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2024年6月の読書メーターまとめ

ちゑ
読んだ本
11
読んだページ
5095ページ
感想・レビュー
11
ナイス
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2024年6月に読んだ本
11

2024年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ちゑ
ネタバレ生まれながらにして身体が不自由で発語が困難な徳川家重、それに〈御口〉として仕えた大岡忠光の主従関係を超えた絆に何度も目頭が熱くなる。彼らの発する言葉以上に行間に溢れる心情を推し量ってはみるものの、真にはとうてい届かない。彼らをあらゆる面から謗る城内の輩や、陰ながら支える者たち、様々な人間がいるが、全てを知りながら堪えて忍ぶお庭番/万里の思いも想像してみた。たまらず姿を現したタイミングに、待ってましたと言いたくなった。名脇役万里の心情は続編で描かれているのか…楽しみだ。年々涙腺が緩くなっているな。
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2024年6月にナイスが最も多かったつぶやき

ちゑ

5月は那智の滝に行ってきた。なまった足腰に古道はきつく、飛瀧神社の鳥居から滝壺までの石段も苦行の域。滝前では、無事に帰れますようにと手を合わせた。〈特急くろしお〉で行く旅のともにと水滸伝を選んだが、車内で涙ぐんでいるのがいたら、それは私だ。コスビー、ボルトンは堪能! 2024年5月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:4481ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1076924/summary/monthly/2024/5

