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2024年5月の読書メーターまとめ

タ艶
読んだ本
9
読んだページ
2297ページ
感想・レビュー
9
ナイス
70ナイス

2024年5月に読んだ本
9

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

タ艶
牧名沙羅の「言葉」に対する感覚や感性、そこに認められる滑稽な非効率さの中に確かに瑞々しい赤い血の通うことを感じられる 一方で彼女と歳の離れる拓人の感じ方はどうか、これが難しい、生成AI的な言葉の軽さや無機質さ、現実社会でこの作品に浴びせられたインスタントな無根の誹りのようなレベルにはとどまっていない、けども終盤、ジャーナリストを案内する彼の佇まいはトーキョートドージョートーの中で最適化され非感情的に統合されたシステムの一部のように見える ホモ・ミゼラビリスという新定義がまかり通る世の中を想像してみる
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
9

タ艶
エフィングが語る死亡記事の内容やバーバーの人生の遍歴など物語の進みに合わせてどんどん色んな人物のエピソードが積み重なっていくわけやけど、ぼくこのスタイルがあんまハマらなくて読み始めてはすぐ飽きて、をずっと繰り返してた、おかげで読み終わるまで1ヶ月弱くらいかかった…肝心の主人公はこの連続する追体験の中で成長していくかと思いきや、ことのほかその速度が緩慢でキティとの末路もラストシーンもなんだか読んでて身が入らないし、カタルシスのようなものは特にない 血のつながりが生む奇妙な偶然的関連性と未来(月)
が「ナイス!」と言っています。
タ艶
紀行文のはずやのに小説みたいな読み応えやった、おそらく千葉さん特有のある状況から連想ゲームのように展開し浮遊していく言葉の軽さによるものな気がする、この軽さは仮定的な軽さで、たとえ断定口調であっても、いわばその事実を一側面から″仮固定″しただけのどうにでも変化しうる不安定さを孕んでいるように見える この不安定さが奥行きを生んでいる、紀行文の内容は基本的に体験した出来事や現地での会話、それらにまつわる所感などで占められると思うけど、この本はそういった事物からすぐにでも飛び去ろうとする異質な思弁的身軽さがある
タ艶
なぜ走るのか、その問いが出発点となり仕舞いには一冊の本になっちゃうくらいのボリュームを持ったメモワールになった、端的にいってこの事実に僕が村上春樹にハマり込んでしまった理由がはっきり現れている つまり芯が通っているのである、それも息を飲むほど強靭な芯が… 長距離を走ることと小説を書くこと、店を開いたことと店を畳んだこと、16歳の時に体の欠点が気になっていた彼と歳をとって払った努力に見合う対価を得られなくなってきた彼、それら彼の人生におけるあらゆるポイントや行為がちゃんと一本の芯で貫かれている、その美しさ
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タ艶
若干体育会系的でマッチョなロジックもあるけど、ちゃんと読み進めていると突き詰めた情報収集力と考え方をまずは無理してても体に馴染ませるのがまあ近道なのかなと思わされる それくらい説得力はある一冊、想定される質問に対してなるたけ具体的かつビジネス的語彙をふんだんに組み込んだ回答がそれこそ嫌になるくらい列挙されているので、とりあえずそのシビアさを一旦無理してでも飲み込んでしまうと、ちゃんと効果を発揮してくれる、と思う ただ僕みたいに面接当日とかに読んでも逆に不安になるだけなのでちゃんと準備の段階で利用するべし
タ艶
牧名沙羅の「言葉」に対する感覚や感性、そこに認められる滑稽な非効率さの中に確かに瑞々しい赤い血の通うことを感じられる 一方で彼女と歳の離れる拓人の感じ方はどうか、これが難しい、生成AI的な言葉の軽さや無機質さ、現実社会でこの作品に浴びせられたインスタントな無根の誹りのようなレベルにはとどまっていない、けども終盤、ジャーナリストを案内する彼の佇まいはトーキョートドージョートーの中で最適化され非感情的に統合されたシステムの一部のように見える ホモ・ミゼラビリスという新定義がまかり通る世の中を想像してみる
が「ナイス!」と言っています。
タ艶
夕暮れの赤が暴力の赤を生み出し、瞬く間に包摂してしまうと、何事もなかったかのように溶けていく、夜が来る、夜が冷やし受け入れる 遊園地に向かう道中の描写がゾーン入ってるんじゃないかってくらい冴え渡ってた、″背もたれを蹴ることも暴力なのだ″と気づくかんこ 身体が請け負っている空間の描写は写実的でもあり、一方で常に精神からの侵略を受けている幻のようでもある 著者の持ち味である神経過敏的な一人称が利己のフリをした利他のフリをした利己を血の継承や父という装置といった旧態依然のテーマを用いて抉り出す、かんこの女らしさ
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タ艶
吉田修一あんま合ってないのかな、二作とも出てくるモチーフや登場人物のスケッチにあまり魅力を感じなかった、特に表題作の方は全然良くなかった…まず主人公が全くそそられない、無味乾燥としててクセや感性も演出的というか自然に見えなかった…全体的にテレビドラマっぽいというか、演出家がいるようなクサみがある あの短い紙幅で描き切るにはちょっと要素が多すぎるように思う、それらが比喩的な役割を果たして中心的なテーマに集約されていく感じはあるけど、にしても薄いしノれない flowersの方は無頼っぽい雰囲気がまだ良かった
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タ艶
重たい腰を上げて転職活動に取り掛かったもののビジネススーツすらないような有様なので、なんもかんもが1からの情報収集となった、そこで頼っているのがdodaのエージェントさん(優しい)とこの本  ざっくり目を通してみたけど、1番財産になりそうなアイデアは「ハッシュ・タグ的自己分析論」かな これ、非常にわかりやすい、特に自己分析すら済んでないぼくからすると、色々書き出してみたはいいもののとっ散らかってよくわからん、と頭を抱えてしまう でもそれらと求人内容にハッシュタグをつけてやるだけで何故かクリアになる不思議
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タ艶
確かにロング・グッドバイ読んだ時のイメージに比べると、マーロウが結構荒っぽい感じする、タフガイって感じ 筋に関しても完全に村上春樹のあとがきに同意やな、ところどころに、ん?ってなるようなミステリらしからぬ行き当たりばったり感はあるにせよ、わりにすぐ気にならなくなるくらい文章が面白い ジョー・ブロディ+アグネスと対話してる時にカーメンがにゅっと現れるシーンと、最後修理工場での勝負は手に汗握ったな ただ有名な「人を撃っていいのは撃たれる覚悟があるやつだけだ」ってセリフがなくて残念、あれ出典に諸説あったのね
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/15(1650日経過)
記録初日
2019/12/20(1645日経過)
読んだ本
279冊(1日平均0.17冊)
読んだページ
82657ページ(1日平均50ページ)
感想・レビュー
257件(投稿率92.1%)
本棚
0棚
性別
年齢
59歳
血液型
A型
職業
ガテン系
現住所
神奈川県
自己紹介

本を読めば世界は拓けるが目は悪くなる
2019.12〜

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