読書メーター KADOKAWA Group

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

感想・レビュー
292

データの取得中にエラーが発生しました
感想・レビューがありません
山口透析鉄
新着
ネタバレこれも市の図書館本で読みました。ノーベル賞選考委員が読める言語に翻訳されていないとそもそも選考の対象にもなり得ないので、ノーベル文学賞そのものに無理があるでしょう。いわゆる言語帝国主義的な英語一辺倒とその現状追認だけでは何も出てこないので、国語教育というか、日本語教育の問題については著者の意見に概ね賛成ですが、いかんせん船橋洋一はCIAのエージェントでは……漱石の三四郎などについて触れている箇所等は興味深く読めました。 日本にはきちんと日本語の辞書がない、と藤原与一氏の瀬戸内生活語の辞書を紹介していた↓↓
山口透析鉄

方もいて、いわゆる方言の語彙が辞書に掲載されていない(藤原氏は生活語と呼ぶべきと書かれていた)現状についても書かれていて……語学的な能力と植民地支配の手先みたいになるのも異なりますし、Google社とかの野望は楽観的にすぎるので……今だったらこの辺の論調も生成AIも絡めた話になるような気はします。漱石みたいな真性インテリだったらリチャード・パワーズみたいな、SFやミステリーの要素も入った小説を書くのではないでしょうか。デファクトスタンダードで押し切るのだけでは、良いものにはならないです。

06/08 00:07
山口透析鉄

19世紀とかはまだ写真や映画がありませんでしたので、小説の文豪は比較的、出やすかったのかも知れません。著者宛の葉書には、米Google社とかよりNSAが問題では?とか、いわゆる言語帝国主義に反する言論や活動に関連した話なども書いておきました。日本の場合、識字率等が高くなければ、いわゆる明治維新も成功しなかったのは間違いないです。普遍語と国語、現地語のはなしとかも良いのですが、藤原与一氏の言われていた生活語(いわゆる方言)を網羅した日本語大辞書も重要では?と思いますね。

