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トラキチ
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トラキチ
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原題“La Collina del Vento"関口英子訳。イタリア南部のカラブリアにてニーナベッラロッサルコの丘を守るアルクーリ家の盛衰を四代に渡って描いた大河作品。 時代が第一次大戦前後からと長い年月に渡るのでイタリアのファシズムなどの勉強にもなり、戦争に苦しんだのは私たち日本人だけではないということが身に沁みます。 作中に考古学者パオロ・オルシという実在の人物を登場させたのが亡き英雄に対するリスペクトの表れが如実に出ており、作者の南部出身いわば同郷小説ということも相まって成功を収めていると感じる。
トラキチ

いろんなことが起こりますが、四代に渡って家系の固い結束が表れているのが安心した読後感をもたらせていると感じます。そのあたりミケランジェロのの命名が父の亡き兄弟から取った名前であることが象徴されています。 いわば語り手である四世代目の“僕”(リーナ)が父、祖父、曽祖父の良い意味での自慢話を繰り広げている体裁をとっているとも言え、ロッサルコの丘が彼らに強い意志を与えて彼らの人生の希望となっています。

02/19 23:01
  • syaori
  • モルテン
  • もふいんこ
トラキチ

印象的なのはやはりソフィーやリーナという我慢強い妻たちでしょうか。ミケランジェロの妹のニーナベッラの熱さも圧巻ですよね。故郷の良さを忘れがちな私たち日本人に必読の一冊だとも言えます。 関口さんの訳も素晴らしい。カンピエッロ賞受賞作品。

02/19 23:01
  • syaori
  • モルテン
  • もふいんこ
0255文字
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さんの最近の感想・レビュー

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/02/06(5891日経過)
記録初日
2009/01/19(5909日経過)
読んだ本
1126冊(1日平均0.19冊)
読んだページ
344915ページ(1日平均58ページ)
感想・レビュー
804件(投稿率71.4%)
本棚
74棚
性別
血液型
O型
職業
事務系
現住所
大阪府
外部サイト
URL/ブログ
http://torakichi2.jugem.jp/
自己紹介

年齢を重ねるにつれ、自分自身の中で失いつつある純真な部分を小説を読むことによって水分補給しています。ほとんど文芸書しか読まないのですが、フィクションであるがゆえの心の広がりを期待しています。どちらかと言えば甘口書評だと思っていますが、自己に甘いのでせめて他人にも甘くしたいという気持ち(笑)とネットを通して多くの方と共感したいという思いが強いのだと思う。

2015年年間ベスト10
1 『世界の果てのこどもたち』 中脇初枝(講談社)
2 『ストーナー』 ジョン・ウィリアムズ (作品社)
3 『永い言い訳』 西川美和 (文藝春秋)
4 『低地』 ジュンパ・ラヒリ (新潮社)
5 『ナオミとカナコ』 奥田英朗 (幻冬舎)
6 『昨夜のカレー、明日のパン』 木皿泉 (河出書房新社)
7 『霧 ウラル』 桜木紫乃 (小学館)
8 『下町ロケット2』 池井戸潤(小学館)
9 『晴れたらいいね』 藤岡陽子 (光文社)
10 『絶叫』 葉真中顕(光文社)

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