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2024年10月の読書メーターまとめ

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423ナイス

2024年10月に読んだ本
27

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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英国ミステリードラマの脚本家との著作と知り以前「カササギ」を読み始めたが、過去を舞台とした上巻が、下巻になるやいきなり現代に舞台が移る。しかもモタモタした作りで、落胆して著者を敬遠していたが、評判良い本作に再度トライ。今回も一種の入れ子で、警視庁を昔退職した癖の強い男の調査を基に、作家本人が小説を仕立て上げる迄の筋。事件は自ら葬儀を予約した初老女性が、当日に殺されるというスタートで、ややこしい事件である事から警視庁がこの男に捜査を依頼したという、ありそうもない設定。前作の半分の量であり読み易い佳作だった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
26

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夫に死に別れた3人のティーンエージャーを持つ母親が主人公。隣家で開催予定の持ち寄り夕食会準備の午前中、通いの掃除婦が殺されたのを、隣家の主婦が不在時に訪れた主人公が発見するスタート。警察に捜査が委ねられるが、結局犯罪機会を有するのは料理を持ち込んだ何人かの主婦に限られ、その中の一人が犯人となるのだが、それ迄の記述は、主人公が危なっかしい素人捜査に手を出すわけではなく、主人公の姑との確執、主婦同士のハンサム男の品定め等、交際模様のあれこればかり。爺さん読者にはノイズとしか感じられず、この著者はパスと決まり。
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博学達識の著者が、ヨーロッパとシナの伝説や奇書を基に、随意に古今東西の空想上の生物を披露する。内容に脈絡はないが、最後は寺山修司やロボット(ゴーレムに祖型があるという)び話題に落ち着く。同じ新書で著者の「悪魔の話」を併読すれば著者の真意を理解できると、著者は最後に述べる。人間の想像力をたどる随想として楽しい読書であるが、カンブリア紀の進化的大爆発を考えると、著者の言う通り、人間の想像力など、神の御業に較ぶべくもないということであろうか。
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英国南部コンウォル舞台。主人公女性は夫に先立たれ中年過ぎ乍ら若くかつ絵画写真の能力があって自立する才女。周りの男は放っておかぬ。友人の老女が死に、自殺として処理されるのを怪しんで、恋い慕ってくる中年刑事に捜査を働きかける。老女は隠れた資産家で、二人いる息子の長男はがめつい妻に急き立てられ老女の資産を狙う。弟はやや抜けた男。巻き込まれ型の推理小説らしいが主人公の動きは無謀で、言い寄ってくる何人かの男の心を弄び、犯人から警告を受けても突っ走る。小説の立ち上がりも掴みが悪い。最後にある謎解きも唐突で後付感がある
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存命のフィールドワーク動物学者による、我が国在来狼最後の姿を追う鎮魂の書。戦後の代用教員時代に岩手県内を中心に、狼の消息が絶えた明治年前の公文書(害獣たる狼駆除奨励文書)を基として各地を調査して回る内容が白眉。これらを中心に30年前岩手日報に掲載した記事を追補して本書となる。著者は狼への哀惜の念から、絶滅の因として自然保護観念確立の遅れを嘆くが、明治期の人口増と農地の拡大の他、江戸後期の狂犬病流入や明治期の輸入犬種からのジステンパーの影響も大きかったに違いない。我が国東北僻地の民俗風俗の昔を知る点でも良書
