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讃壽鐵朗
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讃壽鐵朗
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南洲翁遺訓

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/07/16(4152日経過)
記録初日
1970/01/01(20054日経過)
読んだ本
3011冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
817904ページ(1日平均40ページ)
感想・レビュー
1670件(投稿率55.5%)
本棚
21棚
性別
年齢
85歳
職業
無職
現住所
東京都
自己紹介

趣味の第一が「読書」、次が「散策」の老年男性、後期高齢者になって早や7年余になるところ。この後期を、「人生の最終段階を高貴に過ごすとき」と解釈して「高貴高齢者」を自認しています。
昭和の産めよ増やせよの時代に、事情があって一人っ子として育った老人ですが、その人生を通して「読書」は、「独処」に通じる、まさに、読書は一人で味わう至福の時間として大切に過ごしてきました。

2013年1月に読書メーターに参加して以来、自分のこれまで読んできた本を全て整理し、ここに入力することにし、2016年にその作業を終了しました。

数年前に読んだ本でも、今や殆ど記憶になく、改めて読み直したりしています。しかし、今の私にとっての読書とはいわゆる勉強ではないので、読んでいる間だけ理解、感激、興奮、納得等々すればいいのであって、記憶するまでのことはないという考えです。

しばしば、かつて名著と判断しかつ必ず読まなければならないとの気持ちで買ったのに、まだ読んでいなかった本を書棚に見つけては、その度に反省しています。しかし弁明するならば、名著とされているものを座右においておくことは、名画(勿論、模写ですが)を買い込んで鑑賞することに似ていて満足感を与えるものです。
そこで、それらの名著に対してただ本棚に並べておくだけでなく、「買い置き本読破計画」なるものを立てて、内容、興味とは関係なく読んでいくこととしました。なにせ数十年前に買った本が多いのですから、読書メーターに入力する際に絶版本、無登録本などが多いことに気づかされました。でもこの作業で、本棚の忘れ去られていた本達も喜んでいるでしょう。

作家の中村真一郎が、ある随筆の中で、同じような事を書いています。
「仕事柄、自分で購入したり、寄贈されたりした本が既に膨大な数になってしまっている。このまま未読の本を残したまま世を去るわけには行かない。そこでせめて毎日、一冊は未読の本の頁を開いて読みはじめるということを、二十年ほど前から実行している。やらないよりは気が済むのである云々」。

さらに、英文学者でかつ随筆家として有名な福原鱗太郎は、
「ある個人が買う本というものは、どんなにでたらめに買っても、何かしら、その人の興味を反映している。その後、十年、二十年、三十年経つうちに、ひょいと、その本が有用になるものだ。」

英語辞書で有名な岡倉由三郎は、
「書庫の中で、買って積んでおかれたばかりで、一度も読まれない本が、夜もふけわたる丑三つ時に、こそこそ話をしあっているのを聞くと、読んでもらえない不幸を訴えている。」と、書いています。

森本哲郎の文章に、「書物とは読むものでは無い、と思っている。いつか読もうと思っているものだ」とあるのは、まさに私の読書態度です。

まさに私も平均余命からすると、あと十年少々となるのが解っているのでかなり焦っているところ。しかし、本当の興味がないのに読むというのも辛いものなので、そんな場合は、タイマーを三十分にセットしておき、音が鳴ったときそれ以上は沢山と感じたら、その本は終わりとして本棚に戻すことにしています。これでまさに自己満足的に満足しています。

買い置き本読破計画の主旨は、何しろ買ったまま眼を通さなかった本達への失礼を詫びるためでしたが、やはり今現在興味を持てない本達を読むのは、三十分に限定したとしても無理があることが分かってきました。当然ながら、別に仕事として読書をしているわけでは無く、気の向くまま、興味を感じるままに読むことにするのが本来の読書の王道ではないかと改めて感じました。

愛書家で有名な庄司浅水の随筆に、「書物とはある一点でだけ良友であればいい」とあります。つまり、「好きなときに読み語って貰い、嫌になったら止めればいい」と。これは人間同士では、いかに良友と言えども絶対に不可能なことで、読書の面白い面を突いていると思います。

天声人語に、作家の川上未映子の読書法が紹介してありました。書店の本棚の前で眼をつぶり、手を伸ばして最初に触れた本を買い、書名の意味も分からなくても必ず読み切る。このことで、「自分の知らない何かに出会うこと」、「自分の意識からの自由を味わうこと」が出来ると言っていますが、これぞ、我が蔵書における買い置き本読破計画に共通することです。

日垣隆の読書論によると、本の目利きになる方法として、①大量に本を読み大量に失敗する、②一人の著者の読み方として、最新作・代表作・処女作を読むこと、③読みながら印象的なところに付箋をつけ、最後にその部分をもう一度読むとあります。さらに、「考えるということはまず書いてみること」は至言で、日々実行しています。

鷲田小彌太「シニアの読書生活」から;
・老人クラブに行かない人のほとんどは、単独でも自分の人生の楽しみ方を知っている人である。そういう人のほとんどは、何らかの意味で読書とつながっている。
・読書は老人の生存にとって、「望みうる最高の状態が実現され、これ以上期待することは無理な注文だ」につながっている。
・シニア期に独特の楽しみ、読書の楽しみは読むだけでなく、書くことによって倍になると言いたい。読むことが書くことと結び合わされると、読書に全く新しい熱が生まれてくる。そこで書く楽しみを味わうことである。
・仕事を作ればいい。そのためには読書が不可欠となる。しかも書くために読むとなると、集中力も持続力も予想以上に高まってくる。
こんな事を感じながら、相変わらず読書の日々を送っています。
                            2021/11/09

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