06/08 17:54
0255文字
こくーん
新着
図書館本。〈普遍語〉〈国語〉〈現地語〉などに言語を区分して、日本語の先行きの危うさを説く。色々興味深く読了。著者の主張は最終章に色濃い。学校教育での国語の扱い、全面同意。小学校での英語教育の無意味さも。これで教育と言えるのかと、明日中学入学する我が子を見て思う。2008年に出版された本だが、当時はまだ余裕ある状態だったのだなと思わされる記述が何ヵ所かあった。今は明らかに状況が悪化している。現況に対する著者の意見も気になるし、何より著者自身に興味が湧いたので、本作の増補版や著者の近作も読んでみたい。
0255文字
ko50126
新着
これだけグローバル化が進み 「英語の世紀」になった今。 筆者は何度も日本の国語教育は 日本近代文学を読み継がせることに 主眼を置くべきである、と 何度も警告している。 開国という「西洋の衝撃」から 始まった近代の日本語であるが その崩壊にとどめを刺したのが インターネットの登場という論考に 深く共感。更に人口知能の台頭で 日本語は本当にどうなってしまうのか? 大いに考えさせられた。 再読したい。
0255文字
hakootoko
新着
ネタバレガラパゴスなゲテモノ的な地位に邁進してるのは、こういう視点が欠けてるからだろうなぁ。世界にお出しできるのは、近代文学なので、読んで愛せと。国語national languageと学問の関係を概念的に整理しているところは面白くもあり勉強になった。英語もできない、近代文学なんて読んだことのない、ゆとり世代が頑張って読みました!国語教育の充実が提言されていますが、やっぱり、日本の教育には、金融経済と教育勅語が必要だと思う!⸮
0255文字
McLean
新着
本書が書かれた2000年代初め頃の英語の世界語化が確立した状況は変わらないが、GDP世界2位だった日本が衰退しつつある今読むと表題も現実味を増して感じられる。日本文学は今でもune littérature majeureと看做してもらえているだろうか。著者の主張はナショナリスト的または保守的立場で語られているわけではない。日本近代文学がいかに価値があったか日本人はもっと知るべきだという意見は大賛成だ。普遍語、現地語、国語という概念を『想像の共同体』を援用して展開した部分は本人の自負する通りの力作である。
0255文字
こち
新着
ネタバレ思考の言語としての日本語
0255文字
KF
新着
モノレールの各駅に「図書館」として本が並んでいます。先月だったかTOEICを受けに行く際に使った駅から借りて来ました。時々借りてくるのですが今回のはかなり良かったです。筆者自身は幼少期から米国育ち。でも専攻はフランス語。それでいて日本語の特殊な育ち方だったり危機感なども書いています。更には英語を母国語とする人々の感性についても、読み方によれば不幸者とさえ感じられる書き方です。日本語のように独自の文字を守った言語がある一方でベトナム語のようにアルファベット化した言語あり。各言語の歴史を知りたいですね。
0255文字
飼い猫の名はサチコ
新着
大切だと思った箇所や、追って読みたいと思う書物の引用がなされている箇所に付箋を貼っていったら付箋だらけに。水や空気のように当たり前に感じていた書き言葉としての国語や、読もうと思えばいつでも手に取ることができる日本近代文学が、いくつものifの歴史の積み重ねや時代を代表する俊才の叡智により生み出され、今日享受できていることの有難みを感じた。暗い予言が当たらぬように微力でも読み継がねばという気持ちになった。本書も折に触れて再読する。
0255文字
AKN
新着
もともと、普遍語は英語であり、歴史的にも西洋に完全にとりこまれなかったから、日本語が国語になったと。というか、まず植民地化されずに島国として生き延びたことが日本語が国語として普遍語となった。ただ、グローバル化がどうのという前に国語としての日本語の衰退が著しい、まず日本語をきちんと使えて、日本のことをもっとよく学んでかやグローバルを語ろう。
0255文字
踊る猫
新着
異論はある。日本の経済力が落ちたとしても日本への移民が日本語を学び続けると言えるか(むろん日本文化を愛する移民は学び続けると思う)。あるいは安吾なら日本の伝統的文化が失われる(水村がまさに嘆く)光景をも「それが日本だ」と許容したのではないか。だが、そうした部分を孕みながらもほぼ徒手空拳で日本と日本文化を論じきったその力業には私も脱帽する(イヤミではなく)。水村の嘆きはなるほど反動的かもしれない。だが価値相対主義で「どんな文化も一緒」と済ませてしまう前に、本当に美しいものが消滅しうることに思いを馳せてみたい
踊る猫

私はライトノベルは読まないけど、ライトノベルの革新的な日本語も古典的な漱石の言葉も愛する

08/01 14:14
0255文字
英
新着
思ったより読みやすかったし、自分の経験ともリンクできた良い読書時間だった。私は英語を勉強する。叡智を求める人でありたい。でも、3タイプの文字が混ざる不可思議な言語を母語にできたこと、主要な文学である日本文学を原文で読めること、高等教育レベルの内容を母語で読めるくらいに母語が発展していることを、幸せに思う。「こころ」にも「坊っちゃん」にも大して感動しなかったくせに、「三四郎」が読みたくてたまらない。笑
0255文字
さっこ
新着
10年ぶりぐらいの再読。叡智を求める者の「大図書館」へのアクセスを可能にする普遍語(嘗ての西洋におけるラテン語や東アジアの漢語)がインターネットの出現も相まって、英語へと淘汰される時代の公用語論とは。現地語→国語への変遷、日本の近代文学成立の特殊性、「西洋の衝撃」。日本の国語教育は「読まれるべき言葉」に親しむ機会を与え、それを懐かしくも憧憬の的でもある言葉の故郷とするべきと作者は結ぶ。続く→
さっこ

