ネタバレきみは『ひとりで生きる』ことが怖くはありませんか？生きるとは、なんて恐ろしいことだろう。先が見えない闇の中に、あらゆるお化けがひそんでいる。仕事、結婚、出産、老い、金。目を塞いでしゃがみ込むしかない。それなら、ぼくと共に生きていきませんか。愛や恋とは別のものに救われることがある。パートナーがいてもいなくても、子供がいてもいなくても、自分の足で立てること。それは自分を守るためでもあり、自分の弱さを誰かに肩代わりさせないこと。自らを生きる権利があるということ。「つきあうなら、自分を綺麗にしてくれる男がいいよ」

ネタバレ胸にひっそりと秘密を抱えながら、みんなスーパーで平然と野菜や魚を選んだり、レジを打ったり、通勤電車に揺られたりしているのだ、とエピローグに。うる波は、事故死した夫の鹿野くんの幽霊と一緒に暮らしている。いろいろあるから、いろいろある人のことが理解できるのだと思う。誰にも語られず、長い時間、密かに心の中にしまわれているもの。それがわずかな過失でこぼれる瞬間がもっとも美しい。

ネタバレ精神科医の著者は患者に生きやすさのヒントを求められるが、その答えはいつも医学の外にあるという。その著者が、自殺希少地域、徳島県旧海部町などに宿泊しての記録。考え方はそれぞれとしても読むうちに心穏やかになれる。対話力の高さ、人を助けることに慣れる、人生は何かあるもんだと考え知識を共有し蓄積して助け合うも強制はしない、綿密に作られたルールは陳腐化するしルールは機動力を下げるから最小限に、困難があったら工夫する、乗り越えられない壁の前で立ち尽くす前にどう工夫するかを先に考える習慣が必要など。

ネタバレ鴻上尚史さんの自伝。住所がタイトルになっていて気になり読み始めた。小学2年生の時に建てた新居浜市上原(うわばら)1丁目3番地の家での話。その家ができるまでは祖父母の家の離れで暮らしたことも。両親共に教師で二人揃って山奥へ異動の辞令が出たことも。そんな日々が過ぎてやがて来る両親の病や見送るまでを読みつつ、私自身も両親のことを想い何とも言えない気持ちになった。次の章は早稲田大学演劇研究会のことなど。最後の章は杉並区、離婚して26年ぶりの独り暮らしとなった鴻上さん、上原の土地は更地となり「売り地」の看板が立つ。

ネタバレきみは『ひとりで生きる』ことが怖くはありませんか？生きるとは、なんて恐ろしいことだろう。先が見えない闇の中に、あらゆるお化けがひそんでいる。仕事、結婚、出産、老い、金。目を塞いでしゃがみ込むしかない。それなら、ぼくと共に生きていきませんか。愛や恋とは別のものに救われることがある。パートナーがいてもいなくても、子供がいてもいなくても、自分の足で立てること。それは自分を守るためでもあり、自分の弱さを誰かに肩代わりさせないこと。自らを生きる権利があるということ。「つきあうなら、自分を綺麗にしてくれる男がいいよ」

ネタバレミリさんのエッセイは心落ち着かない時でもホッとさせてくれて、着地点を見つけてくれる和やかさがある。上京を決め住む所を探すために新幹線に乗ったのがミリさん26歳で、部屋探しに付き合ってくれた友人と不動産屋さんへ。窓からの景色が妙に落ち着くと決めた部屋。契約の時、おばさん(不動産屋の奥さん)は言った。「うちの人はダメって言ったんだけど、あなた、一緒にいるお友だちの感じもよかったから大丈夫って思ったのよ」。この奥さんは後にも出てくる。東京で最初に私を信用してくれた人、と。初めてのひとり暮らしを思い出しつつ読む。