“それは学生時代、彼女が京都へひとり旅をしたときのことだった。出町柳駅から叡山電車に乗って八瀬比叡山口(やせひえいざんぐち)という駅で降りた。ゴールデンウィークが開けたばかりの涼しい頃で、みずみずしい新緑が彼女の肌にひやりと染みこんでくるようだった。”この文の後を自分だったらどう過ごすか過ごしたか、私の「熱帯」を書いてみたい。完結しないのかも。
そう捉えることもできるのか。“友だちって、やっかいだ。これがオトコなら、ウマが合わなかったり嫌いになったりすれば、別れてそれっきりになる。友だちは、そうはいかない。面倒でもなんでも、友だちになったからには、よっぽどのことがない限り付き合い続けていくほかないのだ。”
幸せになりました、まで描かないところが良い。含みを持たせて終わる物語はどこか逃げ腰というか、「ご想像にお任せ…に逃げず描ききれよ!」と思ったりする時があるけれど、この本は物語に適したフィナーレを見せてくれる。あたたかい涙が溢れてくるなあ
恋愛小説は斜に構えてしまう癖があるけれど、これは恋愛小説というよりも夢みがちな男の子のための少女漫画って感じだった。読んでいる時、偏屈でピュアな森見節に思わずニヤついてしまう。
斜に構えがちです。
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恋愛小説は斜に構えてしまう癖があるけれど、これは恋愛小説というよりも夢みがちな男の子のための少女漫画って感じだった。読んでいる時、偏屈でピュアな森見節に思わずニヤついてしまう。