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2024年8月の読書メーターまとめ

ちゑ
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感想・レビュー
12
ナイス
493ナイス

2024年8月に読んだ本
12

2024年8月のお気に入られ登録
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  • maachan

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ちゑ
ネタバレ監獄行政に苦役懲戒主義をかかげる明治政府。その最たるものである北海道開拓の暗部は吉村昭氏の「赤い人」で知った。そこで描かれた敵意に満ちた看守と囚人の関係がすべてではなく、こんな絆があったかもしれない…と思わせる秀逸なストーリーがいい。国事犯も殺人犯も一緒くたの樺戸集治監。鎖で繋がれた囚人/巽と大二郎、そして彼らを冷ややかに観察し続ける1人の看守。彼らの織りなす人間ドラマに魅せられる。大二郎が隠し持つ石を光にかざしながら何を思っていたのか、夢か、諦念か──。しゃあねえな、で済ますには辛すぎる。
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

ちゑ

暑っ!BOXあずきバーの夏がきた。程よいサイズで、年々甘味が減っている(気がする)ところもお気に入り。何よりかじるたびに歯が欠けそうなスリルを味わい肝をも冷やす優れモノ。7月は銀山銅山エスケンス…思えばどれもが、善哉よきかな。 2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:4815ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1076924/summary/monthly/2024/7