これでも大学に学んだ身としては耳の痛い点が多い。偏差値で輪切りにして進学を決めるのではなく、国語教育こそ進度別、理解度別にし、個々の適性を早々に見抜いていくキャリア教育は、横並び平等よりも必要なことではないか。

01/20 09:48
0255文字
のりたまご
新着
過激で辛辣な文章の中に、日本語に対する憂いと深い考察や憧憬が感じられた。「普遍語」としての英語に飲み込まれていく多くの言語。その流れに抗うことは出来ない。諭吉や漱石の苦悩、戦後の日本で議論された「日本語」のあり方、現在の日本政府の方針などを踏まえ、『人間をある人間たらしめるのは、国家でもなく、血でもなく、その人間が使う言葉である』と言い切る。ひらがなとカタカナという2種類の表音文字に加え、漢字の音読み・訓読み、漢字でいくつもの意味を表す表意文字。当然のように『日本語』を享受できた私達が、本気で向き合う時。
のりたまご

目的が「(全員が、均一に)英語を話せるようになる」という英語教育ではなく、英語はあくまでも「その入口まで」。日本にとって必要人材は、ある程度英語を話せる人材ではなく、「真に英語を理解して、交渉したり持論を伝えられる人材」であり、今の英語教育では到底到達できない。むしろ「読まれるべき」日本語を読めるように育てる教育への方向転換が必要との意見の根拠を丁寧に述べられている。

08/11 10:55
0255文字
AICHAN
新着
図書館本。「日本語が亡びる」という論文的なものかなと思って借りたのだが違った。著者は12歳のときに父親の仕事の都合で渡米し、しかしアメリカが嫌いで早く日本に帰国したいと願った。しかし運命のいたずらでなかなか帰国できず、アメリカの大学を出て小説家となる。「今地球に六千くらいの言葉があるといわれているが、そのうちの八割以上が今世紀の末までには絶滅するであろうと予測されている」「アメリカの国力が今後どうなろうと、英語の支配は長い将来にわたって強まっていかざるをえません」という。しかし日本語は滅びないと私は思う。
0255文字
(C17H26O4)
新着
読友さんのレビューに誘われて再読。この本を読んで日本近代文学を読みたくならない人はいないのではと思う。主に漱石が取り上げられ、当時の作家たちの日本語に対する思いや果たした役割についてが、水村さんの持つ日本語に対する危機感と共にひしひしと伝わってくるから。一文が短く熱量があるので、つい引き込まれるように読んでしまう。評論としてはかなり読みやすいと思う。おすすめです。  以下メモ。→
(C17H26O4)

近代日本の大学が翻訳機関として日本語を現地語から国語にし、学問のできる言葉にした。学問の言葉は文学の言葉へと変遷。しかし現在、近代日本で優れた文学が生まれるのを可能にした条件が崩れつつある。知的、論理的、美的な書き言葉としての日本語の存続する条件が崩れつつある。一因は英語が普遍語になったこと、インターネットの出現がそれを助長させることにある。また別の問題として、日本で流通する文学が内側から幼稚になっていることがある。作家が言葉そのものに向かい合うのを強いられなくなったことや戦後の日本語教育などが理由。→

08/08 11:11
(C17H26O4)

読まれるべき言葉を読みつぐのが文化である。その言葉を教えないのは文化の否定である。英語教育はある程度必要だが、日本人はなによりまず日本語ができるように、そのために日本近代文学を読み継がせることに主眼を置くべきだ。なぜなら、歴史的にも地理的にも気運が重なった時代に、気概も才能もある人たちが曲折しながら言葉そのものに向き合って生まれた文学であるから。この先英語に吸収されてしまう人が増えていくのは避けられない。ならば。日本語で読み書きすることの意味を問い、その意味そのままの日本語であり続けることを選択すること。

