災害に直面するという出来事に、家人という賤民の立場で寄る辺もないが、守らなければならないものも無い、持たざる者の主人公と、土地や家族親族、仕事など大切なものを持てる者たちの対比。私自身は守りたいものが少ない側の人間なのだけど、うーん、実際直面したらどんな行動をとるのだろう。せめて誰かを踏んづけることだけはしないようにしたい。「何が起きて何が起こらなかったのか全てを見たい」という宿奈麻呂の言葉はとても共感する一言だった。