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誰が「知」を独占するのか ―デジタルアーカイブ戦争 (集英社新書)

感想・レビュー
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リョウ
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グーグルを初めとしたアメリカ西海岸のIT企業が世界の知を独占しようとするのに対して、ヨーロッパの各国がそれぞれ対抗しようとする。そんな動きの中、日本は知財立国、情報立国と言いながら未だにコンクリートを作り続けている。公判は孤児著作権の話がメイン。権利者が誰か、またどこにいるのかが分からなくなったために、利用できなくなってしまったコンテンツがどれほど多いことか。著作権によって本来守るべき権利が異常に保護されていることで、守る必要のないものまでが守られ、それによってコンテンツが死に至っている。
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三上 直樹
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Google・Amazonという「知」のグローバル企業を擁する米国、それに対抗しようと模索するEU、その間で右顧左眄する日本、こうした構図の中で考えなければならない著作権のことを、丹念に分析した上で今後の提言をまとめた労作。本だけにかかわらず、権利がまとわりつくと難しい問題になるのが、つくづくわかります。
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抹茶ケーキ
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グーグルなどの企業によって情報が独占されることの危惧から始まり、情報のインフラに公的資金を投入すべきとの提案。人によるのだろうけど個人的には、国家制度と密接に関連する団体(この場合、国会図書館、国立公文書館、NHK)は完全に信用できて、グーグルなどは信用できないという議論にあまり共感できない。つまり(こう書くとすごく左翼っぽいけど)国だって自分に都合の悪い情報を秘匿したりするのだから、国にばかり情報が集まるのはよくないような気がする。だからといって分散しているのも確かに不便だなとも思うけど。
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虎ボルタ
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枝葉の部分ではあるけれど。人工知能を使って、星新一風のショートショートを作ると言うプロジェクトがあるらしい。将来的には直木賞も狙うとか。勘弁して欲しいな。エゴであるのは百も承知。だけど、コンピューターが書いた小説なんて読みたくない。科学は人間の暮らしを便利にするためにあるものであって、これは明らかにそこから外れる。
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オサム兄ぃ
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国際取引にも通じた気鋭の弁護士の知見が盛り込まれており、鋭い指摘は関係者にとても有意義な本だ。各種審議会委員等、国レベルの事業にも通じているので、提言は戦略的かつ実践的。刺激的なタイトルが示すように、文化資産情報に対してGoogle社を筆頭とした米国ICT企業は次々と事業化を仕掛けている。これを現代文化・文明の本家を自認する西欧諸国は面白く思っておらず、対抗してプロジェクトを興し、多くの予算を投じているのだという。で、我々はどうするのか? 本書は考えるきっけになる。個人的には図書館の人に特にお薦めした。
オサム兄ぃ