08/08 11:25
0255文字
皿倉山
新着
理論書なるものは、概ね読みにくいものであるが、本著は分かり易く引き込まれるものがあった。 英語は世界に広く行き渡った共通語なる「普遍語」である。 情報交換の利便性からすれば、英語は「学問の言葉」には間違いないが、日本語など非英語圏である現地語でも、「文学の言葉」として十分に生き残る。 英語が普遍語になったその歴史や、違う言語社会との通訳者たる「二重言語者」の役割や、書き言葉の重要性など様々な興味あるお話をとても面白く読ませて頂きました。 日本語が生き残るためにも、日本文学を読み続けたいと思いました。
もと

日本語大事にしたいですよね。本の感想を書く際、なるべく片仮名語を使わず書くように心掛けていますが、これが意外と難しいです。

07/15 10:44
0255文字
まーくん
新着
著者水村美苗さんのことは寡聞にして存じ上げなかった。読み友さんの興味深いレビューで本書を手にしたが、著者の言語に対する深い洞察と鋭い論旨に引き込まれた。<普遍語><現地語><国語>という三つの異なるレベルの概念を提示し、<国語>とみなす日本語への危機感を示す。現在、「日本文学」としてまかり通っているものの多くが、日本の近代において成し遂げられた過去の遺産の上に成り立っているのであり、今まさに<普遍語>としての英語の世紀の中で、ひょっとすると日本文学が、そして日本語が「亡び」つつあるかも知れないと危惧する。
sukham

「英語を母語とする人達の優位・有利・特権」は常々痛感させられます。「あぁ英語の母語話者だったらなぁ〜」If only I were a native speaker of English (de facto 'universal' language)!なる願い・嘆き・羨み(はたまた恨み?!)デスネ。サレド単一言語による一種の覇権・植民地化(経済政治軍事科学技術等々に擬えて)→その言語の母語話者ヲバ尊大・独善・単眼思考に導く(可能性が高い)。裏を返せば薄っぺらい言語生活・お山の大将 とも解釈可能では?

07/06 07:21
まーくん

sukhamさん。こんにちは。コメントありがとうございます。たしかに、一般の英語母語話者には外国語の素養がある人(少なくとも下手なことで定評のある日本人の英語レベルでさえ)がある人は少ないと感じます。必要がないからでしょうが「薄っぺらい言語生活」という面は十分あると思いますね。

07/06 15:46
3件のコメントを全て見る
0255文字
ガラスの文鎮(文鎮城)
新着
なんとも刺激的なタイトルである。普通に考えるとこれからは英語の時代だから英語頑張って勉強しましょうね、と言う意味の事が書いてあるのかと思う。しかし水村美苗はそんな普通の事は書かない。大まかに言えば英語が今や普遍語の位置を締めているのでそれ対処するには一定数の英語エキスパートを育てれば良い。むしろ日本語が衰えないように高校までに夏目漱石をはじめとする日本の近代文学を叩き込むべきである、と述べる。水村は12歳で親の仕事で米国に渡りイエール大学の博士課程で仏文学を勉強した人である。そう言う経歴の人が言うと→
ガラスの文鎮(文鎮城)

