読書メーター KADOKAWA Group

感想・レビュー
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ゆづるは
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収録されている短篇は3つで、いずれも簡素な文章に反比例するかのごとく、描かれる闇は濃い。しかも横広がりではなく、縦に深い印象。良くも悪くも真面目な人物の豹変に周囲は驚くばかりの展開だが、長らく表面化しなかっただけで、きっと皮一枚の下では短絡的な衝動が爆発の時を待っていたのではと思われる。そしてそれは登場人物に限らず、誰しも宿している種火だろう。一見突発的で不可解な事件だが、現実世界でも往々にしてあるなと感じられるだけに、話の短さがよりリアルを突きつけてくるようで恐ろしい。
0255文字
荏苒 byn
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表題作 は 淡々とした没落貴族の 半生記かと 読んでいると、悲劇的な結末に至る。 母親と子供の葛藤の伏線を 感じる。 狂気 の問題なのか、毒親相当なの かもしれない。 ホルバイン時代の技法が 真相?に迫っている。 解説 にある作者の弁「ドイツでは クリスマスに 会いたくない 家族に会うせい」 でこの話のモチーフに なぜか納得。
0255文字
no6
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「犯罪」が面白かったので次々読もうと思ったのに機会がないままになっていたシーラッハの本。これは3つの短い話なのであっという間に読み終わる。善良な市民がいとも簡単に向こう側に行ってしまうような。タダジュンの絵がはまりすぎで原書もこうだったのかしらと思ってしまうほど。絵=タダジュン、装幀=森田恭行(キガミッツ)
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エトランジェ
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ネタバレシーラッハ、八冊目。なるほど。訳者によるあとがきを読んで、たしかにスピンオフ的な要素がある点は良かったように思う。ただ、タダジュン氏のイラストについては、挿絵なしで装丁部分だけの方が個人的には好みかな。(短い本なので”何か付加的な要素があった方が面白いかも”ということだったのかもしれない)
0255文字
meditation
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ネタバレ日常の生きづらさをじっと溜め込んだ主人公がついに暴発する3つの物話。「ザイボルト」と「カールの降誕祭」はいわく言いがたい珠玉の短編だ。端正な訳文。どす黒い読後感からなかなか抜け出せなくて、しばらくボーッとしたまま過ごした。「パン屋の主人」は『コリーニ事件』の派生作品でもある。タダジュンの挿絵のせいで余計に怖い本になった気がします。
0255文字
kibita
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「パン屋の主人」、「ザイボルト」「カールの降誕祭」の短編3つ。無駄を削ぎ落とした簡潔な文章はいつも読みやすいが、闇が深い。読了後は読む時間の何倍も衝撃的な内容について考えさせられる。「コリーニ事件」のあの気さくなパン屋が…定年退職した生真面目な裁判官の末路、伯爵夫人の母親が息子に放った言葉「所詮はクズ」。自分の中の精神均衡がグラリとする時。これまたタダジュンの版画が不穏さを増幅させる。
0255文字
たく
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☆☆☆
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moss green
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短編が3話。表題作は母親との長年の関係から最終的に母親を殺してしまう話。「所詮はクズ」そんなことを親に言われて育ったらまともに育つわけがない。3話とも若い人の犯罪ではなく、長年我慢を続けたり、長年規則を厳格に守り続けたことで壊れてしまったり、素晴らしい技術を持った職人が短絡的な勘違いから罪を犯してしまう。パン屋の主人が二度目殺人を犯す時、「刑務所でいつも言われていた。何も変わらない。」という言葉が悲しく響く。
0255文字
Kuma
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星5つ
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月夜
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図書館利用。
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べ
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ネタバレ即物的だが心理描写 男性の内面 特に衣装、その人に付随するモノが、体型もそこに含まれていそうだが、その人を語る der Bäcker語彙学びたいな、きれいな甘いものと不穏なものの取り合わせは魅力的で仕方ない。10頁「すべてが変わったその日」の段落圧巻。少し先少し先を読み進めることで少し前の場所とか意味とか推察できる、幅を要求されてる感じ。SeyboldとCarl Tohnbergs Weihnachtenの男性像比較はおもしろそう。対極ではないが、マジョリティとの距離の取り方の点で
べ

芸術を切って捨てる母親、“bring das Glump in dein Zimmer, sei so lieb.“を「所詮はクズなんだから、お部屋に持ってかえりなさい、お願いね」(58頁)と訳すのすごすぎる「所詮は」「クズ」「なんだから」すべてすごい

05/12 19:40
0255文字
momo
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ある日突然、鬱屈していた感情が爆発する怖さ。私達の周りでも起こり得るシチュエーション。カールが母親から言われた「所詮はクズなんだから」の残酷すぎる響き。この悪魔のような言葉は、殺人を正当化し得ると思うのは私だけだろうか。
宵待草

momoさん こんばんは 本当に言葉は、使い方ですよね🍀 近しい大切な、人間関係にこそ、配慮ある言葉を使える、大人で在りたいと願います💫 何時も、有り難うございます🙋 宵待草

