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学芸文庫版が出てから、四半世紀以上も経ってるのか(M1の年に出てるので、当たり前といえば当たり前だが)。掲載されている各小論の初出は82~85年とあるので、著者が30代後半に執筆したもの。民俗学の枠組みを中心に据えながら、構造主義人類学のフレームで日本のフォークロアを再考するという、80年代の空気が感じられる論考がまとめられている。個人的に最も興味深かったのは、最後の『妖怪と異人』。解説に中沢新一の名もあるが、本書でも論及されている網野中世史と重ねて読むと、一層滋味深いものに。
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個人的に、素人ながら日本中世史の中では賤民史や芸能史に関心があるため、そうした観点からも『妖怪と異人』はリーダブルで、参考になるところ大。

12/18 11:15
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末尾の結論部を引用しておきます。『妖怪というもののそれぞれの異常性の背後に「異人」集団あるいは異なった職業集団というものが見え隠れしているのがわかります。...民俗社会に伝わる妖怪というのを個別に研究していくと、たんにそれは想像上のものだというだけではすまない大きな問題がひそんでいるのに気づくのです。...妖怪の他者性の問題とか異類異形性の問題というのは、こうした社会集団に属する人々を、農民を主体とする民俗社会の人たちが妖怪視したことと関係しているのです。』

12/18 11:23
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読書データ

プロフィール

登録日
2020/05/29(1792日経過)
記録初日
2020/04/25(1826日経過)
読んだ本
487冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
118304ページ(1日平均64ページ)
感想・レビュー
293件(投稿率60.2%)
本棚
11棚
性別
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自己紹介

my favorites : UK rock, rugby football, Islay malt(Lagavulin, Bowmore…), political philosophy, social philosophy, sociology of education, etc.

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