まーくんさん、読まれましたか。濃厚でしょう。私はもう一度夏目漱石を読み返したいと思いました(これも読む読む詐欺かも)。

07/05 20:31
まーくん

私もそんな気になりました。いつになるかわかりませんが、とりあえずは三四郎かな。半世紀も前に読んだと思うのですが。

07/05 23:19
6件のコメントを全て見る
0255文字
sukham
新着
要約無しで 素朴な問いハテナ。①「名実共に〈国語〉としての日本語」…どころか新聞の社説・論評が読めない・読まない・読もうとしない(特に青少年少女)現状の原因と打開策は?②「倫理的…重みを負う〈書き言葉〉としての日本語」…言語が知情意・思考を練り上げ、人生・世界を捉える《観》表現する手段は分かるが「倫理的」とは如何に?③日本語・英語❛普遍語❜プラス第3の言語…複眼思考・批判精神へのとっかかり。高専・大学での第2外国語必修単位制は何時頃消えたのかなぁ?④語学のキモ…ⅠモテナイⅡ金ガナイⅢササヤカナ好奇心ならめ
0255文字
あやほ
新着
4ヶ月以上かけて読んじゃったから最初の方あまり覚えてないけど、、、日本語のことや今の日本語に至るまでに関わってきた人たちのこと、自分は知らなすぎるなと思った 書き言葉と話し言葉は自然に連動してるものだと思ってた 言語が亡びるとひとことで言っても、いろんな状況が考えられる 知らないうちに亡びちゃってたなんてことは避けたいな
0255文字
ユカ
新着
予想以上の面白さ。感動もした。英語以外の文学は正確には評価されない。哲学の先生が「原文を読まないと」と繰り返していたが、原文だけでも不十分だ。背景、文化まで理解していないと、その本を読めたことにはならない。日本語はさまざまな危機を乗り越えてきたんだな…平安時代「女子供の」ものだったひらがな、残って良かった。
ユカ

近代文学って、すごくイイんだけど、現代文学より優れて感じるのはなんでだろ?現代に生きてるんだから今のもののほうがしっくりくるはずなのに。

04/04 12:06
0255文字
.ver
新着
以前に5千円札紙幣の人物が新渡戸稲造から樋口一葉に変わる時、ふと書店で「たけくらべ」を手に取ってみたことがある。ガチガチの文語体の文章に面食らってそっと元の場所に戻した悲しい記憶。日本近代文学の魅力をいまだ理解できないことは大いなる損失であることを改めて痛感、文語を学んでみようと思いました。<叡智を求める人>が必要に駆られて英語に吸収されていく流れは、このインターネット時代において加速することこそあれ、逆流することは考えられない。それをただ嘆くより、日本語の魅力をまずは自分自身が理解することから始めたい。
0255文字
joker
新着
国語の授業が何より好きだったことを思い出した。小説が好きなだけでなく、ただとにかく活字を読むのが好きで、まさにこの文章も高校の頃に使っていた教科書に載っていたので、読み耽っていたものだ。 高校で習う「古典」はなにより好きだった。古文・漢文のみならず、日本の古典文学に触れられるのは、とても楽しかった。実家に帰ったときに久しぶりに読んだ「舞姫」は、歴史的仮名遣いにまみれていて、読むのに苦労した。あれを、高校生で読んでいたのか。きっと、授業で読まなかったら、読めなかった。そして、古典を学ばなければ読めなかった。
0255文字
べる
新着
今、言葉は生まれるよりも勢いよく消えつつある。日本人は近代に入って西洋人こそが人間の規範に見え、西洋語を母語とすべきではないかという思いに囚われ続けていた。しかし、日本は時代に遅れずして世界の傑作に劣らぬ傑作を出していった稀な国である。地球の大部分は西洋の大航海時代が始まるまで無文字文化であったのに、日本は4世紀に漢文が伝来していた。漢文を自分たちの言葉のように読み、そこから平仮名や片仮名が生まれて読み書きされた長い歴史がある。国語としての日本語を護る理念をもち、日本文学を読み継いでいくべきだと学んだ。
0255文字
mnt1983
新着
著者の親しんできた近代日本文学へのノスタルジーが、結局この本を書く原動力だったのではないか、「外国語が自国語を富ませる、その逆も然り」という事態については目を瞑っているのではないか、という疑問は沸くが、国語/英語教育の方針転換の必要性については首肯。書き言葉は話し言葉の転写ではない、書く/読むを中心に据えて日本語も英語も考えねばならない。そうだよな大学での論文やレポートの書き方だって英語でしか教わらなかったし(ウチは)。文化とは「読み継がれるべきもの」、言語とは、場合によってはその使用者のコミュニティ
mnt1983