05/07 20:58
momo

宵待草さん、こんばんは♪コメントありがとうございます。おっしゃる通りですね。読メで仲良くさせて頂いている方々は言葉のお付き合いなので、特に配慮を忘れずにいたいと思います(*^^*)

05/07 22:08
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でとむ
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とにかく「ザイボルト」が刺さる。早く定年したいと思っているけど、定年後にこんな風になったらどうしよう。あながちあり得ない話でもないところが怖い。
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雪乃
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【図書館本】そこそこ面白かった。
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ヘジン
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3話合わせて100ページもないくらいの短さで、いつものように極限まで削ぎ落とした文章。全部救いようのない結末で気が滅入る。他作品のほうが好きだな。挿画が内容の不気味さをさらに盛り立てている。
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UNO
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三つの短編集で、サクサクと軽快に話が進む。ほの暗い雰囲気だけど面白く読めた。人生はどう転ぶか分からない。クリスマスらしさはあんまり感じないから、時期を外して読んでも違和感がなかった。愛情も書いてないし、感動も狙っていない。方向性がない独特なシュールさ。
0255文字
本の間
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社会からの圧力が煩いこの時期に、静かで理路整然とした殺人物語が心地良く沁みました。装丁、挿絵も豪華。人が皆、哀れで救われました。普段『殺人事件』に興味が無いのですが、これは良かったです。
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ミノムシlove
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この著者は好みで、今回も期待通り。訳者の力も与っているのは間違いなし。プラスおどろおどろしい版画も◎。
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颯
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印象的な挿絵とブラックなクリスマスの組み合わせがピッタリです。
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Eu
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「シーラッハはあるインタビューで、ドイツではクリスマスに殺人事件が頻発するといっている。理由は会いたくない家族に会うせいだという」(p.92、訳者あとがき)。無情。
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ほし
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しあわせなひとばかりではない。そろそろ、そういう一切を子供のころから悟らせないと人間はいつまでも供食いし続けるんだろうね。
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Mμ
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ネタバレ読書会のために再読。淡々と登場人物の日常が描かれ些細なことで人生が転落していく様を描いた3話収録の短編集。 何でもないことがきっかけで落ちていく様は一番怖い。
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neputa
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人の感情が堰を切る瞬間は案外こんなものなのかもしれない。ドイツでは「降誕祭」つまりクリスマスに最も殺人事件が多い。会うべきではない肉親が一同に会することが原因のひとつであり、表題作はその指摘が通りの内容だ。3篇からなる短編集、2編目の「ザイボルト」が特に印象深い。若くして小さな事件を扱う裁判官となり、正しさだけを身にまとって生きてきた男が退官後、若者に冤罪を負わせるミスを犯す。均衡が崩壊する。罪を視覚化したような挿絵の雰囲気と相まって不快な記憶として私の脳の深い部分に刻まれてしまった。
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三月★うさぎ
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奇妙な後味の短編3作。『コリー二事件』の作者とはあとから知った。
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もりの
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心の抱えたほんの少しの闇が、少しずつ広がっていって、いずれ心が真っ黒になって事件を起こしてしまう。不穏な空気が漂っていて、絵も含めて好きな内容だった。
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Macky O
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ネタバレ訳者が大学の先生で、「クリスマスにお勧めだよー」とのことで、短かったこともあり読んでみた。あらかじめ教えられたが嫌な気分にさせられる作品である。品行方正な「ザイボルト」の勇気ある行動が、実は犯罪でその後身を持ち崩す展開が皮肉が効いていて好きである。表題作は、絵の中に「所詮はクズ」が小さく書いてあった所でやられた。調子に乗っているときに読むと落ち込む良い精神安定剤だ。しかしハードカバーでめちゃくちゃ薄くてなかなかえげつない売り出し方したなぁ。挿絵がなかなかクセがあって好みだ。
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きん
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シャーリージャクスンのくじくらい面白い。
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し
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再読本。やはり良い。「パン屋の主人」では内容よりパンやお菓子の描写に注目した。「ザイボルト」では公明正大な裁判官の退職後の姿を描き、ルールありきの世界で生きることをどう捉えるかを考えた。解説によれば「ザイボルト」はカフカ的世界に通じると書いてある。「変身」しか読んだことがないので読んでみよう。表題作「カールの降誕祭」は前回読んだ時より作品世界に入り込めた。「ブラックなクリスマスプレゼント」とは言うけれどだんだんこれがブラックとは思えなくなってきたあたり、何がそうさせているのだろうか…と考えるのが楽しい。
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メタボン
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☆☆☆★ クリスマスの食卓で突然起こる息子がフォークにより母を殺す惨劇が禍々しい表題作。裁判官として規則正しい生活の末、定年後は激しく堕落する「ザイボルト」。「パン屋の主人」による二つの殺人。不穏な空気が漂う作品集。
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土偶
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ヨーロッパにおける降誕祭て、日本の正月的に義務的要素なのか。個人主義的に見えて肉親の枠は外せないカール。 毒親は早く断ち切るが良し。
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真朱
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初シーラッハ。なんとも暗いし、悲しいけど、こういうの読みたかった。これからシーラッハ読破していきます。楽しみ〜!ドラマも観たいなぁ。。
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Y2K☮
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久し振りに。ヘミングウェイとはまた違った衒いのない簡潔な文体はまるで公的な記録文書だ。だからこそ他人事とは思えない。ましてや刹那に爆発する衝動は、いくら先行する数々のエピソードが積もり積もっての結果とはいえ当人にも他者にも予見不能。人の不条理はそういうものと受け止めるしかないし、己もまた不条理で危うい存在という自覚をどこかに抱いておくことで無意識のストッパーが働くと信じるのみ。表題作のあの人がああなったのは当然の報いとしか思えぬ自分が少し怖い。欧米におけるクリスマスって案外義務的要素が強くて厄介なのかも。
Y2K☮

