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salvia
さんの感想・レビュー

salvia
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エキセントリックな独白が続くのにうんざりして1章で本を措こうとしたが、2章からぐいぐいと引き込まれていった。中年の危機から始まる本当の自分探しに、「私」は自分を変えてくれる力があると信じている画家Lを離れ家に招待する。病的と思える自意識から疎外感を抱き続けてきた「私」だが、Lの目には支配と破壊を象徴する「母親」としてしか映らない。濃やかな心理劇が続くだけに、最後にLが娘に贈った絵と「私」に宛てた手紙は胸に迫るものがあった。掴まえようとして掴まえられないものの美しさ。母親としても共感することが多かった。
アレカヤシ

salviaさんの感想を読んでとても興味がわきました。レイチェル・カスクさんは、いくつか翻訳されているみたいですね。私は英語は分からないので、翻訳されたこの作者の本を読んでみたいと思いました。ありがとうございます。

05/31 20:54
  • salvia
  •   ルピナスさん
salvia

アレカヤシさん、ありがとうございます。カスクは初めてでしたが、強く惹かれるものがありました。芸術を追い求めるふたりの他に、解毒剤的な夫と道化的な娘の恋人そして美しい自然が描かれており、読み飽きない作品でした。読んでいてこの日本語の訳語は何だろう?と思うことがしばしばありましたので、翻訳が出れば私も是非読んでみたいと思います。他の作品も。

06/02 04:15
  • アレカヤシ
0255文字
全2件中 1-2 件を表示

salvia
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読書データ

プロフィール

登録日
2018/03/19(2567日経過)
記録初日
2018/02/07(2607日経過)
読んだ本
336冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
95320ページ(1日平均36ページ)
感想・レビュー
257件(投稿率76.5%)
本棚
0棚
自己紹介

自分と娘のための記録。備忘録的なのでTLから出ておりますが、僅かでも参加になれば。
読書の幅を広げようと受賞・候補作品及び好きな作家の推薦本を中心に読んでいます。

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