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2024年6月の感想・レビュー一覧
11

ちゑ
一度は生トークを聞いてみたい人のひとり。以前SNSで、京都にある蹴上インクラインの下にあるトンネルの名称を、うろ覚えで「げなぽっぽ」と言い放った岸本さん。やっぱり面白すぎる。その妙な思い込み・ぶっ飛んだ発想・妄想が本作も炸裂。リビングのテーブルに置いておいて、読みたくなったら1〜2編ずつ読むスタイルがしっくりきて、しばらくはこの分厚めのエッセイ集が我が家の中心だった。それは「げなぽっぽ」じゃなくて「ねじりまんぽ」ぽ…しかあってないやんね。
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ちゑ
ネタバレ物語の結末と作者による謝辞がリンクするように有終を飾る。感無量。正直に言えば2作目を読み、ダニーの資性と方向性を見失った私はどんな最後を迎えるのか不安だった。困ったらパスコ…という安易さが気に入らない。ダニーの前に立ちはだかるビジネスライバルも、過去からの使者も、ファミリーであるアルター・ボーイズでさえも気に入らない。それもこれも彼の人生を邪魔するなという一心から…。たぶん私は、この不器用でまっすぐな男が好きなのだ。苦労した分、幸せになってほしかった。万感胸に迫る思いでこの結末にただただ拍手を送りたい。
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ちゑ
ネタバレプロヴィデンスを放棄して新天地を目指すダニーたち。目立たぬようにと周りを制し、息子のためにファミリーのためにと新たな道を切り開こうとしていたんじゃないのか。なのに自らぶち壊すのか。まさかの夢見るハリウッド。野心の芽生えが悲劇をもたらし、カルタゴの女王とのロマンスは徒花で終わる。過去に足を引っ張られ、逡巡するダニーの姿もいいけれど、それじゃない感は否めない。冥界からの声を聞いたなら、そろそろ使命を果たしてこそのアイネイアースだろ。犯罪小説に振れるのか、それとも功成り名遂げたダニーが見られるのか。ラスト一冊!
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ちゑ
ネタバレ年老いた親父がいる。長年連れ添った妻がいる。子供の頃からの親友がいる。新妻がいる。幼い息子がいる。大学生の子供がいる。みんな自分の愛する者たちのために何かを成そうとしているだけなのに、どうして血が流れるのか。女や金、地位や尊厳を他人に奪われることに我慢ならない者たちは、その沸騰した怒りの収めどころがわからずに愚行を重ねる。謀に敗れて命を落とす者もいれば逃げる者もいる。三部作揃ったところで読み始めるが、今のところ残す事跡は神話をなぞる。さあ、ダニーの行く末は英傑か衆愚か。逸る気持ちを抑えられない。陽炎へ。
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ちゑ
ネタバレ生まれながらにして身体が不自由で発語が困難な徳川家重、それに〈御口〉として仕えた大岡忠光の主従関係を超えた絆に何度も目頭が熱くなる。彼らの発する言葉以上に行間に溢れる心情を推し量ってはみるものの、真にはとうてい届かない。彼らをあらゆる面から謗る城内の輩や、陰ながら支える者たち、様々な人間がいるが、全てを知りながら堪えて忍ぶお庭番/万里の思いも想像してみた。たまらず姿を現したタイミングに、待ってましたと言いたくなった。名脇役万里の心情は続編で描かれているのか…楽しみだ。年々涙腺が緩くなっているな。
が「ナイス!」と言っています。
ちゑ
ネタバレ運河を渡り水路を潜り、大雨洪水なんでもあり。紫禁城の内金水河なんて、もはやウォーターライド。『1:凶兆』の爆破、強襲、逃避行が凪いで感じるほど、それを上回る疾風怒濤のアクション満載ワクワクドキドキ展開に大満足。史実と虚構がピッタリハマった歴史ロマンだ。皇太子を筆頭にした4人の道行きが結願するかどうかにとどまらず、恩讐を越えられるかというあたりにしつこく焦点を当ててくるところも華文小説らしくてよかった。2冊合わせて最初から最後までみっちりとした読み応え。まさに、万感の完結。
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ちゑ
ネタバレ義体化も電脳化も何するものぞ。体に込められた魂〈マブイ〉の力を信じてやまない男たちのブルース、ここに極まれり。戦後の密貿易による栄華と混沌を併せ持つ与那国島を舞台に、身体を換装させるテクノロジーとそれにまつわる陰謀を描いたサイバーパンク。なんかよくある話やん、と言う勿れ。無機質とは程遠い熱い血潮が流れる漢たちの往路だけの活劇は胸熱。自分には人工涙腺がないから涙は流れない、と自虐的に呟く密売人/武の流したかった涙はどれくらいあったろうか。アイデンティティを渇望する者が吐き捨ててきた言葉を拾うには辛すぎる。
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ちゑ
ネタバレ前作『サイコセラピスト』を知らずに本作から読んでしまったが、これはこれで面白かった。気分屋のギリシャ神たちの愚行をモチーフにして、大学内で起きた〈乙女〉の連続殺人を大写しにする。姪の友人が殺されたことをきっかけに呼び出された心理療法士マリアナは、最愛の夫を亡くして傷心中。姪のためにと気力を振り絞って犯人と思しきギリシャ悲劇専門の教授を執拗に詰め、思い込みだけで動く姿には辟易した。誰もが胡散臭くあからさまなミスリードに閉口するが、一気に読ませる筆力はすごい。薄々気づく結末に同情できない私は冷たい女なのか?
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ちゑ
ネタバレ最愛の人を自分の過ちで亡くし、5年間服役していたカナ。獄中で出産した娘は一度も抱くことなく、彼の実家の両親の下で愛情深く育てられている。出所後、娘に会いたい一心で町に戻るが、カナは彼の両親にとって愛する息子を殺した女…当然、悲痛な物語が幕を開ける。愛と許し、そして再生の物語は想像に難くないが、カナの境遇を理解し支えようとする男性の存在でロマンス度が増し、甘めの仕上がり。機微の表現が巧みで感情移入しやすく、どの人物にも共感できるから安心して読めるのがいい。言い換えると、善良な人しか出てこないからそこは残念。
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ちゑ
ネタバレ気候変動による永久凍土の融解が進むシベリア。そこで発見された三万年前の遺体から未知のウイルスが放たれた。曝露は必然。地球規模のパンデミックに人々は何を思うのか。ここでは逝く者と残される者の静謐な別れが連作形式で描かれていく。別れの痛みを少しでも和らげるための文化がうまれ、それを社会資源とも言えるほどに受容している姿には、我らの未来が重なって見える。全てのエピソードで感情を揺さぶられるが、感染した子どもたちを最期に楽しませる遊園地を模した施設での物語は、この先なにかにつけて思い出すだろう。美しい1冊だった。
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ちゑ
ネタバレ月イチ水滸7。「男は、決して倒れたりはしないのだ」と言いながら、宋江殿のために、志のために、と漢たちが次々に命を散らしていくのがつらい。私のせいで皆が死ぬ…と自責の念に駆られる宋江だけれど、あくまでもマイペースな姿には脱力。いまだに、担がれた神輿が高いんじゃないのという思いが拭えない。それでも、皆にかける言葉がいちいち涙を誘うからよしとする 笑。「豹子頭林冲、見参」は、この字面だけで、もはや只事でない感情が込み上げてくるし、石積みの陶宗旺はいい仕事をするし、時遷は…時遷が…うわぁぁぁ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/19(2194日経過)
記録初日
2019/12/20(2193日経過)
読んだ本
971冊(1日平均0.44冊)
読んだページ
358922ページ(1日平均163ページ)
感想・レビュー
846件(投稿率87.1%)
本棚
19棚
自己紹介

2019年12月から、お世話になっています。
子供の頃、デュマの『モンテ・クリスト伯』を読んで以来、本の虜。沢木耕太郎は若かりし頃の私のバイブル。『高熱隧道』を筆頭に吉村昭はその名を目にするだけで心が震え、山本周五郎は『さぶ』に始まる人生の道標。
自己啓発本とホラーは苦手ですが、なんでもニュートラルに読みたい派。

読メを知る前の5年程の本は、思い出しながらボツボツと登録していますが、それ以前のものは、遠い記憶の中だけに…。

本と映画と音楽好き。老眼鏡のお年頃。よろしくお願いいたします。

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