長めの感想文はブログにて → http://blog.livedoor.jp/brother_o/archives/1743378.html

02/22 22:22
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ちぇけら
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知識情報学徒として是非とも読んでおきたいタイトルだったため購入。具体例豊富で知のインフラに関する様々な事例が紹介されていて読みやすかった。そしてアーカイブはすごい。これからずっと権利の問題がいいように変容していって、たくさんのアーカイブが作られていくことを望む。
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onaka
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デジタルアーカイブを国策として推進させるためにどんな法整備や仕組みづくりが必要なのか。著者による10の提案はそれぞれ興味深く納得感あり。特に、孤児作品の問題は言われてみればその通り。欧州流の調査認定とオプトアウトを基本とした制度の方が、日本の文化庁長官の裁定制度よりも断然いい。知のインフラ整備に向けた、専門家による丁寧な議論。好感触!
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amabiko
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「ヒト・カネ・著作権」、実務を担当するようになって、切実に感じる大きな壁。カネの問題が一番クリアしやすいんだけど、なかなか理解は得られない。一人でも多くの人が本書を読んでくれることを願わずにはいられない。そして著者の提言がひとつでも実現されると、どれだけありがたいことか!
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かおっくす
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デジタル化には「ヒト・カネ・著作権」の壁がある。特に孤児作品の問題が最大の障害である。EUでは「孤児著作物指令」が出され誠実に調査をしたけれど権利者が見つからない場合は,調査経過をしかるべき期間に記録すればデジタル化などをしてもよい。少子高齢化,少資源のこの国では情報化が鍵を握ると言われる中で,公共工事に向ける予算を少しでもデジタル化に向けるべきという主張。人工知能による創作などが人間が創作したものではないので著作権ではない,と言えるのか,というのがおもしろかった。
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ぷほは
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孤児院=アーカイブ。むかし『魔術師オーフェン』というラノベがあって、最近新シリーズも出てたのだが、主人公は自分が孤児になる時に「オーフェン」という名前を名乗るようになるのね。情報の海の中を漂うアーカイブ化できない権利者不明の孤児作品たちについて読んでると、彼のことをふと思い出した。アンダーソンの『想像の共同体』に「無名戦士の墓」というのが出てくるが、孤児作品の無名製作者たちは死んだかどうかも分からないので、墓すら立てられない。権利を主張することもなく、ただゴーストのようにゆらゆらと社会の中で揺蕩っている。
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konomichi
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著作権を活動の場とする弁護士による、昨今のデジタルアーカイブに関する警鐘と提言。欧米でのアーカイブ活動とその進め方、法制度を紹介し、日本と比較、論じたもの。一番の話題はやはり、孤児作品。これを読むと、クールジャパン?本気で言ってるの?と思わされる。全てのコンテンツ関係者、必読です。
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ジャッキー
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「情報は無料で、正しい情報が手に入れられる」という認識でいる限り、デジタルアーカイブ化は難しいと思った。著作権をはじめとした権利について、現代の規制との差についてでルール作りが必要だと思う。
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Humbaba
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情報は、ただ存在するだけでは意味を持たない。他の人がアクセスし出来る状態にしてこそ意味を発揮できる。しかし、多くの情報には権利者が誰なのかがわからない状態にある。そうやって情報をムダに埋もれさせてしまう事こそ、人類にとって大きな損失となってしまう。
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アイビー16
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問題提起がわかりやすく、引き込まれる。資源小国の日本がなすべき方向を指南していて、興味深い内容。
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Hikari Sakai
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★★★ Google、Facebook、Amazonなどの米系企業が運営するサイトで上位(最初のページ)に表示されなかったら存在していないのとほどんど同じことになる。一企業がそこまでの位置づけになってよいのか、マネタイズは出来ないけど残しておくべき書籍の電子データなどは、国が文化として残しておくべきだというのがよく理解できた。一番最初にやったのは、ヨーロピアーノ(ヨーロッパ各国の国立図書館をNWで接続)であり、それを追従するのがアメリカという構図が文化のトレンドを反映していておもしろい。
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はの
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一つの扉の先に情報という宝箱が一つあるとイメージしてみた。たどり着き易い扉は、距離も短く扉も軽く情報が手に入りやすい。たどり着きにくい扉は、距離が遠く扉も重い。情報、「知」を独占するとは宝箱と扉、両方を管コントロールすること。距離や扉の重さを一企業が決めたらどうなるか。その距離や重さを決めるルールが公開されていないとどうなるか。情報という宝箱を独占した企業が力をもつとどういったことが起こるか、もし、潰れてしまったらどうなるか。現在進行系で突き進んでいる知の独占化の現状、問題点、今後を知る上で刺激的な一冊。
はの

日本がアーカイブ化をもっと推し進めることと、そのアーカイブ化を阻む孤児作品の問題や、著作権の権利問題もページが多く割かれている。ただ、理想として全著作等がアーカイブ化されることについての意義や意味合いが自分の中でまだ揺れ動いているので、そちらはもう少し他の本などで理解を深めたい。

