の最後の解明については、ただの推理小説に止まらない文学的(芸術的)高尚さを齎しています。 しかし、本作の魅力はそれだけではありません。とある工夫で時間的&空間的不可能トリックを成立させています。私は読んでいる途中に、「時間」の方は容易に看破できるように思えました。ただ、作者はそんな読者を見透かしていたようです。
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nmt
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ネタバレ再販感謝! が、過去何年分もの期待でハードルが上がりすぎてたかな… 図像学から画家の内面に迫る前半は興味深かったものの、後半がなぁ。
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よよよこ
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悲しさを感じた
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Malvales
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ネタバレわずか五年の間に五百余点の絵を描き上げ、その後自殺を遂げた無名の画家・東条寺桂。 彼の遺された絵、《殉教》《車輪》に込められた主題を図像解釈学の手法を用いて読み解こうとするストーリー。 残された絵画の主題を紐解く🟰密室殺人事件も解決していくという展開はなかなか面白くテンポ良く読了しました。 偶然性、偶発性には多々意見はあると思うが、物事に100%はないことを考えると個人的にはとても面白い作品だと思いました。
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びじゅぼん(ブクログ試行中)
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うーん? そんなに? 殺人事件に関係し自殺した画家の絵を図像学から読み解くて試みはおもしろいけど、事件とそんなに連動してるかなー。 あと、こうゆう文句は理不尽だと我ながら思うんだけど、荒唐無稽な事件が余計なパーツがなくすっきり解決されるとガッカリしちゃうんよね。この見立てと構造なら、最後もう一回ひっくり返して、整然と終わった話を混沌に放り込んで欲しかったし、図像学を駆使したら可能だったんじゃないかなー(無茶苦茶な贅沢をゆう)
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Dolci
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ネタバレ『黒と愛』に続いて2冊目(こちらがデビュー作らしい)。物理的な謎に目を引き付けておいて、叙述トリックで欺く仕掛けは同じだが、本作の方が巧みで純粋なミステリ。特に一つ層をずらした叙述トリックは独創的。バロック辺りの宗教画が好きなので、イコノロジーの観点から物語の核である画家の意図を紐解こうとする趣向も楽しめた。惜しむらくは、やはり密室の種明かしが偶発的に過ぎる所か。しかし、犯人の結末を考えればそうした方向性しか取り得ず、悩ましいところではある。
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デトマソ
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不思議な小説だった。たくさんの初めてを体験した。
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橙なオレンジ
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ネタバレ筆致と構成の美。それに尽きる。元来、足で稼ぐ捜査をしながら犯人像が少しずつ見えてくるような、『火車』みたいな小説が嫌いで、ミステリとも呼びたくないのだが、これはスラスラと読めた。人間や会話の手触りが心地よく、図像学的な解説もメインでないものの、ほどよく存在感を持つ。 何より、文章が上手すぎて、肝心のミステリパートのサプライズがサプライズとして機能していないのが凄い。流麗なリズムがそこだけ途切れるのだが、あれも狙って、途切れるように書いているのだとしたら恐ろしい。
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のざきち
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ネタバレ美術館事務員井村は同僚の学芸員矢部から原稿を渡される。そこには、矢部が自殺した画家東条寺桂の「殉教」「車輪」という作品に込められた主題を求め、その過程で知った二十年前の二重密室殺人の顛末が語られていた…第九回鮎川哲也賞受賞作。「書泉の、10冊」で本書が復刊されることを教えて頂き購入。図像解釈学(イコノロジー)を求める中で過去の密室殺人が明らかになる流れが自然でいずれの謎も魅力的。密室トリックと伏線には少々⁇な部分もありますが、ラストで図象解釈学に回帰する余韻も秀逸。国内ミステリで久々堪能できた良作です。
koma-inu

トリックは無理矢理感ありますが、絵画の世界観に引き込まれ、きにならない良作ですねー🤗復刊きっかけに、飛鳥部さん新作を切望してます💪!

