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こうちゃん
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こうちゃん
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街頭演説的な手法を意図的に取っており、極めて扇動的、感情的な文体で書かれている。それゆえに著者の母国に対する怨嗟と悲嘆がダイレクトに読み手に伝わらざるを得ない。ニーチェ的な社会のモラルやアイデンティティに対する執拗な攻撃はマゾヒスティックな快楽を読み手に与えもするが、同時に人間社会そのものに対する深淵な絶望を喚起する。その上で著者は理想の入り混じった甘ったるい未来への展望をあえて展覧せず、汚物に塗れた袋小路に俺たちを閉じ込める。「恥辱」の共有こそが革命への必須条件だからである。
0255文字
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こうちゃん
さんの最近の感想・レビュー

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読書データ

プロフィール

登録日
2019/03/06(2179日経過)
記録初日
2019/03/06(2179日経過)
読んだ本
63冊(1日平均0.03冊)
読んだページ
20946ページ(1日平均9ページ)
感想・レビュー
57件(投稿率90.5%)
本棚
3棚
年齢
124歳
血液型
A型
職業
その他
現住所
海外
自己紹介

現実逃避のために読書をしています。
浮遊感のある幻想文学が大好物です。
集中力が無いため、最近は簡潔な文で書かれた短編集しか読めない体になっています。
お気に入りの作家は日野啓三、小川国夫、宮沢賢治内田百閒、タブッキ、ヘミングウェイなど。いずれも短編のみ。

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