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南方熊楠 - 日本人の可能性の極限 (中公新書 2315)

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軍縮地球市民shinshin
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南方熊楠は現代の学問大系からは逸脱する独自の視点で研究を進めた在野の学者であり、また奇行も多い奇人というイメージだったが、実に奥の深い人物だったことを知った。猫好きで生涯常に猫を飼っていたそうだが、全部名前が「チョボ六」というのも面白い。ただ「奇行」が独り歩きして伝説化したのもあって、キューバ独立戦争に義勇兵として参戦して、左胸に創があるとかいうのは完全に出鱈目とのこと。著者の専攻は哲学なので、南方マンダラの思想的な解釈は難しくて理解できなかった。
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りょう
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民俗学者であり、生物学者でもある「知の巨人」こと、南方熊楠の生涯が書かれている。熊楠についてあまり知らなかったため、その波乱万丈な狂人ともいえる生き方が面白いと感じた。どんなことにも興味を持ち、驚異的な行動力を示す生き様は見習いたい。
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Yonowaaru
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作者は日本人の極限というが、まあやってきたことに対して同じだという人間がそもそもいないのだろうなぁー。社交性がありようでなく、対面でのコミュニケーションをかなり極度に嫌う割に他人との関係にかなり依存していたであろう熊楠。なにげに名前だけ聞くが、確かに一筋縄にはいかない。三島など同様、この人なにもの?と思わせる何かがある。また別の本でも別の顔も見えるであろう。
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ぱくす
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南方熊楠の魅力に惹き付けられる。このパワフルな、知的好奇心の塊の、繊細で原始的な、我が儘な、グローカルでエコロジカルな日本人。
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みのり
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今の時代だと、おそらく自閉傾向の強い人として診断されたりする人なのではないかと思った。こだわりの強さ、折り合いのつけられなさ、集団生活の難しさ、嫌いな人には反吐を吐きかける、興味のあることは時間さえも忘れ凄まじく没頭する…など。ある意味で時代に救われたのではないかと思う。ネットが発達した今はいいが20年前だったら難しかったかもしれないし、小学校も通えなかったかもしれない。
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nasu
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ネタバレよく分からなかったなんとなく苦手なタイプ
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しげのり
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南方熊楠の生き様は凄まじい。現代の解釈では内向型で繊細、HSPとも言えるだろう。理解されにくい思考と行動があり、良くも悪くも周囲を巻き込む自己中心な人物だった。自身の悩みや孤独から何度も自殺を考えたのではないか。しかし知的好奇心が生きるエネルギーとなり、粘菌研究で世界的に貢献した。並外れた才能を持つ人々には共通の孤独感がある。読書会で本の紹介者が、白浜町と田辺市の記念館を訪れた熱心さも理解できる。
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kanaoka 57
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南方熊楠の本当の姿が見えてくる。脅威的な記憶力、貪欲な知識収集欲、興味を引く対象への没入、薄弱で不安定な自己、同性愛的性向、オカルティズム・スピリチュアル的な精神性・傾斜、狂気との隣り合わせ、蛮勇さと繊細さ、ローカルかつインターナショナル。世間にあっては巨匠でありながらも、個人としては極めて不安定で儚ない生を精一杯歩んでいる姿が浮かび上がってくる。彼にとって本当の幸せは、ロンドン大英博物館での書籍への没入のときにあった。
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みみ
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南方熊楠、彼は粘菌学者なのか、民俗学者なのか、また哲学者なのでしょうか…わたしは、南方熊楠は南方熊楠であるとしか言い表せないと思います。彼の独特な極端な個性に驚きました。狂人とも言われた彼ですが、彼が狂人なら私達は??と考えさせられます。日本の知の極限、南方熊楠について知ることは大変興味深いことでした。
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うえぽん
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伝説多き知の巨人の実像に迫ろうとした意欲作。著者が官僚出身エリート学者と言う柳田國男をして、「普通の人の為し得ないことのみを以て構成」し、「日本人の可能性の極限」と言わしめた人物であるが、この本を読めば、その非凡性、空気を読まない特性に自らが苦しんだ側面も多かったように思われた。最近の用語だとgiftedだが、そんじょそこらのgiftedではなかったということだろう。日米での生物蒐集と海外学術誌への投稿というグローカルかつ自由奔放な行動は、時代を大きく先取りしており、小心・内向きな令和人との好対照をなす。
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活字スキー
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かの柳田國男が「日本人の可能性の極限」と称した日本史上屈指のブッ壊れキャラ。いかめしい名前と「粘菌の研究で有名な博物学者」というボンヤリとしたイメージしか知らなかった南方熊楠をもっと知りたくて。幼い頃から非凡さ全開で「てんぎゃん」と呼ばれたそうだが、本当は天狗にさらわれたのではなく、ナメック星にアブダクションされて最長老さまに潜在能力を引き出されたんじゃないのかと思うほど、やることがいちいち極端。過剰なまでの集中力や記憶力、発想力は、少なくとも定型発達ではあり得なかっただろう。
活字スキー