が「ナイス!」と言っています。

2024年8月の感想・レビュー一覧
12

ちゑ
ネタバレ(他の枢軸国は除外だったのか!)WWⅡ下の収監政策として強制収容所生活を強いられた日系人。アキ・イトウの家族もそうだ。一家は、米国への忠誠心と引き換えに出所を許可され、カリフォルニアからシカゴに転住したが───。これは、尊厳を奪われても生きにくさを感じても、その現実を強く噛み砕いて前に進もうとするイトウ家の次女/日系二世アキの物語。ひと足先に出所した憧れの姉が表題の駅で自死したことを受け入れられず、真相を知るべく奔走する彼女をとおして、当時の日系人社会の閉塞感や行き場のない怒りが静かに伝わってくる良作だ。
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ちゑ
ネタバレ南極大陸の地底洞窟には、人類史を大いに揺るがす世界があった──。冒険小説の王道のような上巻を受けての下巻は、お決まりのそこからの大脱出劇。何かと寸足らずだし、ロマンス要素いる?と言いたいところだけれど、古くはハリーハウゼンの特撮映画を見るようでそのB級感が楽しかった。フィクションとはいえ、ここで語るホモサピエンス以外の進化と文明の発達にロマンを感じるし、ゴンドワナ大陸に想いを馳せると現実味をおびてくるからワクワクするね。ジュラシックワールドの中にエンドアがあって、そこにヨーダがいる世界…やっぱりイヤダー!
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ちゑ
ネタバレシグマフォースシリーズに取り掛かる前に、まずはこちらのデビュー作を。軽い気持ちで読み始めたら、子どもの頃〈ムー民〉だった私の血が騒ぎだした笑。南極大陸の地下深くで発見された巨大な洞窟網の中で拾われた遺物。それって明らかにオーパーツ…。政府主導の調査に各方面の専門家が集められ、いざ洞窟へ。王道のワクワク冒険活劇で、あんなことやこんなことがおきるおきる!そこでロマンスかーい!緩急のついた巧みなバランスで飽きないし、頭の中を空っぽにして楽しめるのがいい。さて下巻だよ。
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ちゑ
ネタバレ三日月、シダの葉、鹿のツノ。兜についてるこれらの飾り、重いし邪魔だし戦に必要?絢爛な兜や鎧には着装者の顕示欲も嗅ぎ取れるし、戦の防具として見ると、槍や銃など戦い方の変化に伴う具足の変遷は面白い。真田兵の強さの源は『不死身の具足』にあるのではと考えた徳川家康が、1人の具足師を抱き込んで、具足作りの秘密を探れと真田潜入を命じて始まる物語。人が死なない具足を作りたいという職人たちの矜持や、徳川と真田の間で翻弄される具足師、真田信繁の執念。読みどころ満載の上、これからの具足鑑賞が楽しみになる一冊。面白かった。
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ちゑ
ネタバレドイツ人の父をもつ少年が7歳で孤児となり、引き取られた先は、家政婦として叔母が働くヒトラーの山荘だった。姉妹編である『縞模様のパジャマの少年』と同様に心優しい少年がそこにはいたはずなのに、無垢なキャンバスはヒトラーの色をどんどん吸収していく。成長とともにより高慢に横柄になっていく姿には不快さしかない。権力者のそばにいることで自分が偉くなったと思う勘違い野郎が誕生するこの悪夢!虐げられる側に対する想像力の欠如を、無知だったからと片付けるべきではない。この少年の責任の取り方までを描く本作には救いがあるようだ。
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ちゑ
ネタバレ月イチ水滸9。弱点を突く罠を仕掛けられ、あわや林冲…!白勝や安道全の献身が、共に牢を破った3人の絆の深さを感じる。とりわけ、いつもクールな安道全の突然の嗚咽にヤラレた。こう長編になると泣かせどころもわかるけれど、この不意打ちは卑怯だ 笑。そこかしこで志がどうの替天行道がこうのと言っているが、馳星周氏の解説(←これ最高)に言いたいコトが全部出ててスッキリした。こうなったら北方流/男の美学とやらを最後まで読むしかないじゃないか。華ある者だけでなく、燻銀のような男たちにもますます興が乗ってきた。お次は誰だ。
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ちゑ
ネタバレこれほど痛ましい物語があっていいのか。ただただフィクションであって欲しいと思うばかりだが、悲しいことに歴史を変えることはできず〈ソートー〉も〈シューヨージョ〉も存在した。無垢な少年が見たフェンスの向こう側が、彼の想像とは違っていたのと同様に、我々の想像も追い付いてはいないはず。こうやって本を読むことで真実に少しでも近づきたいと思う気持ちは持ち続けたい。最後の一文が、いつまでも言えることを願う。そして、あえて言うまでもないことになりますように。
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ちゑ
ネタバレたまたま表紙が目に入り、子どもの頃、シートンの『狼王ロボ』の話が好きだったのを思い出した。懐かしい気がして手に取ったけれど、児童書ってストレートに入ってくるからいいな。オレゴンの山で両親たちと群れで暮らしていた若いオオカミが、他の集団に襲われて家族を失う。生き残った彼が過酷な自然の中を旅するロードノベルというシンプルな作りなのに、彼の孤独や他の生き物に対する優しさ、力強さが丁寧に描かれていて面白い。誇り高い彼が空腹に耐えかねて小動物や虫を食べる度に、こんな姿を父さんに見られたら…と恥じいる彼の可愛さよ♪
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ちゑ
ネタバレ鳴り物入り大型新人、朝比奈家のお嬢…女子大生 美桜。キターー!口は最悪、素行は超悪。高倉健かチョウ・ユンファか…なんて口から出てくるって、どんな映画をみてきたかわかるってもんで、美桜が歩けば白鳩も飛びそう。どんどんぶっ放しておくれ──!有道も美桜も柴さんも、程よく見せ場があってバランスのいいスリー・アミーゴスは4編。今作は、柴さんの公安時代の元同僚から、連絡の取れなくなった情報提供者の女性の捜索依頼を受ける『オール・アポロジーズ』が特にいい。枯れた哀愁にグッときた。ああ、面白かった♪
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ちゑ
ネタバレ夜よ、早く明けてくれ。1995年、アラバマ州曇天の田舎町。そこで起きた未解決の連続少女誘拐事件が、町に一層の影を落としている。そしてまた少女が失踪。この少女を探す双子の妹レイン、友人ノアとパーヴ、警察署署長ブラックが、凝然とした真実にたどりつくミステリー。風土や人間関係、宗教観などからくる閉塞感に抗う人々の苦渋に満ちた物語で、心の震えがひしひしと伝わってくるのがいい。晴れ渡らぬ読後には、この町はこのままでいいのか?と思わずにはいられない。信仰と狂信の境界や教義の矛盾について考えてみるが、それもまた暗中。
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ちゑ
ネタバレ監獄行政に苦役懲戒主義をかかげる明治政府。その最たるものである北海道開拓の暗部は吉村昭氏の「赤い人」で知った。そこで描かれた敵意に満ちた看守と囚人の関係がすべてではなく、こんな絆があったかもしれない…と思わせる秀逸なストーリーがいい。国事犯も殺人犯も一緒くたの樺戸集治監。鎖で繋がれた囚人/巽と大二郎、そして彼らを冷ややかに観察し続ける1人の看守。彼らの織りなす人間ドラマに魅せられる。大二郎が隠し持つ石を光にかざしながら何を思っていたのか、夢か、諦念か──。しゃあねえな、で済ますには辛すぎる。
が「ナイス!」と言っています。
ちゑ
ネタバレ自ら発掘した偉才の無名バンドに寄り添い、音楽業界の荒波に揉まれながらもデビューを目指して奔走する若きA&Rのお仕事小説+ミステリー。社をあげて惚れ込んだ4人組バンドは、正体を明かさないことを条件にデビューを希望。その頑なさに不自然なものを感じつつ、順風満帆にデビュー準備が進んでいく…が!というところ。このバンドの真相がどうのというより、とにかく大変な仕事だなーというのが1番の感想。企画やマーケティング、マネジメントスキルが必要なのはもちろんだけど、対象を慮ることができるコミュ力がモノを言う世界だな。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/12/19(1898日経過)
記録初日
2019/12/20(1897日経過)
読んだ本
899冊(1日平均0.47冊)
読んだページ
332869ページ(1日平均175ページ)
感想・レビュー
774件(投稿率86.1%)
本棚
19棚
自己紹介

2019年12月から、お世話になっています。
子供の頃、デュマの『モンテ・クリスト伯』を読んで以来、本の虜。沢木耕太郎は若かりし頃の私のバイブル。『高熱隧道』を筆頭に吉村昭はその名を目にするだけで心が震え、山本周五郎は『さぶ』に始まる人生の道標。
自己啓発本とホラーは苦手ですが、なんでもニュートラルに読みたい派。

読メを知る前の5年程の本は、思い出しながらボツボツと登録していますが、それ以前のものは、遠い記憶の中だけに…。

本と映画と音楽好き。老眼鏡のお年頃。よろしくお願いいたします。

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