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美学への手引き (文庫クセジュ)

感想・レビュー
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mdk
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内容は割と平易な方だと思うけどいまいち頭に入ってこないのは文体が苦手だからかしら
0255文字
Witch丁稚
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1) 美のイデア 普遍的で朽ちることのない理想的な形の美。美の本質。感性的な美しさはイデアの薄暗い反映でしかないが、不完全な感性的に美しい事物を見ることから美のイデアの観想へと遡らねばならない。プラトーンの『饗宴』、『パイドロス』「美について」
Witch丁稚

2) 詩学『国家』のプラトーンはホメーロスに対する賛嘆を隠さない。『パイドロス』では見せかけや錯覚なのか、神の賜物である錯乱を通じて到達する知の側の物なのか考えあぐねる。アリストテレースの芸術についての省察は主に『詩学』に含まれている。虚構として距離を起きながら経験することは純化された仕方で経験することができ、模倣すること、演じることによって快を得て自らを浄化する制作学である。

01/11 17:32
Witch丁稚

3) 人体の比例 4) 自然美 5) 感性的認識論 6) 趣味判断 美しさに関わる判断。客体の空間的、時間的な形式に基づいている。 7) 崇高 尺度における非限定、あるいは力の非限定に基づいている。崇高の経験は理性や道徳の理念によって媒介されるため部分的にしか美的ではない。崇高は表象不可能なもの、理念を感覚的に証言するもの、否定的呈示。 8) もののあわれ 102

01/15 20:55
0255文字
黒澤
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ネタバレ本書は、美学前史として、プラトーンといった古代ギリシャの哲学者から、現代の分析哲学までを通史的に扱う書物である。2000年以上の美、芸術、感性に関する蓄積をコンパクトに紹介する良書で、手引きの役割を十分に果たしている。美学が対象とするのは主に、「美」「感性的なもの」「芸術」である。美学(エステティック)という言葉は18世紀のバウムガルデンによって生み出されるが、前後の時代との連続性、非連続を意識しておく必要がある。
黒澤

18世紀末から、美学は「感性の学」から「芸術の哲学」へとシフトする。主な立場は、芸術の外部から哲学的なアプローチを行う、芸術それ自体に内在する哲学にアプローチする、芸術と哲学の根本的な同一性を主張するという三つの立場だ。20世紀には、芸術的挑戦が盛んになっていく。デュシャンの『泉』のように、作品とは何か、ジャンルとは何か、芸術とは何かを揺るがす作品が多く現れ、美から芸術が乖離し、芸術は脱定義、脱審美化の方向へと動いていく。

06/09 10:21
黒澤

こうした芸術の流れへのアプローチの仕方として、社会史的な諸条件の分析を行うフランクフルト学派、美学に現象学の概念装置を適用する、現象学的美学、超越論的で観念論的な芸術理論のアンチテーゼとしての分析美学が存在する。

06/09 10:21
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0255文字
koke
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再読。現代は芸術の脱定義の時代。現象学的美学が古典的な芸術作品に執着する一方、分析美学は現代アートの動向を無視せず芸術の定義に取り組む。とはいえ多くの人が知りたいのは、言葉の用法ではなく経験の意味ではないかとも思う。また違った議論をしているのがフランクフルト学派。「文化産業」(アドルノ)というと「一億総白痴化」みたいで感じ悪いなと思うが、問題意識は否定できない。『美の理論』読まないとダメだろうか。あと誰かディッキーとビアズリーの邦訳出してくれないだろうか。
0255文字
愛楊
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古代ギリシアから近代思想・哲学における芸術に関する言説や現代美学までを総覧する西洋美学の概説書。非常に優れた美学入門書といえる。 第一章はプラトンやアリストテレスなど古代ギリシアにおける芸術以前のアルスについて。第二章はバウムガルテンとカント。第三章は近代哲学における芸術の言説に関するが、私は本章が本著の特長と思う。芸術の哲学を〈芸術についての哲学〉と〈芸術の哲学〉に二分する。カントにより人間の認識の有限性が証明されて以降、哲学ではなく芸術に真理や形而上的なものが求められるようになった。
愛楊

これがロマン主義である。すなわち、芸術はロマン主義者により、形而上的なものへ接近するキャリアとしての役割を持たされるようになったのである。また芸術についての言説については、ヘーゲルやバウムガルテン、ニーチェ、ハイデガーの各思想を構成する芸術の位置が述べられる。芸術と著名な思想体系の繋がりを知ることができる。第四章は、現代芸術およびフランクフルト学派、現象学的美学、分析美学について。結論の章は、美学への批判に加え仮想現実やコンピュターアートなど技術の進展に伴う美学の変化の展望について。