子供時代に百科事典を書き写して暗記したとか、大英博物館に通っていた時、嫌がらせしてきたイギリス人をぶちのめして出禁になるとか、人見知りなもんで柳田國男が初めて会いに来た時には酒を飲み過ぎてゲロ吐いて会話にならなかったとか、ギャグなのかマジなのか分からんエピソードが多すぎる。中には聞いたことのある話もあったが、羽山兄弟にまつわるセクシャリティについては初耳で興味深かった。本書では言及されなかった「淫猥のこと一切禁ず」と宣言したという説も、日本を離れることで二人と会えなくなる覚悟から生まれたものなのだろうか。

06/23 22:32
活字スキー

粘菌の研究が評価され、昭和天皇にその名を歌に詠まれたというのも凄い話だが、それでも職業としての研究職に就くことなく「働きたくないでこざる」の精神を貫き通した熊楠。今もってなお、ありきたりな型で捉えることの出来ない愛情深いナチュラリストであり、先進的なグローカリストであり、妥協なきサタニストだったのだろうと思う。とりあえず、国内外で近代化の暴風が吹き荒れる時代を生きた超ド級のオモシロ偉人ということは確認できたので、これで柴田勝家『ヒト夜の永い夢』にも安心して取りかかれるぞぅ。

06/23 22:33
0255文字
けろ
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寝る前に読む本ではなかった。おもしろくて一気に読んでしまった。南方熊楠という名前は知っていたけど、生き方については全く知らなくて、こういう狂気というものが人生においては大切であるように感じた。それから読んでいて南方熊楠さんはちょっとHSP気質だったのかなと思った。自分にも程度は違えどまあまあ身に覚えがある。読んでいて、人生というものはもっと自由にやってもなんとかなるものだという勇気を与えてくれる本だと思う。また、地位や名誉に拘らず、自然と調和するという一心不乱の思考は、自分もどこか取り入れたいと思う。
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煮茶梅
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某不条理ギャグ漫画風に言えば熊楠は「近代日本が誇る究極のハジケリスト」だったのかも知れません。粘菌への異常な没入、南方曼陀羅、定職に就かないetc...文中では「極端人」と表現されていましたが、世間体や日々の生活など全く構わなかった熊楠は最高に「ハジケて」ます。
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佐倉
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土宜法龍との書簡を読んだときから只者じゃない感だけは感じていた南方熊楠だが、やはり只者ではなかった。柳田國男曰く「日本人の可能性の極限」。だがそれは一面では極端な人間ということでもある。この本ではそんな南方の極端さをクローズアップする。研究対象に極限まで没入する集中力と、社会と折り合えずに逸脱し世界を一歩引いて見る視点。近代化を推し進める日本にあってエコロギィの視点で異を唱えた異端者はこの極端さによって成り立ったのだろうか。
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しんい
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ネタバレ知人との共読みで。「日本人の可能性の極限」って単純にすごい表現だと思う。天狗さんとあだ名された少年時代、おそらく徴兵忌避目的もあってアメリカ〜イギリスと渡った時代。今でいうと発達遅れの部分もあったようで、東大も予備門で中退、アメリカの大学も続かず、特別に入館できていた大英図書館でも入館禁止を言い渡される。それでも終生にわたる英国粘菌学者親娘との交流、ネイチャーでの論考発表、フロリダ州ジャクソンヴィルで華僑に世話になるなど、グローバル人材だったようだ。天才すぎて、本を書写して理解するところから真似しようか。
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SHOGO THE SB
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熊楠の研究分野に限らず、森羅万象様々な分野の研究が進んで、ようやく熊楠の世界観が理解される世の中になってきたように感じた。100年以上前にそれを知っていた熊楠は孤独もあっただろうなと思う。 松枝夫人や娘の文江さんが研究に協力したことや文献保存に努めたことは、熊楠の功績と同列に語られていい位です。 やりあて/神社合祀反対/柳田國男/土宜法龍/粘菌の三羽烏/南方曼荼羅/知人の死を予知/粘菌
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nomunomuda
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熊楠2弾。バイセクシャルにはまいった。色々な意味で凄い人です。魅力的な人には人が寄ってくるし、意外な人が去っていく。柳田國男は残念で意外だった。
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かんがく
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極端な天才にして極端な奇人。在野の粘菌学者、民俗学者として高名な熊楠については、なんとなくしか知らなかったが、色々とぶっ飛んでいる人間である。学問への没頭の仕方は見倣いたい。
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KJ