が守り通さねばならないもので、日本はたまたま地理的歴史的条件のもと守る必要がないままで来た、というのもその通りかもしれない。日本語の零落もそうなのかもしれない。但し著者は特に根拠を示さず、現代日本語の衰退を既定事実として前提に置いており、そこは吟味する必要あったんじゃないか?とも感じるが。だが、この英語の世紀のなかで必然的に立てられるべき問題提起の書であることは確かだと思う。

07/27 06:15
0255文字
ゆたち
新着
もっと日本近代文学を読まなくては、と思いました。 漱石を原文で読めることに感謝して。
0255文字
ぼっこれあんにゃ
新着
☆言葉が、これほどまでに自分達の文化に貢献してきた事を知ることが出来ました。〈普遍語〉〈国語〉〈現地語〉〈母語〉〈話し言葉〉〈書き言葉〉〈図書館〉〈読まれるべき言葉〉〈叡智を求める人〉〈翻訳者〉〈テキスト〉〈テキストブック〉など、この本の中で意味づけられた言葉が多く、読み通すには苦労しました。
0255文字
Minamihama
新着
私たちが普通に書いている日本語は「漢字かな交じり文」と言われる、漢字とかな(カタカナとひらがな)の混合したものである。 私たちは文章を書くとき、何の疑問も持つこともなく「漢字かな交じり文」を当たり前に使っている。 日本語から漢字がなくなる日が、有ったかもしれない、と言う事は知っていますか?
アヅマ

当時の小学生に向けた「えいごは、いっしゅるいでことばがつうじるのに、にほんごは、かんじ、かたかな、ひらがなと、さんしゅるいもあって、ややこしいとおもいませんか。」といった、衝撃のGHQ洗脳教科書の資料を過去に読んだ覚えがあります。

06/23 18:38
アヅマ

説明足りずすみません、GHQが日本の公用語をローマ字にしようとしていた時の資料でした。

06/23 18:51
3件のコメントを全て見る
0255文字
Kate
新着
難しいなぁとおもいつつ、たいせつなところを読み飛ばさないように、読了しました。ことばについて、言語の在り方について、普段考えることはないけれど、日本語が現地後に成り下がってはいけない、国語としての日本語が、口語として書かれるだけではなく、古典として読み継がれていかなければいけない、という筆者の強い思いを受けとりました。
0255文字
るか
新着
再読です。
0255文字
scarecrow
新着
日本語は話し言葉としては特別な言葉ではないが、書き言葉としては世にも特異な表記表を持つ。漢字という表意文字と自分たちの表音文字を混ぜて書く-いわゆる漢字仮名交じり文。そして、ひらがな、かたかなという2種類の表音文字を持ち、漢字も訓読み、音読みとに種類の読み方をする。日本語はこれまで地球上に存在した文字の中で最も複雑な文字によって表記されている。つまり、書き言葉としての日本語をマスターすることは容易ではないのだ。読む、書く、聞く、話すという4技能をバランスよくということが、机上の空論であることがよくわかる
scarecrow

だが、著者の言うように、日本近代文学をしっかり学習させようと言う部分は納得がいかない。言葉は変化するものであり、どの時代の言葉が優れているともなかなか言えないのではないか。イギリスで「ジェーンエア」、アメリカでホーソーンあたりを読めと言っているようなもので、ちょっとハードルが高い。ただでさえ本を読まないのにますます読書嫌いを生み出すだけだ。日本語の特性を理解して、現代の日本語をしっかり身につけることの方がいいと思う。施策というのは、理想と実現性のバランスを考えることが大切。コロナ禍への対応も同じだろう。

