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広井啓
さんの感想・レビュー

広井啓
新着
ネタバレ出色の作品、今年一番かも。読売文学賞受賞も大いに納得。戸籍を交換し、別人になりすました原誠と在日三世の弁護士城戸章良の物語。父親が死刑囚である者の苦悩、育児方針の違いが生む夫婦間のすれ違い、出自による差別など深刻なテーマを扱っているにも拘らず、戸籍交換の謎を追うミステリ要素を加えて、一気に読ませてくれた。かつての難解な平野啓一郎でなくなった。だが「マチネの終わりに」より深く思索的だし、神話の引用などを通じて著者の知性は発揮されている。映画化されたばかりだが、石川監督が本作をどのように捌いたのか興味深い。
KAKAPO

広井啓さん、こんにちは。私も素晴らしい作品だと思いました。広井啓さんが挙げてくださった一つとして欠かせない様々な要素が立体的に絡み合って、それぞれの読者が抱えている境遇と共鳴して心の奥深く突き刺さったのではないかと思います。これからも平野啓一郎さんから目が離せないですね。

09/19 12:27
  • 広井啓
0255文字
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広井啓
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読書データ

プロフィール

登録日
2020/10/13(1627日経過)
記録初日
2020/10/13(1627日経過)
読んだ本
504冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
153719ページ(1日平均94ページ)
感想・レビュー
472件(投稿率93.7%)
本棚
1棚
性別
自己紹介

趣味は読書の他、競馬、株、パズルゲーム、詰将棋、邦画鑑賞など。
読書傾向は小説ならほのぼの系や家族ものが中心。政治、経済、日本史などノンフィクションも読みます。
村上春樹は全読破。他に、重松清、白石一文、浅田次郎など。女流は特定の作家に拘らず幅広く。

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