03/29 11:15
のざきち

近所の図書館には結構飛鳥部作品があったので(ほとんど書庫行きでしたが最近は出してないんですか?)、この世界観を追いかけてみようかと思いはじめてます。

03/29 11:42
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ほたる
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面白い。二重密室殺人を解くための手がかりが、ああこれこそミステリを読むことの醍醐味だと思わされる。登場人物たちの心情にもどんどん引き込まれていき、それがより一層謎を魅力的に描いてくれる。興味深く描かれた絵の解釈が物語の締めに繋がっていたのも素敵だ。
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神太郎
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「書泉と、10冊」にて復刊が続く著者のデビュー作。タイトルからしてオカルト色が強そうな感じがしたが、読んでると正統派でとてもおもしろく読んだ。二重密室、絵画とイコノロジーとそれらがどうつながるのかというワクワク感。本格ミステリーでありながらちょっと本筋を外す感じ、少し影のあるエンドがなんとも不思議な心地よさ。鮎川哲也賞受賞作ちょくちょく読んでますがわりかしハマる。本作もご多分に漏れずばったりハマってしまった。
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猫愚者
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復刊したので読めました。作者が絵まで描いたという作品。天は二物も三物も与えるというか器用だなぁ。図像学という言葉はここで初めて知りましたがとても面白いですね。絵に込められた意味を探すというのだけでも興味深いのにそこにミステリの上書きなので後が気になって只管読んでしまった。犯人当てたろ!と思って読んだのに作者の意図にはまってなんか変だなと思いつつやられてしまったのがなんとも嬉しい。
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m_y9
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ネタバレ98年初出。本格ミステリ・ベスト10の3位の高評価も納得。見事な構成で完成度の高い初作。見取図なしの拘り等雰囲気作りの妙も。絵画や美術系の作品は敬遠しがちでしたので新鮮に楽しめた。今回も機会損失しないで名作の掘り起こしができて良かった。 復刻版を買おうかと思いましたが、閉架で状態は悪かったものの隣区の図書館で発見。
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ちびあんすも
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あなたに出会えてよかった。わたくしに描くということを教えてくれてありがとう。願わくば…。わたくしは、描く。全てを捧げすべてを犠牲にし。没頭する。 とある地方で世に埋没していたある画家を巡る事件と手記。迷宮の扉が開かれる。 飛鳥部勝則氏独特な世界はなりを潜め、美術の知識が詰め込まれた一冊。 エピローグの余韻が深い。
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雪紫
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再読。最近の作品読むと飛鳥部さんにしてはキャラがまとも(?)だ・・・。と思ってしまう(次の「バベル」であれな分出すんだけど)。後妻パートとか、何度読んでも桂の理解者であった分かなり切なくて良いんだよね・・・(彼の文章にかなり魅了されてるんだよな・・・そして「トランプ」の絵も見たかったと言うわがままが蘇る)。
雪紫

「図像学入門」借りたので、これ読んだら再読しよう。と決めてたらこの本でも絵巻の顔に言及してびっくり。

02/20 14:24
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moon-shot
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作中の絵画まで作者の自筆と言う異色の作品。イコノグラフィー(図像学)が秘めるミステリー的な味わいは、確かに推理小説との相性抜群で楽しめた。こういう自分の特技?を生かした作品って何となくズルいと思われそうだけど、過去にも「殺人の棋譜」でデビューした斎藤栄(将棋六段)や「モーツァルトは子守唄を歌わない」の森雅弘(東京芸大美術科だが音楽もプロはだし)等、意外に居るものです。二件同時多発の密室トリックは驚天動地とはいきませんが、全体的にストーリーがきれいにまとまっており破綻の無い構成が印象的で読みやすかったです。
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Kircheis
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★★★★☆ 図像学とミステリの融合!ミステリマニアの学芸員は「図像学とミステリは似ている」と言う。 20年前に起こったカーばりの二重密室殺人。その関係者でアマチュア画家である東条寺桂の自殺。東条寺の遺作から心理を読み取るという作業と密室殺人の謎解きとが重なって超面白い! しかし、アンフェアとは言わないが、あまりスカッとしないトリックは少し残念。また偶然が過ぎるという思いも拭えず、解決編は尻すぼみだったように感じた。一方絵画から作者の心理を読み取る作業は、難解だが解説を聞いているだけで楽しめた。
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透矢
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久しぶりに読んだ。完全に忘れていたので、新しい本みたいに読めたけど、トリックには一応気付いたので、それなりに読んで来た本の積み重ねかも、と思った。
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水理堂
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ちょっと残念なことは図像の解釈は密室殺人とあまり関係がないことです。図像の解釈は面白いですが、密室殺人はつまらないです。
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花嵐
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★★★☆☆ 初読み作家さん。前々から読みたい読みたいとは思っていたのだが、なかなか手に入らずで読めなかったのがようやく入手でき読むことができた。想像していたよりも普通のミステリだなぁというのが第一印象だが、読み終えてみると余韻が凄まじく美しい。エピローグの東条寺桂の壮絶でありながらどこか空虚な眼差しが、見たこともないのに目の前に浮かぶぐらいには記憶にこびりつく。他の作品も読んでみたいな。
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koma-inu
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\(⊙⊙;)/スゲエ-!!飛鳥部さんデビュー作、完成度高過ぎ!図解学×ミステリという芸術的な作風、同時刻に起きた二重密室殺人、作中作に仕込まれた仕掛け。殺害トリックはバカな!と思いましたが、読み直すと必然かつユニーク。怪しいヒトは居るが、強力なアリバイの壁が・・と思ったところで、あんなところにヒントを仕込むギミックが見事!エピローグの切なさは涙誘い、もうお腹一杯の傑作。飛鳥部さん恒例?の、闇・百合・ホラー要素が少ない直球の新本格作、もっと有名になって欲しいなー😌
のざきち

koma-inuさん、「書泉の、10冊」を教えて頂いたお陰で読むことができました。昔から存在は知ってましたが、ここまで面白いとは想定外です。ありがとうございました。

