形式:単行本
出版社:河出書房新社
プログラムが施されており、それを信じ疑うことなく半ば使い捨てられるようにどんどん世界の礎となっていく。そしてまた、泥の中から新しい「ヒトデナシ」が補充され続ける、という仕組み。主人公はそんな「ヒトデナシ」の一人なのだが、とある理由から自我に目覚め、プログラムでは無く自分の「記憶」から人間的な生活を再現しようとし始める。彼はまず自分の「家」を作り、「家族」を作り、団欒の日々の中で「幸せ」を作る。そして彼は、自分が作り出したものから本来なら「ヒトデナシ」には有り得ないものを生み出してしまう。
「生への執着」である。新しく建てられる建造物の「部品」として礎になるプログラムを与えられた彼は、プログラムに支障を来さず、尚且つ自分も生き延びれる方法は無いか考え始め…。読み始めは不条理系日常小説みたいな感じで戸惑いを受けるのだが、第一章の「雨」で語られる内容に含まれている色々な要素(迷い道や路地、塀の上の道や猫など)が、後々に別のエピソードで触れられる事によって一気に情景のイメージが変わるのがちょっと凄かった。というか「猫」って、そういう生き物か(笑)
簡素に書き直しました(;^_^A
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