11/25 04:31
愛楊

佐々木健一『美学への招待』よりも学術的である。また、西洋近代美学を批判的に検討する趣旨である井奥陽子『近代美学入門』に対して、本著は哲学・思想上の芸術に関する言説にも深く、また現代美学も扱っており包括的である。本著は広く深い稀有な美学入門書となっている。

11/25 04:32
0255文字
hisa
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美学について古代ギリシアから現代までの変遷がコンパクトにまとまっている。バウムガルテンによる「美学」という命名がなされる前の時代の美学的な考察とバウムガルテン以後の違いや、その後、美学がどのように変わっていったかということが分かる。また、最後にはこれからの美学についても触れており、読者にとって素晴らしい手引きとなるだろうと思われる。
0255文字
淡野 直人
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ネタバレ○要約:近代美学=美×感性×芸術→現代美学=三つの統合体系解体。美学=芸術論+感性論+審美論。芸術の哲学=存在論的次元+認識論的射程+救済者的役割。 ○感想:美学を前史、近代美学、現代美学と三期に分けて概観し、近代美学の成立とその解体という視座を介して美学の基礎を解説する入門書。特に、美と感性と芸術という3つの基礎概念の統合体系として近代美学の成立を論じるのはとても納得の行くもので、近代美学に対する批判と再検討が現代芸術と現代美学の運動と考えると全体像を想像しやすいと感じた。
0255文字
たばかる
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美学史を総なめする。ところどころ具体的説明がほしいところがあるが、大枠は理解できる。章立ては以下のとおり 美学以前/バウムガルデン・カント近辺/ロマン主義/20世紀以降 カント近辺では理性と感性の分離のもと、いかにして美を感じるのかに焦点あてられていた。ヘーゲルは美が哲学、あるいは人間の発達の中で重要な段階の一つをふむものという。20世紀以降は芸術の定義が割れて細分化する。
たばかる

いまはひとまず読んだ段階だが、美の分析の方法論をまとめてみるのもおもしろいだろう。つまり、人々にとっての美や感性の考え方のモデル作ってみることだ。だれかすでにやってそうであるけれど。