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著者初長編、刊行時修正を余儀なくされた経緯にも拘らず本翻訳はオリジナルに近い由。舞台はメイン州の東北端の海岸。島嶼の灯台施設に住み着いた家族が銃を持った男達に追われ対岸の洞窟に移る。彼らは後に人を襲って人肉を嗜むようになる。当地の古屋を借りたNY人が友人を招いた日、食人一家に襲われる筋。残酷猥褻な描写と救いのない結末に慄然として読了するが、無抵抗の弱者への嗜虐が主題でなく、荒唐無稽な話なので割切って読む。しかし一時は餓死に瀕した一家が、屈強な男や10人もの子供を生む再生力。人肉の栄養を以ても不可能に思う。
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私立探偵アレックスシリーズ第二作。舞台である厳冬期のミシガン北部はカナダに接し、インディアン居留地が点在。南部住民からは、博打場があり、暖季は猟場として冬はスノーモビルの場としてのみ認識される。主人公は近所のオジブワ族の友人から誘われ、アイスホッケーのキーパーとして白人チームとの試合に出場する。相手の主力は薬物の臭気芬々たる男で乱闘寸前に。試合後主人公の許に女がその男からの助けを求めて現れる。自分のロッジに匿った処、部屋は荒らされ女は消える。ロシア人麻薬王、連邦取締官、狷介な市警署長。個性豊かな登場人物だ
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ポーとティリーのコンビシリーズの4作目。長い作品で時間は掛ったが、文章が軽妙で煩わしい場面展開もない為読み切った。カンブリアで初の主要国大臣会合の準備で一帯は大騒ぎの中、開催に係る輸送会社の経営者がいかがわしい場所で殺される。重要会議に係る事件であり、ポーに捜査が委ねられる。冒頭に何れも有名な英国俳優と役柄のマスクを被った男達による殺人が描かれるが、この2つの殺人に関連がある事が判明。事態はアフガン戦争、文化財密輸、米英関係などに広がる。そんなアホな、のでっち上げ感は強いがこれだけ読ませるのだからOKだ。
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本巻は興味を引くテーマが多く面白く読んだ。特に冒頭、仏教考古学から原初仏教に新たな観点を進めるGショペン論文抄訳が目を引く。釈尊入滅後程無い時代、富者の寄進による僧伽は美々しく飾られ信者の参拝を誘ったという別論文の記憶がある。本書でも仏陀を始め聖者縁地の仏塔跡から、信者の遺骨が多数発掘されたとの報告があり、初期仏教から死者供養が盛んだった事が判る。また印度での仏教の衰退は、ヒンドゥとのせめぎ合いの中、スーフィズムとの穏健な交代も見られたとの論文は、東南アジア諸国でのイスラムの浸透史とも思い合わせ興味深い。
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シリーズ8作目の最終回。高級老人ホームの娯楽行事のマンネリから、老人達の提案でスペイン語学習が始まる。座学だけでは不満足な老人達は、直ぐ近くのスペイン語圏メキシコへの旅行を提案し、探偵老女コンビを始めとする有志が参加する。長旅を嫌う老人達の旅行は、2泊3日を3回という変則的な日程。最初の旅で嫌われ者の住人老女が心臓を理由に死に、2回目では旅行スタッフの運転手が殺され漸く動きがあるが、ここ迄物語は山場に乏しく、善意のビッグブラザーによる途上国旅行案内の風味。最後アンジェラへの銃撃もあり、漸く盛り上がったが。
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支配の諸類型と官僚制組織について、精緻な分類と評価を施した名著の付録として掲載された演説原稿を抜き出し出版された本書。ロシア革命後露の要請で単独講和を受け入れたドイツは共産党宣言をバイブルとする社会民主党を中心とする政治勢力により大きな混乱に見舞われた。ウェーバーは政治的動機から、単独講和に不信感を有する墺洪帝国将校団に、本書を内容とする講演を敢行する。企業による所有と経営の分離は、ホワイトカラーという市民=官僚の成立を促す。社会主義も同様、官僚制に依存せざるを得ず、独裁を招来する。百年前にかく予言した。