12/14 00:35
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ふらぬーる
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◼︎デジタルアーカイブが、21世紀の文化・経済・社会の命運を左右する最重要のインフラ◼︎ロボットは著作権者になれるのか?◼︎EU電子図書館ユーロピアーナの2013年の検索語全体の四位は「japan」◼︎1980年以前のテレビ放送番組は、一部例外を除いてほとんど残っていない。残された放送台本の保存・公開が重要性を増している◼︎戦前映画の残存率は10%程度。幻の日本映画ベストワン「忠次旅日記」も大部分が失われている◼︎権利情報の集中管理の促進、孤児著作物の活用策の制定がアーカイブの成否を決める
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吃逆堂
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軽妙な語り口ながら、示唆に富んだ内容でおもしろい。しかしながらその目指すところは、文化の裾野の広さを考えたときに、「ほんとにできんのか?これ」っていう夢物語な印象がぬぐえない。著作権の問題も、孤児作品の問題ばかりでなく、クールジャパン云々の周辺は権利グレーゾーンの2次創作に下支えされている部分が少なからずあるわけだし、アクセス・公開については、表現規制で騒がしい部分もついてくるだろうし…。
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tolucky1962
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権利者を見つけられずに承諾を得るのにコストがかかりすぎる著作権の問題によるデジタルアーカイブの難しさが説明されている。国内外の法整備の現状や解決のための提言なども示されている。文化への国家予算+寄付の額が他国に比較して日本が突出して少ないこと、国立国会図書館デジタル化プロジェクト10年間の予算が道路180メートル分に相当というのは象徴的でした。
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Sanchai
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前半は日本独自のアーカイブ整備の必要性、後半はその中でも最もネックとなる、著作権・肖像権等の権利問題について詳述されている。著者のご専門は著作権なので、後半の記述が分厚いのは仕方ないけれど、日本のアーカイブ化の取組みが欧米どころか中国や韓国よりもはるかに遅れているという点をもっともっと強調して記述してもよかったような気がする。アーカイブの入門書としてはお薦め。
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源氏星
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デジタルアーカイブを巡りグーグルやアマゾンなどアメリカ企業がひた走る中、EUや日本などの取り組みや問題について興味深い話が続く。権利者不明の作品の扱いなど早急に何とかならないのか。政府上げての取り組みをぜひ期待!人工知能の話も面白かった。
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よし
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デジタルアーカイブに関する世界の情勢と日本の状況が読みやすくまとめていて良書だと思います。個人的には、この本でも触れられている東日本大震災の被災状況や復興の様子に関する膨大な記録をどう収集、整理、活用していくべきか関心があったので参考になりました。デジタルアーカイブの分散型ネットワークを構築する必要性や権利処理を担う組織を中心としたしくみづくりの必要性が分かりました。
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shimeji
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オーファンワークス(=権利者不明の作品)の問題は、実務担当者からすると非常に難しい問題。権利者が見つからないと、優れた作品も埋もれて亡くなってしまう。現状だと、法対応をまじめにやろうと思っても、トランザクション(取引)コストが膨大にかかって現実的でない。そもそも誰も得をしない法制度なのだ。「新しく道路なんかのインフラをつくるより、情報インフラとしてのデジタルアーカイブを整備する方がはるかにコストが安い」、確かにそうですね。具体的な提言が多く、参考になりました。
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te_R9
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非常にためになった.副題が正確で主題に難ありだけど要するにデジタルアーカイブと著作権周辺の話.権利者不明の「孤児作品」がいかに問題になっているかもよくわかった.日本は電子立国としてこのデジタルアーカイブの分野にもっと力を注ぐべきでクールジャパンとか上辺だけのバズワードを使ってる時代は終わらせたほうがよい.ほんとにためになった.
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よっと
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昔、直木賞の直木三十五の作品が出版されないのは相続人がたくさんいるからだとか言われていたらしいが確かに著作権の相続人とかあんまり聞いたことがない。それよりなにより清盛の子役がすでにわからないっていうのはびっくり。権利ってややこしいんですね。
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Shanla
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既存のアナログ著作物をデジタルアーカイブ化することの意義と、その世界的な動きを紹介し、発生する問題点を指摘しています。ここでの問題とは主に、著作権との兼ね合いから起こるものです。とくに著作権者不明な孤児作品の問題については考えさせられます。本来著作権とは文化を守り発展させることが主眼のはずですが、関連法規制が逆に、作品を殺しうる問題を孕みます。現在の著作権は、あまりに醜悪な魔物に成り果てている気もします。対処的な制限利用もいいですが、今後は著作権自体のあり方も議論して変えていくべきなのかも知れません。
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Kazuo Ebihara
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「アーカイブ」とは、過去の文書や映像、音楽などを 収集、保存し、公開する場所のこと。 近年のデジタル化の進行により、その規模は急拡大し、 社会、政治、経済、外交にに与える影響も大なるものとなった。 本書では、先ず、欧米と、日本のアーカイブの現状を比較。 次に、日本の抱える3つの課題 「ヒト不足、カネ不足、著作権問題」を解説。 最後に、デジタルアーカイブを充実させるための 法改正を含めた日本の情報資産戦略の提言を行なった。 「デジタルアーカイブ」より、 「デブ達磨、アッカンベー」って、失礼やないか。
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pb_lack
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欧米先進国と日本の記録(デジタルに限らない)に関するスタンスが一望できる。具体例や数字も交えながらなので、どういった状況であるのかも視覚的にわかってたいへん参考になる。主題ではないかもしれないけど、「権利処理の重要性とコストの高さ」については、あまり一般的に理解されていないことが多いので、ぜひ本書でこれらについてのイメージを持って欲しいところ。処理コストはほんとうにバカにならない。状況を踏まえた上で福井先生の提言はちょっと未来をかいま見てる感じでぜひ違う形であれこういった制度が現実化してほしい。
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minoguchi
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Europianaなどの事例がいろいろと紹介されているけれど、それらを知るにつけても彼の国々の文化振興に対する本気度と(情報環境の変化に対する)日本での優先度の低さ、お寒い状況には暗澹たる気持ちになってくる。出版にしろTV番組にしろ、玉石混交であることは充分承知のうえで、それでもアーカイブとして保存、活用できる状態にしておくことは、確かにそう簡単な話ではないけれども、少しずつでも進んでいくことを期待したい(少なくとも逆行はしないように…)。
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おせきはん
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1980年以前の放送番組がビデオテープを使い回していたためほとんど現存しない、出演者を特定しやすいドラマでさえ、時間が経つと連絡のとれない人が増えて著作権処理を完全にはできないなどのテレビ番組をめぐる著作権問題は、これまであまり意識していませんでしたが、それらも、図書や映画と同様に、貴重な知のストックです。著作権の保護と文化の伝承を両立させる取り組みは、EUや米国、日本でも進められています。過去のストックへの対策とともに、今後、作成される著作物も将来、安心して利用できるよう一層の工夫が必要だと思いました。
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なおきゅー
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★5
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誰が「知」を独占するのか ―デジタルアーカイブ戦争 (集英社新書)評価63感想・レビュー32