03/29 08:26
koma-inu

のざきちさん、本作読まれたんですねー!飛鳥部さんデビュー作にして傑作ですよね、世界観がスゴイ😍飛鳥部さん他作はお読みでしょうか、同じく面白いのでぜひぜひー🤗

03/29 11:13
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sk1006
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ネタバレ初読み作家さん。 面白かった😆 久しぶりに古き良き正統派の本格ミステリを読んだ気がする。 20年前に、同じ館内でほぼ同時に起きた2つの密室殺人が、関係者であった画家の手記という形の作中作で描かれた本作。 しかもこの本、扉にその画家が遺した絵画がついており、その絵に事件の真相が隠されているのでは?という趣向が施されているのです😳 絵画の謎と、実際の事件の謎を上手く融合させており、ラストの余韻も良くて、とても楽しめました😊 まあ、でも正直言うと、真相はちょっとツッコミたい気もするけどね😅
かさお

第九回鮎川哲也賞と表紙にあるので、けっこう昔の作品のようですね。絵画ミステリー面白そう。私もこの作家さん知らないけど鮎川哲也賞なら気になるなぁ☺️(でも実は鮎川哲也の作品読んだことが無いのだ😅)

08/14 15:59
sk1006

20年くらい前の作品みたいです。私も鮎川哲也は3作くらいしか読んでないかも😅

08/14 16:56
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読書遍歴備忘録
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再読。基本的に小説内で蘊蓄が語られるのはあまり好きではないのですが、この作品は蘊蓄(図像解釈学と宗教的な話)が語られることにより物語が格段に深くなるところが面白いなと改めて思いました。伏線とタイトルも実に巧妙ですね。
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ちろ
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うわー面白い...引き込まれた 自身の油絵を組み込んで謎を紐解いていくプロセスは、強烈に興奮を産むなこれは オリジナリティの塊 終わり方も好き
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ねぼまな
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1998年作。第9回鮎川哲也賞受賞作。 図像学のロジックを本格ミステリに組み込み、さらに手記を挟み込む構成。かといって過度な衒学に走ることもなく、ミステリとして読みやすい。 密室のトリックよりも、構成によるトリックが素晴らしかった。面白い!
ねぼまな

【本格ミステリ・クロニクル 300】読了46作目 1998年作 /【本格ミステリ・ベスト10】1999年版 3位

05/02 18:40
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ma-san
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非常に面白いんだけど、トリックというか、事の真相を改めて考えるとチープすぎるし、2人目を殺した時の行動原理があまり理解できない。直前のやり取りでさんざん少女の部屋のやり取りをしたのに。。。少女が訴えたように本当にバカだったのかもしれない。作者本人が描いた絵が、奇妙でミステリとして引き込まれるのだが、これも一瞬冷静になると自作自演感も強くて人によってはさめてしまうかも。。。しかし序盤から中盤にかけてはしっかりと面白い。その後の盗作の件が非常に惜しまれる。
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toshi
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1998年の鮎川哲也賞受賞作のデビュー作。美術を取り扱った作品と言うと、あの原田マハ氏の傑作「楽園のカンヴァス」を想起してしまいますが、本作も負けてはおりません。前半は自殺した画家、東条寺桂の絵画を追い求め、その意味を探究する純粋な美術ミステリとなっております。後半からは一転して、二重密室殺人の犯人・動機を探す超本格ものです。正に一粒で二度美味しい小説となっております。
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夢檸檬
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中野京子氏の「怖い絵」では、作品の時代性や技法、特殊な暗喩などから「隠された絵画の狂気」を紐解いていくという内容でしたが、こちらの小説は、絵画そのものを紐解くというよりかは作者本人の歴史背景を探るというイメージでした。 画家の残した手記の謎、殺人事件の犯人は誰だったのか、遺作「殉教」「車輪」の絵の意味しているものは何か、たくさんの謎がありましたがすべて整理され、まとまった内容だったと思いました。面白かったです。
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buchipanda3
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著者初読み。面白かった。特に絵の主題を読み解いていく図像解釈学のながれが面白すぎて、鼻の穴を広げながら夢中になって読んでいた。「殉教」と「車輪」という奇妙な二枚の絵、それも背徳的で意味ありげな絵を実際に観ながら、それらを元に事件のカギを握る人物たちの秘めた関係、さらには内包した心情を浮かび上がらせていく趣向が斬新。事件の詳細が語られる前にそれらが強くイメージされていたため、不可解な連続密室事件の真相が露わになった時、驚きよりも絵に込められた思いとのシンクロによる哀切が感じられた。著者の他作品も読みたい。
★Masako★

こちらも読んでたんですね♪ 実はこちら、最初に買った飛鳥部作品! でもまだ読んでないの(笑) やはり次はこちらかな(*´艸`)

03/21 22:27
buchipanda3

Masakoさん、何とそうでしたか。ならば読むしかないですよ(^^)。ぜひ~(^o^)/。

03/21 22:35
8件のコメントを全て見る
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殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫 M あ 6-1)評価75感想・レビュー163