05/06 16:03
0255文字
oooともろー
新着
今後始まる「論理国語」「文学国語」や「実用的文章」。まさに日本語が亡びる方向へ進んでしまった。著者の警告の声は全く届かなかった。
0255文字
村上春巻
新着
ネタバレ【B+】すべからくを「すべて」という意味でつかっていて、萎えてしまいました(さんざっぱら漱石の文学を真に理解するには漢文の知識が必須であると論じているのに…)。「亡びる」という言葉が意味するところがよくわからなかった。
0255文字
susue
新着
ていうかこの本出版されたの10年も前か。。。時が経つのは早い。。。
0255文字
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
新着
フムフムと読んでいると、突然、え、なぜ?と思う箇所が出てくる。普遍語と国語と現地語、二重言語者、近代文学といったものの定義を整理して理解できないと、話において行かれることになる。つまり、しっかり考えながら読む必要がある本だ。
0255文字
のんたん
新着
言語の運命を分かりやすく記されていて、面白かった。 そして日本は地政学的に恵まれているから、ぼやぼやしすぎていて、孤立していること、文化の儚さ、多数の強さに疎いということも筆者は後半で強く訴えていて、なるほど、わかりやすかった。 私の、国語力のなさ、コミュニケーション能力のなさは、ゆとりのせいにしていいですか!
0255文字
kaoru
新着
12歳から20年をアメリカで過ごし、多感な時期に日本文学全集を読み漁ったことで近代日本文学を深く愛するようになった著者。「日本語は絶対、大丈夫」という河合隼夫の思い込みを批判しインターネットによって英語が普遍語となった時代の日本語の衰退を憂慮する。この本が出版されたのは2008年だが、今の状況を見れば著者の慧眼を認めざるを得ない。短歌の世界などは「日本語もどき」の言葉遊びが増えている。「私たちに今できることは、私たちのあとにくる日本人が『日本を見失』わずに済む国語教育を考えて いくこと」という言葉が重い。
kaoru

未完に終わった漱石の『明暗』を完成された著者の聡明さが伺える優れた著書だと思う。ぜひ一読を。

04/17 20:27
kaoru

「国粋主義的な本」と誤解するむきもあるようだが、それはまったく的外れ。「日本近代文学を偏愛している」という批判はややあたっているかもしれないが。

04/17 21:09
3件のコメントを全て見る
0255文字
まめタンク
新着
2019年18冊目。当時、著名ブロガーの小飼弾さんが紹介してバカ売れした本です。ウェブ進化論の梅田望夫さんの本が話題で丁度、ウェブ2.0なんがが流行語だった頃。のちに、梅田さんは日本のネット議論のレベルは低いなんてなんて批判してましたが、今のネットは広告まみれの記事と与太話。YouTubeのコメント欄なんて掃き溜め。今から考えれば、この頃のネットはまだ面白かった。著書では英語の浸透で国語としての日本語が滅びるというけど、今や国民の半分は本すら読まない。滅びる以前に読まれないという時代なんてす。
0255文字
山ろく
新着
再読。子ども英語のCMに感じる不安の正体を教えられた気がした。「英語で発信できる人材の一定数の確保は必須だが日本人全員が英語を使いこなせる必要はない」。知的な創造が英語でなされ、日本語が使われなくなれば、日本語は貴重な「鍛えられる機会」を失う―。英語に頼らず日本語であらゆる学問ができることの重要性を示すなかで、なぜ明治の文豪がそろって高学歴なのかという視点から、鍛えられて日本語となっていた成果との近代日本文学の意義が解き明かさるのは興味深い。「日本語のために近代日本文学をもっと学校で」という意見には同感。
0255文字
mazda
新着
英語ができる人材確保は国家にとって大切だと思いますが、国語を英語にする、全員がバイリンガルを目指す、一部がバイリンガルを目指す、の選択肢の中で、筆者は3番目の案を提言しています。つまり、一部のエリート層がバイリンガルを目指し大勢の国民は英語に関わらなくてもいいと言うことですが、私もこの案に賛成です。ただし、この案を完遂するには、エリートとそうでない人を明確に分ける必要がありますが、それを国としてできるかどうかが全てだと思います。反対するなら、その方々は英語がバッチリできた上で反対する必要がありますね。
0255文字
全292件中 1-40 件を表示
日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で評価86感想・レビュー292