10/10 22:26
0255文字
有沢翔治@文芸同人誌配布中
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美学では芸術作品などを題材に「美」を論じている。一般的には十八世紀のバウムガルテンによってaestheticaの語が用いられ、これにより美学、そして美が体系的に論じられ始めた。一方で芸術について、あるいは美についての考察自身はプラトンやアリストテレスの時代にも見られる。しかし、他の学問とどのような関係にあるかが示されないまま、自身の哲学を示すために補助的な役割を担っていたに過ぎない。またルネサンス期には絵画の技法論が多く見られ、これも美学との関係に大きく関わってくる。
0255文字
swingswimmer
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まだ「美学」という語が存在しなかった古代哲学から、現代芸術による「美」の解体に至るまで、西洋における美学の変遷を紹介し、今後の課題にも言及した書籍。総覧的な内容なのだが勉強不足で歯が立たない部分も多く、ロマン主義哲学やハイデッガーの項は特に噛み砕けなかった。自身が文脈や条件の如何を重視するため、実存主義、フランクフルト学派、現代美術の項はまだ考えやすかった。本作の指摘通り、現代は美が氾濫する一方で、データベース消費はイデアに通じ、オタク的な消費も本質主義に近く、美の捉え方は先祖返りしているのではと思う。
0255文字
♨️
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近代において、感覚的なものと美と芸術とを結びつけて思考するところに成立した(狭義)美学を中心期から美学史を見ていく本。古代中世はその三すくみが個別的、あるいはより大きな問題の一部分として扱われていたものと理解され、ロマン主義〜ハイデガーは美や芸術が真理に回収されたものと、フランクフルト学派・現象学的美学・分析美学は芸術側の三すくみの分解(美しくない、感覚的でない芸術の登場)に対する哲学の応答として捉えられる。其々の美学的問題についてそれがどのような条件のもと立てられたかということに意識的なのがいい。
0255文字
午後
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入門書としてはやや高度だが、とっ散らかりがちな美学が扱う諸概念とその内容の変遷が年代順に簡潔にまとめられていて、非常にわかりやすい。カントの言う美の無関心性について、あるいは美が本当に自律的な価値であるのか、問い直す必要があるように感じた。
0255文字
植岡藍
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美学、芸術の哲学の概観を知ることができる。哲学の中においても美学、芸術というのが大きなテーマであるという補助線を引けるだけでも大きな実りがありました。取り扱われている問題も興味深く面白かった。
0255文字
ai
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ドイツ・ロマン主義哲学に関心をもった。芸術と哲学の価値転倒というのは、宗教に見られる理性と啓示の問題に通ずるものがあると考えた。
0255文字
fujitami
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美・感性的なもの・芸術を対象領域におくことにより、『美しい』を論者自身や時代に依って大きく振れるその印象に振り回されずに見つめることができる、と知れたことが学び / 結論にて仮定された反論4について: 美学という語ができるそのずっと昔から美しいものは美しかった、それは未来においてもそう、その普遍的性質があるだけで美学は哲学にかかるべきなのではないかなあ、芸術の側が美学の視野から逃れようとすることができてしまうからややこしくなる みたいに考えてたらもっとスマートに回答がなされていた、結論だけでも読み応えある
0255文字
ねこまおう@彷徨猫
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ぜんぶを理解するには名前のあがった著者の本をだいたい読まねばなるまいが、とりあえずひと通り最後まで読んだ。訳者の講義を先日大学で受けたのだが、まあ博覧強記を絵に描いたような方だった。
0255文字
Bois
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芸術論というよりも、哲学として美学を眺めてると感じた。確かにその言及が哲学者、芸術ともに西洋に限定されていることや、絵画や詩、音楽といった形式を混同、或いは明確に分離していないことや、全体的な描写の少なさは当該書物の欠点として言えるかもしれないが、ここから参考文献等に移ってくのが妥当かもしれない。 かといってこの本の記述自体が相当難解であり、哲学的な理解もある程度は要求される為、ちょっとこの本の立ち位置がわからない。 哲学を専門にしてて、美学に関心が向いた人用かな?ニッチ過ぎません?
0255文字
harass
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「美学」は18世紀の思想家バウムガルテンが定義した学問だが、古代中世のアリストテレスやプラトンからの定義やカントなどの哲学との関係から現代までを簡潔にまとめた新書。芸術という概念自体が近代の産物であり、現代芸術特有のカテゴリーへの疑問など、時代のエピステーメー・パラダイムが変化しているのがわかる。初クセジュ文庫で構えて読み出すが、この素っ気なさ。正直、初学者には少しつらいかと。
0255文字
mashi
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affirmative scienceってどの点で認知科学と差別化されるんだろう
0255文字
ひろ
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先日のクセジュより読みやすかった。手引きとなっているだけあって、歴史をみながら色々紹介してくれてます。けど、本の厚みからしても分かるように、凄く突っ込んでというモノではないので、整理するために読む1冊というところでしょうか。。。
0255文字
さえきかずひこ
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藝術について扱う美学は18世紀頃に成立してきた。カントやヘーゲル、ハイデガーといった著名な藝術論を取り上げ、それらを簡明に解説する。また、古代や現代の美をめぐる言説にも適宜触れており、美学のものの見方について幅広く学べるようになっている。
0255文字
7ember
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同じ【文庫クセジュ】から出ているユイスマンの『美学』も一応読んだことあるんですが、確かにこっちの方が、長さはほぼ同じながらも多方面への目配せが効いていて、入門書としては優れているかなと思いました。例えば、分析美学とかブルデューへの言及などはユイスマン版にはなかったと思う。単に時代的な問題かもしれませんが……。ただまあ入門書なので、これ一冊読んでわかるというものではなく、ブックガイドと考えるべきでしょう。
0255文字
ラウリスタ~
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クセジュ『美学』の前身はドニ・ユイスマン(有名な作家とは綴り"y,i"が違うし、sがない)によって書かれているが、書評を読む限り、どうやら入門書としてはすこぶる評判が悪い。それを刷新するのが新『美学』、名前が変わっているのは白水社の都合。何かがわかったということはないが、アリストテレスやプラトンから現代に至るまでの、美学というものが形成されてきた道のりをさっと見せてくれる。
0255文字
壱萬参仟縁
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美学は哲学的学問だという点(10頁)。美学とは、エピステーメーが美学を可能にしてからこの語に与えられてきた意味の総体(傍点14頁)。美学Aestheticaは1735年にドイツのバウムガルテンの『詩の本質に関わる諸問題についての哲学的省察』に初出(43頁)。バウムガルテンは、美しさは感覚的なものとしての真理の学説と袂を分かたなかった。美しさと真理を結びつけるものは、完璧さという観念。美は対象の完璧さが感覚的に顕になったもの。本質と見かけが適合(65頁)。
壱萬参仟縁

美学は学際的ゆえ、社会学、心理学、精神分析学、経済学、史学、記号学の協力も必要(137頁)。

03/05 06:19
0255文字
Ochiai Kenji
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クセジュ特有の網羅主義でなく、よく整理されたよい本だった。
0255文字
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美学への手引き (文庫クセジュ)評価69感想・レビュー26