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作り上げた感がある推理小説に乗れず途中で断念、本書に移る。絵かきだが身過ぎの為写真を取って暮らす女性。4年前に夫を癌で失ない一人で暮らす。近くの邸宅の主婦からパーティーに呼ばれたその夜、女主人が屋敷の高所から墜落死。どうやら犯罪らしいという冒頭。本作の謳い文句のライトミステリの意味か判らないが、ありそうな設定でストーリーもすんなりと進み、最後に波乱もあってめでたく終わる。得になった気分でゆっくり眠れる。コーンウォール出身の作家が同地を愛情深く描く舞台環境も嬉しい。歳を取ってからは女性作家が気に入ってきた。
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十数年前警官だった時、狂人から銃撃を受け相棒は死ぬ。自分は一命を取留めたが、銃弾が心臓近くに残る。屡々その記憶に苛まれる彼は、父親が残したロッジを管理しつつ狩猟客を相手に過ごす。或時主人公を親友視する金持ちの息子の一家の顧問弁護士の誘いでその調査員になる。息子は博打狂であり、或日賭け屋を訪問した処、その無惨な死体を発見するスタート。同様な殺人が連続し、重罪者収容施設にいる筈の上記狂人の、主人公に執着を示すメモが寄せられる。主人公の複雑な性格と行動が丁寧に描かれ、タフガイの粗さより一種風合いを感じさせる佳品
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中世以降経済の発展と共に生じた、商工遊芸等の多様だが今日では多くが失われた職業人を職人と呼ぶ。職人歌合は鎌倉及び室町期、様々な職人の諷詠に仮託し、歌合わせ形式で編纂した絵入の歌集である。今日東北院職人歌合の2種、鶴岡放生会職人歌合、三十二番職人歌合、七十一番職人歌合のみが残る。本書はそれらの分析により、成立時代、作成者、職人の多様化等や社会背景、民俗学的分析の他、掛詞を用いた滑稽味からなる狂歌の文学性にも論及し、本分野の総合的な紹介を施す。同分野では網野善彦の著作もあるが、本書の方が偏りのない良書に思える
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ネタバレ入墨の調査員リスベットの報復譚で読者が満足後、本巻は記者ミカエルが主役。彼と属する雑誌社の救い主となった実業家ヘンリックの依頼の真の目的、失踪した長兄の孫娘の探索が最初の主題。ミカエルは危険に身を晒すがリスペットの介入で一命を取止め、同時に一族の暗部を知る。実業家が仕事の見返りに提示した、彼の敗訴の恥辱を雪ぐ情報提供は吊り餌に過ぎなかったが、ミカエルは自力で悪徳実業家を叩く情報を探し出す。但しこれもリスペットのハッキング能力に大きく依存した。能力の発現と共に成長する彼女は魅力的だが、出来過ぎ感も強かった。
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企業犯罪狙いの雑誌記者が、批判記事を書いた相手の実業家から名誉毀損で有罪判決を受ける。嵌められた感のある記者は、とりあえず退社の形を取る処に、企業規模は縮小したが影響力のある別の実業家から誘いで、氏の自宅で自伝執筆に取り掛かる。当初書題の女性の登場がなく当惑も、直ぐ鮮やかに彼女が登場。幼少時から奇矯な行動で精神疾患を疑われた女は、優秀な後見人により、保安会社調査員として力量を認められる。後見人の交代で現れた男による暴力。その報復は粗暴乍ら痛快であったが、雑誌記者の方の活動は房事が目立つまま収監に至り下巻に
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甲冑の専門家として数々の著作もある高名な在野の研究者による本。我が国の民間信仰に根を張った狐の祟り等について、主に江戸期の随筆類から採話する。話題は動物婚から変化、仇討や報恩の様々から、インド南方の土俗神ダキニがヒンズーに包摂され、更に仏教を経てシナで大きく変容、特に妖狐との混淆の歴史を述べる。江戸期に知識人さえヘンゲする狐を信ずる点を奇異に述べつつ、列挙に務める。多少分析的記述はあるが体系的ではない。私が新聞を読み始めた頃には狐憑きとされての暴行死が屡々報じられた。最近は絶えたが、狐と稲荷の混同は尚残る
