安倍元首相銃撃事件をモチーフにした小説。フィクションとわかって読んでいても怖く、文章が読みやすかったのと、ノンフィクションを読んでいるように感じられる部分もあり、時間を忘れて読みました。

安倍元首相銃撃事件をモチーフにした小説。フィクションとわかって読んでいても怖く、文章が読みやすかったのと、ノンフィクションを読んでいるように感じられる部分もあり、時間を忘れて読みました。

結婚して赤ちゃんもでき、叔母さんの葬儀では親戚たちに予定日を聞かれたりと幸せの日々を過ごしているかおりが、帰り道にお婆さんを撥ねる。助手席で寝ていた夫が「どうしたんだ？」と訊く。携帯が鳴ってというような返事をすると「かおりは警察官の妻なんだから、そのへんの自覚を持たないと」と言われる。かおりは車の外に出るのが怖くなった。生まれてくる赤ちゃんのことを考えた。見知らぬお婆さんのことは考えず車を発車させる。轢き逃げ。刑務所で出産、離婚、子どもと会えない人生。大変な中での人との出会い‥‥。良書でした。