9月は残暑が鬱陶しいうえに、読み始めても乗り切れなくて脱落の本が続き、あまり読めませんでした。その中で『パピルスのなかの永遠』、高槻彰良の推察シリーズが慰めとなりました。いつも皆様のご感想、ナイス、コメントに励まされています。10月もよろしくお願いします。2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3738ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1035010/summary/monthly/2024/9
※源氏の女性の多くは男に言い寄られることを疎ましく恥ずかしく思っているが、この大君は特にそうで、アロマンティック・アセクシュアルなのかもしれない。薫も匂宮も家柄も容貌も財産も申し分ない。女房達が勧めるように愛人になればよいと私も思うし、実際にその選択をした中の君が特に不幸だとは思えない。中巻で若い女性心理を細かく描かれ、結局は鬚黒と結婚した玉鬘が、この下巻の「竹河」では子どもたちの将来を苦慮する母親になっているのが、風俗小説として面白い。
ところで、お相手の財産、家柄、学歴などを云々するのは、平安時代だけでなく、昭和の見合い婚でもそうだった。浮舟の母親の相手選びを見ていると、かなり最近までこんなふうだったよなと思う。
四・三事件についての『別れを告げない』(ハン・ガン)の悲痛な記述に比すると彼我の差に驚くが、人間の知恵として直観的に分からないでもない。38年生まれの三男は済州島で四・三事件を目撃し日本で教育を受け「在日コリアンにとって馴染み深い色を転々」として財を成し一族の中心人物となる。44年生まれの四女は文盲のつらさを語り心を打たれた。解放後の混乱と食糧不足で韓国でも学校へ行けず、日本に来てからも(55年?)学校についていけず、子どもが生まれてから夜間中学に入りなおして勉強したという。→
男子の教育には配慮するが女子は二の次は『密航のち洗濯』の家族も同じである。わたし自身、70年代の終わりごろに(教育が不十分で)読み書きのできない女性と会い、世の中にはこんな人がいるんだと衝撃を受けたことを思い出す。ちなみに著者のお父さんはきょうだいでただ一人大学を卒業し教員となっているそうだ。 聞き書きがいかにして学問になるかという著者の途惑いが随所に織り込まれる。右左、反韓親韓のイデオロギーを持ち出さなくては本としての体裁がつかないのかもしれないが、活力のある一族の、党派色を排した生活史が面白かった。
単行本での再読ですがご一緒できて嬉しいです。「書き手が誕生から背負っている痛み」本当に痛々しい。実は今回は作者のこの痛みが、例えば「遠い事」として切り離している紛争地帯で消えて行った小さな儚い命を差し置いて自分が今暖かな場所で生きながらえている痛みに同化しかけてなかなかに辛い読書でした。「死なないで」という祈りだけは忘れずにいたいと思っています。文庫版は解説が付いているんですよね。どうしようかな~(笑)
がらくたどんさん、ハン・ガンさんはその痛みをずっと抱えていてそれが歴史の中で不条理な犠牲となった人々の苦しみと共振し、読者にも強い印象を与えるのでしょうね。文庫の解説、実は平野さんのは未読ですが、充実してますよね。
原題は Shutter 。おしゃれな題だと思うが、これでは日本人の読者には買ってもらえないと早川書房さんは考えたのかな。/ 先月はジョージ・ソーンダーズの『リンカーンとさまよえる霊魂たち』を読みかけて挫折したのだが、通底するものを感じた。
どんどん行きますね♪「それぞれに人外が登場するが、いずれも別離の悲しみや羨望など人間的な感情が書き込まれ、そちの方がある意味でメインとなる作風。」確かに!こちら側と同じくらいあちらの世界も切ないですよね(*^。^*)
やった、共読♪最初の『屍人荘の殺人』以降、彼は早々に降板となりますが、舞台設定はホラー系ゲーム風なのにトリックは本格という、乱歩が好んだ怪奇趣味本格の香りが漂うなかなかに奇想天外で楽しい作品群です。もし、よろしければ、ひとまず『屍人荘の殺人』で明智先輩を見届けてやってください(*^^*)
↑田村麻呂とアテイルの遭遇、一応史実として認知されてるみたいですよ。いろいろなガイダンスがありますが、私は今回は奥州市埋蔵文化財調査センターさんのこちらを覗きました♪ http://www.oshu-bunka.or.jp/maibun/publics/index/127/
2019年の8月から読書メーターを使いはじめました。最初は私的なメモとして使うつもりでしたが、他の方の感想を読むのが面白くなり、自分の読み方が変わったり、次に読む本の参考にしたり、、、と活用させていただいています。
乱読なので、もっぱら近所の図書館で本を借りて読み、気に入った本だけ購入しています。図書館は話題の本ほど貸し出し予約待ちでなかなか順番が回ってこないのが残念ですが。
目の具合が悪くて思うように本が読めない時期が続いたのですが、一昨年白内障の手術をしたら、集中して読めるようになり、感謝しています。
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タイムリーな読書でしたね😊顕太郎は高橋一生さんならできそうな気がしますが、どうでしょうね🤔(カメレオン俳優で、背も高すぎず、線も太すぎず)