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この本を読んで全てを理解できたとは思わないけど、南方氏の実像はなんとなく見えた気はする。読んでいて思ったのは、氏の世界の「生態系」的な認識が自分と近いなぁと。あなたと此方をきっちり分けて境界を引いて認識する西洋的な見方に対する、アンチテーゼだったりするのだろうか(マルチタレントというのも含め、このあたりについては現代の落合陽一氏にも通じる気がしないでもない)。南方曼荼羅はやっぱり読まないと駄目そうだなぁ(笑)。オカルティズムは今の自分には受け入れがたいけど、それは別にしても学ぶべき日本人の一人な気がする。
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 A.Y.
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水木しげるの漫画を読んである程度流れをつかんでからこれで知識を深めた。南方曼荼羅の考えは少し分かる。でも図にするとぐちゃぐちゃしちゃう感じも含めて分かるなぁ笑
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vagabond
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南方熊楠と土宜法龍の出会いに感銘を受けた。
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白パラガス
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南方熊楠という人物を、一言で定義するのは難しい。〈民俗学者か、生物学者か、それとも粘菌研究者か、あるいは博物学者か——。どれも当てはまるようだが、どれも超え出てしまっているようにも思われる。〉南方熊楠の業績は、分野を超えて多岐にわたる。どうやら熊楠の中の「境界」は、普通よりも曖昧にできているらしい。自己と他者、男と女、夢と現…。植物と動物の中間生物といわれる粘菌に興味を持ったのも、熊楠自身が自己を定義したかったからなのかもしれない。先日訪れた南方熊楠記念館の『十二支考』の腹稿を見ながら、ふとそう思った。
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terrr
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ボーダレスな人物。100年前に日本にこんな人がいたことが誇り。人間至上主義が行き過ぎてしまった現代を予測していた。熊楠を通して生命の等価性、生命の美しさ、に魅せられる。
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TSUJINO Yusuke
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ネタバレ☆☆☆☆ 物不思議、心不思議、事不思議、理不思議という分類はとても共感する。 最近、アートやデザインの重要性が叫ばれているけど、この理不思議を拡げる、鍛えることなんだと思う。 知の巨人だけど、当時は胡散臭くも思われていたんだろうな。
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脳疣沼
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皆が熊楠、熊楠、と面白がる理由が分かった気がする。
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急行かすが
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「極端の人」、南方熊楠を語る言葉として納得感がある。本人にとっては、世の中は生きづらかったことは想像できる。 本筋とは、関係ないが、熊楠も本の抜書をしていた。吉田松陰もしていた。記憶力を高めるための参考にしたい。
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西野西狸
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ネタバレ伝説的逸話に彩られた南方熊楠をあくまでも冷静に描き、彼の人生・実像をあらわにした。筆者の専門である哲学用語は一切使わず、一般向けにうまくリライトしてあると思う。南方も十分に面白い人生を送っているが彼を取り巻く人々や家族のことについても触れられており、彼ら・彼女らとの出会いが南方に強い影響を与えており個人的にはそちらのほうが興味深かった。
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佐々木大悟
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昔に漫画で読んで以来、その驚異的な記憶力や奇人ぶりが印象に残っていた南方熊楠。ただ、頭の中には何となく程度の理解しかなかったので本書を読んでみた次第。感想としては深読みに過ぎるかもしれないが、ここで語られている熊楠の「振幅」「極端人」という在り様は、彼自身が抱える欠落やアンバランスを補う何かを求め続けた結果のように感じた。熊楠にとっての「理解する」とは、当時の大多数の学者やワタシ達現代人が想像するそれと大きな隔たりがあるのだと思う。
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えーた