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シリーズ7作目。前作はやや失望。カムデン老人ホームの近くに競争相手の園ができて、老朽化した建物を抱えるトゥーガスン支配人がやきもきするシーンがスタート。偶々カムデンから隣の施設に移った女性から主人公老女探偵コンビに、同施設に幽霊が出るので調べて欲しいとの依頼が。書題は隣の施設の魅力の無さを揶揄した表現。メインの事件はカムデンに戻って始まるのでやや拍子抜け。隣の施設から移ったどうみても怪しい美男子のモテ男が登場。同じく移ってきた入居者が不審死する。終に主人公にも魔手が。毎回登場の入居仲間も良い味を出す佳作。
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著者を読んで二作目。ベトナム戦争の悲惨な体験から精神を病んで屡々起こるフラッシュバックに日常生活が送れぬようになった男は妻子(出来た女房を娶り、子まで生し得たのか、読んでも納得できないが)を捨てて森で一人大麻を育てる等して生活を送る。そこに著述生活にやや疲れの出た作家が、共に住むする二人の女と朋友を連れて男の住む近所にキャンプを張る。一行は男の栽培する大麻を発見するが、そのうち男は一行の侵入に気づき、ベトナムでの悪夢が蘇り、索敵と殲滅行動に移る。以降凄惨な描写が続く。誰が生き残るかだけの興味で読み終えた。
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英国ミステリードラマの脚本家との著作と知り以前「カササギ」を読み始めたが、過去を舞台とした上巻が、下巻になるやいきなり現代に舞台が移る。しかもモタモタした作りで、落胆して著者を敬遠していたが、評判良い本作に再度トライ。今回も一種の入れ子で、警視庁を昔退職した癖の強い男の調査を基に、作家本人が小説を仕立て上げる迄の筋。事件は自ら葬儀を予約した初老女性が、当日に殺されるというスタートで、ややこしい事件である事から警視庁がこの男に捜査を依頼したという、ありそうもない設定。前作の半分の量であり読み易い佳作だった。
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加州の海辺の老人ホームを舞台に、素人探偵に張切る老女二人のシリーズも6作目。クリスマスを控え設えたツリーの下で、住人の一人の老女が倒れているのが見つかる。不審死故に警察が乗り出しお馴染みの警部補が登場。年末とて事件多端な警部補は、探偵老人に何かあったら知らせてくれるよう頼んで去るが、二人はこれを拡大解釈、捜査を開始する。小説は二人の行動とそれに対する老人達のボケた対処振りを滑稽だ。実は嫌われ者の被害者と強欲な親戚達、犯人の様子等面白く描かれるが、事件性が明らかになるのは過半が済んだ後。少し冗長な展開だった
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二年前ストーンサークとブラックサマーの2作、余りの長さと作り過ぎの筋書に辟易し以後休む。本作の書評から再び手に取る。切り取った指を目立つ場所に放置する残忍で顕示的な殺人事件が連続し、主人公達が乗出す。米国で類似の犯罪があり、犯罪推理を正当に評価されなかったFBI捜査官から連絡で、自己実現に悩む青年前期の人間を巧みに操り、段階的に凶悪な犯罪者に仕立て上げる犯人像が浮かび上がる。その犯行と自滅で作品を仕上げても十分と思う。本作も無理やり意外な犯人を仕立て上げる癖は同じだが、長さが苦にならなかった事は認めよう。
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コロナ禍の下の大統領官邸への襲撃事件とロス市警の混乱、市民サービスの麻痺。読者は当時を思い返し読み、更に時が下れば、歴史を参照しつつ本書に当たる事となろう。後編ではバラードとボッシュのコンビは専ら二人の犯人による連続レイプ事件に絞り行動する。バラードはボッシュに精神的に依存しつつ、これ迄の著者作品でのボッシュ以上に職を抛つ事を恐れない、破滅的にも思える行動を取る。警察組織に絶望し、それに頼る事のできないまま、不完全な準備の下で、自らを囮として犯人と対峙する。やや乱暴な展開だが、充分な娯楽作品に仕上がった。