マテリアル「本当をいうとケーキ作りのマイスターなんだ」「冷凍の生地を自動パン焼きオーブンに入れるだけの仕事なんて好きじゃない。昔のまっとうなケーキ屋がなつかしい」「だから、いずれこんなところから抜けだしてみせる」

04/16 11:02
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黒井
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ネタバレ21-38】冷静な筆致で綴られる三者三様の崩壊と解放。「ドイツではクリスマスに殺人事件が頻発する」…理由として挙げられる仮定に日本との文化の違いを思うものの、一方で抱く戦慄はもっと普遍的なもの。尊重する事を疎かにした結果報復されるって誰も幸せにならなくて辛い。近しくても他人なんだよなあ…。/解説で『ザイボルト』がカフカ的と言われていて納得。砂のお城に少しずつ波が打ち寄せたその先。踏み止まれなかった事を弱さだと切り捨てるのは酷だ。『パン屋の主人』は読み取れなかった自分が悔しいんだけど、、彼だけですか…?
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いっこ
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表紙と挿絵が渋くて怖い。収められた3つの小説の雰囲気そのものだ。「カールの降誕祭」は『禁忌』を思わせられた。この母親の一言自体が凶器でしかない。
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蘭奢待
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図書館で見かけて、そのまま立ち読み気味に読了。誤認して家具屋の店員と日本人美大生の愛人を殺してしまう「パン屋の主人」、謹厳実直だった裁判官が退任し精神に異常をきたす「ザイボルト」、零落した伯爵家の子孫で、親に反発しながら足掻く「カールの降誕祭」。シーラッハらしい展開の小品たち。
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Cinejazz
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真面目人間と思われていた人が、突如にして殺人犯となり、人生の終焉をむかえる悲劇が語られています。ベーカリ-ショップを経営する男が日本人女性に恋憧れる『パン屋の主人』、ベルリン裁判所の裁判官を務める生真面目な男『ザイボルト』、伯爵家御曹司の狂気を描いた表題作『カールの降臨祭』、いずれの三篇も底知れぬ恐怖感に縛られます。
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ぴいの
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初シーラッハ。短編が3つだがどれも主観の入らない乾燥したようなすっきりとした文体で、それがタダジュンさんの挿絵とイメージがぴったり合っている。「パン屋の主人」が一番気に入った。静かな狂気が一瞬やってきて、その後何事も無かったかのように戻るのが恐ろしい。
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はなすけ
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表題作は華やかなクリスマスツリーとエグい殺しのコントラストがイタリアンホラー「サスペリア2」を彷彿させる。パン屋の主人のようにどちらかといえば善人なのに人殺しの運命になってしまうって、救いはないんですか?と神様に問いたくなる。個人的には“荒くれマンフレート”の話がわりと好きです。
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みあ
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3篇の短い小説が収録されている。色彩豊かな描写と暗い欲望が対照的な「パン屋の主人」。禁欲的な人生を送った裁判官がふとしたことがきっかけで転落していく「ザイボルト」。支配的な母親に抑圧されていた主人公がクリスマスに彼女を殺害する「カールの降誕祭」。それらの作品がタダジュンの黒と鈍い金色の切り絵で飾られている。どんなにありふれた人間にも心の奥底に隠された悪があって、それは正視しない限りいつかは爆発する。それがどんなに些細なきっかけであっても…。私の中の暗い秘密とは何か考えながら読み進んだ。
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