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南方熊楠と言えば百科事典を丸暗記したとかいう虚実よく分からぬ知識の類しか持っていなかったので、彼の人となりを知りたいと思い、とりあえず手に取った一冊。6つに区分された生涯から、それぞれにおける業績と、そこから浮かび上がる南方熊楠という人間の在り方が活写されており、大変読みやすく、かつ中々刺激的な読み物(バイセクシャルの話なども出てきたので)でもありました。南方熊楠は自分が甚だしき癇癪持ちである事を自覚しており、「狂人」にならないために「学問と決死」したという解説には、驚くと共に、至極納得がいった次第です。
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くにお
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「極端人」としての南方熊楠の生涯をコンパクトにまとめている。鶴見和子や上坂次郎らの南方本に比べてやや物足りない感じ。特に新しい視点で切り込んでいるようにも感じられないし。「コンパクトにまとまっている」という点と新書という手にとり易さから、熊楠に関するはじめの一冊にはいいかもしれない。「神社合祀反対運動」に見える彼のエコロジーの思想、そしてローカルな問題をグローバルに考え行動するその姿勢が一番好き。「曼荼羅」の思想に関してはやはりよくわからない。
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はなひ堂
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同性愛疑惑はびっくり。内容はそれプラス、熊楠の思想に簡単に触れているところがいい。
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車はkei
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名前は聞いた事がある程度で予備知識がまるで無かった南方熊楠。グローバルな感覚を持ち実践していた一種の狂人であり天才なのかと。定職を持たずに家庭を持ち、粘菌研究と世に物申す事が出来たのは時代なのか、周りに恵まれたからだろう。こういう個性を持った人財を育てられる世の中が良いなと感じた本。
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直入
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「事物心一切至極のところを見んには,その至極のところへ直入するほかなし」 本著,p173.
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メイロング
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これを原作にヤングジャンプあたりで連載したくなるおもしろさ。熊楠が巨人すぎて、どこを切り取っても1冊できてしまう。ちょうど私が見たい熊楠と、著者が合わせてくれたフォーカスが一致した感じで、熊楠最初の1冊にも申し分なし。ずっと読みたかったテーマだったので大満足2乗増し。
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tk
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借りただけ
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shiggy
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すごい気骨はあるのに、人見知りで恥ずかしがり屋。お坊ちゃんで定職にも就かず、お金の事で支援してくれた弟と喧嘩する。まぁまぁ駄目人間だけど、魅力のある人間でした。南方曼荼羅は良くわからんかった。
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浅香山三郎
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民俗学者・生物学者といふ範疇では収まり切らない巨人・南方熊楠の評伝。彼の思想の読み解きに挑む。かういふ大きなテーマを新書で扱ふのは大変だつたらうと思つた。「やりあて」といふ単純化の難しい考へ方、熊楠の各種の精神状態、或いは生涯に於いて拠点とした様々な場所など、いくつかの軸から熊楠の極端人としての振幅の軌跡を辿つてゐる。取り分け、4章(南方曼陀羅の意味するもの)、第5章(神社合祀反対運動と粘菌)が面白い。熊楠の思想と彼の病歴(傾向)との連関については、脳科学とか精神医学の研究が今後役に立ちさうに思へた。
浅香山三郎

先日田辺の南方熊楠顕彰館で展示を見てきたこともあり、理解しやすかつた。熊楠の字が難読といふのは本書にある通りで、日記を始め未整理の資料がまだまだあるといふのも頷ける。

05/05 19:00
浅香山三郎

顕彰館の隣の旧邸は、思つたよりも敷地が広くて、熊楠の生活が弟の常楠さんによつて支へられてゐたことがよく実感された。

05/05 19:03
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読書実践家
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維新期に生まれ、アメリカやイギリスで研究してきた日本人。しかも気骨ある日本人の姿を見せている。柳田國男との交流。粘菌の発見。知の巨人の足跡を追う。
0255文字
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