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コナリー作品最新作では深夜担当から抜け出たバラードがボッシュを誘って未解決事件担当班を立ち上げる。前作である今回、彼女はまだ深夜担当。ロス市警は不祥事や住民反発から手足を縛られ士気が低下。その中で一人張り切るバラードは二人組の連続レイプ事件に手を貸す。更に引き続き起こった大晦日カウントダウンの騒ぎに紛れて起こった銃撃殺人事件。これも彼女は熱心に取り組むが、本件で使用された銃は嘗てボッシュが担当した未解決事件で使用された物だった。コロナ禍で渋るボッシュをドジャース球場のワクチン集団接種に連れて行く場面もある
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人類の重要な伴侶である馬について、その家畜化から車輛への導入、及び騎馬遊牧と戦闘に関し、考古学や遺伝子分析等理化学的方法を尽くし最新の知見を紹介する。ヒトによって容易に絶滅し得た馬という種が、食肉や乳製品、皮革等を目的とする家畜化により生き永らえ、紀元前二千年紀初め戦車に利用される。更なる馬具の発明は騎馬戦闘への活用を促す。記述は網羅的で詳細だが、用語説明等一般読者への配慮がやや足りない。西ユーラシア由来の馬匹革命の中で、唯一東アジア由来の鐙が、西洋にどのように流れて行ったか、コラムででも説明が欲しかった
が「ナイス!」と言っています。
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理由にもならぬ理由で次々と人を惨殺していく男。ある殺人事件の目撃が彼のそうした行動にスイッチを与えたという発端。その殺人事件の下手人男女二人に殺人鬼は身勝手な共感を持つが、これが破綻し、彼は二人を誘拐監禁しての逃避行を始める。当初は余りに粗暴な書き出しに、読書継続を躊躇したが、次々生ずる荒々しい殺人の急激な展開に否応もなくつき合わされる。その間に挟まる担当刑事の私的生活模様もバランスが良い。殺伐な小説だが最後に訪れた静けさを心地よく感じた。我が国へ紹介された最初の著者作品のようだが、何作かは追ってみたい。
が「ナイス!」と言っています。
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ヨーロッパ人のサンスクリット「発見」以降19世紀に発達した言語学史が主題。ナチスのアーリア学説による偏軌に関する記述は少なく学問史を淡々と述べるが、それ故に後半は難解となる。寧ろオリエンタリズムに満ちた勃興期の意識の方が面白い。言語が進化史的変容により、孤立語から膠着語を経て、美しい構造を有する屈折語に至るという当時の常識からは、屈折性が崩壊して形態的には孤立語である英語が世界を席巻する今日の状況は皮肉である。言語学が諸言語の解読進展や、諸語の文献学的発展により変化せざるを得なかった歴史が何とか理解できた
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/14(1806日経過)
記録初日
2019/10/02(1879日経過)
読んだ本
1916冊(1日平均1.02冊)
読んだページ
632074ページ(1日平均336ページ)
感想・レビュー
1911件(投稿率99.7%)
本棚
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性別
年齢
75歳
自己紹介

少年期の乱読を経て、青年期読書は言語(国語)学、荷風、江戸随筆などを主食とし、日本の推理小説(清張、佐野洋など)を副食として過ごしました。老境になって思想史(M.ヴェーバーや井筒俊彦など歴史思想、宗教思想)や科学史、我が国中世史、古代史、歴史民俗学などを手当たりしだい読んで、やや根を詰めて疲れた時期があります。現在は海外推理小説を中心として柔らかな読書に入っています。なんであれ全部読もうとする性癖は心身に毒ですが、ともかくも読書生活に浸ることに喜びを感じる次第です。
本サイトの読了コメントを参考としながら、今後新たな作品と出会い更に世界を広げていくことにいたしております。

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